シンシア(DQ4)
しんしあ
『ドラゴンクエストⅣ』における主人公の仲の良い幼馴染として登場する女性。
第5章の冒頭にて、主人公を匿いまた勇者として育てる為の村がピサロ率いる魔族軍によって襲撃された際、主人公を地下室に隠し村人らと共にピサロの軍勢に挑む。しかし圧倒的な戦力差に村は壊滅、シンシアは「モシャス」の魔法で主人公の姿に化け、主人公の身代わりとなる形で死亡してしまう。
主人公を女にすると、主人公を実の妹のように思っていた設定が追加される。
ピサロの軍勢が村を壊滅させて去った後、毒の沼と化したかつての花畑(シンシアが寝転がっていた場所)を調べると、彼女のものと思われる「はねぼうし」を拾うことが出来る(ただし、主人公は装備することが出来ない為、売られてしまうこともある。シンシアの形見のアイテムとあって、使うことはなくても最後まで持っている人もいるとか)。
エンディングではもはや誰一人いない村に一人で帰ってきた勇者の目の前に再び現れ、再会したふたりが抱き合い、そこへ仲間達が現れる事でエンドロールとなる。この再会の描写については諸説あり、「実際に生き返った(マスタードラゴンが生き返らせた)」、「主人公が思い描いた幻想」など、ファンの間でも意見が分かれている。
ただ、故郷や身寄りの人間達全てを失った事で、元凶であるデスピサロを倒し世界を救っても、共に過ごした仲間達と別れる事になり、もはや殆ど行く宛てはおろか生きる意味さえも失い孤独になってしまった勇者の立場を考えれば、流石にマスタードラゴンが不憫に想い、せめてもの「生きる希望」としてシンシアを生き返らせたとしても十分納得がいく為、ファンの多くからは前者の説である事を望んでいる者が多い。
- なお、これに対して「堀井雄二がインタビューで幻だと認めた」と反論する者もいるが、実際にそのようなインタビューは無く、ファミ通のコラム(浜村通信)で「もしかしたらあれは幻なのかも」といったものが掲載されていたことは確認されており、これを「堀井雄二の発言」と誤解されたようである。
ゲームブック版では前者の説がとられている。
小説版では曖昧な描写にされており、さらに襲撃の際に「勇者の隠れ場所を探そうとするピサロを、モンスターが何故か幻覚を見せて阻止する」というシーンもあるため、生き延びているのではとも取れる形になっている。
もし、『ドラゴンクエストⅣ』の「天空の勇者」が男だとすると、ビアンカやフローラ、デボラの3人は、勇者とシンシアの間に生まれた子の子孫という可能性も、否定できない。
キャラクターグラフィックはエルフと同じものが使用されており、メディアミックス作品でも普通の人間ではない存在と扱われていることが多い為、Pixivにおいてもエルフとして描かれているものが多い。
また、男勇者とのカップリングイラストには「勇シン」のタグが用いられている。
髪の毛の色はファミリーコンピュータ版では緑色で、PlayStation版以降はピンク。ロザリーに似ているが細部が異なる。
ファミリーコンピュータ版のガイドブック下巻には彼女のイラストも掲載されており、外見は、「肩ぐらいまでの金髪でカチューシャを付けた、ごく普通の人間の少女」というものである。小説版でも人間ではないと思われる描写があるが、髪色は金髪でゲーム中のグラフィックとは異なっている。
『CDシアター ドラゴンクエストⅣ』では金髪に尖り耳といった姿で明確にエルフとして描写されており、ロザリーと瓜二つな容姿をしていることに加えて、彼女同様ルビーの涙を流すシーンがある。また、勇者が小さい頃から容姿が変わっていないという長命なエルフを示唆する描写もある。
なお、主人公である勇者レイに恋愛感情も抱いている模様。
演じる川村万梨阿氏は、後のビアンカを演じていることもあってかは定かではないが上述の「ビアンカは勇者とシンシアの子孫」という設定を匂わせることとなっている。
ちなみに、『ドラゴンクエストⅤ』でフローラのドット絵用のキャラクターデザインを担当したくりからはづき氏は「上司がデザインしたファミリーコンピュータ版『ドラゴンクエストⅣ』のドット絵ではシンシアの耳は尖っておらず、シンシアのデザインに関しては当時から描き手と受け手の認識に大きな食い違いがあり、堀井雄二さんからの詳しいキャラ説明もないため、後年シンシアはエルフ族という設定が定着してしまったが、作中では彼女がエルフ族であるとは一切書かれていない。エルフ族だと多くのユーザーに勘違いさせてしまった要因は当時のグラフィック表現の限界ゆえに頭の羽飾りがエルフのように尖った耳に見えてしまったためである。当時の開発現場のデザインチームでは、シンシアの羽根つき帽子は天空人を意識してのデザインであり、山奥の村は天空人の生き残りが勇者である主人公を邪悪な存在から隠すために作った村であると考えていた。」とツイッターで語っている。
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