ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

「心の火…心火(しんか)だ」

「心火を燃やしてぶっ潰す!」


演:武田航平


変身する仮面ライダー

仮面ライダーグリス


概要編集

仮面ライダービルド』の登場人物。

パンドラボックスフルボトルを奪うべく北都から東都に送り込まれた秘密兵器・仮面ライダーグリスの変身者。

北都軍のトップであり、北都三羽ガラスからは「カシラ」と呼ばれ慕われている。


人物像編集

7月17日生まれの29歳。血液型はAB型

桐生戦兎の「敵も味方も死なせない」という気持ちを「自分達は殺し合いをしている」と真っ向から否定し、戦うことを「祭り」と呼び強者との戦いを至上の喜びとするバトルジャンキー。グリスに変身する時、敵に指を指す癖がある。グリスに変身している時はスクラッシュドライバーの機能も相まってさらにハイになり、一度スイッチが入ると無双の戦闘力を発揮する。ただしスロースターターなため立ち上がりは苦戦することが多く、所謂「劇場型」な戦いになる。必殺技を使用し、万丈龍我に止めを刺そうとした時には「友よ、最期の時だ」と、まるで世紀末救世主の様なことを言っていた。また、戦闘中は「最大!無限!極致!」など、二字熟語を3つ並べて叫ぶ事が多い。


少なくとも元格闘家の龍我以上の実力を備えており、フルボトルを握ったままのパンチ一発でスマッシュを撃破している他、変身時の負荷も特に無いように見えるため、ネビュラガスにより馴染んでいる=ハザードレベルが高いと推測されていたが、第19話でのスタークの測定によるとハザードレベル4.2であり、その時点ではもっともハザードレベルが高い人物だった。しかしブラッドスタークによると、彼の体を改造してもハザードレベルの上昇は早められないらしく、龍我に超えられるのも時間の問題である様子。


このように、戦いにおいては非情かつ過激な姿勢を見せるが、根は善良な人物であり、戦争に関係のない一般市民が巻き込まれることを良しとせず、東都軍や仮面ライダーとの戦いだけで戦争を終わらせることを望んでおり、第17話で避難所に現れたスマッシュを倒して避難所にいた一般市民を助けたりするなど必ずしも多治見喜子首相に従順という訳ではない。


自分の部下で家族同然の青羽を殺してしまった戦兎に対して適切なフォローをしたり、龍我がスクラッシュドライバーを制御し自分を超えたことを素直に称賛できるなど、それまで戦兎たちが戦ってきた相手の中では一番まともな人物である(比較対象が精神がおかしくなってしまった幻徳平成ライダーシリーズでも屈指の行動の読めなさを誇るブラッドスタークなので比べるのもおかしいのだが)。基本的には真っ直ぐで憎めない熱血漢である。その性格と、責任感、人望から実家の猿渡ファームでは彼より年上の従業員達からも「カシラ」と呼ばれ慕われている。


滝川紗羽の調査によると、家は北都の農地の大地主(一人息子で両親は既に他界。育てていたのはキャベツとサトイモであった模様)らしく、三羽ガラスも彼の下で働いていたが、「スカイウォールの惨劇」によって土壌が変わったせいで北都の農家たちは壊滅状態になった。しかし彼は決して農民たちを見捨てず、私財を投げ打ってでも必死に働き、自身のその日食べるものが無くなるまでに面倒を見てきたが、借金が増えていくばかり(使用人の一人に金銭を持ち逃げされた疑惑もある)でどうしても首が回らなくなり、政府の人体実験に協力する道を選んだ(借金は約400万円)。

戦いに臨んでいるのも三羽ガラスの家族の生活費を工面するためで、それゆえに彼らから慕われているものの、彼自身は自身の記憶を消しているため、そのことは一切覚えていないらしい。

第22話にて実際は記憶を消してはいなかったことが判明。三羽ガラスの面々に対して記憶を消したと偽ったのも、全ては彼等に気を遣わせないためだった。


また、方向音痴なので単独行動に向いていない他、偶然出会った石動美空のことを何か知っているかのように見つめていたが、実はネットアイドルとしての美空=みーたんの大ファンだったため正体を知って大喜びしたりと、かなり人間臭い面も見せている。

おまけに紗羽から「みーたんと握手したいなら5万ドルク」と金を請求された際は「5万……安いっすね。10万ならみーたんとツーショットとか?」と自分達の生活費を使って支払おうとする(赤羽と黄羽に阻止された)など金銭感覚も壊滅的。方向音痴といい「カシラは俺たちがいないと何にも出来ねえからな」という三羽ガラスの台詞もむべなるかな。


その美空とは、仲間入りしてから大分経っても、未だにライダー名の「グリス」と呼ばれている。他のライダーのことは変身後も実の名前で呼んでおり、一海からも「カズミン」と呼んでくれと言われているにもかかわらず何故頑なに「グリス」呼ばわりなのかは不明。第35話で一海もその事を気にしていた事が判明した。


第19話の時点では戦兎の名前の由来となった、石動惣一の行きつけだった理髪店「バーバー桐生」を占拠し、自分達のアジトにしている(後々、理髪台で寝ていたことは苦しかったと発言している)。


余談になるが、他のビルドライダー達が特殊過ぎる設定や過去を持つ中、彼を端的にまとめると「農家の息子でドルオタ」という普通過ぎて逆に異端過ぎる設定が一部でネタにされている。


劇中の活躍編集

  • 第17話

避難所で龍我が偶然接触し、そこに現れたストロングスマッシュハザードをパンチの一撃で倒した(見えないように隠していただけで、殴る際は手にヘリコプターフルボトルを握っていた)。

その後、北都三羽ガラスと戦っていたビルドクローズチャージの前にスクラッシュドライバーを持って姿を現す。


  • 第18話

グリスに変身しクローズチャージを圧倒するがトドメは刺さず、「後から乱入しておいて戦利品を貰うのは趣味じゃない」とフルボトルも奪わずに撤退。同時に戦兎からスクラッシュドライバーを手に入れた経緯について問われ「陽気なオッさんから貰った」と答えている(これにより、戦兎は惣一が地下室からスクラッシュドライバーとスクラッシュゼリーのデータを盗み取っていた事を知る)。しかし、実際に撤退したのは龍我に駆け寄った美空の顔に見覚えがあったからだった。

その後は東都のテレビ局を占拠し、東都政府に宣戦布告。その際、民間人は戦いの邪魔をしなければ原則傷付けないとも宣言し、同時に北都の首相である多治見に対しても「余計な手出しをしてこっちのペースをかき乱すな」と警告している。

そして改めて戦兎・龍我と対峙し、やはり二人を圧倒し奪われた6本のフルボトルを再び取り返す。戦兎の戦いに対する考えを真っ向から否定しつつトドメを刺そうとするが、再び現れた美空を見て動揺し逃走を許してしまう。そして間近で見た美空の顔と、自分の携帯の待ち受けにしている人物の顔を見てある確信に至る。

多くの視聴者は「過去に美空と関わりがあったのか」とシリアスな予想をしていたが……実際は前述のようにみーたんのファンなだけだった(この時の「みーたんだぁ〜♪」の台詞には、視聴者の大半が「あれ?さっきまでシリアスだったのに、いきなりシリアルになった」と思ったり、思わなかったり)。


  • 第19・20話

ボトル奪取のため東都首相官邸を襲撃し、駆けつけた戦兎達と対峙。再び戦闘になるかと思いきや、開口一番「みーたんとはどういう関係だ!?」と怒鳴って敵味方双方を唖然とさせ、これに対して戦兎は「別人だよ、よく間違えられるんだ」と苦しい言い訳をするのだが、一海はそれをあっさりと信じてしまい、納得してそのまま戦闘に臨んだ。しかし途中でスタークが乱入したことで戦闘を中断され、やむなく撤退する。

北都でスタークから龍我のハザードレベルがいずれ一海を上回る事、一海のハザードレベルは肉体改造を施しても今以上には上がらない事、そして三羽ガラスを強化する方法としてハザードトリガーの存在についてを聞かされる。


しかしハザードトリガーによる強化は「敗北すれば死に繋がる」という重すぎるデメリットを抱えており、当然一海はそれを拒否、龍我のハザードレベルが自分を超える前にケリをつけると宣言する……が、そんな一海の思いとは裏腹に、一海の役に立ちたい三羽ガラスたちはハザードトリガーによる強化を受け入れてしまう。


東都政府は北都の襲撃に備えてボトルを東都の各所に分散して隠したが、北都側は何らかの工作でボトルの在り処の情報を手に入れており、一海はあっさりとボトルを回収。そこでまたビルドと交戦するが、そこにハザードトリガーで強化されハザードスマッシュとなった三羽ガラスが現れる。三羽ガラスを止められなかったことに苛立つ一海は、彼らがボトルを奪ったのを確認すると、後から合流した龍我との戦いをそこそこに切り上げ撤退した。


その後もボトルの在り処を正確に把握しているため、着々とボトルを奪っていく北都一行。そこで東都政府がパンドラボックスを隠したという情報を掴み現場に急行したが、それは情報が漏れていることを逆手に取った氷室幻徳の罠であり、毒ガスによって三羽ガラスもろとも窮地に陥る。やむを得ず、身体に負荷のかかる「スクラップフィニッシュ+ツインブレイク」で難を逃れるも、その反動でしばらく動けなくなり、北都に進行しようとする東都軍への追撃を三羽ガラス達に任せることになる。


  • 第21話

なんとか三羽ガラス達に追いついた一海だが、そこで彼が見たのは、今まさに暴走したビルドラビットタンクハザードフォームの手に掛かりそうになっている青羽の姿だった。

止めようとするも間に合わず、ビルドの必殺技を受けた青羽はハザードスマッシュの副作用によって消滅、命を落としてしまう。当然赤羽黄羽は激昂し暴走が収まって茫然自失となった戦兎に襲いかかろうとするが、一海はそれを止めその場を去った。


再びボトル回収の任務に戻り龍我と交戦するが、先の出来事でショックを受けていた龍我はまともに戦うことが出来ず返り討ちに遭い、龍我からは「青羽が死んだのは自分のせいだ」と謝罪されるが、一海はそれを文字通り一蹴し、「半端な覚悟で戦場に出てくるな」と言い捨てた。


その後、東都と北都の戦争の決着を双方から1人のライダーを選出して戦わせる代表戦によって決定することが決まり、北都の代表には当然一海が選ばれる。

そして青羽の供養のため彼の死地を訪れるが、そこには依然ショックから立ち直れない戦兎がいた。戦兎は「俺はとんでもない過ちを犯した。謝っても許されることじゃない、だから気が済むまで殴ってくれ」と懇願するが、当初より「敵味方問わず一切の犠牲が出ない戦いなどあり得ない」と持論を掲げていた一海は「あいつは弱かったから死んだ。お前のせいじゃない」と諭す。だがそれでも軍人ではない個人としてはやはり青羽を殺されたことを割り切れた訳ではなく、「心火を燃やしてお前を倒す」と宣言した。


  • 第22話

戦争の決着をつけるため、ついに代表戦が始まった。開幕からは彼が見たこともないベストマッチフォームを連発するビルドが優位に立つものの、この戦いこそが望んでいた「祭り」に合致する戦いだったため闘争心に火が付き、次第に盛り返していく。

互角のまま長引いた勝負は、ビルドがハザードフォームに変身したことで一気に動き出す。暴走状態に陥ったホークガトリングハザードフォームのハザードフィニッシュを食らったグリスはとうとう変身解除となってしまい、代表戦の敗北が決定。これにより北都は戦争に敗北してしまう。


しかし戦闘が終わってもビルドの暴走は止まらず彼に拳を振り上げるが、すんでのところでクローズチャージが登場し危機を免れた。暴走を克服できない今の龍我ではビルドを止めるのは無理だと叫ぶが、彼はそれを覆し見事にドライバーの制御に成功してビルドを変身解除させる。その姿に「殻破りやがったな」と素直に称賛の言葉を送り、自分の完敗を認めた。


  • 第23話

代表戦終了後は赤羽達と共に去ろうとしたが、美空が戦兎に掛けた「お願い♪」の言葉を聞き取って即座に引き返し、美空が本物のみーたんである事に気付いた彼はオタクそのものな反応をしながら彼女に握手を求め、そこに便乗した紗羽から整理券と引き換えに5万ドルクを要求された際は自分達の生活費で支払おうとして赤羽達に阻止されるなどシリアル過ぎる光景を作り上げた。


赤羽「ちょっ、カシラ! それ僕らの生活費!」

一海「何だよ! いいだろ!」

黄羽「ダメだよ!?」


しかしその直後、北都が西都に占領されたという連絡が入り、多治見に連絡を取るものの彼女ではなくスタークが出、スタークが最初から西都とグルだった事、西都軍によって北都の仲間達が人質に取られた事を知る。

スタークからの指示で東都首相官邸で御堂首相の放送を見る事になり、西都のガーディアン達によって人質にされた農場の仲間達、いつの間にか北都に戻っていた黄羽がそこに乱入する光景、そして現れたエンジンブロス/リモコンブロスによって黄羽が敗れる光景を目撃。ブロス達や御堂からは「人質の命が惜しければ西都の兵器になれ」と脅迫され、怒りに震える彼は赤羽と共に北都に戻ろうとするが、その前に戦兎から北都のフルボトルを返されブロス達を東都に誘導するために「黄羽を連れて東都に戻ってくれ」と提案される。


赤羽と共に農場に駆けつけ捕らわれた黄羽や農場の仲間達を助ける為にブロス達と交戦するが、ブロス達の巧みな連携に苦戦する。戦兎からの提案を思い出した彼はヘリコプターボトルの力で二人を連れて撤退するも、地上からリモコンブロスに狙撃され撃墜されてしまう。地上に落下した後、ブロス達に敗れた事で黄羽は既に消滅しかけている状態だと知り、それでも見捨てまいと彼を救おうとしたが、リモコンブロスのファンキーショットが一海に向けて放たれ、それを庇った黄羽に直撃。それがトドメとなり、黄羽は彼の腕の中で消滅してしまう。激怒した彼は生身でブロス達に立ち向かうも当然歯が立たず、その場は赤羽の機転でなんとか撤退。


東都国境付近で戦兎達と合流した後、追いかけてきたブロス達がビルドやクローズチャージと対決するが、戦いの途中に現れた戦士仮面ライダーローグによって、彼の前でビルドとクローズチャージが敗北してしまう。


  • 第24・25話

ビルド・海賊レッシャーハザードフォームとブラッドスタークの戦いの中、暴走していたビルドにライダーキックを叩き込み変身を解除させ止める。故郷を奪われた事などを黙って受け入れる気はなく西都と戦うために戦兎に協力関係を申し出nascitaに赤羽共々転がり込む事に。その際自らを「カズミン」と呼んでくれと(おそらく美空に向けて)言った。その後西都戦士達との戦闘ではリモコンブロス&エンジンブロス達に押し負け変身解除してしまうが、そこにいつもと様子が違う美空が現れる。


彼女の力によって窮地を脱し、赤羽と共に取り返したパンドラボックスの警護に当たる。彼と青羽・黄羽のドッグタグを遺骨代わりにスカイロードに埋める約束をし、東都機械工場に現れた鷲尾兄弟の迎撃に参戦。だがその間にパンドラボックスの元には幻徳が向かっており、それを西都のスパイだと判明し自決した増沢の最期の言葉で知った彼は急ぎ戻るも時すでに遅く、赤羽は彼の目の前でローグの必殺技を喰らい消滅。残ったドッグタグと赤羽への思いを胸に戦兎・龍我と共に変身し3人でローグに立ち向かうが歯が立たず、更には暴走したラビットタンクハザードフォームの攻撃対象になるよう誘導されてしまい、今度こそパンドラボックスを奪われてしまう。


  • 第26話

赤羽を喪い美空が死にかけていたにもかかわらず、「自分たち以外には知るもののいないパンドラボックスの保管場所をローグが襲撃してきた」という状況から、情報を流したスパイがいることに勘付いた。

西都が東都に持ちかけてきた3vs3の代表戦に名乗りを上げ、戦兎たちと共に東都・北都連合として代表戦に臨むことに。そしてスカイロードに三人のバンダナを結んだ手製の墓を立て、赤羽との約束通りドッグタグを遺骨の代わりに埋めて形だけでも埋葬を済ませてやった。そこへ後を追ってきた龍我と一緒に代表戦までの一週間で強くなるための特訓に励む。


迎えた代表戦の一戦目、彼の相手は鷲尾雷/エンジンブロス。一海は三羽ガラスたちのドッグタグを握りしめ戦いに挑む。

序盤はスロースターターゆえ苦戦し劣勢に陥るものの、「常に一人で戦い続けてきた自分の覚悟が分かるのか」という雷の矛盾要素が強い、安いプライドを自慢げに語りながら仲間のありがたみを侮辱する発言がスイッチになり、一気に闘志に火が付いた。


「わかるわけねえだろ…仲間のありがたみを知らねえ奴の気持ちなんてな、知りたくもねえんだよ!」

「修也…。聖吉…。勝…!」

「お前とはなぁ…背負ってるもんが違えんだよ!!」

「友情!厚情!激情!!」

「今の俺はなぁ…負ける気がしねぇぇぇ!!」


圧倒的な不利な状態だったにもかかわらず猛攻を仕掛ける一海は瞬く間に形勢を覆す。彼の見せた底力に、龍我は三羽ガラスたちが笑って消えて行った理由を悟っていた。


「覚悟決めろよ コラァ…!」

「食らいやがれ!」


一海は大技「スクラップフィニッシュ+ツインフィニッシュ」を繰り出し、勝負を決めにかかった。跳び上がるグリスの背から噴き出す黒いゲルはさながらカラスの翼のようにも見え、三羽ガラスとの絆を力に変えたグリスの全力のライダーキックは見事にエンジンブロスを打ち破った。


  • 第27・28話

戦いが終わって間もなく紗羽から「難波重工に人質に取られた鍋島家を助け出してほしい」と頼まれ、単身敵地へ赴いた。

戦いは翌朝まで続いたものの何とか鍋島一家を救い出し、彼の勝利と戦兎の勝利によって東都・北都連合の勝利が確定。ついに戦争が終結し、彼は北都に戻れるはずだった。


  • 第29・30話

突如スカイウォールが変形し難波重工の新兵器ハードガーディアンが東都に侵攻してきた。代表戦の結果は西都の勝利と捻じ曲げられてしまい、彼の住む北都も未だ西都の手に落ちたまま。

いよいよ我慢も限界を迎え、北都に戻り農園の仲間を取り戻そうとするが、戦兎とは方針の不一致から分かれて一人になってしまう。


翌朝三羽ガラスの墓があるスカイロードに立ち寄ると、龍我が待ち受けていた。夜通し待ち続けていた彼も一海と一緒に北都に行こうとしていたが、「寒さで凍え死にそうになったことで『死にたくない』と感じた」という純粋な言葉と、みーたんの「みんなで戦争を終わらせる方法を考えよう」という懇願によって思い止まる。

そこへ間髪入れずにスタークたちが襲来、戦闘になり戦力差に追い詰められるものの駆け付けた戦兎に助けられ、彼の「東都も北都も、みんなを守って戦いたい」という思いを受け入れて再び共に戦うことに。三羽ガラスのフルボトルで発動したスクラップフィニッシュ+ツインブレイクをビルドの必殺技と同時にヘルブロスに叩き込んで大ダメージを与えた。


美空に憑依したベルナージュの力で戦場から離脱しnascitaに戻ってきてからは最近のシリアスはどこへやら、久しぶりにドルオタらしさ全開だった。

戦兎が国家反逆罪で政府との繋がりを断ったのがパンドラボックスを奪うためだと判明したため、氷室泰山から「ビルドと彼の持つパンドラボックスを奪い返せ」という形だけの命令を受けて龍我と共に彼の元に向かい加勢し、三人でパンドラタワーへ侵入する。


  • 第31話

パンドラタワー内部の激戦を潜り抜けてパンドラボックスが保管されている部屋でクローンスマッシュとパンドラタワーの内部を操るブラッドスタークと交戦するが敗北して気絶。

その後クローズマグマの大活躍により無事に脱出するが、クローズの活躍を一切見ていなかったため、龍我の自慢に「まあ口だけならなんとでも言える」と言ってしまいツッコミを喰らった。


  • 第37話

龍我がライダーに変身できなくなったことを受け、変身能力を復活させるためファウストの技術を使おうと、2人で幻徳の元を訪れる。

しかし、その際得意(?)の方向音痴を起こしてしまい、龍我に擦り付けるが、即座に突っ込まれる。

頼み込んだものの、幻徳は科学知識はさっぱりであり、ファウスト時代はその手の物事はスタークに丸投げ、所長だったのは父親のコネだった為、振出しに戻った。


その幻徳は(父親を亡くしてしまった事で)戦う目的を失くしてしまった為、戦う気力がなかったが、その時一海は幻徳に対して「国を束ねられるのは親父さんだけじゃない」と叱咤した。

その際、幻徳を“ヒゲ”呼ばわりした。


エボルトの取引現場にて、エンジンブロスとリモコンブロスと戦闘を行い、その際今は亡き仲間のフルボトルを使って「お前らもラブ&ピースの為に戦ってくれるよな?」と問いかけながら、戦闘を行う。

しかし、エボルトの加勢により、劣勢に追い込まれる。しかしその際助太刀をしたのがローグ(幻徳)であった。


幻徳は「遅くなったなジャガイモ」と、先ほどの“ヒゲ”呼ばわりした仕返しなのか、ジャガイモ農家だからなのか、一海の事を“ジャガイモ”呼ばわりした。

そして、2人でエボルトと戦闘を行い幻徳が共闘に慣れていないのもあって圧倒的な力で押されてしまうがグレートクローズに覚醒した龍我が戦線に復帰し、事無きを得る。


  • 第40話

 仮面ライダーエボルに奪われた三羽ガラスのロストフルボトルを取り返すため戦兎とともに北都に赴くも、侵入を見破られ、内海成彰によって高濃度のネビュラガスを強制注入されてしまう。これによってハザードレベルは大きく上昇、脱走に成功しパワーアップを遂げたものの、敗北が消滅を意味する身体になってしまう。戦いの後、戦兎はジーニアスフォームの力でその影響を無にすることを申し出るものの、強化された力を生かすためこれを拒む。

「危なくなったらお願いする」という発言は嫌な予感を覚えさせるが…。


  • 第41話

懲りずにまたも変な服を着て登場した幻徳から「ポテト」というあだ名を貰い、二人で龍我を弄りまくってはしゃぎ、スクラッシュドライバー使用者3人で大盛り上がりした(流石に戦兎の真面目な解説の最中だったため美空に注意された)。なお、VTRの最中に強化アイテムなしに大暴れするスタークに対し、途中からローグが戦力不足になる事をいじっている。


  • 第43話

龍我・幻徳とともに葛城忍扮するビルドと戦闘を繰り広げるも歯が立たず、戦線を離脱。直後に暴走した龍我は忍にとどめを刺そうとするが、戦兎に止められ重傷を負う。

撤退後、戦う理由を見失った戦兎に「今のお前には背中を預けられない」と告げるも、内心では戦兎の心情を察し、忍とエボルトの野望を止めるべく、幻徳とともに北都に向かう。


  • 第44話

幻徳とともに北都に残るファウストの人体実験場に侵入するもあっさり見つかり、ネビュラガスを投与されてしまう…が、これは自分たちのハザードレベルを上げるための行動であり、施設から脱走。彼らを追ってやってきた戦兎・龍我によって助けられ事なきを得る。


どうにか戦兎と和解…と思いきや、「まだケンカしてたらあげようと思った」と紗羽が持ち出した「みーたんの抱き枕」を見るやあっさり撤回…というよりその話そっちのけで抱き枕に歓喜し、度が過ぎて美空と紗羽にぶん殴られていた。しかしめげずに紗羽と値段交渉を始め、200万ドルクを要求されるや裏面に紗羽の水着姿をプリントすることを条件に龍我や幻徳まで巻き込んで買おうとしていた(結局、抱き枕はその晩美空と紗羽が使っている)。


その後、夕食の際に幻徳にお手製パスタのレシピを教えた…のだが、幻徳の料理の腕が壊滅的だったため凄まじく不味いものになってしまい、幻徳をnascitaから締め出して「同じ材料、同じ分量でやれば同じ味になるはずなのに」とぼやいていた。なお、この一言がきっかけとなり、戦兎は忍から与えられたエボルトを倒すヒントに気が付いている。


翌朝、紗羽が仕掛けていた発信機を頼りに龍我・幻徳とともに、一人エボルトとの戦いに出向いた戦兎を追いかけ、4人でエボルトと対峙。幻徳とともにエボルトに弱体化させる隙を作り、撃破に貢献した。


  • 第45話

内海に自身の一部を移して生き延びていたエボルトが忍を消滅させた直後、彼とふたたび戦闘となる中で一撃を受けて昏倒してしまう。nascitaに連れ帰られた後も意識が戻らず、そうこうするうちに再びエボルトが出現し戦兎たちは迎撃に向かう。しかし現れたエボルトはなぜか不完全な姿であった。


まったく同じころ、突如目を覚ました一海は、美空と紗羽を気絶させて美空が持っていたCDロストフルボトルを強奪、瞬間移動してエボルトの前に現れる。実は先の戦いにおいて、ロストフルボトルを回収するため、エボルトは自身の一部を一海に忍ばせ、憑依していた。憑依された一海から最後のロストフルボトルを受け取ると、エボルトは一海の憑依を解除し、ついに究極の姿へと進化を遂げてしまう。


それでも、自我を取り戻した一海は、忍の言葉から突破口を見つけた戦兎らと協力してエボルトを究極の姿から戻すことに成功、さらに浄化されたロストフルボトルのうちの一本を回収し、自らを利用したエボルトに一矢報いることに成功した。


  • 第46話

戦兎に武器を作ってほしいと依頼すると、龍我が使っていたブリザードナックルを手渡される。実はブリザードナックルは元々戦兎が一海専用に開発した武器だったのである。そして新たに開発したノースブリザードボトルも手渡される。しかし、これを使って変身すれば過去に二回ネビュラガスを注入する人体実験を行った一海の体は人間の限界値を超えて消滅してしまう為、ブリザードナックルは「あくまでも武器として使う」ように忠告を受ける。


その後、エボルトとの決戦前夜に仲間たちとBBQを楽しむ。肉を早くひっくり返して食べようとする龍我を制し「いいか。こういうのはな、食うタイミングがあるんだよ」と料理上手な一面も見せた。また、こっそりみーたんのタオルを葛藤の末くんかくんかしてしまうなど、ドルヲタとしても存分にエンジョイしていた(なお、そのタオルは幻徳の物だった)。


10分おきに日本をエリアごとにブラックホールで消滅させていくエボルトを阻止するため、パンドラタワーに乗り込んだ4人ライダーの前に、戦争で命を落としたはずの三羽ガラスが現れた。味方の振りをする三羽ガラスだったが、戦争時に三羽ガラスを率いていた一海は速攻で彼らを偽物と看破。かつての仲間の姿を模倣する卑劣なエボルトの所業は一海の逆鱗に触れ、彼はビルドクローズローグを先に行かせ、一人で三羽ガラスのロストスマッシュ三体を相手取る。ブリザードナックルを使い優勢に戦いを進めていく一海だったが、三羽ガラスが怯えた様子で攻撃を止めるよう懇願するのを見て、例え偽物だとは分かっていても生前の彼等を思い出した一海の攻撃の手は鈍り、その隙を突かれて追い詰められてしまう。

そして……


「悪ぃな戦兎……約束破るわ」


擬態三羽ガラス達を前に過去の懺悔を口にし、地面に額をぶつける一海。彼の手にはなんと、かつて葛城忍が使っていたプロトビルドドライバーがあった。実は美空が保管していたドライバーを密かに持ち出して来ていたのである。


覚悟を決めた一海はビルドドライバーを使い、禁断の強化形態グリスブリザードへと変身を遂げるのだった。









最期の祭り(第47話ネタバレ注意!!)編集

「グリスブリザード!」

『Are you ready(覚悟はできたか)?』


できてるよ


「激凍心火! グリスブリザード!」

『Are you ready? 』

「ガキガキガキガキガッキーン!!」


擬態三羽ガラスが変身した3体のロストスマッシュを倒すため、一海は戦兎から禁じられていたブリザードナックルを使って変身を遂げた。彼は命の危険を冒しながらもグリスブリザードとなってロストスマッシュ達と戦う。


「心火を燃やして……ぶっ潰す……!」


キャッスルスタッグオウルの3体と互角以上の戦いを繰り広げるグリスブリザードだったが、二度のネビュラガスの注入に続き、ブリザードへ変身した事で限界を超えてしまった一海の身体が、光の粒子となって徐々に消滅し始める。


美空「もうやめて…。死んじゃうよ!」

「ヘヘッ… 心配してくれるなんてうれしいねえ」

「けどよ どの道助かりそうもねえんだ」

「あとは頼んだぞ… 戦兎」


死を覚悟していた一海は、浄化されて再精製が必要になったキャッスルロストフルボトルを自分の身体に取り込んだ。地球を救うため何としても必要なそれを、必ず戦兎に繋ぐために。


「みーたんが最後の大舞台を見てくれるんだ…全力でかっこつけねえとなあ!!」

「死闘!」


すれ違いざまにオウルロストスマッシュにボディブローを叩き込み……


「渾身!」


スタッグロストスマッシュに斬り掛かられるも頭突きで反撃し……


「全霊!」


これが最期の…祭りだアアアア―――ッ!!!!


そこから跳躍し、キャッスルロストスマッシュに左パンチを叩き込んだ。

心の火


ハザードレベル強化処置の影響で身体が耐え切れず潰れる寸前なのか、身体から金色の粒子を立ち昇らせるグリスブリザードは右フックでオウルを撃破し、続けて「グレイシャルアタック」で捕まえたスタッグを壁に叩き付けて撃破。


「そろそろ… 潮時みてえだな…」

「みーたん…戦兎…龍我…紗羽さん…ヒゲ…。お前らのせいで、この世にだいぶ未練が残っちまった…」

「ありがとうな」

「ラブ&ピースを胸に生きていける世界を、向こうで3バカと祈ってるぞ」


「心火を燃やして…」


そして「グレイシャルフィニッシュ」を発動し、キャッスルを撃破したグリスブリザード。変身が解け、身体から生命の粒子が少しづつ流れる。一海は手にしたキャッスルロストフルボトルを戦兎に渡すよう美空に託す。


「グリス…」

「ヘヘッ…。最期まで『グリス』かよ…」

「当たり前でしょ! 名前呼んだらいなくなっちゃう気がして…。だから呼べなかった…」

「これからも絶対 呼んであげないんだから」


美空の手にボトルを握らせた一海は、そのまま彼女の前から立ち去ろうとする。

しかし美空はそんな彼の上着の裾を掴まえ、嗚咽交じりに漏らした。


「だから生きてよ…」

「お願いだから、生きてよ!」

「お願いだから… 生きてよ…!」

「ねえ……!」


「推しに看取ってもらえるなんて… 幸せもんだな…」

あいつらに…。あいつらに自慢してやんねえとな…」


美空の涙を背中で受け止めつつも、自身の泣き顔を彼女に見られないよう、一海は上を向きながら1人のドルオタとして彼女に感謝の言葉を告げる。


「グリス…?」

「グリス! グリス! グリス!」

「ねえ… !」

「グリ… ス…」


しかし、みーたんのお願いを叶えてやれないまま、一海の中の生命の光が強い輝きを放って溢れ出る

最期の瞬間まで、彼女には背を向け、涙を見せずにカッコつけきった最期だった。

「絶対呼ばないから」

美空は消滅した一海のドッグタグを手に、泣き崩れながら初めて彼の名前を口にする。


カズミン…」


その後、一海の死は美空を介して戦兎達にも伝わり、彼等の心にも暗い影を落とす事になる。




紛れもなく悲しくも熱い名シーンなのだが、時同じくして幻徳と内海が戦っていたブロス兄弟の擬態の描写から、一海が倒したエボルトの分身は元のスライム状になって本体の元へ戻っただけと考えられる。そして分身が受けたダメージは本体に反映されていない

この結果だけを鑑みれば、彼の死はただの無駄死にともとれる。


だが彼は、自身の消えゆく肉体を利用してロストフルボトル最後の一本、キャッスルロストフルボトルを再精製していた。これをブラックロストフルボトルに精製し直した上でパンドラパネルに装填するという手順を踏まなければ、戦兎たちの新世界創造の目論見は瓦解してしまう。しかしその精製のためには、ボトルをネビュラガス注入済の人体に入れなければならない。それはすなわち被験者の消滅を意味する。一海は、限界を超えていた己の肉体と心を賭して、新世界創造の礎として斃れる道を選んだのである。



  • 第48話

すでに故人だが、幻徳による前夜の回想シーンに登場。

「なあ、もしこの国が生まれ変わったらよ…また政治家になれよ」と幻徳を促し、自分にその資格がないと言う彼に対し、「もう十分償ったんじゃねぇのか?少なくとも…俺はもう赦してる。今のお前なら…親父さんの後を立派に継げるはずだ」と後押しする。

このやりとりを振り返ったことが、絶望的な戦況の中で幻徳に最後の戦いに立ち上がる力を与えたのだった。






新しい世界で……(最終回ネタバレ注意)編集

エボルトもスカイウォールの惨劇も存在しなかったこの世界では当然グリスになることもなく生存しており、同じく生存していた三羽ガラスともどもnascitaを訪れる。「本当に俺の花嫁候補がいるんだな?」と半信半疑だったが、店員をしている美空を一目見るなりやはり心火を燃やしてフォーリンラブ

新世界でも彼の本質、女性の好みは全く変わっていないようである。ただしこの世界では美空はネットアイドルをやっていない様子なので、「ドルオタ」ではないことになる。


なお、新世界ではスカイウォールの影響による不作は起こっていないので、彼らが生活に困ることはないだろう。


ビルド NEW WORLD』(ネタバレ注意)編集

本編のその後を描いた正統続編。『仮面ライダークローズ』を経て『仮面ライダーグリス』で一海が主役として参戦。


「そうか、これは俺の恋が成就するラブストーリー「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」!」


限定玩具で「今回は俺が主役だァ!」と雄叫びを上げているが、実際演じた武田航平にとってもこれが単独映画の初主演作となる。


前作で記憶を取り戻したため、今回もみーたんに心火を燃やして恋い焦がれている。さらに三羽ガラスも記憶を取り戻しており、あの懐かしい絡みが久方ぶりに戻ってきた。

しかし彼の熱のあげ方は、ご存じの通り完全な一方通行。今作でものっけからあの伝説の出落ちネタ「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」の実写版をぶち込んでくるというこれまで以上の残念っぷりをまざまざと見せつけた。


nascitaの出張カーで店番をする美空を眺めつつ彼女と付き合う妄想に耽っていたところ、美空からの「(父親の誕生日プレゼントを選ぶ買い物に)付き合ってほしい」という頼みを「(私と)付き合ってほしい」と盛大に誤解。浮かれ上がった彼はばっちりスーツで決めて登場したあげく、三羽ガラスと夜なべしたみーたんの衣装を手渡して「俺だけのみーたんでいてほしい。俺と結婚してください!」と告白した。


もちろんそんな告白が美空に届くはずもなく、衣装を投げ捨てられて敢えなく玉砕。本人曰くその言葉は「エボルトの攻撃より痛ぇ」とのことで、そのまま三羽ガラス共々新たな恋を目指して、ゴムボートで傷心旅行へこぎ出していった。そしてご丁寧にも、一回エンドロールを流した。


しかし、彼らのこの馬鹿丸出しの行動が、後に巡り巡って仮面ライダー陣営に反撃のチャンスを与えることになる。


傷心旅行へ船出したものの、行き当たりばったりだったその航海は当たり前のように遭難。無人島に流れ着き、何度も死にそうになり、全員衣装はズタボロ、髭も伸び放題という這う這うの体でどうにか本土へ帰り着いた。


しかしそれと時を同じくして、政府官邸と戦兎たちのもとを国際テロ組織「ダウンフォール」が襲撃しており、その魔の手は一海たちが暮らしている猿渡ファームにまで及んでいた。ようやく帰り着いた我が家を襲った謎の敵に、怒り心頭に発した彼らは即座に変身。

一人だけだったとはいえ、未知の相手でありながら撤退させることに成功する。彼らは知るよしもなかったが、この時戦ったファントムクラッシャーには「ネビュラガス由来の変身能力を消滅させる」特殊能力があり、その能力を使われながら一海たちが変身できたことに動揺したのが、撤退の理由だった。


その直後に幻徳の連絡を受けるが、この時向こうが自分を「グリス」と呼んだ不自然な会話から状況を察し、三羽ガラス共々東都へ移動。

戦兎たちに合流し、ここで初めて詳しい現状と事態の深刻さを知る。そして自分たちが傷心旅行中、無人島の温泉から偶然「ファントムリキッド」という特殊な成分を体内に取り込んでいたこと、それ故に自身が状況を打開しうる唯一の戦力だということを知らされた。


事態の打開策を求め葛城巧のもとへ向かう戦兎から、仮面ライダーの関係者であり人体実験を受けた経験を持つ人物、すなわち美空の保護を依頼されるも、先の失恋の傷心からこれを拒否。

結果あの赤羽から「見損ないましたよ」と突き放されてしまうが、それでも彼は立ち上がれなかった。


三羽ガラスが美空の保護に向かった後、渋々ながらも戦兎に指示された合流地点を目指そうとするものの、こんな時に方向音痴という残念要素を発揮し、自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。自分の行くべき場所も、人生の道さえも完全に見失ってしまった中「あいつらがいねえとすぐ迷っちまう……」とうなだれていたが、失恋前に美空からもらったカラビナを思い出し、せめて彼女に捧げた愛を貫き通すべく彼女のもとを目指す。


しかし彼が迷っていた間に、三羽ガラスは仮面ライダーメタルビルドこと浦賀啓示に敗北してしまっていた。美空に魔の手が伸びる一歩手前で割り込めたものの、ネビュラガスを上回るファントムリキッドから作られたメタルビルドには手も足も出ず、一方的に叩きのめされる。さらに先の襲撃時、戦兎が機転を利かせて偽物を掴ませていたホワイトパネルの本物を、政府官邸まで持ってくるよう要求される。


己の迷いと無力が仲間を傷つけ、そして愛する美空を守ることもできなかった。雨が降りしきる中、彼はただ悲痛な慟哭をあげることしかできなかった。


その後、遅ればせながら戦兎たちに合流し、ファントムリキッドの正体と、それを扱えるアイテムが作れればメタルビルドに対抗できることが判明。そのアイテムを自身に作ってくれと懇願する。

しかし、未知物質たるファントムリキッドは一海の体内に残留するものだけでは圧倒的に量が足りず、三羽ガラスの体内に残留するファントムリキッドを限界まで抽出しなければならないと告げられる。そして、それを実行すれば彼らが死亡する確率が高いということも。


旧世界であれだけの悲しみを味わったのに、またしても彼らを犠牲にすることなど到底認められない彼はこれを拒否。かつて自身を消滅に追いやった禁断のアイテム、グリスブリザードナックルを手に、たった一人政府官邸へと赴いた。


「でもお前には渡さねぇ。どうしても欲しけりゃ俺を倒して手に入れな」

「かかってこいコラァァァァ!」


グリスの最高戦力、グリスブリザードの力はやはり圧倒的であり、さながら猛吹雪の如く敵勢力相手に無双。ダウンフォールの軍勢相手に一人にもかかわらず大立ち回りを演じ、さらには迎撃に出てきたメタルビルドすらも追い詰める。しかしメタルビルドに対しては攻撃は効いておらず隙をついてホワイトパネルを奪取され、ファントムビルドへの進化を許してしまい形勢が逆転。別物になった力に、逆に変身解除まで追い込まれてしまう。


しかしそれでもなお戦おうとしたその時、万丈が現れた。その手から渡されたのは、戦兎が開発していたはずの新アイテム・グリスパーフェクトキングダム


「三羽ガラスがお前のために、命を賭けて作った!」


動揺と共に三人の所在を訪ねた一海の前に差し出されたのは、彼らの絆の象徴である、あのドッグダグだった。一海が一人戦っていたのと時を同じくして、三羽ガラスは大好きな「カシラ」を助けるため、その身を捧げて彼に託す力を完成させていたのである。


「……馬鹿野郎……また俺より先に逝きやがって……」

「お前らの思い、確かに受け取った……。俺に、力を貸してくれ……!」


自分に託されたもの、そして仲間たち。全てを受け止めた一海は、彼らと共に立ち上がる。


変身


彼を取り巻き、まるで守るかのように、スナップライドビルダーが三つの姿を描く。


「ファーマーズフェスティバル! グリスパーフェクト!」


仮面ライダー、舐めんじゃねぇぞ……!」


絆の結晶、仮面ライダーグリスパーフェクトキングダムで反撃に打って出る一海。しかし、ファントムビルドの力はこの新形態をもってしてもなお凄まじく、徐々に追い詰められていった末に倒れてしまう。だが、今の一海は決して折れなかった。


「俺たち仮面ライダーはなァ、大勢の希望を託されて闘ってるんだ。ハンパな覚悟じゃ務まらねぇ」

「心の火を燃やして、みんなの思いに応える。それが、『運命』として仮面ライダーを選んだ、俺たちの生き様なんだよ!」


青い斬撃。黄色い突撃。散々苦しめられた攻撃も、赤い防壁が防ぎ返しの砲撃で逆に圧倒する。そこにはもはや、失恋の傷に泣き濡れていたちっぽけな姿はなかった。


「俺の前に、ひれ伏せェェェェェェ!」


そして放たれた渾身の一撃は、四人の姿が一つとなり、巨大な渦となって突撃するというものだった。爆発の後、消滅していく浦賀。自分の方が勝っていたはずだと漏らす彼に、一海は静かに告げる。


「俺には守るべきものがあって、お前にはそれがなかった。それだけのことだ……」


結果、見事に勝利をおさめたものの、三羽ガラスを失った悲しみから放心状態の一海は、美空からのお礼に「礼なら、あいつらに言ってやってくれ」と返すほどに弱り果てていた。しかしそこへ現れたのは・・・・・・


「「「カシラ-ーーーーーー!」」」


なんと、死んだと思われていた三羽ガラスの面々だった。しかもファントムリキッドの成分を抜いた結果、前よりも体調がよくなったらしい。

驚愕に揺れる一海は、そこで初めて、戦兎が彼の感情を昂ぶらせてハザードレベルを上げるために、わざと三羽ガラスが死んだと思わせたことを知った(さながら『クローズ』のエボルトのようである。

また、グリスパーフェクトキングダムを万丈に持って行かせたのも少々おバカでボキャ貧な万丈なら叙述トリックを高確率で意図せず引き起こし、誤認させやすいと踏んだからと思われる)。

かくして夕暮れ時の街に、一海の雄叫びが轟いた。


悪魔の科学者がァァァァァァ―――――ッ!?」


戦兎「わかってないなぁ。それだけあのアイテムを使いこなすのは難しいってコトでしょーが」


そして全てが終わった後、彼が成長したのかといえばそんなことはまったくなく冒頭と同じシチュエーションでまたしても美空と付き合う妄想にふけっていた

そんな彼に、予想外の事態が巻き起こる・・・・・・




















以下、最重要極秘事項につき、ネタバレに最大限の注意を払うべし。編集


































ダウンフォールの戦いからしばらく経ち、一海はまたもやnascitaの出張カーで店番をする美空を眺めつつ妄想に耽っていた。



一海「(相変わらず可愛えぇのお〜…もしもこの娘が恋人だったら……いやいやいやいや……みーたんはァ、『みんなのアイドル』ゥー♡……誰かのものになっちゃいけねぇんだよゥッ!!)」


美空「付き合ってくれる・・・・・・?」


一海「えっ?・・・・・・・・・あゴメン、最初のほう聞き逃した。どこの買い物に付き合えばいいの?」


美空「そうじゃなくて・・・・・・私と付き合ってくれる?」


一海「え・・・・・・?」


美空「だからぁ!・・・・・・・」



「私と付き合ってよ・・・・・・カズミン



「えええええええー----!?」








役者について(ネタバレ注意)編集

演じた武田航平氏は『仮面ライダーキバ』に紅音也/仮面ライダーイクサ/仮面ライダーダークキバ(※)と紅正夫/仮面ライダーキバ役でレギュラー出演していたことで知られており、『仮面ライダーディケイド』での客演以来9年ぶりの平成ライダー出演となった。

上述のように一海も音也のようにかなり人間臭い面を見せたため、視聴者からは「ネビュラガスが入っただけの音也」と言われることも。奇妙な事に3人の戦友がいる、命を懸けた変身を行う、愛する女性に看取られながら最期を遂げる点も同じ。

また、『ディケイド』のネガの世界の音也はダークライダーで一人だけディケイドに倒されなかったので、一海が「ネガの世界から来た(音也な)んじゃね?」などと言われたこともあった。


一人の役者が複数の作品で別のライダーを演じることは稀で、テレビ版かつレギュラー役で出演した場合に限定すると、武田氏は二人目(※)となる。


(※:一人目は『仮面ライダー響鬼』でザンキ/仮面ライダー斬鬼、『仮面ライダーキバ』で次狼/ガルル/仮面ライダーイクサを演じた松田賢二である。しかし、公式認定の仮面ライダーイクサ変身者は名護啓介と表記されている。その為、武田氏に公式認定はテレビ版かつレギュラーのライダー役で出演した場合に限定するとなる一人目となる。また、兩役はいずれも追加ライダーである。

なお、本来の変身者ではなく一度だけ変身したケースを含めるならば由良吾郎/仮面ライダーゾルダ三島正人/仮面ライダーザビー(それぞれ一度だけの変身)を演じた弓削智久氏も該当する。)


前述の松田賢二氏が演じる次狼は、何の因果か音也のライバルポジションで、1986年パートでは事あるごとにぶつかり合いイクサナックルを取り合っていた間柄である。


ちなみに、第18話で一海が自分の携帯電話の待ち受け画面を見た際、画面に表示されていた日付は第18話の放送日(1月14日)であり、演じている武田航平氏の誕生日でもある。

また、一海が身に着けているドッグタグのシリアルナンバーは「907101080」、つまり「くれないおとや」の語呂合わせになっている。


後のインタビューで、武田氏は『ビルド』で一海役のオファーが無ければ、芸能界を引退する覚悟だったと明かしており、自身をオファーしてくれた大森敬仁プロデューサーに感謝している旨をコメントしている。


関連タグ編集

仮面ライダービルド

北都 仮面ライダーグリス 北都三羽ガラス

熱血漢 残念なイケメン 理想の上司 ︎︎やる時はやる男 ︎︎戦闘狂 ドルオタ ドルオタ一海 方向音痴 ︎︎ポテト グリス二字熟語三連打


3号ライダー変身者

花家大我猿渡一海ウォズ



外部リンク編集

猿渡一海 | 仮面ライダー図鑑 | 東映

猿渡一海(ZI-O・平ジェネFOREVER) | 仮面ライダー図鑑 | 東映

関連記事

親記事

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 2508664

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました