欧州の伝承に登場する悪魔サルガタナス(Sargatanas)の異称。そちらについては「サルガタナス」の記事を参照。
概要
大きなオノをぶん回すケンタウロス体型の大悪魔。
ゴールデンゴーレムと同系統のモンスター(上位種)なので、下半身は大きな翼を持ったドラゴンのよう。
最下位種のくせに全身金ピカなゴールデンゴーレムに対し、こちらは青い肌(一部作品では緑色)。
作品別の解説
ドラゴンクエストⅤ
クリア後のおまけダンジョン「謎の洞窟」で登場。
クリア後にようやく出会えるモンスターなので当然能力も高く、マヒャド、強化攻撃(オノを振り回す)、ベホマズンとバランスも良い。そして何より凄まじい攻撃力から繰り出す「つうこんのいちげき」によって多くのプレイヤーに絶望を与えた。
しかも一緒に出てくるマヌハーンやエビルスピリッツが「たたかいのドラム」で全体にバイキルトの効果をかけるため、元々250と非常に高い攻撃力と「つうこんのいちげき」のダメージは500越えと恐ろしい数値に化けるのである。
「この世を絶望で満たすため死の世界からやって来た」という設定は伊達ではない。
一般モンスターの中でも最強格であり、スーパーファミコン版の公式ガイドブック下巻のモンスター解説でもヘルバトラーと共に最終ページに記載されている。
しかしその一方で、重量級の仲間にとって最終装備候補にもなりうる強力な盾アイテム「オーガシールド」を1/32という比較的高確率でドロップすることから、コイツと渡り合えるようになれば一転して狩りの対象として狙われることも多い。
ヘルバトラーも最強の勧誘可能モンスターとして積極的に狩られる対象であること、出現場所が被っていることから一緒に狩られることもよくある。…というかヘルバトラーの勧誘成功率(1匹目)が1/256とあまりに低い一方で、こちらのオーガシールドドロップ率がそこそこ高めなことから「ヘルバトラー目当てで狩りをしていたら、いつの間にかオーガシールドが数個手に入っていた」なんて、セルゲイナス視点からだと何とも迷惑で悲しい現象が起きることもよくあったりする。
ちなみにコイツは仲間にならないので、その豪腕を振るってくれる機会がないのが残念。
ドラゴンクエストⅩ
元の青い肌になり、緑色のボディは新入りの上位種「エメラルドーン」が受け継いだ。なお、エメラルドーンは『ドラゴンクエストⅪ』には登場しない。
「マヒャド」が「マヒャデドス」にパワーアップし、強化攻撃の代わりに「振り回す(ランダムに0.6倍×3回ダメージ)」、「つうこんのいちげき」もしっかり使う。
ドラゴンクエストⅪ
過ぎ去りし時を求めた後でホムスビ地方南の高台に登場。PlayStation 4版以外は冒険の書の世界の「ロンダルキアへの洞窟」にも出る。
今回は「つうこんのいちげき」を自重したが、「マヒャド」と強化攻撃を使う、オーガシールドを落とす…と『ドラゴンクエストⅤ』を踏襲したラインナップになっている。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
初代こと『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』からいたゴールデンゴーレムにだいぶ遅れて『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』でデビュー。
その『キャラバンハート』では共演ならずだったが、以降の作品ではいずれもゴールデンゴーレムから作れる。
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』から『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』まではなぜか2枠のドラゴン系に属し、ボディが緑色になった(『ドラゴンクエストⅤ』と『キャラバンハート』、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』以降は青。またこれらの作品ではゴールデンゴーレムは1枠の物質系)。
ゴールデンゴーレムの色違いのくせに頑なに物質系にならず、『キャラバンハート』では魔獣系、『イルとルカの不思議なふしぎな鍵』まではドラゴン系、『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』とXでは悪魔系で、『ジョーカー3』でようやく物質系になった。……そんなに物質系扱いがイヤだったのだろうか?
『キャラバンハート』から『イルとルカの不思議なふしぎな鍵』まで長らくSランク(『ジョーカー3』からはBランク)で、能力値も高く、会心が出やすい特性や、魔神攻撃の特性で痛恨が再現されている。
パワフルそうな見た目に反して攻撃力はあまり高くないものの、魔神攻撃で会心が出ればメタル系も真っ二つ(この辺はアトラスと似ている)。対してかしこさが非常に高いので、普段は呪文で攻めよう。
また『ジョーカー2プロフェッショナル』では『キャラバンハート』の頃に低かった素早さがグッと上がり、「こうどうはやい(ターンの最初に動ける)」同士でも競り勝ちやすい。
しかしその強さにあぐらをかいているのか、『ジョーカー2 プロフェッショナル』のみたまに行動をサボる「強者のよゆう」を持たされている上、「こうどうはやい」持ちなので状態異常に弱く、素の耐性はあまり高くない点に注意。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』でも相変わらず状態異常には弱いが、「ねがえり」と「きょうせんし」を得て眠りと混乱を逆手にとれるようになりむしろパワーアップ。眠らされれば「ねがえり」で全体に通常より大きめのダメージを与え、混乱しても魔神斬りを撃つようになるだけなのでまったく問題ない(普通は通常攻撃or自分や味方を攻撃、「怯えて行動できない」となりかなり不安定になる)。
しかしマヒで棒立ちになると危ないので、最低限マヒ耐性は埋めておくのが安心。
『イルとルカの不思議なふしぎな鍵』ではクリア後の最終ダンジョン「宿り木の塔(5Fへの道)」で野生のものが出る他、その場所でセルゲイナスを倒しまくると転生モンスターの「シルバリヌス」が登場することがある。
『ジョーカー3』ではなぜか3枠に巨大化。「転生モンスター」のくくりがなくなったので、シルバリヌス・アスタロトとも共演している。
余談
- 名前
サルガタナスが由来と思われるが、ドラゴンクエストシリーズでの英訳に際してはゴールデンゴーレムが "Balhib" 、セルゲイナスが "Bilhaw" となっている。
- セルゲイナス「さん」
『ジョーカー2 プロフェッショナル』のサブイベントではキャプテン・クロウがありったけの食料で雇った用心棒として登場(『ジョーカー2』ではキングレオ)。
彼曰く「地獄のギャングスター」らしいが、この世界でのクロウ船長はへっぽこ海賊なのでさん付けで呼び、「先生お願いします!」とほとんど下っ端ムーブ。
味方の時と違って確定2回行動&ギロギロ(偶数ラウンドに低確率で1回休みを与える)持ち。「激しい炎」や「ベギラマ」の他、HPが減ると「ベホイミ」を使うバランス型。
倒すとはがねのツメを落とす。
茄子のような植物系モンスター。
一部作品ではナスビナーラが次元の狭間に吸い込まれて覚醒し生まれ変わったという強引なネタ設定があり、どうも公式は「セルゲイ茄子」という名前イジリに凝っているようだ。
まあモンスターズの「配合」システムで両親や祖父母とはまったく別種のモンスターが生まれるのと似たような理屈なのかもしれないが、進化の秘法もオッタマゲである。
- 系統とサイズ
ナンバリング作品や不思議のダンジョンシリーズでは「色違いでも系統が違う」というやつがたまにいるものの、モンスターズにおいて系統もサイズも違う色違いというのはコイツが初。後輩としては『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』に登場した「産星神」の皆様もいるが、セルゲイナスは彼らと違ってストーリーに関わるわけでもない一般モンスターであり、何気に快挙を達成したモンスターであった。
※例
『ドラゴンクエストⅤ』の「ナイトウイプス」というモンスターはデススパーク・フレアドラゴンという色違いがいるが、フレアドラゴンのみドラゴン系に属す。
『ドラゴンクエストⅧ』で登場した「暗黒の使い」は、悪魔系ではなく「????系(EXTRA)」。また色違いというわけではないが、味方のオーシャンクローの「ウルどん」は、同種が水系なのに怪人系だったり、「トルネコの大冒険3」ではデビルアンカーが水系+爆弾系で、上位種のキラースター&リビングハンマーが爆弾系オンリーだったりと特殊なパターンも存在する。
関連タグ
ゴールデンゴーレム:便宜上メイン画像に用いている。
ずしおうまる:オノをぶんまわす、青い肌、ケンタウロス体型と共通点の多い後輩(『ドラゴンクエストⅥ』から登場)。コイツもモンスターズシリーズではなぜかドラゴン系だが、一貫して青い。
緑色なのは上位種の「ブルサベージ」である。
ヘルバトラー:『ドラゴンクエストⅤ』でほぼ同格の立ち位置にして、狩り被害者同士。