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葛城忍

かつらぎしのぶ

『仮面ライダービルド』の登場人物。
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概要

演:小久保丈二

桐生戦兎の本来の姿である葛城巧の父親。
パンドラボックスにまつわるプロジェクトの責任者であり、スカイウォールの惨劇の時には式典でスピーチを行っていた。

スカイウォールの惨劇を起こした原因がパンドラボックスにあると言われ、そのプロジェクトの責任者だった彼に対してのバッシングが勃発。バッシングに耐えきれず命を絶ったと妻である葛城京香が証言している。

上記の事は子供である葛城巧にとっても衝撃的な出来事であり、巧が科学者の道へ進んだのも父親の無念を晴らす為と言われている。









衝撃の事実(ネタバレ注意!)

※ここから先は仮面ライダービルド第31話のネタバレです。未見の方はご注意願います。



ここまでの話だと序盤に登場した悲劇的な人物としか見えないが、第31話で驚くべき真実が滝川紗羽の調査で明らかになる。
同話で23年前、万丈龍我の母親である万丈優里が、妊娠して僅か2か月後に龍我を出産という怪現象があった事が判明。(個人差はあるが、通常だと妊娠から出産までに約10カ月かかる)
その怪現象の調査をしていたのが葛城忍だった事が紗羽が持ちだした資料にて判明する。
パンドラボックスプロジェクトの責任者という事だけでなく一連の出来事に彼が関係していると匂わせる終わり方で第31話は終わっている。

龍我へ行った調査の詳細については不明だが、第32話以降では彼が生前に行った行動が少しずつ明らかになる。

実は石動惣一の身体に乗り移ったエボルトに技術力を見込まれて、損傷したエボルドライバーの修復を依頼されていた。その際にエボルトやエボルドライバー、担当していた龍我の出自に関しての真実(或いはその答えを導き出しうるデータ)に辿り付きそれを資料として書き残していた。

それらの資料を読んでエボルトの存在と危険性に気付いた葛城巧が独自にエボルトの野望を止めようとしたものの返り討ちにあいエボルトの目的の為に利用された、というのが「葛城巧殺人事件」という龍我の冤罪事件及び「桐生戦兎という存在の誕生」の真相であった。

第35話で石動に憑依したエボルトが葛城忍を脅してエボルドライバーを復元させた事が判明。自ら死を求めたのもエボルドライバーを開発してしまった罪悪感もあった事も判明したのだが・・・。





※ここから先は仮面ライダービルド第40話以降のネタバレです。未見の方はご注意願います。
















北都の実家に戻った葛城巧こと桐生戦兎は、龍我と紗羽を以前密航船で西都に連れて行ってくれた木根礼香の写真をみつける。
忍の遺品から見つかったその写真には、忍が亡くなった時には存在していないはずのガーディアンが写っていた。
不審に思った戦兎は龍我と紗羽に報告。
龍我と紗羽は木根礼香に会いにいくが、つい先日も船に乗っていたという情報を聞き驚く。

第41話にて戦兎は人を好戦的にさせるパンドラボックスの光を浴びたのに自殺した事や忍の遺体が見つからなかった事から、父親が生きているのではと思っていた事を仲間に明かす。
礼香から自分の息子の関係者に渡すよう頼まれたUSBメモリを紗羽が戦兎に渡す。
そのデータからロストフルボトルを10本集めると、既知の物理法則を超える現象が起こる事が判明する。
そして、エボルトのロストフルボトルを使った新たな計画に協力する人物がいた事が同話の中盤に判明。
その人物こそが、なんと葛城忍であった。

もう一人のビルド

「それでいい、ライダーシステムはそんな綺麗事の為に作られたモノじゃない」

第42話にて、エボルトに何故志水恭一を殺したのかを問うが、エボルトの「余計な事を言いそうだったから殺した」という発言に特に反論せず、新たなロストスマッシュを生み出すための素体を求める。

中盤では音声のみだが、ニンニンコミックラビットタンクに変身。
4コマ忍法刀の隠れ身の術で視界を奪い、ラビットタンクでその場にいたグリスに一切悟られることなくクローズマグマを変身解除にまで追い込んだ(なお、この作業と撤収までを煙が晴れるまでの数十秒間で済ませており、更には変身者である龍我にもいきなり誰かに襲われた以上の情報を与えていないことから葛城忍の変身するビルドがいかに強力か示唆されている)。

更に終盤。
仮面ライダーマッドローグに勝利し、変身解除した桐生戦兎氷室幻徳の前に姿を現す。この時、ドリルクラッシャーで変身解除直後の生身の二人を狙撃している。
こうして、敵として戦兎の前に現れるのだった。

なお「仮面ライダーに変身できるようになった時点でパンドラボックスの光の影響を脱する」という設定がある。葛城巧や幻徳が実際にそうなっているため彼もまた洗脳効果からは脱しているはずであり、その上でなおエボルトと行動を共にしているのは彼自身の意志に他ならない。

第43話では、エボルトから戦兎と龍我を仮面ライダーに仕立てたのは、実は葛城忍であった事が明かされる。
ちなみにあらすじでは外見上戦兎を息子と認識出来ないのではないかと心配されたが、ビルドの変身者であるからか、或いは戦兎の混乱すると頭を掻きむしるという昔からの癖を見たからか、問題なく認識している。

ショックを受ける戦兎の前で再びビルドに変身し、自分達を利用していた事に怒ったクローズマグマ、グリス、ローグの3人と戦闘に突入。

実力は前回と同じく基本フォームであるラビットタンクニンニンコミックホークガトリング海賊レッシャーでありながら、これまでの戦いでハザードレベルを上げてきた三人を軽くあしらえるほどの実力を発揮する。

本人曰く、ビルドドライバーは本来、私が使うために開発した」らしく、忍本人が使う事で戦兎が変身するビルドよりも高い性能を引き出せるらしい。
公式の設定上でも基本的なスペックは戦兎ビルドのラビットタンクを大きく上回っている。
第45話ではハザードトリガーを含めたライダーシステムの設計者だった事が判明する。

だが、戦闘中にエボルトの細胞を覚醒させていくクローズマグマによって次第に劣勢に追い込まれていき、戦兎がジーニアスフォームに変身して必殺技によりクローズマグマを変身解除させた隙をついてその場から撤退した。

物語の後半で再び、戦兎と戦闘に入る。
この時は美空(精神はベルナージュ)が変身するCDロストスマッシュを従え、ジーニアスフォームを追い詰めていく。
CDロストスマッシュを浄化しようとする戦兎に「ベルナージュが中に居る限り、美空は浄化できない」と告げる。
そうして新世界を作るという理想を掲げる忍に、戦兎は「それが俺と母さんを騙してまで果たしたかったことなのか」という質問に忍は「そうだ」とハッキリ告げる。

これらの発言で一時は戦意を失う戦兎であったが、龍我の喝で戦意を取り戻し、龍我の体内にベルナージュの力を移すという奇策に打って出る。これにより、龍我の暴走は止まり、美空も無事に浄化されて元の姿に戻る事ができた。直後、忍はジーニアスフォームとクローズマグマの同時必殺技を受けてしまい、ラビットフルボトルが金色に変化するのを見届けてからその場を撤退する。

フラフラになりながら拠点に戻ってきた際、エボルトから「初めて先生の読みが外れたな」と茶化される事になるのだった。

本来のビルド

葛城忍がプロトタイプのビルドドライバーを用いて変身する仮面ライダービルド。
彼の変身するビルドこそが彼が本来設計していたビルドであり、その性能は戦兎のビルドを大きく上回る。
使用する武器等は戦兎と同様の物を使用する。また、彼が使用するビルドドライバーにベストマッチ判別機能は搭載されていない。

フォーム名登場話パンチ力キック力ジャンプ力走力
ラビットタンクフォーム第43話右:14.7t/左:25.2t右:35.1t/左:26.3t71.5m100m/1.9秒
ホークガトリングフォーム第43話右:14.4t/左:14.8t右:20.0t/左:21.0t54.2m100m/3.9秒
ニンニンコミックフォーム第43話右:16.4t/左:13.0t右:14.9t/左:32.9t59.0m100m/2.8秒
海賊レッシャーフォーム第43話右:17.8t/左:18.8t右:22.2t:左:20.4t51.2m100m/1.7秒
※戦兎ビルドのスペックは各リンク先参照。

トライアルフォーム
  • フェニックスタンク(初登場第43話。変身後すぐにフェニックス形態になったためスーツは未登場)

実は……

第44話にて、基地に潜入してきた幻徳と一海を逃がすためにやってきた戦兎と再び一騎打ちになる。
初めは「自分の無力さを自覚しろ」「お前のせいで世界が滅びる」などと戦兎を精神的に追い詰めながら、普通に戦闘を行っていたのだが……なんと戦闘中、ニンニンコミックによる隠れ身の術を用いて戦兎をその場から逃がし、マッドローグ(内海)にも「逃げた」と嘘を告げ、戦兎を逃がした方とは全く違う方向に向かわせたのだった。
前述の3人を逃し、ロストスマッシュ化に失敗した事を「先生らしくない」とエボルトに詰め寄られると、第41話でエボルトに感情が芽生えていたことに着目し、「自分の手で新世界の扉を開け=残る3つのロストボトル生成を自分でやれ」と提案。
これを承諾したエボルトはライダー達を呼び寄せて対決、倒される。ちなみに忍は戦兎を逃がす直前、ハザードトリガーを攻撃してその動きを鈍らせており、形状が同じエボルトリガーも攻撃すれば同様にエボルの動きを止められるというヒントを暗に戦兎に送っていた。これはそのヒントを活かした戦術の勝利と言える。その後にロストボトルが残されている事に戦兎が気付いた瞬間、ホークガトリングフォームで登場しロストボトルを回収した。

続く第45話にて、ついにその真意が明かされる。
忍はスカイウォールの惨劇が起こってしまった以上、ロストボトルを集めて新世界を創る他に贖罪の道は無いと考え、エボルトに従っていた。つまり新世界をエボルトの好きにさせる気は無く、騙して封印する機会を待っていたのだ。目論見通り倒され、忍の言ったとおりにエボルドライバーにバックアップを残していたエボルトを、ドライバーごと特殊ケースに封印した。
忍によれば、ロストボトルを集めることによって生み出される「物理法則を超えた新世界」とは、ワームホールを自在に生み出す事。一見すると、惑星を喰らい続けながら宇宙を渡り歩くエボルトにしか利点が無さそうなそれが何故人類を救う事になるのかと戦兎が尋ねた時、内海に憑依したエボルトが現れる。エボルトは忍の裏切りを察知し、爆発の前に内海に遺伝子を忍ばせていたのである。エボルトから毒を注入され、忍は全貌を語る間も無く消滅してしまった。
直前に、戦兎にエボルトすらも知らない白いパンドラパネルの存在と、「ハザードトリガーを使え」というヒントを伝え、それぞれビルドとクローズが描かれた2枚のカードを託すと、息子に託してばかりであった事を謝りつつ、最期は父親らしい愛情に満ちた笑みを浮かべて消えていった。

「巧…また背、少し伸びたか?」
「もうすっかり超えられたな」

その後の戦兎の回想で、10年前の式典の直前、まだ学生だった巧(戦兎)に忍が戯れに「もし地球外生命体が攻めてきたら、一緒に地球を守ってくれるか」と問いかける一幕があった。本当は戯れではなく、既にエボルトの存在に気付いていた(地球外生命体の有無を調査していると発言した事からそう推測される)忍は本気で巧に後事を託したかったのかもしれない。
道は違えども、忍も地球を守るために戦った正義の味方だった。この記憶は戦兎の中の正義感を奮い立たせ、憎しみに囚われて変身できなくなっていたジーニアスフォームへの再変身を可能にした。

真の目的

エボルトに消される前、忍が2枚のパネルとパンドラボックスを使い、成し遂げようとしていた事を遺されたデータから戦兎が見つけ出し、46話にて戦兎の口から語られた。
ハザードトリガーをパンドラボックスに入れたまま起動すると現れる白のパンドラパネルは、この世界(=スカイウォールの存在する世界)に平行する無数の別世界、「パラレルワールド」とこの世界を繋ぐ力を持つ。そこへ黒いパネルの力を使って移動することで、スカイウォールの存在しない世界融合しようとしていた、との事。
そのまま融合すれば2つの地球が衝突して一緒に滅びるか、美空が指摘したように「どちらかの世界の人間が消滅する」のだが、戦兎曰く、そこでパンドラボックスとエボルトの力を使う事で特異点が生じ、「スカイウォールの存在する世界を”A”、スカイウォールの存在しない世界を”B”とすると、”A”と”B”が特異点で融合した新しい世界は”C”となる」との事。要は世界が一つに統合されるため、別の世界に存在する同じ人間も統合されるという、まさに奇跡とも言える事象である。
また、エボルト自体は世界を融合する際にエボルト由来の力全てを使うため、消滅するとの事。これが、忍が生前成し遂げようとしていたこの世界を唯一救済する方法である。
(最上魁星と違う点は、最上は二つの世界のエニグマを衝突させる事で世界を消し、自らが平行世界の王となろうとしていたというところだろうか。)

ただ、この計画にはエボルトが生み出す黒いパンドラパネルと完全体となったエボルト自身が必要である以上、忍はエボルトに味方するしかなく、結果多大な犠牲が生じた。この正義の味方らしからぬ事実を前に、戦兎の中の葛城巧の意識のみならず戦兎自身までも「父は奇跡を見たかっただけではないか」という疑惑を拭いきれなくなる。

ちなみに数あるパラレルワールドから選ばれて融合に付き合わされるB世界はこの計画の生贄といっても差し支えないのだが、そこに住む人々を慮った発言をした人物は作中に誰一人いない。(※)

そして、最終話にて、忍の計画の全貌がついに明らかとなった。
忍が目指していた、世界を救済する方法。それは、パンドラボックスと2枚の人工のパンドラパネル、そしてエボルトの力(というよりエボルトという存在そのもの)を用い、物理法則を超えた現象である世界の融合を行うことで、最初からエボルトが存在しない世界を創造することに他ならなかった。当然ながらこの世界ではスカイウォールの惨劇も発生しておらず、その当時生きていた人々は一連の出来事による死や苛烈な運命を免れ、異なる10年を過ごした場合の世界にそのまま移される。それこそが、忍が実現させようとしていた本当の意味での『新世界』であった。彼は巧=戦兎がいつの日か自らの目的に気づきそれを成し遂げてくれることを願い、パンドラパネルの改造(これがのちに究極のボトルとなった)や人工のパネルの製造、ライダーシステムの開発などを進めていたのである。

ただし、言うまでもないことだが、一連の出来事がすべてなかったことになる新世界に、元の世界の記憶を持つ者は存在しない。そのため、完成した新世界で一連の戦いの記憶を保持する者は、世界の『創造主』たる戦兎と、エボルトの遺伝子を持つ元の世界にいた『万丈龍我』という、本来新世界にいてはならないはずのイレギュラーな存在(すなわち、エボルト無くしては誕生しなかったはずの存在)である二人のみとなった。

…あれ?これってただのB世界…おっと誰か来たようだ

※なお、劇中の描写を見るに、B世界の側からもパンドラボックスから伸びていると思しき光の線が伸びていることが確認でき、B世界でもA世界と同様あるいはそれ以上の惨事が生じていた可能性がある。また、このB世界についても、「A世界から分岐したもう一つの時間軸ではないか」「A世界が辿り着けなかった未来の一つのイメージではないか」など、様々な解釈・考察が存在している。

余談

忍の生存が疑われ始めた41話以降、戦兎は度々自分の中の葛城巧の意識と対話しているが、巧は一貫して「父を信用するな」と忠告している。忍がエボルト封印の機会を狙っていたと明らかになってなお態度を変えない巧だが、その真意は一体…?

演じる小久保氏は仮面ライダーシリーズは初参加である。

彼以前にも平成二期に登場した父親といえば、愛娘の為だけに無関係な多くの人々を犠牲にしようとした者自分の子供ですら研究材料としか見ていない者息子を商品として自身の利益のために利用した者不本意とはいえ一連の事件の発端を生み出してしまい、自身の家族すらも手にかけざるを得なかった者と物語内で暗躍・暴走した人物が多く、忍もまた「人間でありながら、人類に仇なす存在に味方している」ということで、ファンの間では「仮面ライダーの父親はクソ親父ばかり」という不名誉なジンクスが囁かれている。
しかし、実際は氷室幻徳の如く、「愛と平和と明日の地球の為に悪役を演じていた」というものであり「最低なクソ親父」とは程遠い人物であった。

主人公の父親が敵という設定は、平成二期では放送前に設定が似ていると言われた仮面ライダーW以来となり、ヒロインの父親(の姿をした生命体)と主人公の父親が同時に敵側の黒幕だったという設定は本作が初となる。
ちなみに仮面ライダーWの父親キャラも最終的には、葛城忍と同じく主人公にエールを送った。

関連タグ

仮面ライダービルド ファウスト
葛城巧 桐生戦兎

鳴海荘吉泊英介天空寺龍:仮面ライダーの善良な父親繋がり
桐生ダンテツ:敵に寝返ったふりをした同じニチアサの父親繋がり。ちなみにこの作品のプロデューサーもビルドと同じ大森氏である。
詩島剛スティンガー:同じく敵に寝返ったように見えて、影で主人公たちを助けていた特撮の登場人物。

エンリコ・プッチ:同じく「宿敵の存在自体を抹消し」「もとの世界を消滅させて」自らの掲げる理想のために『新世界』を作ろうとした存在。ただしその理想やそのために取った手段はきわめて独善的と言うほかないうえ、その目論見は結局失敗に終わっている。

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