浦賀啓示「これが俺の最高傑作…ファントムビルドだ」
概要
特撮番組『仮面ライダービルド』のVシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』に登場するライダー・・・というより怪人。
仮面ライダーメタルビルドがホワイトパンドラパネルとファントムクラッシャーを取り込み変貌した姿。
超高速移動に加えてファントムクラッシャーの飛行能力とミサイル攻撃、メタルビルドの履帯状のエネルギーによる攻撃が使用可能。
更にメタルビルド時には未使用だったドリルクラッシャーも武器として使用した。
容姿
取り込んだファントムクラッシャーの部品を各所に纏うデザインとなっている。
上半身と両腕にファントムクラッシャーの装甲が被せられ、マスクは細かなパーツが重なって左目が戦艦・右目が戦闘機を模した独自のものに変化。メタルビルドの変身アイテム「メタルタンクタンクフルボトル」と合わせて陸・海・空全ての兵器を表現しているともとれ、浦賀の信条に基づけばまさしく最高傑作と呼ぶに相応しい姿と言える。
スペック
パンチ力 | 57.8t |
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キック力 | 63.4t |
ジャンプ力 | 一跳び70.5m |
走力 | 100mを1.0秒 |
浦賀が「最高傑作」と評するだけに、単純なスペックだけならば僅かではあるがパーフェクトキングダムどころかジーニアスすら上回る性能を誇る。
一方、あくまで葛城や戦兎が製作した純正のライダーシステムだけではなく、浦賀が独自に開発したファントムクラッシャーとも融合しているためかハザードレベルが上昇する描写が存在しない。
もっとも、浦賀は絆や情動のルーツとなる「心」を軽視しており、完全に仮面ライダーを兵器と考えているため、その観点からすれば『ハザードレベル=メンタルにスペックが左右されるシステム』は不要、という考えに至るのは何ら不自然ではない。
むしろ、ここまでの高スペックを変身者補正なしに引き出せた事が最大の特長と言えるだろう。
必殺技
ハザードフィニッシュ
メタルビルド時と同様の技。回し蹴りに合わせて発生した履帯状のエネルギー塊で攻撃する。グリスパーフェクトキングダムに対して放ち、ミサイル攻撃と共に発動して波状攻撃を行った。
メタルビルドの時には一度ハザードスイッチをオーバーフローモードに移行させ、ビルドドライバーのレバーを回してから発動していたが、こちらでは一切の操作なしで発動している。
活躍
変身直後からグリスブリザードを終始圧倒し、変身解除に追い込む。
最終決戦で三羽ガラスの思いを受け取って変身したグリスパーフェクトキングダムに対しても優位を保っていたが、交戦中にグリスのハザードレベルが急上昇。パワーバランスを崩され、今度は逆に圧倒されていく。
「俺の方が…遥かに高い能力を備えていたはず…なのに…どうして…この差は何だ…?」
「俺には守るべきものがあって…お前にはそれが無かった…それだけの事だ」
最期は渾身のパーフェクトキングダムフィニッシュとの競り合いに負けて爆散。最後まで自身の敗北の理由を理解できないまま、ホワイトパネルを残して消滅した。
前述の通りスペック自体は非常に高いファントムビルドだったが、グリスパーフェクトと比べても浦賀の台詞にある「俺の方が遥かに高い能力を備えた」というほどのはっきりとした性能差はないのが実情であった。
変身者の感情によって当初の基準より遥かに実力が向上するライダーシステムの特性を踏まえるとこの程度のスペック差では容易に詰められ追い抜かされる可能性が高く、相性は最悪と言う他ない。
現に最初こそグリスを圧倒していたにもかかわらず、徐々に戦局を覆されて敗北を喫している。
仮に劇中でグリスパーフェクトを撃破したとしてもジーニアスフォーム、クローズマグマ、プライムローグ、マッドローグの4人を同時に倒さねばならないというほぼ勝ち目のない状況であった(しかも人質として捕らえていた美空もグリスとの戦闘中に万丈に救出されてしまっていた)。
同じくパンドラパネルを取り込んだエボルト(怪人態)と比べると実力面で言えば遠く及ばず、まだ特に消耗もしていない貴重な戦力をバラバラにして融合する変身過程を見るに、エボルト以上にかなり非効率な形の強化形態とも解釈できる。
一海の「守るべきものがなかった」という指摘は、ある意味これ以上ない的を射た指摘と言えるかもしれない。自らの手で貴重な仲間を浪費しつつ自分の力を過信し続けた浦賀があの邪悪のカリスマの脅威を乗り越えた愛と平和の戦士達を相手にした時点で最初から勝ち目などない勝負だったのだ。