概要
『ドラゴンクエストⅣ』で初登場。
以後『ドラゴンクエストⅦ』『ドラゴンクエストⅨ』『ドラゴンクエストⅩ』『ドラゴンクエストⅪ』でも登場している。
文字通り馬が残した排泄物である、と思われるのだが、どういうわけだか樽などに入っている場合もあるため何の目的で樽に入れたのか不明である(「肥溜め用」という可能性もあるが)。
また、公式ガイドブックによると「乾燥している」ブツらしく、主人公の馬車の馬が落とした糞、というわけでもないようである。
『ドラゴンクエストⅣ』では、『ドラゴンクエストⅢ』の商人の能力を引き継いだキャラであるトルネコにアイテムを鑑定させることができ、専用のセリフを聞くことができる。しかも、その際のセリフがオリジナルのファミリーコンピュータ版とリメイク版では異なっている。
道具として使うとなぜかキャラクターがうまのふんを思いっきり握りしめてその行いを後悔する、というのはどの作品でも共通である。
また、何故か「1ゴールドで売れる」というのも共通。堆肥にでもしているのだろうか?(ちなみにDQ4の第3章のネネさんは『3ゴールド以上で売ってみせる』と言っていた。)
しかし、売値が安すぎるためわざわざ操作して売りさばくのも馬鹿らしく、ふくろのある作品ではそのまま文字通りに袋の肥やしとなっていることが多い。汚え。
『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』ではわかりやすい下ネタとして、「うまのふん」ネタは鉄板ネタのひとつとなっていた(とりわけすずや那智氏の作品が有名)。
…というよりもそもそも、普段どのようにして持っているのか謎が多い。
まさか袋に直に入れて、一緒に入れてあるやくそうを食べる、なんてことはない…と信じたい。
『ドラゴンクエストⅣ』と『ドラゴンクエストⅦ』では使い道が一切不明であったが、『ドラゴンクエストⅨ』ではクエストで集めたり、錬金の素材として用いることができるようになった。
…とはいえ、利用するクエストは1種類であり、錬金の素材としても「うまのふん」が必要なのは1種類である。
『ドラゴンクエストⅩ』でも伝統の無用アイテムとして登場していたが、自宅に畑が実装されてから変わった、この畑で花(武器や防具をカラーチェンジさせるアイテム)や野菜(各ステータスやもらえる経験値を上昇させる料理アイテムを作る素材)などを育てることが出来るのだが肥料としてうまのふん(または、うしのふん)が必要となる、そのために実装当初はバザーで1個数百ゴールドで取引されるなど急激な高騰をした、これによりドロップするモンスターを狙った「うまのふん狩り」が横行した。(さすがに現在では落ち着いてはいるが、それなりの値段で取引されている)
また、『ファイナルファンタジー11』とのコラボイベント「シャントット博士来たる」では事故によりアストルティアにやってきたシャントットがヴァナ・ディールにないうまのふんに魔法の素材としての価値を見出し、帰還時に大量に持ち帰ったらしい。
『ドラゴンクエストⅪ』でもふしぎな鍛冶用の素材アイテムとして分類はされているものの、コレが必要となる鍛冶のレシピはひとつも存在しないため、役立たずアイテムに逆戻りしてしまった。
ただ、イベントアイテムとしてはなかなか印象的な使われ方をしており、世界崩壊後にプチャラオ村の人々を救うためのイベントにて、人質を解放する条件として「一番大切な宝」を要求してきたフールフールに対し、交渉に応じたシルビアが「アタシの一番大切な宝物」としてコレを敵に握らせるという痛烈すぎる意趣返しを敢行。
この暴挙(快挙?)にフールフールは大激怒したが、傍で成り行きを見守っていた主人公はもちろん、堅物のグレイグもさすがにコレには大笑いしていた(ニンテンドー3DS版のみ。PlayStation4版では皆で笑ってコケにしない代わり(?)に、シルビアが尻を振って挑発する)。
アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(2020年版)でも登場しており、ベンガーナ王国のデパートで黄金に輝く超最高級のうまのふんが展示されている。
類似品(?)
- うしのふん
「うまのふん」と同じようなアイテムに「うしのふん」というのが存在するが、「うしのふん」が「進化の秘石」を作る上で必要なアイテムが作れる、というのに比べると若干後塵を拝している気はする。
最も有効な活用法、といえばクエスト「もやせよ炎よ」で焚火に放り込むくらいだろうか。
そもそも、見た目も用途も同じようなアイテムをわざわざ2種類も増やす必要がどこに…?
初登場の『ドラゴンクエストⅧ』ではヒロインのミーティア姫が呪いで馬に変えられているのでそれに対する配慮だろうか。
- ドラゴンのふん
「うしのふん」と同じ作品でデビュー。読んで字のごとくドラゴンの糞。
チーズ系アイテムの最上位である「超辛チーズ」、「かがやくチーズ」を錬成するための触媒となる。
宝箱やモンスターのドロップからしか入手方法が無いレアアイテムだが、クリア後に行くことのできる竜神族の里の道具屋では100Gという安価で売られている。この店では他にも「せいじゃのはい」、「あくまのしっぽ」、「ごくじょうのカビ」といった希少なアイテムを3桁の値段で取り扱っている。しかし遺灰、悪魔の尾、カビ、糞が並べられた店を想像すると何とも不気味な光景である。
糞の中には所々に未消化の小動物の骨らしきものが見えるのがワイルドさを感じさせる。
また、火を吐くモンスターの排泄物だからなのか高温を放っているようで、道具欄でこれを選び「つかう」と火傷してしまう(文章上の出来事であり実際のHPは減少しない)。
余談
ドラゴンクエストシリーズにおいてはちょっとした笑いをもたらすためのジョークアイテムだが、現実社会では牧畜文化のある地域では、馬や牛などの糞は肥料や建築資材など他様々に利用されている資源の一種である。
インドなど牛を神聖視する南アジアでは不浄なものとして扱われてはおらず、牛糞を円盤状に成型して乾燥させ燃料にしている。女性の仕事として行われ、空き地を埋め尽くすほどの量のこねて丸められた牛糞が青空の下に並べられた光景が21世紀でも見られる。
インド思想の経典であるヴェーダでは牛の乳だけでなく糞や尿も神聖なものとして定められており、うしのふんで物や体を清めるという発想があったりあのシヴァ神も儀礼において牛糞をお供えされている。
そう考えると、よくわからないところのうまのふんやうしのふんにも味わいが出てくる……かもしれない。