概要
貴重品(現金・有価証券など)を収蔵保管し、火災や盗難から守るための施設あるいは容器(規模による)。
このほか、融資などの金融業務を営むための企業形態を指す「金庫」もある(→信用金庫、労働金庫(ろうきん)ほか)。
夜間金庫
銀行は24時間営業しておらず、夜は閉まってしまう。そこで小売店などの売上金を銀行の営業時間外である夜に安全かつ確実に預ける場として用意されたのが夜間金庫である。
現金と金種毎の明細を記述した入金帳を専用の鞄に入れて施錠し、夜間金庫に預けると銀行側が翌営業日にバッグの鍵を開け、金額を確認したうえで指定の預金口座に入金処理するサービス。金種の確認と突き合わせが非常に大変なためか、近年は夜間金庫のサービスを行う銀行が減っている。
大阪ニセ夜間金庫事件
夜間金庫にまつわる未解決事件をここでひとつ。
1973年2月25日、大阪市北区梅田の三和銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)阪急梅田北支店の夜間金庫に客が現金を投入したところ、鉄製のはずの金庫が膨れ上がり、不審に思った客が警備員に連絡したところ、それが偽物の夜間金庫だったことが判明した事件。
近くの本物の夜間金庫の入口には以下の様な張り紙がされていた。
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御利用の御客様へ
鍵の折損事故に因り投入口開閉不能となりましたので、
誠に御足労ですが当銀行専用通用口の仮金庫迄御廻り下さい。
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つまり、本物の夜間金庫を故障していると思わせ、偽物の夜間金庫に現金を投入させるための張り紙だった。
このニセ夜間金庫には客の投入した現金2576万円で一杯になってしまい、ベニヤ板が現金の重みに耐え切れず膨れてしまったことで発覚したが、表面はステンレスで仕上げられており、一見すると偽物とは気づかなかった。
このニセ夜間金庫事件は1980年に時効が成立してしまったが、今も犯行のアイデアと失敗のユーモアさからテレビで何度も取り上げられている。