「お前の未来も、見える……!」
「お前さえいなければ良かったんだ…!! お前は、俺には勝てないッ!!」
スウォルツ「全てのアナザーライダーの力を統べし、裏のライダーの王だ」
演/CV:佐久間悠
スーツアクター:岡田和也
データ
身長 | 200.0cm |
---|---|
体重 | 92.0kg |
特色/力 | 複数のアナザーライダーへの変化/未来を見る/時計の針状の武器を使った攻撃 |
概要
『仮面ライダージオウ』EP25「アナザージオウ2019」にて登場したアナザーライダーの1人。
変身者は常磐ソウゴと関わりがあるという謎の青年・加古川飛流。
モデルは仮面ライダージオウ。
ジオウと同じくアナザーウォッチを使うことで他のアナザーライダーの力を使うことができ、裏の王という異名を持つ。
アナザーウォッチはEP24終盤の時点でスウォルツが所持しており、元となったジオウの力をどこで手に入れたのかは不明だが、前々から用意してあった模様。
ウールやオーラもその存在自体は想定していたらしいが、アナザージオウ自体がジオウに代わって「最低最悪の魔王」になる恐れがあったため、出現を知った際には二人ともかなり動揺した姿を見せていた。
特にウールは自らがアナザーライダーにされた経験も相まって、スウォルツの思惑に対し恐怖と不信を抱き始めている。
変身時は起動したアナザージオウウォッチを右腰に当て、ウォッチが装填されるように黒いジクウドライバーが出現している。
他のアナザーライダーはアナザーウォッチが体内に埋め込まれているのに対し、アナザージオウの変身はジオウやゲイツに近い方式と言える。
容姿
これまでのアナザーライダーの例に漏れず、ジオウの姿を歪めたような容姿をしており、白目を向き剥き出しとなった歯茎はさながら「仮面」を剥がされた人体模型のよう。
赤い垂れ目の複眼やクラッシャーの形状、眉間にあるOシグナル状の装飾等がどことなく仮面ライダー1号に似ているとの意見もある。
今までのアナザーライダーのような歪んだ仮面や骸骨といったものとは異なり、「皮膚を剥がされて筋肉がむき出しになった人の顔」がモチーフになっていることがわかる。
時計の針を模したアンテナ部は途中で折れ曲がっており、長針と短針の位置がジオウとは逆になっている。
頭部と胸部に、年号が刻まれたコアのような部位があり、何故か2018ではなく、2019と刻まれている。
両目の下部にZi-O、2019の文字があり、背中やドライバーにも同じ文字や年号が刻まれている。
カラーリングはジオウとはアンダースーツの白黒が反転して、上半身のアーマー(オーバルライトテクター)が実際のボディアーマーに近い無骨な形状になっており、全体的な体つきもジオウに比べてマッシブであり、その姿はフェンシングスーツを彷彿している。
このように、アナザーライダーの一体でありながら、他のアナザーライダーと一線を画した点が数多く見受けられる。
能力
アナザーウォッチを使用して各アナザーライダーに変身することが出来る。
ジオウの「レジェンドの力の継承」と「アーマータイムによるライダーアーマーの装着」を模した力のようだが、こちらはライダーアーマーを身にまとうのではなくアナザーライダーの姿に変身する点でジオウと異なる。
さらに、変身後の姿に対応するライドウォッチで必殺技を受けても、即座に他のアナザーウォッチを使い別のアナザーライダーの姿で復活することができる。アナザージオウが使う分にはアナザーウォッチが砕けることはない模様。
アナザーウォッチは過去にアナザーライダーとなった人間を襲ってその力の残滓から作り出しているが、描写がないアナザーライダーもおり、おそらくかつての変身者たちも襲われたと思われる。物語序盤のライドウォッチも歴史改変でライダーであった歴史を失った者の力の残滓から作り出していると思われるため、こちらはアナザージオウ固有の力ではないと思われる。
また、生成したアナザーウォッチを他人に埋め込んでアナザーライダーを生み出し使役することも可能。こちらは歴史改変を除き通常のアナザーライダーと同じ性質を持つ。
時計の長針と短針を模した双剣を武器とし、2本を連結することで槍状にすることも可能。
ジオウのサイキョージカンギレードは長針と短針が重なったような形状なのに対し、こちらは合体すると長針と短針が逆方向を向いた形状になっているのが対照的である。
こちらもジオウⅡと同じく未来予知能力を持ち、それを活かして互いの必殺技をぶつけて相殺し、決定的なダメージを回避できる。
また、「ライダーの力にはライダーの力で対抗する」のがライダーからアナザーライダーに対する攻略法だが、裏を返せばそれはアナザーライダーからライダーに対する場合でも同じである為、「ジオウはアナザージオウの攻撃に弱く、同時にアナザージオウもジオウの攻撃に弱い」とウォズから告げられている。
これまでは「アナザーライダーには同じライダーの力でしか決定的なダメージを与えられない」としか説明されておらず、オリジナルライダーとアナザーライダーが決着が付くまで激突したのは劇場作品を除けばクイズの一件のみであり、「アナザーライダーの攻撃がオリジナルライダーに対して致命的なダメージを与えられる」事は説明も描写もされていなかった。
しかし、ジオウⅡを倒すために生み出されたゲイツリバイブにはジオウⅡと同等の能力も通用せず、後述するようにカウンターを決めるなどは行えたものの終始圧倒されていた。
誕生による改変
本来ならこのアナザーライダーが誕生した時点でソウゴ自身がライダーの力を奪われるはずだが、劇中では特にそのような現象は見られていない。平成ライダー20周年公式サイトの解説では、「クイズとアナザークイズの時とは理屈が異なる」「まだ歴史になっていない現在進行系のライダーだからではないか」と記述されている。
活躍
- EP25『アナザージオウ2019』
アナザーオーズに変身してアナザービルドの変身者だったバスケット選手を襲い、入手したアナザーウォッチでアナザービルドに変身。
さらにアナザーエグゼイドの変身者だった飯田を襲ってアナザーエグゼイドウォッチを入手したところでソウゴが駆け付け、ビルドアーマーの「ボルテックタイムブレーク」で一度は撃破されるが、すぐさまアナザーエグゼイドに変身して復活するも、状況を不利と見た黒ウォズによってジオウに逃げられた。
その後、アナザーファイズおよびアナザーフォーゼの変身者だった佐久間を襲い、アナザーファイズウォッチ・アナザーフォーゼウォッチを入手。駆けつけたゲイツと戦闘になり、エグゼイドアーマーの「クリティカルタイムバースト」を受けるも、ものともせずにゲイツを変身解除に追い込む。
乱入した仮面ライダーウォズ・フューチャーリングキカイの「フルメタルブレイク」「爆裂DEランス」を連続で受けるが、今度はアナザーファイズに変身して復活。白ウォズの問いに変身を解き、その正体を明かして去っていった。
「常磐ソウゴ。お前とは何度も交差する運命にある。またすぐ会うだろう…」
程なくして、アナザーウィザードの変身者だった早瀬からアナザーウィザードウォッチを生成しようとするも、駆けつけたソウゴによって早瀬に逃げられる。
ソウゴの変身と同時にアナザー鎧武に変身して交戦するも、そこにゲイツと白ウォズが乱入。ウォズ・フューチャーリングクイズの「不可思議マジック」を受け、今度はアナザーゴーストに変身して復活。そしてついにアナザージオウウォッチを起動し、真の姿であるアナザージオウに変身。
双剣の一撃でゲイツと白ウォズを変身解除に追いやり、ジオウⅡと互いに予知しあう互角の勝負を繰り広げ始めた。
- EP26『ゲイツリバイブ!2019』
激しい戦いの末、ジオウⅡの「キングギリギリスラッシュ」と自身の必殺技の激突による爆発の隙に逃走。
その後は「アナザーライダーはアナザーライダーを引きつける」特性を利用し、早瀬を発見して今度こそアナザーウィザードウォッチを手に入れた。
駆けつけて来たソウゴに対して自分がソウゴの命を狙う理由を明かし、ソウゴが変身したジオウⅡと再び対決する。
互いに一歩も譲らぬ戦いを繰り広げる中、現れたゲイツはツクヨミの覚悟を見てゲイツリバイブライドウォッチを覚醒させ、ゲイツリバイブ剛烈に変身。
先にジオウを倒させまいと挑みかかるも、攻撃が通じないどころか逆に圧倒されてしまい、形勢不利と見たスウォルツが時を止めたことでその場は撤退した。
- EP27『すべてのはじまり2009』
「常磐ソウゴを消すのは……俺だ……!」
ゲイツにジオウを倒させまいと再び立ち塞がり、ゲイツリバイブ疾風と対決。そのスピードに圧倒されながらも動きを読み、カウンターの一撃を炸裂させたが自身は変身解除に追い込まれた。
その後、ウールから「ゲイツと同じ未来のライダーの力を奪えば良い」と唆されたことで、無関係の一般人をアナザーゴーストとアナザー鎧武にして白ウォズを襲撃。仮面ライダーウォズが2体と交戦している隙を突き、彼から仮面ライダーウォズの力を奪う事に成功する。
一度は白ウォズのノートによって力を取り戻されかけたが…
黒ウォズ「仮面ライダーウォズの力、確かにウォズの元に来た」
直後に黒ウォズが乱入しその力を奪ってしまう。ウールは黒ウォズに騙され、その作戦に利用されていたのであった。
- EP28『オレたちのゴール2019』
「決着の時だ…常磐ソウゴ…!」
「俺が…お前の息の根を止める…!」
ウールの指示に従い、生成した大量のアナザーウォッチを一般人に使ってアナザーライダー軍団を形成。ゲイツとの約束を果たそうと待ち合わせ場所に向かおうとしていたソウゴの行く手を阻み、一斉に襲い掛からせる。
ゲイツも仮面ライダーウォズとなった黒ウォズの策略で体力を奪われながらも、ソウゴとの約束を果たすべくふらつきながら待ち合わせ場所へ向かっていた。
そして2人の約束の場所でソウゴに追いつき、ソウゴを葬ろうと襲いかかるも、その手をゲイツが阻む。
ゲイツ「ジオウに手を出すな…!」
「こいつはお前にとっても敵じゃないのか!? 魔王になる男だぞ!」
ゲイツ「ジオウが魔王になるだと…? そんなわけがあるか!
こいつは誰より優しく、誰より頼りになる男だ! そして…俺の友達だ!」
ついにソウゴとの友情を自ら認め、ソウゴと共闘するゲイツ。2人にアナザーライダー軍団を差し向けるも、2人の連続アーマータイムラッシュで全滅させられる。
最後に1人残されジオウ・オーズアーマーとゲイツ・ゴーストアーマーに襲いかかるも、ついに天敵であるジオウⅡとゲイツリバイブ剛烈が目の前に並び立った。
直後、ゲイツが負荷で苦しんだ隙に高所から必殺技を放とうとしたが、ジオウⅡの予知にゲイツリバイブ疾風が先回りする連携で阻まれる。
最後は剛烈への切り替えで攻撃を受け止めたゲイツに投げ落とされたところに、待ち構えていたジオウⅡの「キングギリギリスラッシュ」を受けて倒された。
敗北してもなお、ソウゴのせいで家族が死んだ事に対する恨みは消えなかったが、逆にソウゴはその事で謝罪しつつ、飛流を優しく諭す。
「お前さえ……お前さえいなかったら……!!」
ソウゴ「俺がいなかったら、事故がなくなって、家族は生き残ってた……?
そうかもしれない…でも、ごめん。俺にはどうする事もできない。
ただ、思うんだ。きっと、俺と飛流なら乗り越えられるって。あの過去の日から。
だから、過去の為じゃなく…“今”のために生きようよ」
その言葉を聞いた飛流は、ソウゴが支える手を強引に払いながらも、その場で涙を流す事しかできなかったのだった。
一方、残っていたアナザージオウウォッチは粉々に砕け散った直後、時間が巻き戻るかのように一瞬で修復されており…!!
立体物
食玩の装動シリーズのジオウ編の最終弾にて、ラインナップ入りを果たした。
本来ならば、アナザーライダーは同シリーズの派生商品・装動外伝にて発売するのだが、「塗装よりもシールの方が、彩色の表現がし易い」「素材がABSでも問題なく再現出来る」と言う事から、通常の装動シリーズでの発売が決定した。
スタッフの想定通り、立体化は巧くいった……のだが、アナザージオウの武器に問題が発生、二つの武器を繋ぐパーツの差し込み穴がものによっては狭く、深く差し込むと抜けなくなる危険性を孕んでいる。
ブンドドをする時は、そこに注意をするように。
余談
- 初登場のEP25では、ジオウライドウォッチがアナザージオウウォッチに変化する演出がなされた。
- 本編開始から程なくしてオリジナルアナザーライダーとして想像イラストが多数描かれていた存在。
- 「終盤近くや劇場版でアナザーライダーとなったジオウが出るのではないか」と視聴者からは思われていたが、ストーリーの中盤という意外な速さでの登場となった。
- 初の刻まれた年号と放送年が一致しないアナザーライダー。以降のアナザーライダーは年号が「2019」で固定され、オリジナルとの両立が可能となっている。
- アナザージオウの顔つきや表情、体格からして某巨人や某追跡型生物兵器に似ていると感じる視聴者も少なくないようである。
- 飯田が救急車で運ばれる際の描写は息子のケイスケが搬送された場面、早瀬が逃げ去る際の描写はアナザーウィザードとしての正体を隠し逃走する場面と似ており、過去のアナザーライダー編を意識したような演出がところどころに確認できる。
- アナザーライダー軍団が次回予告や予告スチルで公開された時、アナザー平成ジェネレーションズFOREVERやアナザーライダー大戦などのコラ画像まで作られた。
関連タグ
アナザージオウⅡ…上位形態。
ジェネラルシャドウ…白基調の衣装や皮が剥がれたような顔面が共通している。
ン・ダグバ・ゼバ…仮面ライダークウガのラスボス。原典クウガの最強形態であるアルティメットフォームと同等の力を持つ存在であり、ジオウとアナザージオウと同じようにそれぞれのメインカラーが黒と白で真逆という共通点がある。
仮面ライダーフィフティーン…平成ライダー15人の力を使う事ができるダークライダーであり、ある意味アナザージオウの先駆けと言える。