概要
元は『ドラゴンクエストⅣ』に登場する、生物の身体能力を著しく進化させる邪悪な魔術(?)の名称。シリーズに登場するボスモンスターの幾つかは、この「進化の秘法」で強力なパワーを得た存在とされる。
この邪術によって進化した者は既存の生物とはもはや別の存在になるとされ、ドラゴンクエストモンスターズシリーズでは「バルザック」や「エスターク」、「デスピサロ」等は、一時期「うごくせきぞう」や「キラーマシン」などが在籍する物質系にカテゴライズされていたことがある。
異質の怪物と化したために生物的な分類では判別できない存在になってしまったということか。
太古の昔にエスタークはこの秘法により大幅な進化を遂げ、強大な力を手に天空の神マスタードラゴンや天空人たちに戦いを挑んだ。このときエスタークは封印され、秘法の研究は闇に葬られたが、偶然にも錬金術師エドガンが秘法を再発見したことで、弟子のバルザックの裏切りもあり再び魔族の手に渡ることとなる。
秘法には若き乙女の魂が必要とされており、完全なものとするにはさらに黄金の腕輪で暗黒の力を増幅させる必要がある。『ドラゴンクエストⅩ』では材料として乙女のたましいという宝石について語られるが、あまりその正体については考えない方が良さそうだ…。
キングレオ周辺より集めた若い女性を犠牲に秘法の研究を続けたことで、魔族は人間のバルザックを実験台とした一定の成果に成功しており、これがおにこんぼうなど超獣属と呼ばれるドラゴンのように固い皮膚や力を持つ邪術の産物を生み出すこととなった。
またロザリーヒルの犬や猫たちは進化の秘法の実験の結果、言葉を喋れるようになったらしい。
転じてPixivでは、元ネタから著しく乖離したパワーアップを遂げたキャラクターの絵に散見されるタグ。
漫画『ドラゴンクエストモンスターズ+』では邪配合(※)とは言われる技術が進化の秘法と共通点があると言われたり、漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の超魔生物等がデメリットこそあるもののより強大な存在にする研究として登場するなどメディアミックス作品にも影響を与えてる。
※:「邪配合」は親同士の交配によって子を成す「配合」によって生まれてくるモンスターを「親同士を融合させることで作り出す」技術であり、親同士は生存している中新しい命を生み出す「配合」と比べて育成の手間を必要とせずに強い命を生み出すという技術である。「融合」と「進化」ということで、まるで進化の秘法とは全くの別物のようにも見えるが、邪配合には「ベース」という概念があり、これは「配合」で親のどちらをベースにするかで生まれる子供が変わるのと同じことを指すと思われるが、『「ベース」となる魔物に別の命を融合させて新たな存在になる』というこの邪配合のシステムは「進化の秘法には若き乙女の魂が必要とされている=若き乙女の魂を材料として用いて行う秘法で対象の進化を促す」という点に類似性を見出すこともできなくはない。
『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』ではエビルプリーストの配下のあくましんかんのアグルカがその研究を行っていたらしい。作中ではホイミンがこの力で人間になった。
余談
ピサロはこの秘法を使うことで精神が汚染され正気を失ってしまい、エスタークもまた秘法による影響で記憶を失っているものと考えられる。
しかし、エビルプリーストやミルドラース、魔界神マデュラーシャは秘法を使用してもなお正気を保っており、記憶の混濁も見られないなど設定のブレが見られた。
この件に関しては『ドラゴンクエストⅩ』のVer.6に実装されたコインボスの「究極エビルプリースト」の豆知識において、「秘法を使用する際に一度肉体と精神を切り離し、肉体の進化が完了してから精神を再憑依させた」という説明がなされている。
ちなみに、『ドラゴンクエストⅨ』ではデスピサロのまめちしきで「進化の秘宝」と誤植されてしまっている。