概要
『ドラゴンクエスト 天空物語』とは、幸宮チノが作者のマンガシリーズ。
『ドラゴンクエストⅤ』に登場する双子の兄妹・テンとソラを主人公に据えている。
世界観は『ドラゴンクエストⅤ』のものを踏襲しているが、脇役キャラクターや地理などにオリジナル要素を多く投入している。
ゲーム内では詳しく語られなかった、ゲーム版主人公がいない空白の8年間を、双子の子供達に焦点をあてて語られている。
なお、リメイク版が発売される前に連載されていたため、追加要素は反映されていない。
ストーリーは序盤こそシュールなギャグが多めだが、後半になるにつれてシリアスになっていく。
原作と同じく人間の醜さとそこに付け込む魔物を題材としているが、どちらかと言えば悪意のある大人たちに翻弄されながらも清く正しい心で立ち向かう双子という感じである。
例えばテンとソラは、自分たちを助けてくれた凄腕の剣士コウ(オリジナルキャラクター)と交流を深め、コウからは亡き息子の影をテンに重ねられるのだが……次の話では双子を売り飛ばそうとするならず者たちが束になって襲い掛かって来る。
このように「子供を守り助ける優しい大人」もいれば「子供を欲望のための手段として利用する大人」もいる。
コミカルな作風と作画で誤魔化されがちだが、大人たちの醜い所業はなかなかのものである。
紫の蜂一味のように悪役から改心した者たちもいれば、最後の敵であるヤグナー、シャクバ、エンプルのように最後まで改心せずに悪のまま退場した者たちも少なくない。
ドラゴンクエストシリーズのファンからは隠れた名作的な扱いを受けており、メディア展開などはされていない作品だが知名度と人気はそこそこ高めであり一見の価値はあるだろう。
関連タグ
ドラゴンクエストⅪ:本作のオマージュが見受けられる。