金融機関、特に銀行に金銭を預けることを指す。また、その金銭。「あずけきん」と読む場合がある。
一般個人が遣う「普通預金」と、業務上の決済用の「当座預金」の主に2種類がある。
銀行にとっての預金
銀行はざっくりと言うと個人から集めた預金の一部を貸し出し、その利息収入で利益を得るというビジネスモデルである。つまり預金をしてもらうことが非常に重要であり、そのために日々営業マンが走り回っている。
銀行は日々の預金の激しい出し入れによって経営の健全性が左右されないよう、常に自己資本と運転資金(底溜まり資金)を一定に保つ必要がある。そのため中央銀行から超短期の借金をしたり、自己資本に組み込めるタイプの債券などをたびたび発行したりしている。
ひとたび「あの銀行は潰れる」という噂が立てば、本当は潰れないはずなのに預金者たちが一斉に窓口に集まってお金を引き出す「取り付け騒ぎ」に発展してしまう。その結果銀行の運転資金が枯渇し、本当に潰れてしまった、ということが過去に何度もあった。
これを防ぐため、潰れた銀行の預金は預金保険機構が1000万円までを保証してくれることになっている(ペイオフ制度)。
個人にとっての預金
上記のことからも分かる通り、銀行に預金をするということは即ち「銀行に金を貸している」ことである。銀行に預金を預けておくと、その見返りにささやかながら利子がつく(ただし当座預金を除く)のもそれが理由である。
しかし預金が一般的な借金と異なるのは、貸し手がその気になればいつでも引き上げてしまうことが可能な(=流動性が高い)点である。これは銀行側からすれば「取り付け騒ぎ」の原因になってしまう、頭の痛いポイントである。
そこで銀行は毎月定額を必ず預金する「定額預金」、例外を除いて一定期間は絶対に引き出さないという「定期預金」といった預金方法を用意して預金を確保している。これを利用する預金者は預金の流動性を犠牲にする代わりに、多めに利子をもらうことができる。
またこれらに関連して、預金額や預金の形態に応じて、車や家のローンを組む場合の金利を優遇してもらえる場合が多い。
利子の多寡は国の政策金利によって左右される。日本は1980年代のインフレ時代、預金は投資並みの利息がノーリスクでもらえる美味しいものだったが、バブル崩壊後は慢性的なデフレのせいで低金利政策を敷かねばならず、その結果、長年利息がほとんどつかない状態が続いている。