城戸真司(鏡の中の異世界)「お前にも俺は倒せん。俺は仮面ライダーリュウガだからな」
ウール「彼はかつて、鏡の世界に存在したもう一人の城戸真司。すでに消えた異世界のライダーさ」
CV:須賀貴匡
スーツアクター:中田裕士
データ
- 身長:190.0cm
- 体重:90.0kg
- 特色・力:ミラーワールドと現実世界の往来、鏡の生成、鏡による攻撃の反射、リュウガの使用する武器を模したような手に持った手甲および剣を使った攻撃、手甲から繰り出す火炎攻撃
概要
『仮面ライダージオウ』EP21『ミラーワールド2019』で登場。
既に失われたはずの鏡の中の異世界に存在していた城戸真司(鏡の中の異世界)が変身するアナザーライダー。
モデルは仮面ライダーリュウガで、過去の平成ライダー作品に登場するダークライダーかつネガライダーの力を宿した、初のアナザーライダーとして登場した。
変身者である城戸真司(鏡の中の異世界)は、本来の歴史でも仮面ライダーリュウガに変身したため、過去のレジェンドライダーの正規の変身者が変身した初のアナザーライダーでもある。これは正規の手段であるカードデッキを使用した変身が不可能になり、アナザーウォッチという非正規の手段で強引に変身した結果ともとれる(加えて、『仮面ライダー龍騎』に登場したライダーが力を維持するのに不可欠なミラーモンスターとの契約がないためとも解釈できる)。
これまでのアナザーライダーは、戦闘に慣れていない一般人(しかも撃破される際は、アナザーライダーになったばかりの時期)が変身することが多かったが、かつては仮面ライダーとして戦ったこともあり、戦闘力はかなり高く、ジオウやゲイツ、さらには仮面ライダーウォズすらも圧倒している。
また、『仮面ライダー龍騎』の中では、最終的にリュウガが存在していたミラーワールドは開かれない歴史に変わったため、2002年に行ったとしても、リュウガのライドウォッチは入手できず、完全撃破の手段が存在しないという厄介な敵と化していた。
そして、彼が持つ能力の厄介さも相まって、劇中ではジオウⅡに完全撃破されるまで一度も変身解除まで追い込まれていなかった。
容姿
龍騎サバイブのような意匠や金のカラーリングが見られ、仮面ライダーリュウガというよりはHERO SAGAに登場したリュウガサバイブを彷彿とさせる容姿をしている。本家のリュウガ自身が元々ダークライダーだからか、今までのアナザーライダー以上に邪悪で禍々しく、まさに憎しみを映し出す鏡とも言える存在。
もちろん瞳やクラッシャーも存在しており、仮面のスリット部分が歪なラインになっているため少し分かり辛いが、赤い複眼の中はよく見ると小さい瞳が存在している。
龍をモチーフとした意匠が多く、頭部の紋章はそのまま龍の顔を象っており、ボディ各部には龍の鱗らしき意匠が存在する。ベルトのVバックルもカードデッキを咥えた龍の顔になっている。
また、リュウガの契約モンスター・ドラグブラッカーが東洋の龍をモチーフとしているためか、下半身には中華服のような前垂れが存在する。
胸部にはRYUGA、2002と描かれているが、リュウガが鏡の中の存在のためか鏡文字となっている。加えて武器の持ち手も反転しており、オリジナルの龍騎・リュウガと異なり左利きで剣を装備している。
なお、EP21冒頭の時点ではライダー名の後半部分が不明瞭になっていたが、同話で再登場した際にはハッキリと映っている。
能力
本家のリュウガが登場した「龍騎」のライダー達と同様、鏡やガラス等の鏡面から鏡の中の異世界=ミラーワールドと現実世界を行き来する能力を持っており、これによりジオウとゲイツの追跡を何度も振り切っていた。
戦闘時はドラグセイバーを模した長剣と右腕のドラグクローを模した手甲を武器としており、接近戦では無類の強さを誇る。この手甲はドラグクロー同様に青い炎を放つ事ができ、攻撃時にはドラグブラッカーの咆哮のSEが流れる演出がなされている。
また、リュウガのライダークレストに似た形状の鏡を召喚し、受けた攻撃をそのままの威力で跳ね返す能力も持っている。これにより飛び道具やライダーキックすら反射できる他、フューチャーリングシノビの分身達が放った必殺技も全て本体に向けて跳ね返しており、遠近共に隙がない反則染みた戦闘力となっている。
ただし、この反射能力にも限界はあり、防御力を上回る攻撃を叩き込まれると攻撃を反射できず、ダメージをそのままモロに受けてしまうという欠点もある。
誕生による改変
今までのアナザーライダーと違い、本来の歴史におけるライダー達の戦いは神崎士郎と神崎優衣によって既になかった事にされている。
ライダーだった者達はライダーにならなかったという歴史改変が『龍騎』内で起こっている為、アナザーリュウガの誕生による歴史への影響は不明(全くない可能性もある)。
ある意味では失われたライダーの力をアナザーライダーとして復元した存在とも言える。
東映公式サイトでは「仮面ライダー龍騎の歴史は無くなっても、ライダーバトルが繰り返されたという事実は存在するため、ミラーワールドの出現と共にリュウガも復活したのではないか(要約)」との記述があり、力自体はミラーワールドに残されていたとも取れる。
ウールによるリュウガの説明時の回想では、変身前の姿が唯一映っている『EPISODE FINAL』の映像が使用されている。
活躍
- EP21『ミラーワールド2019』
ウールが門矢士から聞かされていた「数千回に一回鏡が割れる瞬間にだけ繋がる、失われた鏡の中の世界がある」という言葉に従い、投げた石をぶつけては時を戻して繰り返し割っていた鏡の中に映り込んだ鏡像真司を発見。彼にアナザーリュウガウォッチを手渡し、アナザーリュウガに変貌させた。
それ以降はかつてのOREジャーナルの元フォロワー達を襲っており、工事現場の作業員を襲っていたところに駆けつけたジオウやゲイツと交戦。攻撃反射能力で2人を圧倒し、自動車の窓から鏡の中の異世界=ミラーワールドに逃亡する。
終盤では「本物を倒せばアナザーリュウガも消える」という理由から仮面ライダーウォズに襲われ逃走していた城戸真司の前に出現。「お前は今、お前を襲った奴を倒したいと思っている」「お前の願いを俺が叶えてやる。俺はお前だからな」と告げ、真司を襲おうとしていたウォズを襲撃し圧倒、ゲイツをも追い詰める。
そこに駆けつけたジオウは「オーマの日」に使われるという謎のライドウォッチを起動しようとするも失敗。撤退するアナザーリュウガだったが、後を追いかけたジオウがアナザーリュウガと共に鏡の中の異世界に突入してしまい……。
- EP22『ジオウサイキョウー!2019』
ソウゴの追跡を振り切るも、白ウォズの端末の力で誘導され再びゲイツと対決。フューチャーリングシノビの分身攻撃すらも圧倒する戦闘力を見せつける。
一方、ソウゴは病室に戻っていた真司と対面。真司は自身の姿が映らない鏡を見つめながら、アナザーリュウガが元フォロワー達を襲う理由が「フォロワー達がもっと支持してくれていればOREジャーナルは潰れずに済んだ」という恨みではないかと語った。
ゲイツはアナザーリュウガを倒す為、必殺技・タイムバーストのタイムラグを利用してアナザーリュウガを攻撃。大ダメージを与える事はできたものの、攻撃を跳ね返されたゲイツは死亡し、結局アナザーリュウガの撃破には至らなかった。
しかしそこに駆けつけたソウゴがジオウライドウォッチⅡの力でゲイツの特攻前まで時間を逆行させ、仮面ライダージオウⅡに変身。ジオウⅡの強過ぎる攻撃は鏡を砕いてしまい反射できず、未来の先読みにより反撃もできず、更には建物のガラスを全て割られた事で逃走も失敗。最後はサイキョージカンギレードによる必殺技・キングギリギリスラッシュを受け爆散、アナザーウォッチも砕け散った。
敗北後、もう一人の自分を受け入れたソウゴは「城戸真司はあんたを受け入れてるよ」「あとはあんたが、城戸真司を受け止める番だ」と鏡像の真司を諭す。
その後、釣り堀で大久保大介と再会した真司が覗いた水面には、元通りの真司の姿が映っていたのだった。
一方、オーマジオウと同じ「時を操る力」を目の当たりにしたツクヨミはその力を危険視し、遂にソウゴを倒す決意をする。ソウゴを信じ「オーマの日なんて来るわけない」と笑っていた彼女はそこにはいなかった……。
余談
- 原典の「鏡像の城戸真司=仮面ライダーリュウガ」はミラーワールドでの活動に時間制限がなく、代わりに逆に現実世界に時間制限があった。
- 誕生した年は不明だが、『仮面ライダージオウ』特有の「過去の時代に行った際に西暦が表示される演出」が今回は確認されておらず、鏡像の真司が現代の真司と同じ服装であることを踏まえると現代(2019年)で誕生した可能性が高い。
- 龍騎の物語の末にミラーワールドは開かれなくなったが、ミラーワールド自体は龍騎の物語と無関係に存在していたようで、戦いが無くなり鏡像の城戸真司もリュウガにならないままミラーワールドごと忘れ去られていたと考えられる。
- もっとも、ミラーワールドは出自などの設定があまり語られていないため、全ては推測の域を出ないのだが。
- そして、16年の時を経てウールによって現世とミラーワールドが繋げられ、形は違えど再びリュウガに変身する事となった。
- ミラーワールドの情報をウールにもたらした士自身は、過去に似て非なる世界のミラーワールドを旅していたり、別の世界のリュウガと戦ったこともあった。
- なお、EP14でもディケイド龍騎に変身していたりしたので、こちらの世界のミラーワールドについても情報を仕入れていたのかもしれない。
- ただし、演者は寝耳に水だったようだが……。
- 龍騎のアナザーライダーではなく同作のサブライダーがアナザーライダー化して登場するという視聴者の予想の斜め上を行く発表は多くのファンを驚かせた。
- それから程なくして、本編ではないものの龍騎のアナザーライダーも登場することとなった。
- なお、『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』においてはリュウガが後半の主役ライダーとして登場している為、ある意味で主役のアナザー化を満たした存在と言える。
- リュウガ編において、筋は通っているかもしれないがやたらと理不尽な理由で現実世界の真司を狙っていた白ウォズだが、これは原典においてミラーワールドを閉じるために神崎優衣1人の命を狙っていた香川教授のオマージュとも取れる。
- また、黒ウォズ視点になってしまうものの、白ウォズ自身が「別世界のもう1人の自分」という鏡像の真司に近い存在でもある。
- EP22でジオウⅡに敗れた事で、これまで登場したアナザーライダーの中でそのアナザーライダーに対応したライドウォッチを使用せず、レジェンドライダーの力も借りずに完全撃破された初のアナザーライダーとなった。
- なお、アナザーリュウガが敗れた後も鏡像の真司は劇場版と違い消滅する事なく生存している。
- 本物の真司も「受け入れなければ前に進めない」と鏡像の真司を受け入れる覚悟を決めている為、受け入れて貰えないまま消滅する事になった劇場版とはまた違う結末を迎えているものと信じたいところである。
- ジオウⅡの登場により、番組開始当初からソウゴの味方であったツクヨミはソウゴを信頼し始めていたゲイツとは逆に、その力を恐れてソウゴを倒す事を決意し、しばらくソウゴから距離を置く事となった。
- これらの点も踏まえると、アナザーリュウガとの戦いは『ジオウ』の物語における大きなターニングポイントだったと言えるだろう。
- なお、残念ながらアナザーリュウガウォッチは商品化されたものの、オリジナルのリュウガウォッチは玩具化はおろか、表立って登場する事はなかった(一応、オーマジオウは彼の力も受け継いではいるのであろうが)。
関連タグ
アナザーシノビ:アナザーリュウガ同様、正規変身者がアナザーライダーと化した例。こちらの場合、アナザーライダーにされた時点ではライダーに相応しい素質を持っていなかった。
アナザー龍騎:リュウガの対である龍騎のアナザーライダー。全くの別人が変身しているが、元のライダーと同様に外見上の共通点が多い。
アナザーディエンド:アナザーリュウガ同様、過去の平成ライダー作品のサブライダーの力を宿したアナザーライダー。
スタッグハードスマッシュ:前作における登場時期が似ている時期に登場した強化形態に初めて倒された点が共通しており、その力が強力すぎるが故に周りの人物が暗い影を落とすきっかけになったのも共通する。
アナザーライダー登場順