ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

株式

かぶしき

株式会社構成員としての地位や権利を有価証券化したもの。一般に投資・投機の対象となる。
目次 [非表示]

概要編集

「株式」とは、株式会社の構成員としての地位権利を有価証券化したもの。所有者は「株主」となる。

株式会社が資金を集めるために発行し、株式会社は代わりに株主へ権利を与える。


株主の権利は大きく分けて3つ(※いずれも株式の所有形態や、株式会社によっては享受できない場合が存在する点に注意)。

  1. 株主総会に出席し、意見を出したり票を入れたりすることで、会社の経営に部分的に参加できる。
  2. 会社の利益を配当や優待として受け取れる。
  3. 会社が倒産した場合、借金を返済した後で残った財産があれば配分してもらえる。

株式取引所に上場している企業の株式は、一般人でも自由な売買が可能となる。

株式の値段(株価)は、市場の需要によって決まる。特定の会社の株式を求める人が多いほどその会社の株価は上がり、逆なら下がる。

この差益を巡って、株式は投資投機の対象となる。


他の機能としては、国が規制緩和策の一環として、貨幣の流通量を増加させるために市場の株式の買い付けを行う場合もある。


誤解されることがあるが、株主が新規に発行した株式を買った場合ではなく、株式市場に流通している既発の株式を買っても会社にお金が行くわけではない。

同様に、新規株式発行時以外は基本的に株価の下落は実際の経営に直接悪影響を及ぼすわけでは無い。基本的に株価はその企業の将来に対する予想で動く、いうなれば先行指標である。


国や地域単位で株価や時価総額(発行株式数×株価で算出)を集計した上で、単純平均もしくは加重平均した数値は「株価指数(インデックス)」と呼ばれ、その国・地域の景気の先行指標として用いられる。

超長期的には右肩上がりとなりやすいことから、株価指数に連動するように満遍なく株を買い付けて長く保有する手法は資産運用の王道である。日本のNISAやiDeCoといった非課税投資制度における、対象ファンド(投資信託)の多くは株式を中心に構成されている。


経営権としての株式編集

株主は出資者である以上、会社をより利益が出るように経営させる権利がある。

そのため緩慢な経営をしていれば社長であっても株主からの要求で退陣させられたりする可能性があるし、利益の出ない不採算部門の切り捨てを要求される可能性もある。

もちろん株主が常に正しいわけではなく、中には極端な利益追求で会社を疲弊させ、株価を吊り上げてから一気に売却してサヨナラという、ならず者のような経済行動をする連中もいるため、会社は比率を管理することで、株主とのパワーバランスをコントロールする必要がある。


ある株主の持ち株比率が50%を超えると、株主総会の多数決で必ずその株主の言い分が通ってしまうことになるため、企業は他の株主の持ち株比率はそれ未満に抑える。逆に言うと50%を超えて持たせている場合は「親会社」「子会社(連結子会社)」の関係となり、事実上隷属することとなる。さらに100%他社保有なら「完全子会社」となる。

また50%を超えない場合でも、20%〜50%未満を特定の会社が保有している場合は、持分法適用会社が適用されて関連会社(≒グループ傘下入り)となる。

破綻した企業が救済されるために国や他企業に身売りをする場合は、上記のような形で、かなりの割合の株式を差し出すこととなる。


日本では企業同士で業務上深い関わりの提携を行う際、お互いの会社の株式を持ち合う場合もある。これは「政策保有株」と呼ばれる。お互いの関係性と安定性が深まる反面、経営に厳しく口出しをする株主の割合が減るため、経営の健全性を重視する海外では忌避されやすい。


投資信託で株式を購入している場合は、その投資信託を運営している企業が株主となり(正確にはファンドの財産を保管している信託銀行が「名目株主」、運用判断を行っている運用会社が「実質株主」となる)、個人では経営権や投票権を主張することはできない。


外部の忌憚ない意見を取り入れることで経営陣の健全性が担保される可能性もあるが、一方で内部事情を理解していない外部によって経営がみだりに左右されるのはリスクでもある。後者のリスクを重く見て、大手株式会社でもあえて上場しない場合も多い。


株式市場編集

株式を売り買いする市場のこと。取引はアメリカのニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQ、日本の東京証券取引所(JPX)などの各取引所で行われる。

こうした取引所に「上場」した場合、株式を広く他の企業や一般人が購入することが可能になる。新規発行した株式はここで多くの人に買い取ってもらえる様になり、広く資金を集められる様になる。


企業が上場を果たすには市場が指定した条件(企業規模、経営の健全性や株式の流動性など)をクリアし、様々な審査に合格しなければならない。つまり「上場企業」であるということは厳しい審査をクリアした証であり、それは即ち企業の社会的信用の証、ステータスなのである。そして商売において信用が重要なのは言うまでもない。

ただ逆に言うとその"証"だけを目当てに上場し、株主還元を怠るような場末の企業もある。そうした企業の株は値動きが無く、売買する旨味もない。


株式会社は市場における株価の安定化・上昇をもって経営権所有者たる株主への利益還元を行う。

一番の株価上昇策は、有効な業績向上策を打つことや優れた決算の数字を発表することだが、それ以外にも「自社株買い(株式公開買い付け、TOB)」による株価上昇、口数分割による流動性の確保などがある。


売買単位株式数が設定されているので、基本的には小銭で大企業の株を買うことはできない(多くの企業が100株を最小単位としている)。ただし証券会社によっては「単元未満株」という、100株未満の株式を手数料と引き換えに売買可能なサービスを提供している場合もある。

また、企業側が例えば1株1万円を10株1000円(合わせて1万円)にして株の単価を下げる「口数分割」を行うことで、流動性を高めることもある。これが行われれば従来より圧倒的に安い資金でも売買することが可能となる。

株式の流動性は株価の上がりやすさや、いざという時の現金化しやすさ(≒安全性)などに関わる、非常に重要な指標である。


一日の間に動く値幅はあらかじめ決められており(制限値幅)、あまりに急激な株の上下が発生する場合、取引を停止する場合がある。(厳密には異なるが)株が上がりすぎて売り手がいない場合は「ストップ高」、その逆は「ストップ安」と呼ばれる。


上場していない株式会社の株式は「未公開株(プライベート・エクイティ)」や「非上場株」と呼ばれる。流動性が極端に低く時価を算出しづらい性格から、基本的には企業や大手投資家のみが購入可能となる。一応、未公開株を扱う投資信託を使えば一般人でも購入はできるが、手数料が高くハイリスクなため、素人や一般市民にお勧めできるとは言い難い。

株式による利益の出し方編集

株式を売買することにより狙える主な利益は以下の2つがある。

  1. 購入した株をより高値で売ることで差額分の利益を得る「キャピタル・ゲイン」。
  2. 購入した株の株主配当・株主優待で利益を得る「インカム・ゲイン」。

配当金や株主優待を出すのは上場企業の義務というわけではない。特に成長途上の企業では配当よりも設備や事業に資金を回し、株価を成長させることで株主に還元するべき、と判断されることが多い。またある時点では配当金・株主優待を出す企業でも、業績の悪化や会社の方針の転換による減配・無配、さらには廃止といった自体も起こりうる。

つまりキャピタル・ゲインで利益を狙うのが株式投資の王道となる。

キャピタル・ゲイン編集

手法としては、割安に放置されている株を買って将来性に賭ける「バリュー株投資」と、割高でも株価が今伸びている株を買う「グロース株投資」の大きく分けて二つがある。

一見するとバリュー株の方が得に見えるが、「割安のまま放置されているのはそれなりの理由があるからだ」とも考えられ、実はリスクが高い。逆にグロース株は、「今は割高でも、将来業績の方が伸びて株価に見合うようになる」と考えればむしろ今買う方が割安である(もちろんこの予想が外れる場合もある)という思考に基づいており、このあたりに先行指標としての株価の難しさがある。


割安・割高の判断をするための指標は無数にあり、例を上げるとPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本収益率)、EPS(一株あたり利益率)、バフェット指数などがある。単純にこれらの基準を下回る数字なら割安、というわけではなく、例えば計算式の意味を読み解くと意味が変わる(例:ROEの場合、算出式の分母である自己資本が大きいのが原因で数字が小さい場合、割安ではない可能性が高い)とか、業界によって水準となる数字が全く異なる(例:PERは一般には15倍が適正値とされるが、日本の銀行や自動車業などは10倍以下が普通)などといった一筋縄ではいかない要素を多く秘めている。

さらにネットで調べれば分かるような数字で算出できる指標のみならず、社長の人柄や社風、人材の過去の実績、設備の新しさその他現地調査で得た情報など、数字では表すことのできない要素も重要な判断材料となる。

超大手の投資家になると、企業の倉庫を衛星で監視し、トラックの出入りする量を調査して業績の実態を探る、というレベルまで徹底的に調べ上げる場合もある。


なお株が下がった時に儲かる、「空売り」と呼ばれる手法もある。これは証券会社から株を借りて他所へ売り、後で買い戻すというものである。

「買いは家まで、売りは命まで(取られる)」という格言がある通り、理論上は青天井のダメージがあるので判断を間違えると相当な危険を伴うが、下落局面でも利益を出す方法があることは覚えておいて損は無いだろう。


先物取引でも株式や株式指数の上下で差益を狙うことが可能だが、現物とはルールが大きく異なり、知識のないまま現物の感覚でやると酷い目に遭うので注意が必要である。

インカム・ゲイン編集

配当金で大きな利益を狙うには、いかに安く株を買うかが重要となる(同じ購入金額に対して、多くの口数を買うことが重要なため)。ただし安いということは即ち業績が今後悪化すると市場で評価されているということでもあるため、減配・無配のリスクも高まっている点には注意が必要である。

長年の連続増配の実績があって、今後も続くと考えられる「連続増配株」を狙う場合は早めに買った方が得に見えるが、全員が同じ考え方をした結果割高になってしまうことが多い。この場合は通常の配当株よりも優れた利回りになるまで育てるには時間と根気が必要となる。


業界内では米国株は優良な配当株が多いと言われるが、米国株の配当金を日本で受け取る場合は米国の課税10%+日本の課税20%の合計30%が加算されてしまい、確定申告をするもしくは最初からNISAなどの非課税口座を使用しない限り、日本の課税分が戻って来ない点には注意が必要となる。

この税金によるロスは即ち複利効果の低減にも繋がる(※キャピタル・ゲインの場合、州にもよるが基本的に米国では非課税)ため、配当金はいらないから株価に反映させろ、と主張する株式投資家も少なくない。


インカム・ゲインを得られる資産は株以外にも債券REIT(不動産投資信託)などもあるが、どれが良いかはよく勉強して自分の目的やリスク許容範囲に合ったものを探すべきである。


貸株」といって、証券会社や他者に株を貸すことで、債券のようなインカム・ゲインを得る方法もあるが、この場合は株による配当金や優待が受けられないというデメリットがある。

その他編集

株を担保に低金利にお金を借りられる「証券担保ローン」に利用する手もある。

ただし最低でも数千万円以上を借りなければならない、富裕層向けの金融商品である。


資金が少ない場合は信用取引などによるレバレッジ(借金)を用いる手もあるが、失敗した時のダメージは最悪の場合人生に致命傷を負わせるほど大きいので、取扱には十分な知識と経験が必要となる。

違法となる取引手法編集

自分の勤務している会社や家族が務めてる会社などの重大情報を公開される前に掴み、その情報を元に株式を売買して利益を上げることを『インサイダー取引』という。

これはれっきとした犯罪である。ホリエモンこと堀江貴文が捕まって刑務所に入っていたのも、このインサイダー取引によるものである。


身内の株を扱う場合、不運にも重大情報公開と売買のタイミングがたまたま被ると、仮にその情報を知らなかったとしてもインサイダー取引の疑いがかかってしまうことになる。

自社株を買うことを福利厚生に含めている企業もあるため一概には言えないが、一般的な株式市場では身内の株はなるべく大量には売買しないか、もしするならば法に触れないように慎重に売買する必要がある。


また過去には『仕手』と呼ばれる、風説の流布や小型株の大量購入・売却による株価操縦を用いた儲け方が横行していたが、現在では規制によりこれも難しくなっている。

しかし近年も日本で大手証券会社による株価操縦が発覚していることから、今でも機関投資家が本気でやれば不可能というわけではない。

彼らの所業に巻き込まれて損失を出してしまったら、例え彼らが逮捕されてもあなたの損失分は返ってこない。よく分からない理由で上下する株には警戒するに越したことは無いだろう。


注意事項編集

本記事は株式の説明を目的に作成されたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。


またその正確性、完全性に対する責任は負いません。


関連タグ編集

経済 株式会社 投資 市場 指数 投機 先物取引

関連記事

親記事

株式会社 かぶしきがいしゃ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 153209

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました