概要
将来の利益のために、人・金・時間などのリソースを費やすこと。
広義には企業が設備の新規購入やメンテナンス・人材の育成などを行ったり、個人が健康・長寿のためにお金を費やすことなども含まれるが、単に「投資」というと利益を狙って株・債券・不動産・保険・貨幣・鉱物(金銀銅鉄など)・原材料(原油・小麦など)といったものを売買することを指すことが多い。
古くは米やチューリップの球根なども投資の対照となっていたことがある。現代では仮想通貨やクラウドファンディングも、投資手段として用いられる。
より広げた考え方をすると、銀行への預金は、銀行に余剰資金を貸していると考えれば投資の内に含まれる。また現金をそのまま持っているのも、その通貨に対する投資である、という見方もできる(マクロ的には現金はインフレ・デフレ、為替などで価値が絶えず変動しているため)。
株や不動産は(商品にも寄るが)配当金・分配金・優待などが生じるため、持っているだけでも利益がある。またそれらを欲しがっている人に、買った時よりさらに高値で売ることでも利益を出すことができる。前者を「インカム・ゲイン」、後者を「キャピタル・ゲイン」と呼ぶ。
逆に景気や市場の停滞などによっては配当金が出なかったり、買ったときより価値が下がってしまい、損をしてしまう場合もあるため、ギャンブル的な要素も含む。
ただし売り時は比較的に自由に選べる点や、株主・債権者・不動産オーナーとして経済活動に参加し社会的影響を及ぼせる点などが、競馬や麻雀のような一般的なギャンブルとは大きく異なる。
銀行や保険会社のような金融機関の多くは、大衆から集めたお金を投資して利益を出すビジネスモデルである。日本の年金も、独立行政法人「GPIF」が投資をすることで総額を増やしている。
少子高齢化の影響により年金制度の将来が見通せないことから、近年日本政府はNISAやiDeCoといった投資制度の拡充を行って、国民たちに老後に備えさせようとしている。
「投機」との違い
長期的な保有ではなく、短期的な売買でキャピタル・ゲインを狙って売買を繰り返す行為は、専門的には「投機」と呼んで区別される。中でも1日のうちに何度も売買を繰り返す行為は「デイトレード」、2日~数週間レベルで行う短期売買は「スイングトレード」と呼ばれる。
議論を呼ぶことの多いFX(外国為替証拠金取引)や転売も投機の一種である。
取引によっては借金をして自分の資産以上の投資を行うこともできる。これを「レバレッジをかける」という。有名な「FXで人生破滅」系のコピペは、だいたいレバレッジをかけて失敗したことによるものである。
株や通貨の投機は短期的に巨額が動くため、投資以上にギャンブル・マネーゲームと化しやすく、そして市場価格を自由に動かせる機関投資家(投資会社)やお金持ちが最終的に得をしやすい構造になっているため、素人は避けるか、負けても遊びと済ませられる程度の規模でやるのが無難である。
↑素人の投機での失敗例
ちなみにこうした投機での借金による自己破産は法律上、基本的にはできないことになっているが、実際にはいくつかの条件をクリアすることで裁判所の判断により可能な場合がある(裁量免責)ので、もし大損しても首をくくったり電車に飛び込んだりしてしまう前に、一度冷静になって専門家に相談することを強く強くお勧めする。
なお概要で述べた通り、投資もギャンブル的な要素を含むため、投機との差は実際のところ曖昧である。
長期的な目線で行われる投資を指して呼びたい場合は、資産運用の方がニュアンスとしては的確になるかもしれない。
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本記事は投資の説明を目的に作成されたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。
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