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無期懲役

むきちょうえき

刑期を定めない懲役刑。日本における運用は終身刑に限りなく近い(事実上の終身刑そのものという評もある)。
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概要

生涯に渡り懲役が課せられるもの。つまり刑期満了が死ぬまで来ない。「一生刑務所から出られない終身刑とは異なり、具体的な刑期が定められていないだけの刑罰」としばしば誤解されるケースが見受けられるが、それは不定期刑という全く別の刑である。

なお、日本国内では終身刑の定義は「仮釈放(後述)が無く、一生刑務所にいることが確定しているもの」としばし受け止められることもあるが、国際的には終身刑にも仮釈放のあるものが一般的であるため、日本の無期懲役もまた終身刑と受け止められている。

日本における無期懲役

日本の場合は、よく15年で実質的には出所できると未だに思われているが、現在では刑期を始めてから30年(有期刑の上限)以上で仮釈放の候補の選択と審査がようやく開始される程度のものであり、ざっくりと言えば下記のほぼ無理な条件と、その他の様々な項目を満たした上でその道が開ける。ちなみにここで不許可が出た場合は次の審査は更に10年後となる。
また、仮釈放の審理に至る準備期間1年、仮釈放審理にかかる期間1年を足すため最終的に次回の審査は11~12年後とも言われる。
平均在所年数が20年を上回ってから既に30年以上が経過しており、2010年頃に年数は平均35年にまで達したが、その後は概ね31年前後の服役年数となっている…が、これはあくまで「仮釈放時点での年数」、つまり仮釈放が許可された無期懲役者の平均在所年数であり、全体の0.3%前後に過ぎない

仮出所に至る大体の条件

  1. 受刑態度がよく、罪を十分に反省しており更生への意欲がある
  2. 再犯の恐れがない、社会全体が加害者を許容している
  3. 身元引き取り人がいる
  4. 被害者遺族が加害者を許しているか
  5. 働けるか(50歳から60歳以上過ぎて)

近年では無期懲役囚2000人弱に対して毎年10人に満たない程度の仮釈放数となっている。
恩赦はどうなの?という質問に対しても応えておく。1984年に発生した、夕張保険金殺人事件(こちらは死刑)で加害者が計画的に当てにしていたケースもあったが、時世が完全に移り変わっており失敗に終わった。現在では天皇が崩御されても絶対にないので当てにしない事。

何故こんな記事書いたのかと言うと、無期懲役を宣告される事が(冤罪でもない限りは)ほぼ人生終了という事を簡単な説明で分かって欲しかったためである。塀の中で悟りを開く人間も少ないながらいるだろうが、そのような服役囚は上記の対象となって仮出所している。

例えば30歳に判決を下されたとして、審査が始まる30年後頃には親も高齢か死んでいるかで、身元の引き取りなんて親戚も来ないだろうし、事実引き取りを拒否されるケースがほとんどであり、前述した3番目の条件は詰んでいるのである。

更に再審査を受ける羽目になった場合、70歳、80歳になる頃には身内なんて確実にいなくなるだろう。もうその頃にはどのみち再審査すら受ける事も出来ず、塀の中の生活の方がましというまでの状況になっている。

また先述の通り、無期懲役とは一生涯に渡り刑が続くものであり、万が一に仮釈放が許されたとしても死ぬまで保護観察下に置かれ、そこから逃げ出したり何らかの罪を犯して罰金刑以上が確定したりすれば仮釈放は直ちに取り消されて塀の中の暮らしに逆戻りとなってしまう。これらを踏まえた上で、罪を犯すという事がどれだけ厳しいか今一度よく考えてほしい。

入所してから概ね40~50年以上が経過している場合、仮釈放審査には複数回落とされている可能性が高い人物が多い。一方で服役年数トップ50の受刑者現状を見ると、大半が医療刑務所に身柄を移管されていることが多い。
当然身体的にも高齢故にキツくなっているが、これらの長期受刑者は「精神に異常をきたしている」可能性の方が高いとも言われる。要するに、超長期にわたる刑務所暮らしはかなり過酷なものであろうと推察される。

日本の無期懲役囚で最長の収監記録を持つものについては明らかにされていないが、過去の仮釈放審査記録などから鹿児島雑貨商一家殺人事件の犯人である元少年の服役年数が63年以上にも亘っていることが判明している。
該当者は戦後すぐに犯行に及び、少年法改正前に死刑判決を受けたが、犯行当時18歳に満たなかったために法改正時の恩赦で無期懲役に減刑された。故に後述する「マル特無期」として特に審査が厳重となり仮釈放が通っていないものだと考えられる。

マル特無期

マル特無期についても説明しておく。一言で言えば実質、マル特無期=ほぼ(仮釈放なしの)終身刑。
更生の望みがなく、裁判の際に検察側から死刑を求刑された場合にこれがつく確率が大きくなる。仮釈放については特別慎重に審査されるため、通常の無期懲役囚と比べても外界に出る可能性はまずない。無期懲役囚のうち400人弱(5分の1近く)がこれに当たると言われている。
なお、マル特無期は特段法に定められた無期懲役ではなく、法律上は他の無期懲役と変わらない。仮釈放についても、全く審査自体がされないというわけではない。
一方で、社会全体や審理を行う者たちの心象次第でその運用の厳しさが決められるため、最初から仮釈放なしが決定されている終身刑より更に厳しい刑罰なのでは?という声も存在する。ただし、マル特無期というシステムそのものがまだ大きく知られていないことにも留意。

未決死刑囚と長期無期懲役受刑者

死刑の判決を受けながら、30年以上に渡って収監されたままの長期未決死刑囚が日本国内には何人か存在する。多くの場合、共に犯罪を犯した共犯者がまだ裁かれていない(逃亡中などを含む)、再審請求が行われ受理の可能性が高いなどの理由で留め置かれる者が多いという。
ただし、未決死刑囚にとっての刑の執行はあくまで「刑死」、つまり死刑執行により死ぬことだけである。そのため未決死刑囚の身柄は無期囚と異なり拘置所(ただし死刑執行設備のある札幌などの刑務所に代替されて収監されることもある)に収監され、無期囚のような懲役(労役)作業は存在しないという違いがある。
あくまで運用にかかる様々な問題から刑の執行が先送りされているだけであり、明日刑執行が行われ死亡するかもしれないという状態にいるものとは明確に差があるとの主張もあるが、多くの場合マル特無期の受刑者未決死刑囚の罪状レベルにそれほどの差異が無く、両者とも「事実上の」終身刑のように運用されている。
なお、未決死刑囚の最長収監記録はおよそ44年(名張毒ぶどう酒事件)であるが、無期懲役の収監者上位は軒並み50年超えが連ねており、ここまで長期に亘る未決死刑囚の存在はあくまで非常に稀なイレギュラーであろう。

関連項目

司法
死刑 終身刑
刑務所 牢屋

外部リンク

法務省ウェブページ 無期刑受刑者の仮釈放の運用状況等について
※ここに掲載されているPDFを見れば上記内容の根拠をおおよそ把握できる。

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