概要
「靴磨きの少年」とは、靴を磨くことを生業とする少年のことである。
…言うまでもなく児童労働であるため現代では問題になるが、日本でも戦後すぐまではこうして日銭を稼ぐ子どもが存在していた。
また、ある逸話から株式投資の世界において、市場の天井や暴落を知ることができる予兆のことを指す。
投資用語としての「靴磨きの少年」
ジョン・F・ケネディの父親は世界恐慌の影響を回避するため株を売却したという逸話がある。
理由は「靴磨きの少年が株式の話をしていたから」。
幾つかの解釈があるが、『無学・無教養な者まで株式の話をするようになったら市場のバブルは飽和点で、間もなく弾ける』と少年を馬鹿にした意図が含まれているものもあれば、『客商売をする者が株式の話をして「旦那さん儲かってるんでしょ?」と機嫌良くさせチップを弾んでもらおうという知恵を得るころ(=大衆みんなが儲けている頃)には、市場はもう天井になっている』と少年に知恵があることを含んだ意味のものもある。
真相
実はこの話は、インサイダー取引で事前に暴落を知って売り抜けたケネディが、人に理由を聞かれて咄嗟についたウソである、というのが現在の通説となっている。
仮にこの逸話自体が本当であったとしても、今の日本ではNISAやiDeCoのような非課税投資制度の施行・拡充により、収入に関係なく投資に手を出す者は何年にも渡って増えている(この間日米の主要株価指数は右肩上がりである)ため、アテにできるとは言い難いものになっている。
また「ブラックスワン」と呼ばれる、「少年」など現れる余地すら与えられない、何の予兆も無い暴落も歴史上幾度も起きているため、「そもそも暴落のリスクを受け入れずに投資をしてはいけない」と発想の根本を転換するべきだろう。
賢しら顔でただ徒らに「暴落が来るぞ!」と不安煽りをする者や、偽の暴落の予兆のことを「靴磨きの狼少年」という。