インフレーション(inflation:膨張)の略。対義語は「デフレーション」(デフレ)。
通貨のインフレーション
主に経済用語で物価が上昇を続けること。手元のお金の価値は相対的に下がっていく。逆はデフレ(デフレーション:deflation:収縮)。大規模な災害によるモノ不足、円安による物資価格高騰、人口の増加、好況による賃金の上昇、資産バブルなど原因は様々。
年率5%未満のインフレーションは、好況でも普通に起る事であり、通常は問題ないか、むしろ望ましいことと見なされることが多い。ただし、1970年代のオイルショック時に起こった狂乱物価のように年率10数%以上(ギャロッピングインフレーション)となると、物価高騰に賃金の上昇が追いつかず、庶民の生活を圧迫する(資産の大半が株券や土地である資産家であれば、あまり影響はないが....)。
極端なもの(ハイパーインフレ)になると、毎月のように給料が2倍になるが物価は3倍(これが1年間続くと物価は500倍以上になるが、賃金は41倍程度にしかならない)…と言う風になり、札束の山を燃やしたほうがそれで薪を買うより燃料としては長く使えるような状態になってしまう。近年のジンバブエでも1000億ドル札が発行されたりした。
中央銀行は過度なインフレを抑制するため、物価上昇目標(インフレターゲット)を設け、これを超えないように通貨流通量を管理する場合が多い。なお、近年第二次安倍晋三政権においてはデフレを抑制し、物価上昇期待を創出するためにインフレターゲットを用いている(アベノミクス)が、そのアベノミクスの現状からもわかるように、財政政策や賃上げを伴わないで金融政策や株式市場への資金の大量供給でインフレを無理やり起こそうとしてもうまくいくものではない。
パワーのインフレーション
バトル漫画等で物語進行に応じて次々と強敵が現れ、主人公達も強くなる…の繰り返しで、その辺の雑魚敵が序盤に死闘を繰り広げたはずの強敵より強い状態になってしまうのを「戦闘力のインフレ」「パワーインフレ」等と呼ぶ。
詳細は「パワーインフレ」の項目参照。
通貨インフレーションの多い作品
- 桃太郎電鉄
- この手の金銭介在型ボードゲームでは、やり取りする金額の規模がインフレしがち。PlayStation2版以降のインフレはまさにそれまでとは別世界。
- 例として桃太郎ランドの価格が、FCで出た初代では50億円、以降も200~500億円くらいだったのが、近年では10兆円にまで膨れ上がった。
- CookieClicker
- 最初は1クリックで1クッキー(通貨)しか得られないが、施設の購入やアップグレードを重ねていくと、一瞬で何億、何兆もの通貨を生産できるようになっていく。
- 最終設備のYouは秒速510兆クッキーであり、これにアップグレードやリセットによる周回倍率をかけ全施設合計で秒速1阿僧祇(=10^56)クッキーを作ることが生産速度実績のコンプリートの条件である。
- ピンボール
- 初期のマシンはバンパーに当たると数百点~数千点得られるが、後に百万点得られるマシンが登場する。
- パズル&ドラゴンズ
- ガチャ1回=石5個という基準を定着させた作品だが、スーパーゴッドフェスからは1回10個とソシャゲ全体を見ても珍しい「ガチャ価格の変動」を常套化している。後に☆7以上フェス限のみのガチャを1回20個で実装した。
- 配布量もそれを追うかのように100個くらい配られ、毎月のダンジョン報酬もパワーインフレによって楽勝になっている範囲で50個ほど手に入る。
- 他にもフェス限による当たり交換や、虹メダルの入手量(黒メダルの形でデノミ)もインフレしている
その他
ピクシブ内
pixiv会員の急増による、トップクラスの閲覧数、評価点やブックマーク数の急激な増加もこう呼ばれることがある。
また、タグとしては「膨体」など、身体が膨らむシチュエーションの意味合いでも用いられている。
宇宙
ビッグバン直後に起きたとされる宇宙の急速な膨張を指して「宇宙のインフレーション」と呼ぶ。
鉄道
鉄道車両において系列・形式の番号が大きくなった場合に「インフレナンバー」と呼ばれることがある。
インフレの「名目」と「実質」
基本的に経済の世界でしか語られることのない概念だが、インフレには「名目」「実質」が存在する。
例えば物価が2倍になっても、給料が2倍になっている場合は名目上のインフレ率は2倍でも、実質的なインフレ率は1倍だと考えられる。
経済用語としての「名目インフレ率」「実質インフレ率」は金利を基準にして算出されるが考え方としては同じで、つまり金利が上がってもインフレ率がその分上がっていれば、実質的な負担は同程度と言えるわけである。