概要
ドラゴンクエストシリーズやその関連作品を題材とした4コマ漫画アンソロジー。往年のエニックス(現スクウェア・エニックス)が刊行していた。
1990年に初めて単行本形式で登場。
読者からの投稿作品もあり、この中からは現在も活躍する多くのプロ作家も生まれている。
また、エニックスにとっては本格的な出版業としての原点であり、翌年の『月刊少年ガンガン』や『月刊少年ギャグ王』出版などのきっかけを作ったとも言え(『4コママンガ劇場』本編でも「ガンガン編」や「ギャグ王編」が登場した)、現在も多数出版されているゲーム漫画アンソロジーの先駆けとも言える存在である。
劇場というタイトルに沿って、作家のコメントページは楽屋裏と呼称。
末期以外は比較的公式絵に近い美しいカバーイラストが表裏の2コマ漫画状態で描かれていた。
読者投稿の規約及びQ&Aから推察するに、勇者のイメージを壊すネタ、出血多量及びモンスターを食べるネタと世界観に反したメタフィクション系、ネタバレに当たる謎解きの解答とラスボスの存在を示すネタは禁止されていたようである(ただし、最初期の巻にはモンスター食ネタや、名前だけゾーマが登場し「名前的に『ゾウ+ウマ』みたいなやつでは?」とボケるネタが存在する。またデスピサロもシルエットや後ろ姿で登場した)。
デフォルトネームの存在しない主人公たちについては原則名前を当てずに「勇者」「王子」などの肩書で呼ばれていた。『ドラゴンクエストⅤ』の主人公のような肩書が一定しないケースについては、キャラクターによって呼び方を変えるよう促された例もある(パパスなら『息子』、サンチョなら『坊ちゃん』といった具合)。
派生作品として、4コマに限らず1ページ丸ままネタを描くシリーズの1Pコミックや、読者投稿ネタのみで構成された巻も存在しており、これら含めて生み出されたネタは後に出てくるリメイク作品に逆輸入されたりもするなど、多大な影響を与えたのは言うまでもないだろう。
ファンに良く知られている「アリーナに片思いするクリフト」、「酒飲みでギャンブル狂のマーニャ」などの各種設定は、本作中でネタになったものが逆輸入されたものである(一応原作でもそれらしい側面を匂わせるテキストや演出がわずかに存在するが、それを受けて本作で掘り下げられたものがリメイク版に持ち込まれたことで、より濃いキャラクター描写につながった)。
pixivでは、公式4コマ作品のキャラクターや場面などを描いた作品も存在するが、大部分は投稿者が自筆で描いた漫画作品である。
ドラゴンクエストを元にした作品
- ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場
全20巻。『ドラゴンクエストⅣ』は2巻、『ドラゴンクエストⅤ』は7巻、『ドラゴンクエストⅥ』は12巻から。
- ドラゴンクエスト 4コママンガ大全集
全7巻。本編は『ドラゴンクエストⅦ』までで、外伝は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』と『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち・イルの冒険』を収録。
- ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場 番外編
全23巻。月刊少年ガンガンのコーナーに投稿されたネタを収録。
- ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場 ガンガン編
全13巻。当時のガンガンの漫画家達が寄稿したドラゴンクエストの4コマを収録。月刊少年ギャグ王版も2巻刊行された。
- ドラゴンクエスト 1Pコミック劇場
全11巻。こちらも当時のガンガンの漫画家達が寄稿したが、1ページ丸々使って1ネタを描いている。
- 作品別4コママンガ劇場
『ドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストⅡ』が単巻で『ドラゴンクエストⅢ』は上下巻。かつ無印のネタの再録。PlayStation版『ドラゴンクエストⅤ』は全3巻、『ドラゴンクエストⅦ』は全8巻、『ドラゴンクエストⅧ』は全3巻かつニンテンドー3DS版発売記念に復刻版が刊行。『ドラゴンクエストⅨ』は単巻、『ドラゴンクエストⅩ』はあべゆうきの単行。
外伝作品は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』が全5巻、『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち・イルの冒険』が全3巻、『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』が単巻。トルネコの大冒険シリーズは『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が全4巻、『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』と『ドラゴンクエスト・キャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン』がそれぞれ2巻で『トルネコの大冒険3』のみプレミアムストーリーズという一話完結モノが刊行。『ドラゴンクエスト あるくんです』は全2巻。
- DQMSL 4コマ劇場(シアター)
『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』のゲーム内で読める4コマ娘とモンスター達のネタ集。
ドラゴンクエスト以外のモチーフ作品
(☆はショートコミック劇場の題材になったゲーム)作品の後のカッコ内の数字は巻数(1巻だけだった場合は未記入、また後に単作で発売されたそれは別カウントとする)。
エニックス
- ワンダープロジェクトJ・ワンダープロジェクトJ2
- スターオーシャン セカンドストーリー(18)・ブルースフィア(5)・till the end of time(5・ディレクターズカット3)、そして総集編と全作品を集めると33巻にもなり、ドラゴンクエストシリーズの次に多い。
- ヴァルキリープロファイル(9)(初代のみ)
- グランディア (グランディアはESP製だが、グランディアエクストリームはエニックス製)
- バストアムーブ
スクウェア(スクウェア・エニックス合併後)
任天堂
- ☆スーパーマリオ(11) 9巻は『ヨッシーアイランド』のみ、11巻は『スーパーマリオ64』及び『マリオカート64』のみ。
- ヨッシーストーリー
- ゲームボーイギャラリー(初代のみ)
- スーパードンキーコング(3)(2巻はGB、3巻は2も加わる)
- ゼルダの伝説シリーズ(8)(基本的に『神々のトライフォース』および『夢を見る島』。後に『時のオカリナ』(2)と『ムジュラの仮面』の単作で発売)
- ☆ファイアーエムブレムシリーズ(6)(1巻はファミコン版『暗黒竜と光の剣』+『ファイアーエムブレム外伝』、2~4巻はスーパーファミコン版の『暗黒竜と光の剣』および『紋章の謎』、5巻は『聖戦の系譜』がほとんどでわずかに『紋章の謎』、6巻は『聖戦の系譜』のみ。その後『トラキア776』の単作(2)で発売)
- MOTHER2(2)
- ☆星のカービィシリーズ(5)(3巻から『スーパーデラックス』が加わる。5巻は『星のカービィ3』のみ。その後『星のカービィ64』(3)『夢の泉デラックス』『鏡の大迷宮』が単作で発売。)
- ポケットモンスター(5)(『赤・緑』のみ。1Pコミックも存在するが、アンソロジーではない)
- スターフォックス64
- モグラ~ニャ
カプコン
ナムコ(バンダイナムコ・バンプレスト)
- 風のクロノア
- テイルズシリーズ(エターニア(6)・デスティニー(3)・デスティニー2(8)・シンフォニア(3)・リバース(3)・レジェンディア(2)・ジアビス・なりきりダンジョン3で27巻を数える。なお4コママンガ劇場と言うレーベルで最後に出されたのはシンフォニア)
- サモンナイト(『サモンナイト3』と『クラフトソード物語』が存在する)
- ゼノサーガ(2)
ソニー・コンピュータ・エンタテインメント
アトラス
日本一ソフトウェア
- 魔界戦記ディスガイア(2)
- ファントム・ブレイブ(2) ファントム・キングダムもある。
その他
- ☆モンスターファーム(10) 6巻から2が加わる。
- Toheart(7) 2(2)も存在する。
- こみっくパーティー(4)
- AIR(2)
- エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド(3)と綾波育成計画(2)。
- Kanon(3)
- CLANNAD
- F~ファナティック~
- 悠久幻想曲3
コンシューマーゲームじゃない
雑誌でのみ掲載
代表的な出身漫画家
他
関連タグ
表記ゆれ・略称
ドラゴンクエスト4コママンガ劇場…略称でない表記。
ドラクエ4コマ…これを指すこともあるが、Pixiv内に投稿されているドラゴンクエストシリーズを題材にした4コマ漫画に使用されていることもある。