曖昧さ回避
乃木坂46の楽曲については「インフルエンサー(乃木坂46)」を参照。
概要
世間に大きな影響を与える人物を指す。英語で「影響」や「勢力」などを意味する「influencer」が由来である。「インフルエンザ(influenza)」由来ではないものの、どちらも元は同じラテン語からである。
かつては芸能人やスポーツ選手などテレビで活躍する有名人を指す言葉だったが、2007年に個人ブログが流行し多くのカリスマブロガーが登場してからは一般人に対しても使われるようになった。
叶姉妹や神田うののように可憐で優雅な生活(?)をPRする者や、HIKAKINやはじめしゃちょーのようにバラエティー路線に走る者、果ては堀江貴文や小林よしのりのように自身の思想信条を発信する者まで、とにかく様々な形態が出現した。
十一代目市川海老蔵と小林麻央のように夫婦生活の様子や出産、育児、そして小林の闘病と死去、そしてその後の海老蔵と子供たちの生活と成長の発信は現在でも注目を集めている。
『先日までただの一般人だった現役JK・JDが自身のメイクアップやコスプレ等をSNSに投稿するようになったら同世代から人気者に‼』とか『ぶっちゃけ謎の芸風だが独特な雰囲気の動画を配信し続けていたら海外スターからも支持されるようになった』といった展開が俄かに話題になり、今日的なイメージが徐々に形成されていった。
スマホ本体や自撮り棒などの撮影用機器を片手にポーズをキめる構図が流布していったのもこれの影響によるもの。
つまり、『個人レベルでの趣味・創作・思想等の発信』が手軽に行えるようになったことで、不特定多数のユーザーがこれに注目し支持するようになったのである。
……ぶっちゃけいえばネット時代以前のアナログ期にもこれに類似した現象や人物も存在した(※一部の作家やコラムニスト等)のだが、これらはたいてい出版社やテレビ局といった既存メディアの介在が必須であり、よって大人の事情から大小の制約が存在した。『風と木の詩』で有名な漫画家の竹宮惠子が、その当時としては先進的な作風を出版社に理解してもらえず長らく自信作を掲載してもらえなかったことは有名な逸話である。
2000年代前後からのインターネット社会の到来によるブログやSNS、動画配信サイトといった新コンテンツの誕生はそうした制約を半ば解消するものであった。技術的な問題がなくなったことで、発信者が『仲介者』を介することなくダイレクトな発信をユーザーに行えるようになったのである。ともかく、本格的に社会がデジタル期へ移行してきた際にさながら「メディア・マスコミの野暮ったい支配を受けない新時代のカリスマ」としてインフルエンサーという概念が形成されたわけである。
さらに「SNS界隈で有名になったことで地上波や芸能界にデビュー」といった逆転現象も発生している。
近年ではYouTubeやTwitterやInstagramなどSNS等の手段を介した『個人レベルで世間に影響力を持つ人物』のことを指す事が多い。
これがさらに高レベルになるとオピニオンリーダーとも言われる。国内では福沢諭吉や渋沢栄一等が有名。 大昔の爺さんじゃないかって? しょうがないだろこれ以上のビッグネームは近年では稀なんだよ。
この影響は昨今のサブカルチャーにも及んでいる。
編集現在でのポケットモンスターの最新作『ポケモンSV』では、インフルエンサーとしてのキャラ付けを前面に押し出したナンジャモ(メイン画面中央)というジムリーダーが登場している。
覇権アニメの一角となった『推しの子』でもMEMちょという著名インフルエンサーが登場する。
※注意
評論家にして自身もインフルエンサーでもある岡田斗司夫によれば、「発信者とそのユーザー・ファンの関係性は多くの場合で非常に宗教的なものになりやすい(大意)」と自戒の意味もこめて解説している。
つまり、「この人物の言動は大丈夫か・事実か」ではなく、「インフルエンサーの言ってること・やってることだから間違いない」というマインドになりやすいわけである。
身も蓋もないことではあるが、インフルエンサーとて神ではなく人間のなのである。喋っていれば知らず知らずのうちに独断と偏見が出でくるだろうし、意図的なポジショントークをユーザーに仕掛けている場合だってある。
ようはここでもメディアリテラシーを重視しなければならないわけである。
注意しなければならないのはインフルエンサーとして活動する発信者とて同様。
アナログ時代なら諸問題が可視化され難くいくらかなら誤魔化しができたが、このデジタル時代ではユーザー間での情報の共有・拡散はあっという間である。
つまり、コンプライアンスを無視したら瞬時に炎上しかねないのである。
政治やゴシップなんかで未確定なことを断定的に言い切るといった、不特定多数から顰蹙を惹起しかねない不用意な言動は控えるのが無難である。
ぶっちゃいえば、芸能活動をしていようといまいと炎上リスクは著名人並とさえ言えてしまう。
せっかくメディアの制約から自由になったのに、こんなのゼンゼン自由じゃないじゃん!!! 、だって?
なにを言ってるんだい???
下手をすればアナタの黒歴史、一生ネット世界に残り続けるよ
バズる(=支持・共感を集める)ことに夢中になりすぎて流言飛語や恐喝・迷惑行為なんかを繰り返していると炎上系と罵られたり、本当に逮捕されることだってふつーにある。そうでなくても世間からの失望と自身の失脚は禁じ得ない。
なお、令和年間の昨今においては
「バラエティータイプ」「アイドルタイプ」「クリエイタータイプ」「スタイリストタイプ」「思想家・評論家タイプ」
等々に大別されるのがインフルエンサーの大部分だが、スランプに陥った発信者が血迷ってしまい、「奇抜なコーデやメイクをし出す」「いきなり政治的発言をする」といった感じでまったく別タイプの言動をとるようになりキャラ崩壊を起こすことも結構ある。
通称、どうした期とも。