概要
『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』並びにトルネコの大冒険 不思議なダンジョンシリーズに登場するキャラクター。
そのほかにもいくつかのゲームでゲスト出演する(後述)。
本職は武器屋。低い背丈、恰幅の良い体型、大きな髭という個性的で愛嬌溢れた容姿を持つ。
北米版では、当初は「Taloon(タルーン)」という名前に変えられていたが、後に『トルネコの大冒険2』がローカライズされた際に日本版と同様の「Torneko(ネイティブ発音だとトーニコに近い)」に統一され、さらに『ドラゴンクエストⅧ』やニンテンドーDS版『ドラゴンクエストⅣ』だと2つの名前を組み合わせた「Torneko Taloon(トルネコ・タルーン)」がフルネームだということになっている。
あくまであっちの設定だが、これを受けて日本のファンの間でも「タルーンがトルネコ一家の苗字」と捉えられることもある。
「トルネコ(torneko)」と息子の「ポポロ(popolo)」はイタリア語系の名前である。
おもな登場作品
プレイヤーキャラとして
- ドラゴンクエストⅣ
- トルネコの大冒険 不思議のダンジョン
- ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン
- ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン
- ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン…ヤンガスの指導者という形式で登場。
- ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり
- ドラゴンクエストライバルズ
ゲストキャラとして
ドラゴンクエストⅣ本編
第3章の「武器屋トルネコ」で初めて登場する。ボンモールという国の北方にあるレイクナバという小さな町で武器屋の店員として働いていたが、世界一の武器商人を夢見て旅に出る。
一人称は「わたし」「私」。
第3章では、キツネに騙されて女に入れあげていた建築家のドン・ガアデを現実に引き戻したり(この結果、ボンモールと隣国エンドールとの間の橋が修復され、ボンモール王国の軍隊がエンドールに攻め入ることが可能になった)、ボンモールの王子リックとエンドールの姫モニカとの結婚の橋渡し役になったり(この結果両国間の戦争は行われないことになった)、エンドールと東の国ブランカとを結ぶ海底トンネルの開通に私財をなげうったりと、いち商人とは思えないほどの国際関係に介入した活躍ぶりを見せる。
やがてエンドールに念願の自分の店を構えるも、それを妻のネネに任せて、トルネコ自身は東の国へと旅に出るのであった。
第5章で再度登場するのは、港町コナンベリーの近くにある大灯台でのことである。船を建造している途中で【灯台に魔物が巣くっている】ことを知り、最初は『何?魔物が灯台に巣食っていて、船が出せない? なら、私が退治してきますよ!!』と大灯台に乗り込んだ。が、思ったよりも魔物が強く難航していた。
そこで、大灯台に巣食う魔物を退治するためにとやってきた勇者一行に魔物退治を押しつk…もとい任せて、自分はコナンベリーの町に戻るのである。
というのも、トルネコは【魔物達の間でも有名になってしまった】うえ【コナンベリーで自分の船を建造中であった】ことが理由である(さすがに、全財産をつぎ込んだ船を壊されるなど話にならないのは当然である)。
灯台の魔物が退治されると、一行はこのトルネコの船で大海へと乗り出すことになる。
ただ、この時の言動はミネアの気に障ったようで、後に彼女からは「姉さん同様に常識のない人」呼ばわりされてしまっている。
戦闘時は商人呼び、駄洒落、指回しなどの多彩な行動で敵を攻撃・牽制する。呪文は使えない。
商人専用の武具(「せいぎのそろばん」、「てつのまえかけ」)を装備できる。
また、武器や道具の知識も豊富で、フィールドで「みる/みせる」のコマンドでアイテムを鑑定してもらうことが出来る。このときはトルネコは、装備できるキャラだけでなく、売値や解説、彼自身の感想など、饒舌になり豊富な知識を最大限に駆使してくれるので、どんどん「みせる」コマンドを使ってあげよう(「ピンクのレオタード」などでは面白いコメントを残してくれる)。
攻撃力としては、勇者やライアン、アリーナといった生え抜きの戦闘家には及ばないものの、この3人に次ぐ高い攻撃力を有し、一般人としてはかなり強力だといえよう。武器をきちんと調達すれば、アリーナ以上の攻撃のかなめになってくれることもある。
問題は武器商人なのに装備できる武器にあまり恵まれていないこと。第5章になると、破邪の剣(攻撃力+45)の次が奇跡の剣(攻撃力+100)なので、つなぎの武器が一切存在せず、奇跡の剣を与えてやらないと攻撃力が他のメンバーと比べて置いていかれてしまう。ここに気づいてマネジメントしてあげれば、攻撃もできて技巧のエキスパートともなり、パーティを十分支え続けてくれるだろう。
リメイク版では移動中に使える特技4つを覚える。
「しのびあし」「タカのめ」「たからのにおい」(「とうぞくのはな」と同じ効果)「くちぶえ」のいずれも無料、消費MP無しで使用できるのでどんどん駆使しよう。
家族
妻のネネと息子のポポロがいる。以降の「トルネコの大冒険」シリーズでもこの3人家族の設定は変わらないままであり、ポポロに弟妹ができたりということはない。
物凄い愛妻家であり、後述の『ドラゴンクエストⅧ』ではその凄まじさが分かる。
Ⅳ本編でも移民の町が女性で一杯のレディースタウンになっても「やっぱりうちのネネが一番の美人ですがな!」である。ライアンもブライも浮かれ上がっているのに。
トルネコの特殊行動
トルネコのキャラクターを特徴づける行動パターンとして、多様な特殊行動が挙げられる。『ドラゴンクエストⅢ』の遊び人の位置づけを引き継いだものとも言われる。
『ドラゴンクエストⅣ』のパーティ参加キャラクター(NPC含む)で呪文を使えないものには、トルネコのほかにライアン、アリーナ、スコット、オーリン、ホフマン、パノン、ドランがいるが、多様な特殊行動を履行できるのはトルネコだけである。彼の特権ともいえよう。
トルネコの戦闘時の行動は以下のとおり。
- 通常攻撃:ほかのキャラクターと同様に、持っている武器で攻撃する。4回に3回はこの行動パターンである。
- 商人呼び:旅の商人の大軍勢を呼び、複数回攻撃する。かなり強力なダメージを与える。『ドラゴンクエストⅥ』以降の「ぐんたいよび」「おっさんよび」「バックダンサーよび」に引き継がれている。
- ダジャレ:戦闘中につまらないダジャレを言い、モンスターたちを笑い転げさせる。一ターン休みの効果がある。4コマではかなりの頻度でネタに挙げられており、ある意味トルネコの看板ともなっている。
- 子守歌:戦闘中に歌い、モンスターを眠らせる。
- 足払い:モンスターに足払いをかけ転ばせる。1ターン休みの効果がある。足がないモンスターや宙に浮いているモンスターにもなぜだか効果がある。
- つまずいて転ぶ:文字通りつまずいて転ぶ。その拍子に持っている武器が敵に当たり、「かいしんのいちげき」を食らわせる。ちなみに素手の状態であっても生じる。
- ふしぎなおどり:モンスターのMPを減らす。
- 指回し:指をくるくる回してモンスターの目を回させる。メダパニの効果をもつ。
- 敵をなだめる:「まあまあ」とモンスターをなだめる。この結果として、モンスターたちが素直に帰り戦闘が終了する場合と、ますますいきり立つ場合の2パターンがある。前者は経験値は入らないがゴールドの入手は可能であり、後者は通常どおりのバトルが続行する。
- ぼーっと見ている:ただぼーっと様子を見ているだけで何もしない。プレイヤーをいちばんいきり立たせる行動の一つかもしれない。
- 力をためる:次のターンの攻撃に備えて力をためる。実質1ターン休みのようなものである『もちろん次のターンで攻撃するとそれだけ高いダメージを与えることができるが)。
- 宝箱を奪う:相手のすきを見て、モンスターから宝箱を奪う。中身は(当然ながら)そのモンスターのドロップアイテムと同じである。
- 大声をあげる:いきなり大声をあげてモンスターたちを立ち竦ませる。1ターン休みの効果。
- 口塞ぎ:呪文を唱えようとするモンスターの口をとっさに塞ぐ。この結果モンスターは呪文が唱えられなくなり、実質1回休みと同じになる。なお1ターン内に複数回の口塞ぎが可能である。
- 仲間をかばう:HPが低下している仲間が攻撃されそうになったときにとっさにかばい、身代わりとしてトルネコ自身が攻撃を受ける。
※「宝箱を奪う」は、リメイク版によって頻度に差があることで知られる。とくにPlayStation版ではお話にならないほど発生率が低い。
※「口塞ぎ」「仲間をかばう」を行ったターンでは、トルネコはそのターン内に彼自身の行動をとることが可能である。
プレイステーション版で明かされた設定
両親を流行り病で亡くしている。酒はあまり飲まない方。
子供の頃は船乗りに憧れた。ミネア曰く「常識が無い」。
ネコよりもイヌのほうが好きで、飼いたいと思っている。
4コママンガ劇場での扱い
かなりの頻度で酷い、これに尽きる。
例としては気球から落とされたり、ラスボスとの戦いが終わるまで馬車に入れられっぱなしなど。
更にはガーデンブルグで牢屋要員にされたりなどのネタも定番となり、リメイク版では本当に投獄の第一候補にされてしまっている。
その他の作品での活動・出演
ナンバリングタイトル
- ドラゴンクエストⅥ
デスコッド(いわゆる裏ダンジョンにある村)に出現する。ただし、スーパーファミコン版での見た目はモブの商人と同じである。
ニンテンドーDS版では「近い未来の夢」を選んだ時に他の『ドラゴンクエストⅣ』のパーティーメンバーと共に出現。台詞も一新されている。
- ドラゴンクエストⅧ
モンスターバトルロードのSランク1回戦の対戦相手として登場。チームはおどる宝石、キングミミック、ミミックで構成された「アイラブネネさんズ」。
この凄まじい愛妻家っぷりには流石のモリーも驚いたであろう。
トルネコの大冒険シリーズ
プレイヤーキャラとして登場する。『ドラゴンクエストⅣ』のような多彩な行動は取らない。また、ドラゴンクエストシリーズのナンバリングタイトルの主人公一般と同様、セリフを持たない。
『ドラゴンクエストⅣ』での装備可能武器の少なさはどこへやら、多彩な武器防具を装備できるようになった。
また、商人であるが故に、同じくチュンソフト開発の「風来のシレン」シリーズではおなじみの攻撃手段「お金投げ」がそのままでは出来ないというユニークな設定も。
ネネのデザインが一新され、トルネコと同世代の婦人から若い美人の奥さんに大変身を遂げた。
息子の名前が「ポポロ」と設定されたのもこの作品が初であり、それまで『ドラゴンクエストⅣ』本編では名前が無く、ゲームブック版では「ニッフル」、小説版では「リトル」という異なる名前になっていた。
『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』では邪悪な箱を封じて最初のエンディングを迎える際、家族よりも先にクライアントである王様に報告に向かうという商人としてのプロ意識が垣間見られる。
月刊少年ギャグ王では『ドラゴンクエストⅣ』での冒険を終えてから「トルネコの大冒険」冒頭で不思議のダンジョンにたどり着くまでの間を描いた前日譚『トルネコ一家の冒険記』が連載された。
いただきストリート
SPECIALから出演。サイコロを振って店で買い物をする、オリジナルにおけるマハラジャ役で登場。DSではおどるほうせきにその座を譲ったが、30thで復帰。
ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン
ゲスト出演。
ダンジョンに無断侵入した罪で投獄されていた。ゲルダの手によって脱獄した後、チュートリアルの説明担当となり操作を教えてくれる。その後はアイテム買い取りとゴールド銀行を担当するようになる。
どうやら『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン』以降の時系列という設定の様子。
ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ
レジェンドヒーローとして参戦。
ステータスは平凡だが、商人のレベルが高いと数千ものダメージを与えられる。しかしバトル後は商人の経験値を大量に失ってしまう。
とどめの一撃で『正義のソロバン』や『伝説の商人』をスキャンすると馬車から転げるようにして登場。バロンの笛を吹く事で(モブやトロデ、そして本ゲームの審判を含めた)歴代のおっさんを呼び出して敵に突撃する。トロデが出てくる事からもわかるように、元々ヤンガスの固有特技『おっさん呼び』だった。
ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり
プレイアブルキャラクターとして参戦する。
グリーネ草原にてごろつきの群れに襲われているところで、ゼビオンに向かっていたラゼル達に助けを求めてくる。
歴代のキャラクターとしては最初に仲間になるキャラクターで、「落とし穴に落ちたら魔物だらけの部屋だった」、「ももんじゃに何度か蹴飛ばされた」、「敵に囲まれたら落ち着いて持ち物を確認する」、「牢屋に囚われるのは慣れたもの」など原作に準じた発言も多い。
装備武器はそろばんで、特技として「はかいのてっきゅう」や「クロスボウ」、「けんじゃのいし」や「せいすい」などの武器や道具を駆使して戦う。
スーパーハイテンションで発動出来る必殺技は『あらくれ呼び』。トルネコがラッパを吹き鳴らすとどこからともなくあらくれ達の集団が現れ、合図と共に敵に向かって突進する。よく見ると集まってきたあらくれ達に混じって武器屋の主人やホミロンもいる。
ドラゴンクエストライバルズ
プレイヤーキャラクターの1人として参戦。
「商人」という職業に属しており、味方ユニットのバフ戦術が得意である。
余談
本編である『ドラゴンクエストⅣ』の第5章ではムラの強い特殊行動や装備・ステータスの弱さから使いづらいとされるトルネコだが、彼の一番の活躍どころはむしろ自身が主役の第3章だろう。
モンスターからランダムで武器防具がドロップされる独自設定やボンモールを利用した転売で金を稼ぎやすく、第5章では彼自身比較的早期に加入するため、第5章の下準備に最適。
特に、レイクナバの武器屋の修行中に稀に持ち込まれる「破邪の剣」を買い取った後にそのままにしておけば後にトルネコが客として来店した際に購入できるので、自身や勇者の強化に資金源にと非常に重宝する。
お金は引き継げないがアイテムは引き継げるという点を利用し、慣れたプレイヤーは防具も全部処分して限界まで破邪の剣を詰め込むとか…
もしくはエンドールのカジノでコインを買い込むのもいいだろう(1枚200Gと高額だが)。
結局、戦闘力としては活躍していないが…商人である彼の活躍の場としては妥当かもしれない。
ちなみに、第3章は『打倒すべきボスキャラ』も『踏破すべきダンジョン』は存在しない代わりに、資金を捻出してトンネルを開通させて大陸間移動を可能にする事が目標となる。
それゆえに「鉄の金庫」も「銀の女神像」を入手せずともクリアが可能である。
特に入手した鉄の金庫は第3章内では手放す手段がほぼなく、そのくせ持ったまま進めると第5章で消滅するため、限界まで破邪の剣を詰め込みたいプレイヤーは注意が必要。
また、該当のダンジョンに第5章でやってきても入手できるので、第5章でアイテムコンプリートを目指すプレイヤーは覚えておこう。
尚、第5章で入手した場合は壊れており、ゴールドを守る効果は残念ながら失われている。
担当声優・俳優
声優
俳優
- 芋洗坂係長:舞台『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』
- 我善導:舞台『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』(さいたま公演後半&福岡公演)
関連イラスト
関連タグ
勇者(DQ4) ライアン アリーナ クリフト ブライ マーニャ ミネア
シルビア:ドラゴンクエストⅪに登場する仲間キャラクター。主人公たちに自らが所有する船を提供してくれる上に自らも戦力として加入する、パーティーでは数少ない社会での成功者という点が共通している。
ルドマン:ドラゴンクエストⅤに登場する主人公達に自分が所有する船を提供してくれる恰幅のいい男性の大富豪。こちらは自らは加入しないが選択次第では娘姉妹のどちらかが加入する。
デューク…同じ中の人、似たような体型の商人キャラ。