概要
「月刊コミックフラッパー」で連載中の漫画。「Comic Walker」「ニコニコ静画」でも連載中である。
元々はウェブコミック・小説投稿サイト「新都社」にて投稿されていた作品であり、コミックフラッパーでの商業連載に伴い作画をつけてリメイクされた経歴を持つ。
タイトル通り題材はFX(外国為替証拠金取引)。FXの用語や状況は解説も交えてわかりやすく説明されており、作中人物の損得は迫真の表情や凝った演出で表現する等、FXをよく知らなくても引き込まれる内容になっている。
ゆるふわな絵柄に反して作中人物が破滅一歩手前の恐ろしい状況に陥るのも日常茶飯事であり、その有様は誰が言ったか「絵柄が可愛い『闇金ウシジマくん』」。実際に原作では一人取り返しのつかない所まで落ちている。
また、実際に原作がFXで大損をしてしまった経験があるため、負けている際の心理描写は非常にリアルで見ている方が胃が痛くなってくると評判。
原作版は原作者のサイトにて今でも閲覧可能であり、商業版とは展開が違う場面もあるので見比べてみるも一興である。
なお、作中の市場の動きは2014年当時のものと同じものになっている。
一話目はpixivでも読めるので、試し読みにいかがだろうか。
あらすじ
主人公・くるみの母はリーマンショックによりFXで2000万の損失を出してしまい、耐えきれずに飛び降り自殺をしてしまう。この事件によりくるみの人生は大きく変わることになってしまった。
時は流れて2014年、大学生になり自らのFX口座を開けるようになったくるみは、2000万円の損失を取り戻すために母の死因となったFXに挑むことになる。
それは家族や周囲の友達を巻き込んだ地獄の戦いの始まりでもあった。
登場人物
福賀くるみ(ふくが くるみ)
本作の主人公。上記の通り母の損失である2000万(税金を入れたら2500万)を取り戻すべくFXに挑戦する大学生。普段は朗らかで人当りもよい優しい性格の持ち主。
母の死をきっかけにFXを猛勉強していたため知識量自体は萌智子も認めるレベルであり、冷静な時なら分析力も高いのだが、強大な利益や損失になると途端にブレーキが壊れてしまう悪癖を持つ。その有様は萌智子曰く「強欲の雌豚」。
実際作中でも最初は順調に利益を出していたのだが、調子に乗って次第に乱高下の激しいトレードに手を出すようになり、危うく家の資金も巻き込んだ大損害を出すところだった。
何とか首の皮一枚で繋がったものの、父親にFXをやっていたのがバレたのもあり、一度はFXから足を洗おうと決意したのだが…。
小金萌智子(こがね もちこ)
くるみの大学のFX仲間。作中では最も資金、知識共に豊富であり、相場を見る目も作中人物随一。
普段は少々ツンとした態度ながら、相談されたらちゃんと乗ってくれたりする一面も。
だがその本性は他人がFXで破滅する様を見て楽しむ外道であり、最初はくるみをターゲットにしていたが、FX再開後の狂気に片足を突っ込んでいるくるみの振る舞いに恐怖心を感じてからは距離を置くようになった。
このような性格になったのは家族関係がよろしくなく、中学校時代クラスで孤立しいじめにあったことが原因らしい。
その後くるみの事はFX仲間として認めるようになったが、代わりにFXを根本から甘く見ている上に家族仲が良好な(仕送りもしょっちゅう貰ってる)芽吹にターゲットを移し、同じポジションを張ってると嘘をつき彼女を破滅の道へと追い込むようになる。
山師芽吹(やまし めぶき)
萌智子の紹介でくるみに弟子入りした大学生。原作における第二部の準主役ポジション。
FXの事を楽して儲けられる程度にしか考えておらず、専門用語も分からない状態で始めたが「予想相場は大体間違っている」とくるみから評される有様であり、何とかくるみがフォローして利益を出したもののそれを自分の才能だと勘違いしてしまう。
原作では少々気が弱くて流されやすい性格だったが、商業版では頭と性格の悪さが悪化しており、市場を様子見したくるみに一方的に苛立ち勝手に独り立ちした結果、あっという間に全利益を失ってしまい、後にくるみはちゃんと利益を出したのを知って逆恨みするようになる。
そんな状態に陥ってもFXの知識は乏しいままであり、基本的に自分に都合のいい運頼み状態。当然利益など出るはずもなく、預金どころか奨学金まで全部溶かしてしまい、更に強制ロスカットまで発動しほぼ無一文となってしまう。
「取り返さないとやばい」という心理状況に追い込まれた結果、どんどんと取り返しのつかない道へ自ら進んでいくようになり…。
高根やす子(たかね やすこ)
デザイナーを目指すフリーターで芽吹の友人。原作版ではモブの男性キャラだったが、商業化にあたり大きくキャラ変更された。
他の登場人物と比べても頭一つ分小さいロリ体系で、くるみ達がいる大学の生徒からは小学生だと思われた。
最初はブログのネタとしてFXをやっていたが、一向に利益が出せずに引退していた。その後芽吹の紹介でくるみ達と出会ったことをきっかけにFXを再開することになる。ただし他のキャラとは違い金額はあくまで小遣い程度しか使っていない。
芽吹がFXで大損したことを知っており(この事を報告する際に芽吹がとっさに嘘をついたので実際の金額がもっと大きい事は知らない)、その後も明らかに冷静ではなくなっている芽吹の事を心配している。
用語集
(注・これらの用語を知ってもFX戦士になれるかは責任を負いかねます。)
余談
主人公のくるみが投資で大損する時の狂気じみた心理表現は見事のため、2023-2024年の頃、この作品は台湾のオタク界隈では徐々に注目されている。くるみもいつの間にか、ニラ(刈り取られてもすぐに新葉は伸びる特性から、大損しても懲りない個人投資家の代名詞となっている)の中国名「韮菜(きゅうさい)」に因んで、韮留美(きゅうるみ)の二つ名と呼ばれて始めた。
ちなみに台湾で「投資で大損すると精神病か脳卒中の発病率が高くなる」医療研究結果が報道されている。外部リンク
関連項目
リーマンショック:くるみの母の人生を狂わせた原因。なお、くるみの母は「保険の解約」「マイホームの頭金」と福賀家の手を付けてはいけないお金ばかりか「(母の)実家のお金」まで使い込んでいたので自業自得なのだが…。
???:リーマンショックと並ぶ金融業界の大事件。作中でもついに『その時』が…。