概要
味方全員のHPを完全に回復することができる回復系の呪文の中では最上位の呪文。
ドラゴンクエストシリーズの中では消費MPはかなり高い分類に入ることから連発は難しいが、それでもピンチの状況から一気に挽回できる呪文といえよう。その為、覚える条件が難しい作品も多い。僧侶や賢者が使う呪文というよりは勇者が使う呪文という印象が強いが、『ドラゴンクエストⅤ』~『ドラゴンクエストⅦ』では仲間モンスターのみだったりモンスター職の経験が必要だったりと魔物側の呪文だった時期が有り、『ドラゴンクエストⅪ』でシリーズで初めて僧侶と勇者(に属するキャラクター)の両方が覚える呪文になった。
作品別
ドラゴンクエストⅢ
勇者が覚える呪文であるが、消費MPはなんと62であり『ドラゴンクエストⅨ』を除いた作品ではトップの消費量である。一応移動中にも唱えることが出来るが、「ベホマ」を4回唱えた方が燃費がいいのは言うまでもない。
ドラゴンクエストⅣ
勇者が覚える。消費MPはファミリーコンピュータ版は36とほぼ半減したが、移動中には使えなくなった。また、馬車内の仲間には効果は無い。
やはり消費MPは多めだが、それでも『ドラゴンクエストⅢ』と比べれば非常に使い勝手は向上している。また、「ギガデイン」も同じくMP消費量が下がっており、勇者自身の最大MPも伸びやすくなっているなど軒並み性能が上がっている。これは「FC版では勇者以外の味方はAIのため任意で行動させることが出来ないために、勇者のスペックが『ドラゴンクエストⅢ』のものより高くなっているのではないか」と推測されている。
2作目にして早くも勇者専用呪文ではなくなり、しかも敵モンスターであるスライムベホマズンが唱えて来る。
リメイク版
消費MPが20と更に減った。ここまで来ると「ベホマ」を4回唱えるよりも少ないMP消費で済む。
ドラゴンクエストⅤ
本作以降しばらくはモンスター専用の呪文となった。消費MPは36。今作から馬車内の仲間も回復する。味方の使い手自体は増えており、仲間モンスターとしてスライムベホマズンの他に、ホイミスライムやベホマスライムがレベルアップで習得するが、いずれのモンスターも仲間になり難い。
敵モンスターではスライムベホマズンとセルゲイナスが使用してくるが、「ベホマズン」の仕様が異なっており、全回復ではなく100~120回復という何故か微妙に異なる仕様になっている。
リメイク版
コロプリーストがなんと最初から習得している。しかしMPが足りずに唱えられない上に、「ベホマズン」が使えるようになるMPに届くのはレベル90台という驚異の遅さ。しかもレベル99でも1回唱えるのがやっと。
敵モンスターでは、コロプリーストとプチプリーストが唱えようとして失敗する。
ドラゴンクエストⅥ
今作も仲間モンスターが習得する呪文であり『ドラゴンクエストⅤ』と同様に人間キャラの取得は不可。消費MPは36。ホイミスライムとランプのまおうが習得するのだが、ランプのまおうはクリア後の隠しダンジョンでしか仲間にできない上、その確率は1/256という驚異の低さ。ホイミスライムは『ドラゴンクエストⅤ』よりも仲間になる確率が上がっているのが救いだが。
リメイク版
仲間モンスターではなく、必ず仲間になるスライムスカウトになったため、ランプのまおうが仲間にならなくなった。その代わり、「ベホマズン」が使える仲間スライムとして、ホイミスライムに加えてベホマスライムも仲間に出来るようになった。
ドラゴンクエストⅦ
隠し職業とでもいうべきモンスター職の「プラチナキング」でのみ習得可能。その為非常に習得が困難である。消費MPは20と少ないが、使えるようになる頃には裏ボスまで倒していることが多い。消費MPを半減するふしぎなぼうしを装備して、賢者や天地雷鳴士で唱えることによって、消費MP5にするという驚異の省エネを実現することが出来る。
リメイク版
勇者も習得可能となったが、人間の上級職の呪文は転職すると引き継がれないため、常用したい場合はやはりプラチナキングの転職が必須。今作は更に真ふしぎなぼうしが登場。この装備だけで消費MPを1/4にすることが可能だが、さすがに1/8にはならない。
ドラゴンクエストⅧ
主人公が「ゆうき」のスキルを上げることで習得できる。消費MPは36だが、ベホマズン習得前に必ず「消費MP3/4」を習得しているため消費MPは27になる。最終的には消費MPを半減させることが可能なため、消費MP18で唱えるようになることも可能。主人公のスキルの選び方さえ間違えなければ中盤には習得できるため、戦闘を有利に進めることができる。シリーズ中最も使いやすい作品かもしれない。
リメイク版
消費MPを3/4にするふしぎなぼうしが登場。消費MP14で唱えることが可能となる。
ニンテンドー3DS版の追憶の回廊のボスなどにおいては必須呪文となっており、いかにして「ベホマズン」を通すか、勇者を倒されないかがカギであり、「つうこんのいちげき」の二連撃による勇者死亡や「おたけび」による怯みは文字通り生死を別つ死活問題である。
なお、勇者は基本的に毎ターン「ベホマズン」で、ふしぎなタンバリンでスーパーハイテンション時かつ余裕がある時にたまに使う「ドラゴンソウル」以外では攻撃しないのと上記の消費の軽さからMP枯渇は意外と問題にならない(その前に敵かこちらが死ぬ)。
ドラゴンクエストⅨ
僧侶の呪文となった。消費MPはシリーズ中最大の消費MP(「マダンテ」などを除く)である128と3桁になった。なんと「ザオリク」などと比べても5倍以上の消費MPである(賢者に転職し、さとりスキルを最大レベルまで極めてから僧侶に戻れば96に減らすことは出来る)。しかしながら高レベルの大魔王などは一撃で即死レベルまで削って来たり、火力のインフレでただの二連撃がデスコンボ化することも珍しくないため、いざという時に使うと便利な呪文ではある。
ただ、レベル99魔王クラスまでやりこんで行くと、殺られる前に殺る(理想は5ターン以内)のが最適解かつ、いつ逆1ターンキルを貰っても何もおかしくないため賢者の「ザオリク」と併せて使う事態になっている時点で手遅れ(その枠に火力要員を入れるべき)感はある。一部魔王は蘇生や回復に反応してキレて使用者しか狙わなくなる=回復役を殺すルーチンがあり、「パラディンガード」が無意味になる可能性があるのも逆風である。
ドラゴンクエストⅩ
通常は敵専用呪文として登場。回復量の上限は驚異の9999。味方NPCであるアシュレイが使用する「ベホマズン」は仕様が異なり、それぞれのキャラの最大HPが回復するようになっている。
ドラゴンクエストⅪ
主人公とセーニャが取得可能であり味方全員のHPを完全回復する。消費MPは64と『ドラゴンクエストⅢ』のものより多そうに見えるが、「ベホマ」の消費はMPは24のうえ攻撃呪文も60を消費するものがあるので本作の「ベホマズン」だけが特別消耗が大きいわけではない。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
長らくプレイヤー側のベホマズンは完全回復の呪文だったが、対戦での泥沼化を防ぐためか『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』からプレイヤー側が使っても必ず完全回復する呪文では無くなってしまった。他の回復呪文を見ても、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』以降は「ベホマ」が登場しなくなったり、「ザオリク」も復活した際のHP回復量が低下(最大値の半分、上限999)しているなどの下方修正がされている。
MP消費も多く、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』までは36、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』では72、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』以降は180と倍以上になっている。また回復呪文だけでなく、それまでローコストだった特技も消費MPがはね上がったものが多く(「空裂斬」などのアバン流殺法が特に顕著)、『テリーのワンダーランド3D』ではそれに加えてたまに行動をサボる・消費MPが倍になるなどのデメリット特性がセットだったりした。
公式大会でもMP消費増大前は必須クラスの技として名高く、『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち・イルの冒険』の全国大会でも2体習得体制であった。『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』でもこれを覚えるスキル「ちょうかいふくSP」を、公式全国大会予選突破者8人全員が、予選突破モンスター24体中19人が搭載しており、3匹全員搭載が3人であった。
ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり
前作『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』では、味方側はスライムベホマズンのモンスターコインでしか使用できなかったが、本作から主人公の職業次第で使用可能となった。
賢者がレベル30以上になればスキルパネルから習得可能になるが、必要なスキルポイントが50と高く、消費MPも90とぶっちぎりで高い。おまけに棍装備時限定のスキルなのでMP残量とも折り合いが悪くかなり使いづらい。これを習得するくらいなら他の特技との兼ね合いも考えて、僧侶で最大強化した「ベホマラー」を複数回使ったり、同じ賢者でもスティックの「いやしの雨」を使用したほうが有効だったりする。
主な使用者
敵としては『ドラゴンクエストⅣ』以降のシリーズで登場するスライムベホマズンが使ってくる呪文として有名である。…とはいえ、さすがに頻発してくることはあまりなく、公式でも本編のモンスター図鑑の解説でそれが言及されている。