「悪ィな戦兎……約束破るわ…!」
『ボトルキーン!』
『グリスブリザード!』
『Are you ready?』
「できてるよ…!」
『激凍心火!グリスブリザード!』
『ガキガキガキガキガッキーン!』
「心火を燃やして…ブッ潰す……!!」
概要
仮面ライダーグリスの強化形態にして、グリスの本編最強フォーム。初登場は第46話。
猿渡一海がノースブリザードフルボトルをセットしたグリスブリザードナックルをビルドドライバーに装填して変身する。
ノースブリザードフルボトルに組み込まれた三羽ガラスのデータが機能や武装に反映されており、可動防壁の形成、高速斬撃技、フローターユニットによる飛行が可能になっている。
同じくナックル系武器と専用のフルボトルを用いて変身するクローズマグマとは様々な意味で対をなす形態に当たる(クローズマグマは灼熱を操り、変身者の素質の問題によりリスクが小さい)。
2024年4月26日、レジェンドライドケミートレカ投票では第7位。通常形態のグリスを抑えてのケミー化を果たした。カードにはクワガタ、城、フクロウが描かれた青いロボのデザインとなっている。
スペック
パンチ力 | 50.7t(右腕)、61.7t(左腕) |
---|---|
キック力 | 59.9t |
ジャンプ力 | 64.9m(ひと跳び) |
走力 | 2.1秒(100m) |
これは初期値であり変身者のハザードレベルに応じて変動する。
「フロストラグルグローブ」や「フロストラグルシューズ」は変身者の決死の覚悟に応えるように攻撃の威力が上昇するようになっており、最大威力の必殺攻撃を受けた敵は細胞レベルで凍結・消散し、後には雪煙だけが残る。
また、上記のように三羽ガラスのデータが機能や武装に反映されており、両肩部の「GBZアイスパックショルダー」は堅牢な可動防壁を形成し、仲間の盾となることが可能で、腕部に搭載された「スノウストームアーモリー」は氷の刃を形成して高速斬撃技を繰り出せる。そして、胸部「ブリザードチェストアーマー」の背面に搭載されたフローターユニットは変身時に使用されたヴァリアブルアイスの噴出を利用した短時間の高速飛行や浮遊が行える。
ロボットハーフボディのアーム「デモリションワン」と同型の左手のパワーアーム「GBZデモリションワン」は腕一本であらゆるものを破壊し尽くすことが可能で拘束した相手に冷却粒子を吹き付けて凍結・行動不能にする他、必殺技時には巨大なエネルギーアームを展開し敵を叩き潰す。
経緯
変身アイテムである「ノースブリザードフルボトル」はハザードレベルを一気に上げるが、第46話時点で一海は二度もネビュラガスを注入する人体実験を受けており危険な状態にあった。
このまま一海が変身すればハザードレベルが限界値を超え消滅してしまう恐れがあった為、「ブリザードナックルは"武器として"使うように」と戦兎から忠告されていた。
エボルトが10分おきに日本の領土をエリアごとにブラックホールへ消していく悪趣味なゲームを開始。その野望を阻止すべくパンドラタワーの頂上を目指す4人ライダーの前に、エボルトの遺伝子から作られた擬態の三羽ガラスが味方の振りをして近付いてきた。
一海は即座に彼等を偽物と看破し、ビルド、クローズ、ローグを先に行かせ、一人で三羽ガラスのロストスマッシュ三体を相手取る。ブリザードナックルを使い優勢に戦いを進めていく一海だったが、三羽ガラスが攻撃を止めるよう懇願し、偽者だとは分かっていても生前の彼等を思い出した一海の攻撃の手は鈍ってしまう。
変身を解除した一海は三羽ガラスの本名を一人ずつ口にしながら、彼等を目の前で失った記憶を回想しつつ戦争で失った後悔を吐露。かつての仲間を倒す事に踏ん切りを付けるように床に額を打ち付け、戦兎に約束を破ってしまうことを独り、額を打ち付けて謝罪する。
一海は金庫から独断で持ち出していた葛城忍のプロトビルドドライバー、グリスブリザードナックル、ノースブリザードフルボトルを使用しグリスブリザードへ変身したのだった。
変身時プロセスは以下の通り。
- 冷気が一面に漂い一海の足を膝上まで凍結させる。
- ナックルに似た「アイスライドビルダー」が出現、大量の液体窒素のような液体(ヴァリアブルアイス)をぶちまけ、一海を氷塊状態に。
- 後ろから氷塊をアイスライドビルダーが押し割り、変身が完了する。
足が凍結して後戻りできない状態にした上でドライバーから「Are you ready(覚悟はできたか)?」と問われるという、変身時の一海の状況を現しているかのようなエグい演出となっている。
容姿
仮面ライダーグリスと比べ、ボディカラーはグリス(機械潤滑油)を彷彿させる金色から氷を彷彿させるメタリックブルーになり、左腕はビルドのロボットハーフボディのアーム「デモリションワン」と同型の重機を思わせる大型パワーアーム「GBZデモリションワン」に強化された。ゼリー状だったクリア部分もメタリックなアーマーとなっている。
ビルドドライバーで変身したためか脚部やアンダースーツはビルドに似た形状になっているが、脚部などはひび割れた氷のようなモールドが入っている。
肩アーマーは形状こそグリスと同じだが、右肩にはグリスのライダーズクレスト、左肩には北都三羽ガラスが使用したキャッスル、クワガタ、フクロウフルボトルのマークが描かれている。
その姿を映像で監視していたエボルトからは「まるで死に装束だな」と評されている。
使用ツール
変身ベルト。
葛城忍が使用していたプロトタイプで、第45話で彼がエボルトに殺されたため使用者がいなくなり回収され、第46話では秘密基地に保管されていたが一海が秘密裏に持ち出していた。
変身アイテム兼武器。初登場は第44話。デザインやカラーはクローズマグマナックルのマイナーチェンジ。製作者は桐生戦兎。
戦闘では同系統の武器を持つ龍我が「ブリザードナックル」名義で使用していたため、一海は龍我専用アイテムだと思っていた。しかし、第46話で戦兎の口から、元々は一海=仮面ライダーグリスのために作ったものだったが、彼がまた人体実験を受けたことで、使用した際の危険性が増したために渡せなかった事が明かされた。
戦兎作のフルボトル。初登場は第46話。
三羽ガラスのデータが取り込まれており、ロボットフルボトルのマークの他、彼らが使用したキャッスル、クワガタ、フクロウフルボトルのマークも描かれている。
ノースという名前から、北国の寒いイメージ、一海と三羽ガラスの故郷である北都を表しているのかもしれない。
必殺技
- グレイシャルアタック
「シングルアイス!」
「グレイシャルアタック!バリーン!」
レバーを1回転させて発動。
巨大化した左腕のGBZデモリションワンで敵を捕縛し、壁に叩きつけて握り潰す。
劇中では擬態スタッグロストスマッシュを撃破した。
- グレイシャルフィニッシュ
「シングルアイス!」「ツインアイス!」
「グレイシャルフィニッシュ!」
「バキバキバキバキバキーン!」
レバーを2回転以上回して発動。
冷気を纏ったライダーキックを繰り出し、敵を凍結粉砕する。
劇中では擬態キャッスルロストスマッシュに使用し、光弾を放たれ腕で防御されたものの、勢いそのまま凍結粉砕させ撃破した。
『仮面ライダーグリス』では左腕から放つ冷気で相手の足元を凍らせ、動きを封じた状態で飛び蹴りを放っている。
『シティウォーズ』のグリスのように、ショルダーから砲撃するバージョンが使えるかは不明。
- グレイシャルナックル
「ボトルキーン!」
「グレイシャルナックル!」
「カチカチカチカチカチーン!」
グリスブリザードナックル単体で放つ必殺技。
グリスブリザードナックルに冷気を纏わせ、敵を殴りつける。
劇中では擬態オウルロストスマッシュを撃破した。
作中で音声は流れていないが、よく見ると直前に左手でブリザードナックルのボタンを押す描写がある。
『ビルド NEW WORLD グリス』(ネタバレ注意!)
「心火を燃やしてお前を倒す。ラブ&ピースのために・・・!」
Vシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』にまさかの再登場。戦兎が新世界で再度製造したナックルを、一海がホワイトパネルと共に持ち出して変身した。とある事情からネビュラガスよりも高濃度なファントムリキッドを摂取していたため、消滅のリスクは相変わらず付きまとっているものの、変身解除=死亡という末期状態はとりあえず抜け出している。
政府官邸を占拠したダウンフォールの軍勢を相手に大立ち回りを演じ、三羽ガラスを倒したメタルビルドとも互角に渡り合うが、強化したファントムビルドには手も足も出ずに追い詰められ、新たなグリスに役目を譲った。
立体物
創動~仮面ライダービルド~
食玩フィギュア。アクションボディ側にグリスブリザードナックルが付属し、ビルドドライバーもグリスブリザードナックルが装填された仕様になっている。
S.H.figuarts
プレミアムバンダイ限定で商品化。
Rider Kick's Figure
『仮面ライダージオウ』の放送中に発売されたボーイズトイのアクションフィギュアシリーズ。
『ビルド』放送当時の「ボトルチェンジライダーシリーズ」にはラインナップされなかったため、ボーイズトイフィギュアとしては初の商品化になる。
ライドウォッチ
激凍心火!ゼロ度の炎で凍結粉砕!グリスブリザード!
激凍心火!ブ・リー・ザード!
「GPライドウォッチ09」の一つとして発売。
必殺技は「グレイシャル」。
余談
- 3号ライダーの最強フォームとしては当時は最も遅い登場であった(後に『仮面ライダーガッチャード』の仮面ライダーヴァルバラド黒鋼が更に遅い第49話で登場した事によって記録を更新)。
- ナックル型武器で変身するという点は猿渡一海を演じる武田航平氏が2008年に演じた『仮面ライダーキバ』の仮面ライダーイクサを彷彿させる。実際、変身シーンなどはイクサを意識していた様子である。
- グリスブリザードの登場により、武田は紅正夫版仮面ライダーキバを含めてイクサベルト、キバットバットⅡ世、キバットバットⅣ世、スクラッシュドライバー、ビルドドライバーと計5つの変身ベルトで変身した事になり、これは平成ライダーシリーズに出演した俳優の中でもトップクラスの数である。
- ちなみにTV本編の変身では「ボトルキーン!」が鳴っていない。
- 変身の際、「Are you ready? (覚悟はいいか?)」というベルトの音声に一海が「出来てるよ」と発言したのは、「自身が消滅する事」と、クローンとはいえ、「三羽ガラスを自ら手にかける」という二つの覚悟を表すためと思われる。武田曰くこの流れは「監督と話し合って決めたんです」とのこと。
- 尚、このセリフが発せられた回から約一週間後、同じ質問に対して全く真逆の返答が出ることになろうとは、誰が予想できただろう。
- 「一海と三羽ガラスの力が合わさった姿」とされている本形態だが、その属性は過去に登場したアイススマッシュと同じである。そしてそのスマッシュは一海達のもう一人の仲間である生方直進が変身した経験がある。それを考えると、(ストーリー面、メタ面の両面において)この姿には上記4人のみならず一海自身や、彼と共に、或いは彼の為に戦った者達全員の力が宿っていると言える。
- 変身待機時の音楽はビルドドライバーからの待機音が少し邪魔をしているが、冬をイメージしたかのような音楽が鳴っている。また、「魔法少女達の百年祭」のイントロに似ているが、あちらの方がテンポが早めでより哀愁漂うのに対し、こちらは寂しさこそあるもののどこか落ち着いている感じがある。なお、イントロが終わり曲に入るといよいよそっくりになる。
関連イラスト
関連タグ
仮面ライダーレイ:若本ボイスのアイテムで変身する氷属性のサブライダー。通常の人間には変身出来ない、変身者が死亡するなど共通項が多い。
シミュレーションゲーマー レベル50 → グリスブリザード → ウォズギンガファイナリー
外部リンク
仮面ライダーグリスブリザード | 仮面ライダー図鑑 | 東映
創動 仮面ライダービルド BUILD12|発売日:2018年8月20日|バンダイ キャンディ公式サイト