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ウォーレン・バフェット

うぉーれんばふぇっと

ウォーレン・バフェット(1930年8月30日〜)とはアメリカの投資家である。米国中西部ネブラスカ州オマハ市の出身。「オマハの賢人」のあだ名で知られる。
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人物編集

齢94にしてアメリカの最大手投資会社『バークシャー・ハサウェイ』社の現役会長・CEO(2024年時点)であり、投資神様とも呼ばれるほどの生ける伝説。同社の経営権を1965年に取得後の半世紀で、最強指数と名高い米国株価指数『S&P500』の2倍以上の年平均リターンを顧客にもたらした。彼個人の推定資産も10兆円以上にも達する。当然、彼の真似をしようとする投資家は後を絶たない。

毎年バークシャー・ハサウェイ株主へのメッセージ『バフェットからの手紙』を発表しているが、同社株主のみならず世の投資家たちがこれを正座して読む。


日本でもNISAiDeCoのような非課税投資制度の普及以降、広くその名が知られるようになった。そのため投資系インフルエンサーで、バフェットにあやかったハンドルネームを付けることで権威付けを企む者も多い。

(※もちろん彼らが必ずしもバフェットの教えに忠実でも無ければ、バフェットのような類稀なる才能があるわけでも無いことに注意が必要である)。


その金持ちぶりとは裏腹に生活ぶりは資産規模を考慮すれば地味で、加えて偏食家でもありマクドナルドコカ・コーラをこよなく愛していることで知られる(そしてコカ・コーラについては株式も大量保有している)。

そのイメージもあってか愛車はSUBARUレガシィアウトバックだと誤って報じられたこともあるが、実際は米GM高級車ブランドであるキャデラックセダンに乗っていたことが分かっている。

地元愛も強いようで、ニューヨークではなくオマハに居を構え続けている。


慈善活動にも積極的で、毎年夏に数百億〜千億円級の、累計では数兆円規模の寄付を行っている。中でも2006年にした寄付324億ドルは、資産の85%にあたる金額であった。その多くは自分の妻や子供たちが立ち上げたチャリティー財団に株式で寄付されている。また同じく大富豪で知られるビル・ゲイツとも親交があり、彼が元妻と立ち上げたゲイツ財団にも寄付している。

加えて破綻の危機に陥った銀行の株式を引き受けることも、国や州に代わって何度も行っている。このようにただの投資家ではなく、アメリカ社会にとっても絶大な貢献をする人物である。


なおバフェットに比べると知名度は低いが、2023年に99歳で亡くなった同郷の相棒・諫言役だったチャーリー・マンガーも評価が高く、彼の遺した哲学もまたバフェットのそれに並んで傾聴に値するものである。


投資スタイル編集

基本的には流行りの資産や新興企業の株には飛びつかず(=自分の理解が及ばない企業や業界の株は、いくら直近の成績が良くても買わない)、高い価値を世に提供し続けているにもかかわらず割安のまま放置されている将来有望株を徹底的に調査した上で買い、じっくり長期的に保有して伸ばす、いわゆるバリュー株投資・成長株投資のスタイルである。

『割安株投資の父』と呼ばれた、バフェットの師ベンジャミン・グレアムの教えをベースに、相棒のチャーリー・マンガーと共に練り上げた。


若いころの失敗の反省から、デイトレードのような短期売買は行わず、「10年間株を保有する気がないのなら、10分間すら保有することは考えない方がいい」と語っている。

今では彼の名声から来る「バフェット効果(後述)」により、「バフェットが買った!」という世の評判だけで株価が上昇してくれるが、基本的に効果は一時的なものであり、加えてこの長期保有のスタンスから彼自身がこの「効果」で得をすることはまず無い。


要はシンプルで基本に忠実な「バイ・アンド・ホールド」戦術だが、一方で彼の保有銘柄数は基本的に50以下であり、分散が十分にされているとは言い難い。こうした厳格な銘柄選定・購入配分・購入タイミングの妙は万人にマネできるものではなく、ゆえに神様と呼ばれるほどの財を成せたのである。


我々庶民に馴染みのあるドルコスト平均法によるインデックス投資は「長期・分散・積立」だが、バフェットは「長期・集中・一括」が特徴と言える。

ただしバフェットは、投資の素人に対してはインデックス投資を強くオススメしており、実際に妻への遺言書にも「自分が死んだら資産の90%をS&P500に、10%を米国債にせよ」としたためていると、過去の『手紙』で明言している。


ただしバークシャー・ハサウェイの運用においては株主に対する責任などもあってか、意外と長期保有銘柄の比率は少なく、1年以内の短期売買も普通に行っている。


割安な株が見つからない場合はたとえ好景気であっても無理をして投資せず、現金比率を高めたり、1年未満の短期米国債を購入したりして好機を待つ(流動性の観点から、長期国債は好まない)。

また「中途半端なポジションは取らない」として、売却の際は残したりせず全売却を行うことが多い。


ゴールド)は嫌いだと公言して購入していない。これは「投資とは何かを生み出すもの」という信念から来ている(金はただ存在しているだけでそれ自体が何かを生み出さすわけではないが、株式や債券は人の労働の結果として利益が発生する)。

2020年には金鉱株を購入して話題を呼んだものの、たった6ヶ月で売却している。


バフェットの名のつく投資用語編集

バフェット指数(バフェット指標)編集

バフェットが投資の判断基準にしているとされる指数。

実際にそうかは定かではなく、むしろバフェットは経営者の才能や企業の内在価値など、各種指数に出ない部分を見極めて投資判断をしているようだが、とりあえず彼の名前が使われている。


計算式は(その国の株式時価総額/名目GDP)×100で、割安・割高を判断する材料となる。


バフェット効果編集

コロナ禍始まって間もない2020年8月に日本の五大商社株(三菱/三井/伊藤忠/住友/丸紅)をバフェットが大量に買い付けていた事が、2022年11月に明らかとなった。それまではデフレ少子高齢化のダブルパンチで今一つ将来性が無いと思われていた日本株だが、これをきっかけに国内外の株式投資家がにわかに日本株に注目し始めた。

バフェットの投資行動による直接の株価上昇効果は数か月程度だったと言われるが、その後日米金利差を主因とする円安が追い風となって日経平均は上昇。2024年3月にはバブル以来34年ぶりに最高値を更新し、バフェットの見る目が正しかったことが証明された。


また同時期インド株も注目が高かったが、2024年5月にバフェットがモディ首相にエールを送ったことで、インド株の人気の後押しとなったと言われている(その後インド株指数SENSEXは3ヵ月で10%以上の上昇)。


こうしたバフェットの投資行動に影響を受けた株価上昇を、一部マスメディアが「バフェット効果」と呼んだ。


余談編集

  • 幼い頃から商売に積極的で、祖父の営む雑貨屋でコーラを仕入れて、これを売って小銭を稼ぐなどしていた。
  • 元々はペプシコーラ派だったが、30歳前後にコカ・コーラ社長だったドナルド・キーオと家族ぐるみの付き合いがあり、チェリーコークの試飲品をもらってからコカ・コーラ派に転身した。
  • 1960年代に買収したバークシャー・ハサウェイは元々は繊維業の会社だったが、これの買収は失敗だったとマンガーは忌憚無く指摘しており、バフェットもこれを認めている。その後保険会社を買収して繊維業を廃業し、金融企業として同社を成功に導いた。

注意事項編集

投資は自己責任であり、この項目の記載内容は投資のアドバイスや助言を目的としたものではありません。

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