女流棋士
じょりゅうきし
※棋士一般の話は棋士の項参照。
囲碁
囲碁界では、基本的に公式戦は男女混合で指し、「女流棋士」は女性の棋士を指す。
ただし、普通の採用枠とは別に、女性のみを対象とした女性棋士採用枠が設けられている。
男女混合の一般棋戦の他に、女流しか参加できない女流棋戦に参加することができる。
将棋
碁の世界と異なり、将棋の世界では「女流棋士」は普通の「プロ棋士」とは全く異なる制度となっている。
将棋界でも、制度上は公式戦は男女混合で指せることになってる。しかし、プロ棋士となる条件(※)をクリアした女性はいない。そこで、女性への将棋普及を目指して女流棋士制度が創られた。
基本的に「女流棋士」のみが参加する女流棋戦の対局を行う。他に、上位者は一部のプロ棋戦に存在する女流棋士枠によって男性のプロ棋士と対局することもある。
なお、「プロ棋士」となる条件をクリアした女性は「女性棋士」と呼ばれるので、混同に注意。
ただし、制度発足以来一人も現れていない。このため、「女性初のプロ棋士を目指す女流棋士」もしくは「史上初の女性プロ棋士」は、フィクションの存在として度々登場する。
※プロ棋士の養成機関である奨励会に入会し、26歳までに「地獄の三段リーグ」を突破して四段まで昇段すること。または現役プロ相手に連戦して勝ち越し、プロ編入試験に合格すること。
チェス
チェスの世界では、選手を「棋士」と呼ぶこと自体が公式には無いが、一般的には棋士と呼ぶことも少なくない。このことから、女性選手を「女流棋士」と呼ぶこともある。
また、チェスでは、プロとアマの違いを明確に定義していないため、そういう意味でも、囲碁や将棋の棋士とは、やや趣が異なる。
なお、チェス選手のタイトルに、女性のみが獲得できる称号として「ウーマングランドマスター」や「ウーマンインターナショナルマスター」などがある。それぞれ、「グランドマスター」や「インターナショナルマスター」よりも、基準点が200点ほど下がる。無論、女性も基準点を達成すれば、「グランドマスター」になることは可能である。
「グランドマスター」は1500人ほどいるが、圧倒的に男性が多く、女性は30人程度である。
少ない女性の活躍
将棋だけでなく、世界的に普及している囲碁やチェスであっても、女性の活躍は少ない。
碁の世界では、2000年、中国出身の芮乃伟(ぜい のい)が、韓国のタイトル「国手戦」を取ったのが、初めて女性がタイトルを獲得した事例である。チェスでは、2005年、ハンガリー出身のユディット・ポルガーが、初めて世界チャンピオンシップを戦った事例がある。
原因
古くから、将棋、碁、チェスを楽しむ女性はいたにもかかわらず、女性の実力者が男性に比べて著しく少ない理由は、はっきりと分かっていない。ワーウィック大学のピーター・バッカス博士の調査によれば、女性のチェス選手が、男性を相手にした時、ミスが明らかに多くなったという。このことから、いわゆる社会における「女性は男性に劣る」という無意識の固定観念が、選手自身の実力に影響を与えているのではないかという推察がある(俗にジェンダーバイアスなどと呼ばれるものである)。
他、相手がわからない状態(インターネットなど)での対戦で統計をとった所、「男性と女性は対等な試合をした」という研究もある。
また、体力面での問題も指摘されている。
例えば将棋では、1人の持ち時間が約5時間であり、もし互いに時間いっぱいを使うのであれば、対局に10時間かかる事になる。タイトル戦では、持ち時間が9時間、2日がかりでの対局を戦う場合もあり、その間は脳をフル回転させる必要がある。体力に劣る女性は、これだけの時間、脳を酷使すると、体力や集中力が持たなくなる可能性が指摘されている。碁も、将棋と同じくらいの持ち時間がある。チェスも、世界大会などでは7時間ほどの持ち時間が設定される場合が多い。
他の理由としては、男性のプレイヤー数に比べ、単純に女性のプレイヤー数が少ないためという説もある。将棋では、選手の男女比は100対1とも言われており、女性が著しく少ない。チェスにおいても、グランドマスターの数が男性1500人ほどに対し、女性は30人ほどで、これは世界全体でチェスを指す人の男女の割合とほぼ一致していると言われている。
なぜ、男性のプレイヤー数に比べ、女性のプレイヤー数が少ないのかといえば、男女の収入差に起因するという研究がある。
世界的に普及しているチェスや囲碁などの国際大会では、会場が外国である場合も多い。定期的に外国に出向き、何日にも渡ってゲームに没頭するという生活は、旅費を払い、仕事を長く休んでも日常生活に影響がない程度の財力が必要となる。
近年まで、世界中の国で、女性がそのような財力を持つことは難しい状況にあり、そのため、女性が少ないのではないか、という事である。
もちろん、上流階級の女性は働かなくても優雅な生活は可能であったが、彼女たちのような「淑女」の立場である者は、「男性の嗜み」であったチェスなどを趣味とすることは恥であり、やはり女性プレイヤーの人口増に結びつかなかった。
(チェスの世界チャンピオンの経験があるガルリ・カスパロフは、1989年に「チェスには、本物のチェスと女性チェスがある」という言葉を残すなど、近年までチェスは男性のものという認識が強烈に残っていた)
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緒方精次を憎みながら愛する女流棋士との、ただれた生活?(ただしHシーンなし) そしてNHK杯で、緒方精次と進藤ヒカルが、激突。大石の死活をかけて激戦。架空のオリキャラ出てきます。ヒカ碁夢草子。昭野さんのお題、緒方精次に惚れる女性の話として、書いたSSです。2,446文字pixiv小説作品