概要
コミックフラッパーにて松本渚により2016年8月号から2020年4月号まで連載された漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ。 棋譜監修は広瀬章人。単行本は全6巻。
タイトルは実際に存在するタイトルをもじっている架空のタイトル。(玉座→実際は王座)
第1食は、主人公である峠なゆたがは女性初の将棋棋士としてタイトル挑戦しフルセットで最終局を迎えるところから始まる。プロの将棋棋士が、主に対局中の休憩時間に食べる食事にスポットを当てた将棋グルメ漫画。なお作中で、将棋会館での対局時に出前を注文する飲食店は、いずれも実在する(もしくは実在していた)店である。
登場人物
主要人物の名前は焼酎のブランドが元ネタになっている。また一部の登場人物は同作者の『盤上の詰みと罰』にも名前が登場しており、両作品が同一の世界を舞台としている(時系列としては『将棋めし』の方が後)。
峠なゆた(とうげ なゆた)
ドラマ版キャスト:内田理央
主人公。実父である峠はじめ八段門下。兄弟子は杜谷憲司龍王。女流棋士ではなく、女性プロ棋士。登場時の段位は六段、順位戦はC級1組。
宝山や黒瀬からは「なゆたろう」と呼ばれている。同期同学年の三人は周囲から「仲良し三羽烏」と呼ばれているが、なゆた曰く「腐れ縁三羽烏」。
第1話で玉座を獲得してタイトルホルダーとなる(七段昇段)。第11話で「C1の門番」を倒してB級2組昇級を決める。
対局相手と食事の注文がかぶるのを嫌がったり、相手よりもランクが上のメニューを頼もうとしたりするなど、やや神経質な一面があるが、ドラマ第3話ではあえて相手と同じメニューで対抗したこともあった。ドラマ版では納豆が苦手という設定。
名前の由来は焼酎「峠」と「那由多の刻」。なお特にモデルとなる棋士はいない。
宝山貴善(ほうざん たかよし)
ドラマ版キャスト:上遠野太洸
なゆた、黒瀬と同期かつ同学年のプロ棋士。登場時の段位は七段、順位戦はC級1組。なゆたが玉座のタイトルを奪った相手でもある。
第11話でなゆた同様対局相手に勝利し、B級2組昇級を決めた。
左利き。振り飛車穴熊が得意(と言うよりそれしかやらない)。幼少の時に父親を事故で、プロ棋士になるのと同時期に病弱だった母親を亡くしている。
早食い大食漢かつマイペースな性格で、タイトル戦の夕食でカツ丼と天丼のダブル注文を敢行したり、パフェの後でハンバーグを食べたりしている。
名前の由来は焼酎「富乃宝山」。
黒瀬時彦(くろせ ときひこ)
ドラマ版キャスト:稲葉友
なゆた、宝山と同期かつ同学年のプロ棋士。登場時の段位は七段、順位戦はB級1組。久米島と同門で弟弟子にあたる。食事は外食派(実際は2016年12月14日より、東京・将棋会館及び大阪の関西将棋会館で行われる公式対局では対局中の外出が禁止されたことにより、外食はできなくなった)。
龍王戦挑戦者として杜谷龍王に挑むも跳ね返される。11話冒頭で峠はじめを破ってA級昇級・八段昇段した。
名前の由来は焼酎「やきいも黒瀬」。
杜谷憲司(もりや けんじ)
ドラマ版キャスト:富田翔
なゆたと同じ峠はじめ八段門下で内弟子としてはじめの家に住んでいた。なゆたの兄弟子で、龍王のタイトルを持つ。強面の風貌にちなみ、棋風は「鬼瓦流」と呼ばれる。
テレビの占いを見て縁起をかつぐなど繊細な一面もある。好物はチョコレートケーキケーキ。
名前の由来は焼酎「杜谷」。
峠はじめ(とうげ はじめ)
ドラマ版キャスト:伊藤正之
なゆたの父であり、なゆた、杜谷の師匠。段位は八段、順位戦はB級1組。妻(なゆたの母)とは別居中。ドラマ版では納豆好きという設定。
七窪奏珠(ななくぼ かなみ)
とある高校の将棋同好会に所属する女子高生。なゆたの対局をネット中継で見てからの新入り将棋ファン。要するに観る将。
名前の由来は焼酎「七窪」。
赤兎馬アンナ(せきとば アンナ)
ドラマ版キャスト:朝倉えりか
女流二段。対局中継の聞き手として登場する。プロ棋士であるなゆたに対しコンプレックスを抱いていた。
名前の由来は焼酎「赤兎馬」。
壱岐ちとせ(いちき ちとせ)
ドラマ版キャスト:猫田直
なゆたの母であり、女流棋士。棋士としては旧姓のままで活動している。
ちとせ曰く「ポメラニアンみたいなおじさんとは一緒に暮らせない」と、はじめとはなゆたが3歳の時から別居している。
しかし、お互いの近況をなゆた経由で確認しようとするなど、夫婦仲が悪いわけではないらしい。
大河庵(たいが いおり)
段位は九段、順位戦はB級1組だがA級経験者。長年玉位に就いていたが、白河名人に敗れ陥落。腕前は関西イチで、通称「虎徹」。なゆたのカツ丼を食べてしまったことについて、なゆたからいまだ根に持たれている。
名前の由来は焼酎「大河の一滴」。
久米島獅郎(くめじま しろう)
A級棋士のひとりで棋帝のタイトルを3期連続防衛中。
小食で有名だったが、筋トレを始めてから周囲が驚くほど量を食べるようになった。
杜谷・大河・久米島の3人は奨励会からの仲で「豪腕三傑」と呼ばれ、棋界のトップとして活躍。
名前の由来は焼酎「久米島の久米仙」。
逢初衛次(あいそめ えいじ)
20代でタイトルの一つ将聖を3期獲得し、A級・八段を経験することなく九段になった強豪。
よくわからない思考の持ち主でなゆたに結婚を賭けた対局を申し込む。人呼んで「西の(電波)王子」。と金を量産するなど棋風も変わっている。
名前の由来は焼酎「逢初」。
白河和雅(しらかわ かずまさ)
名人・玉将のタイトルのほかに大河から玉位を奪取し現在三冠。第15話では挑戦者として勝ち上がってきた大河を退け玉位を防衛した。
元真剣師という異色のキャリアを持ち、プロ棋士となった後も「負けた対局の賞金は受け取らない」という噂が立つほど。
『盤上の詰みと罰』でも登場する。
古丹波まつり(こたんば まつり)
奨励会二段の中学生。大河 と同門で妹弟子にあたる。 髪の毛が動物の耳のような反応をする 。
名前の由来は焼酎「古丹波」。
凱右典(がい ゆうすけ)
天才中学生棋士。古丹波の隣の家に住んでいる。
ドラマ
2017年8月2日深夜よりフジテレビの深夜ドラマ(Wナイト枠)としてドラマ化された。地上波での放送に先立ち、7月31日よりフジテレビオンデマンドで先行配信される。全8話。同年8月29日深夜より関西テレビで放送され、10月よりテレビ愛媛、東海テレビ、仙台放送、テレビ静岡でも放送される。ドラマ化は急遽企画されたもので、主演の内田理央はメインキャストの内田・上遠野・稲葉は『仮面ライダードライブ』以来の共演となったことから、同シリーズのファンの間でも話題となった。
またロケ地として将棋会館・鳩森八幡神社なども登場するが、対局場や棋士控室など屋内のシーンは実際とは異なる部屋が使われている。
ドラマ版は原作とは異なるオリジナルストーリーとなっている。最終話は宝山玉座に挑むシーンで終わり、原作に繋がる形になっている。
第七食では峠はじめの対局相手役で将棋監修の上村亘が、記録係役で八代弥がカメオ出演している。
制作スタッフ
主題歌
『流星ドライブ』
作詞:横山剣
作曲:横山剣
『地球が一回転する間に』
作曲:横山剣