「ボク、ホイミン。 人間になるのが、夢なんだ!」
概要
『ドラゴンクエストⅣ』に登場する仲間となるホイミスライムの名前。
モンスターが仲間になるという形は、このホイミンがドラクエの中では初めてであり、以降『ドラゴンクエストⅤ』『ドラゴンクエストⅥ』などのモンスターを仲間にするシステムの先駆けとなったキャラクターでもある。
『ドラゴンクエストⅤ』以降の作品では、ホイミスライムを仲間にするとこの名前が付いていることが多い。
またⅣ以降の様々な作品で「ホイミン」とはホイミスライムの英雄の名前となっている模様。
『ドラゴンクエストⅣ』での登場
NPCキャラクターとして登場。
本来は敵モンスターであるホイミスライムであるが、人間になりたいという願望を持っており、人間と一緒に旅をすれば人間になれるかもと思い、第一章の主人公であるライアンのお供をするようになる。
実はライアンより前にも他のバトランド城の王宮戦士と出会っていたのだが、その彼には断られてしまい同行できなかったらしい。
一章はチュートリアル的な内容も兼ねており、ライアンが出来る事は通常攻撃か道具の使用という非常にシンプルな作りになっているためにホイミンは非常に頼もしい回復役である。
普通に進める範囲では特に仲間にしない理由もなく、一章最終戦はライアン一人だとなかなかきついのでホイミンの力を借りる事になるだろう。
リメイク版
Play Station以降のリメイク版ではフィールド上での「ホイミ」が可能になった他、会話システムにより大幅にセリフが増えており、人懐っこいセリフを連発し多くのプレーヤーを和ませた。
ベホイミンとベホマンと言う友達がいるらしく、夢にはいつも彼らとライアンが出てくると語る。
このベホイミンとベホマンもゲーム中で会う事ができるが、ベホイミンはアル中で食い逃げを働いていたり、ベホマンは新興宗教の教祖?をやっていたり(見返りとして人々を治療しているようだが)とホイミンの良い子さからは想像もつかないキャラをしていたりする。ついでにコーミズのスライムとも古い知り合いとのこと。
共通して5章ではキングレオにて登場。その際には経緯は不明ながら念願叶って人間の姿(グラフィック上は吟遊詩人)となっているが、ライアンが仲間になった後では姿を消しており、会わせることはできない(ゲームブック版ではちゃんと会う事ができるが、「今の自分では足手まといだから」と、誘いを断り何処かへと去って行った)。
人間に憧れたホイミスライムが、如何にして人間になれたのか?
ホイミンが人間になれた理由は本編では一切説明がないものの、補完する短編集が掲載された『ドラゴンクエストⅣ 知られざる伝説』では、この経緯となる以下のようなエピソードが掲載されている。
ライアンと共にバトランドを出発したホイミンだったが、旅の途中で不運にも魔物に殺されてしまい、この世とあの世のはざまをさまよう事になる。
そこで出会った不思議な老人は、ホイミンにキングレオ城で行われた進化の秘法によるむごたらしい人体実験の犠牲者達の亡骸をホイミンに見せる。
老人はその中に紛れていた、恋人の酷い死に様を見てショック死した吟遊詩人の若者の死体を指して損傷のないこの肉体であればホイミンの魂を入れる事が出来ると言う。
老人が言うには、魔物の魂は魔物にしか転生できず、ホイミンがいくら善行を重ねても人間に転生することはできない。つまり、これが人間になれる最初で最後のチャンスだった。
しかし、ホイミンはその提案を断り、老人に自分を蘇らせられるのなら、その力で若者と恋人を救う事を望んだ。それを聞いた老人は笑みを浮かべると、凄まじい雷でホイミンを打つ。
気を失う間際にホイミンが見たのはマスタードラゴンの姿であり、「もし誘いに乗っていれば、未来永劫地獄の業火に苦しむところだった。自分よりも他人を思いやる気持ちを忘れるな」と告げられた。
そして、ホイミンが気がついた時にはコーミズ村の近郊でその吟遊詩人の姿で倒れていた。
小説版『ドラゴンクエストⅣ』及び『CDシアター ドラゴンクエストⅣ』では致命傷を負うタイミングが第一章のラストバトルであるピサロの手先との戦いの時になっており、以後の流れは大体上記と同じである。
老人から永遠の命も与えられており、導かれし者たちの活躍を語り伝える語り部としての使命を帯びた吟遊詩人となっている。
そもそもこの小説版自体がある山村で村人に彼が語り聞かせる導かれし者たちの伝説という体になっており、その後も各地で伝説を語り続けたようだ。
その他の作品での登場
- ドラゴンクエストⅤ
仲間となったホイミスライム一匹目の名前として登場。
二匹目以降は「スラッポ」「ふくちん」「げんきち」。初期Lv4、最大Lv99まで育てられる。
仲間に加わった後も当然「ホイミ」が使用可能で、レベルアップによって「トヘロス」「ベホイミ」「キアリー」「キアリク」「ベホマ」「ベホマラー」「ザオラル」「ベホマズン」を習得。「ザオリク」こそ覚えないが、回復呪文のエキスパートとして活躍できる…と思いきや成長が遅く、最大MPの伸びが悪く、他の能力も全体的に低いうえ状態異常への耐性も弱いので戦闘に参加させると足手まといになりがち。スライムナイトの方が仲間になりやすく、攻撃・回復共に有能なので、強い思い入れがないと実戦で活躍させるのは難しい。
- ドラゴンクエストⅥ
こちらも仲間にできるホイミスライムの1匹目の名前として登場。
2匹目以降は「ヌマージ」「ミノル」「ヒローキ」。初期Lv4、最大Lv99まで育てられる。
「ホイミ」はもちろん習得済み。レベルアップによって「ベホイミ」「ベホマ」「ベホマラー」「ベホマズン」を習得。
本作ではベホマズンを習得できる職業が存在しないため、ホイミスライム以外ではメインシナリオクリア後しか仲間にできないランプのまおうと、しょうかんで呼び出せるバズウだけがベホマズンを使える。
チャモロと同様、職業遊び人の熟練度8まで極めると、戦闘中に特技のあそびを選ぶとランダムに「ザオリーマ」を唱えることがある。
リメイク版
リメイク以降の『ドラゴンクエストⅥ』ではモンスターを仲間にするシステムが廃止されたが、スライムスカウトで「ホイミスライムのホイミン」を勧誘可能。他スライムに比べ、少々見つけづらいところにいるので注意。
エンディングでは「元は普通のスライムだった」と語り、さらに『ドラゴンクエストⅣ』のホイミンと同一人物と取れる発言をしている。ちなみに本作における井戸(の中)は夢と現実を繋ぐ非常に重要な場所であり、4のホイミンがいたのも古井戸の底というダンジョンだったりする。
ニンテンドー3DSでのリメイク版以降のモンスターパークに登録される1匹目の名前がこれになっている。2匹目と3匹目は「ホイスラ」と「ホイッチ」となっている(すれちがい石版の仕様上最大3人しか明らかにならない)。
スカウトモンスターの一体として登場。「みんなのアイドル」の通り名をもって知られる。
単独ではいまいち頼りにならないがはぐりん・ベホップとチームを組むと未完成の超・蘇生呪文「ザオリーマ」が、スマイル・ベホップとのチームならさらに上位の呪文「マスターゾーン」が使える。
また、ゲスト出演のライアンも「モンスターバトルロード」ではホイミスライムを連れてくる。
転職で魔物使いに転生する事でホイミスライムをスカウト出来る。
使用スキルが「ホイミン流格闘術」「ホイミン流回復術」等、間接的な登場を果たしている。
またホイミスライムの転生モンスターであるメタルホイミンの豆知識曰く
誰よりはやく仲間をいやすその姿に皆あこがれ
神話の英雄の名前をとってホイミンと呼ばれている。
と記載されている。
中性的な容姿をした優しそうな人間の少年として登場。恩人探しの旅をしている。
帽子と髪、帽子と服の2箇所でホイミスライムの面影を表している秀逸なデザインをしている。
魔界で旅をしている最中にピサロと出会う。
作中、あくましんかんのアグルカがバルザックから手に入れた進化の秘法で人間の姿になる。
書籍での登場
基本的には可愛らしい役なのだが、原淳(のちに大羽快)先生の作品では、わざと名前を間違える、敵にホイミをかけるなどライアンを困らせる立ち位置で登場している。
その他ちるみる先生は『ドラゴンクエストⅤ』のフローラとの掛け合いや、(自身モンスターにもかかわらず)モンスター使いのちょっと腹黒い『ドラゴンクエストⅥ』のホイミンネタを描いていた。
ドラゴンクエストⅡ編でスラお達がザラキで死んだあとの死後の世界に登場したのがホイミンとよく似た過去を持つ謎の人物だった。ホイミンかどうかは明言されていないがかつて人間になりたいホイミスライムと出会ったらしい。
担当声優
関連タグ
セラフィ - 人間になった経緯が似ているキャラクター。