魔族の“カリスマ”よ、真の王を目指せ。
概要
正式名称は『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』で、ドラゴンクエストモンスターズ25周年を記念して作られた作品。
スクウェア・エニックスより2023年12月1日にNintendo Switch専用ソフトとして発売された。
2024年9月12日にはPC及びスマホ版が販売。後述のDLCも最初から入っているが、オンライン対戦が出来ない点に注意。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズの新作としては『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3プロフェッショナル』以来6年振りであり、移植やリメイクを除けばシリーズ初の据え置きゲーム機で発売され、『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち・イルの冒険』以来22年振りのナンバリングの新作である。
本作はピサロが主人公となっており、呪いによって魔物と戦闘できなくなったきっかけからモンスターマスターを目指す。
時系列としては『ドラゴンクエストⅣ』より前〜現在の話となっており、ロザリーも登場する。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズでは初のボイスが掲載され、有料追加コンテンツも販売されている。
基本的なシステムはモンスターを仲間にするにはスカウト、スキルからモンスターに特技を覚えさせる等ジョーカーシリーズ以降とほぼ同じ。丁度モンスターズナンバリングとジョーカーシリーズのハイブリットとなっている。
フィールドマップでは四季の概念が存在し、マップそのものや生息するモンスターが変わる。
またCEROについてはドラクエシリーズ全体としては『ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり』以来、ドラゴンクエストモンスターズシリーズとしては初のCERO-B指定(アイコンは「犯罪」)となっている。
なお、本作は音楽を担当したすぎやまこういち氏(2021年死去)とキャラクターデザインを担当した鳥山明氏(2024年死去)の遺作でもある。
本作はかなり好評だったようで、発売された直後から各店舗で売り切れが続出した(公式もこの件に触れていた)。高ランクモンスターは元より、低ランクモンスターも当たり前のように活躍できるなど、そういう意味で対戦における個体格差も是正されている。一方、ランクマッチは変化の無い環境から、2024年5月時点で早くも人口が4000人程度まで落ち込むなど、苦境に立たされている。
また、『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3』程ではないが色違いモンスターによる水増しも散見される他、Xランク(前作までのSSランクに該当するランク)のモンスターの数に至っては10にも満たない、サイズの概念で3枠(ギガボディ)と4枠(超ギガボディ)が廃止されている、配合でも仲間に出来ない完全な敵専用モンスターが多い等、従来のモンスターズシリーズのプレイ者から見たら不評な部分も少なくない。
モンスターのシステム
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』に引き続きモンスターに性別の概念はなく、更に+値の概念も廃止され、特殊配合でランクを上げていくシンプルな配合システムになっている。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』以降の流れを組4体まで編成可能だが、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』から登場したサイズの概念は1枠(Sサイズ)と2枠(Lサイズ)の2パターンに簡略化。同じ枠でも段階が細かく設定されており、サイズが小さいほど素早さに、大きいほど守備力に補正がかかる。
前作までと打って変わり耐性を下げて攻撃する特性「◯◯ブレイク(大)」が無効耐性にも作用して貫通するようになっており、メタルも属性攻撃で蹂躙される特殊な環境を形成している。無効耐性の上にブレイクを打ち消すだけの耐性補強をすることで初めて耐性として機能するように。
この耐性周りの劇的な変化に伴ってか新生配合や超生配合といった強化概念の採用が見送られている。
ぶっちゃけストーリーをクリアすることだけを考えれば、モンスターの種族やランクに拘らずズンズンとスキルを最優先で育てれば良い。
ストーリー
人間の母の教えにより人間界で慎ましく暮らしていたが、ふとしたきっかけで化け物と恐れられ迫害されたピサロは、父である魔王に母の病を治すよう懇願するも、一蹴され魔物に攻撃できなくなる呪いをかけられてしまう。
彼はモンスターマスターを目指すと共にロザリー達との出会いからモンスターマスターを目指し、父への復讐を誓う。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』や『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』が本家のナンバリングタイトルを知らなくても楽しめるストーリーなのに対し、本作は『ドラゴンクエストⅣ』のストーリーにがっつり関わっているため、ある程度の履修が推奨される。
基本的に『ドラゴンクエストⅣ』の展開に沿って話が進むが、ある場面を境に本来とは異なる展開を迎える「ifストーリー」となっている。
舞台
人間界と魔界の二つを行き来することになり、前者はピサロの拠点ロザリーヒル(野生の魔物が住む平原含む)とエンドールにあるモンスター格闘場が存在。
後者は6種類(覇王城、煉獄峠、甘味楼、流神殿、鋼鉄砦、災厄の魔宮)が存在し、それぞれ初級、中級、上級の三つに分かれている。
魔界ではエクサ・アリーナを勝ち抜く(覇王城・初級)又は事件を解決する事でピサロの名が知れ渡り、スカウト率が上がっていく。
人間界
本作の拠点。外には野生のモンスターが生息しており、アゲぴぴからチュートリアルを教わることとなる。
武術大会が行なわれている町。
普段はモンスター闘技場が開かれている。
マスタードラゴンが治める城。
- デスパレス
人間界における魔物達の拠点。物語開始時点ではザガンギエルが城主を務めている。
魔界
- 覇王城の魔界
初級にはアグルカの研究所と闘技場エクサ・アリーナが存在。上級にはランディオル大帝の居城である覇王城がある。
- 煉獄峠の魔界
アンドレアルの炎竜三兄弟が支配している火山地帯。
- 甘味楼の魔界
お菓子の世界。ある魔獣が封印されていたというが…
- 流神殿の魔界
海と砂漠の世界。川が流れ、遺跡が点在している。
- 鉄鋼砦の魔界
ヘルバトラーによって支配された機械の世界。
- 災厄の魔宮
過去に世界を滅ぼしかけた災厄が封じられている。
登場キャラクター
魔界の王である魔王の息子。母を救おうと父ランディオルの元を訪れるも、強力な力を恐れた父に魔物を攻撃できない呪いをかけられる。戦闘中を除き、ドラゴンクエストシリーズの主人公のお約束で一切喋らない。
主人公故に自分で名前をつけられ一部の漢字も概ね自由に使用できるが、物語の中で本家4になぞって「デス(プレイヤー名)」と名乗ったり呼ばれたり、「(プレイヤー名)ナイト」の名を与えたりする場面があるためデフォルトの「ピサロ」が推奨される(名前はいつでも変更可能)。
ピサロと出会ったエルフの少女。ピサロと共に行動をとる。
穏やかで心優しいが時には強気な一面も。
魔法の研究を行う人間の青年。『ドラゴンクエストⅤ』に同名の老人が登場するが関係は不明。
手癖が悪く、よく盗みを働く。
- あげピピ(CV:直田姫奈)
モンスターマスターになったピサロをサポートするゆるふわギャル風の精霊。
- スラぷる(CV:長縄まりあ)
原作でロザリーの友達だったスライム。
ピサロとは長い付き合い。
- モンじい(CV:宮崎敦吉)
原作のロザリーヒルの道具屋だった老人。
本作でもアイテムを販売するほか配合も担当。
- ミンミ(CV:井澤詩織)
ロザリーの友達であるミニデーモン。
- ミオレ(CV:園崎未恵)
ピサロの母である人間。病に苦しんでいる。
ピサロに人間として正しく生きるように説いている。
- ギルノ(CV:伊丸岡篤)
甘味楼の魔界・初級エリアの支配者。
- ムジャラー(CV:葉山翔太)
ギルノに脅され、魔獣を復活させてしまった。
後のピサロのてさき。勇者の里を見つけ出すことに成功し、ピサロ、メダリカと共に乗り込むが…
- メダリカ(CV:麻倉もも)
ムジャラーの友達であるおおめだま。
- パーシヴァル(CV:竹内良太)
最初は鉄鋼砦の魔界・初級の支配者だった。
- オンオン(CV:落合福嗣)
鉄鋼砦の魔界・初級に住むイエティ。
原作にもいた「おーん、おーん」が口癖のイエティ。
- アグルカ(CV:岡本信彦)
覇王城の魔界・初級で進化の秘法の研究を行っているあくましんかん。ベネットの憧れ。
恩人を探す元ホイミスライムの少年。
アグルカが完成させた進化の秘法の実験によって人間となった。
デスパレスから地上の魔物達を支配する三界魔王。
地上において絶対的な権力を持っており、ランディオル大帝の抑止力となっている。
- ジンマー将軍(CV:安元洋貴)
デスパレスの大将軍であるてっきゅうまじん。
実力だけならザガンギエルを上回るという。
- チマ(CV:東山奈央)
デスパレスに住むドラキーマ。
よくジンマー将軍と共に行動している。
ピサロの父である魔王。
魔界における絶対的支配者であり、圧倒的な力とカリスマ性を持つ。
ランディオルの長男で、力だけなら父以上だと称されている。
ランディオル大帝の直臣。
ピサロに進化の秘法の存在を教えアドバイスしてくれるが……。
- ニャーゼル(CV:阪口大助)
モンスターマスターとして活躍するピサロに声をかけるねこまどう。
エビルプリーストの部下。
- 炎竜三兄弟(CV:最上嗣生)
煉獄峠の魔界を支配しているアンドレアルの3兄弟。
ランディオル大帝に極炎鳥ルタガルーダの持つ不死の力を与えようと目論んでいる。
- 極炎鳥ルタガルーダ(CV:神奈延年)
煉獄峠の魔界のボス。
鉄鋼砦の魔界の支配者とされる暴君。
暴政を敷き、魔界の魔物達を苦しめている。
甘味楼の魔界・初級に封じ込められていた禁断の魔獣。
ギルノによって知恵を与えられ、ズル賢くなっている。
- モースロイ(CV:佐藤せつじ)
パッゴイ邪教団の教祖であるワイトキング。
エスタークを崇拝しており、復活のための儀式を災厄の魔宮で行っている。
ピサロの前に現れるミステリアスな青年。
その目的は一切不明。よく詩を口ずさむ。
- 次元竜ネグル(CV:西凜太朗)
覇王城の魔界・中級に封じられていたじげんりゅう。
リュノの目的について何か知っているようだが…
天空城から世界の全てを見渡す竜の神。
- ドラン(CV:高木渉)
天空城の使いであるドラゴン。
原作にも登場していた天空人。
- イシュカ(CV:佐倉綾音)
マスタードラゴンから離反しエスタークを生み出した天空人。
ピサロを敵視する『ドラゴンクエストⅣ』の男主人公。本作では少しだけセリフがあり、普通に喋る。
勇者ソロと共に旅をしている「導かれし者たち」。本作では出番・セリフ共に少ない。
余談
元々はカミュ兄妹を主役にする予定だったが、開発途中で『ドラゴンクエストトレジャーズ』の方へ変更した為、本作の主人公を急遽ピサロに変更した。勇者ソロが『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』に参戦したことも決して無関係ではないと思われる。
関連書籍「ドラゴンクエストモンスターズ 20thアニバーサリー モンスターマスターメモリーズ」によると、『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』の企画時のタイトルは「ドラゴンクエストモンスターズ3」だったとのこと。
関連動画
「ピサロとロザリー」
9月17日に公式より投稿。スラぷるの視点で描かれたピサロとロザリーのお話。
ゲーム本編との関連性は現在のところ不明。
関連タグ
ドラゴンクエストモンスターズ 魔族の王子とエルフの旅 ドラゴンクエストⅣ