『ハザードオン!』
概要
葛城巧が開発した小型デバイス。
エボルトリガーの下位互換版で、彼曰く「禁断のアイテム」。中央部にはメーター「フォースライドメーター」、本体上部にはボタン「BLDハザードスイッチ」、本体下部にはコネクタが付いている。
起動すると前作の変身アイテム同様変身音のイントロが鳴る。
内部にはネビュラガスの成分から開発された黒い強化剤が充填されており、ビルドドライバーのBLDライドポートに接続することでハザードフォームへと変身することができる。
ハザードフォームでは身体に強化剤を浸透させることでハザードレベルを強制的に上昇させ、さらに強化剤を脳の特定部位に浸透させ闘争本能を刺激することで圧倒的な戦闘力を得ることができる。
機体内部にはトランジェルソリッドと反応してハザードフォームのスーツやアーマーを構成する「プログレスヴェイパー」が充填されている(この物質のオリジナルにあたるのはエボルトリガーに充填された「パンドライザヴェイパー」という強化剤である)。
最も目を引くメーター部分「フォースライドメーター」はこの強化剤の浸透率を示すものであり、ドライバーのレバー回転時に合わせて上下する。
しかしこの機能は変身者に多大な負担をかけるため、脳が刺激に耐え切れなくなると理性を失い破壊衝動に支配され暴走する危険が伴う。一度暴走してしまうと戦兎は意識を失い敵味方の判別なく全てを破壊しようとするため、ハザードトリガーを外すなど外部からの強制的な手段でないと変身が解除できなくなってしまう。
起動には「セキュリティクリアカバー」を展開し、警告色で縁取られた青いボタン「BLDハザードスイッチ」を押す必要がある。
この状態での起動音は「ハザードオン!」である。
ハザードフォームでの必殺技使用時には再び「BLDハザードスイッチ」を押して「オーバーフローモード」へと移行させる。オーバーフローモードは一時的にハザードレベルを引き上げたモードであり、ラビットラビットフォームやタンクタンクフォーム、仮面ライダーブラッドの変身にははじめから「オーバーフローモード」を起動した状態で変身を行う。
この状態での起動音は「マックスハザードオン」である。
実はこれが開発されたのには真の目的がある。
ハザードスマッシュ
ハザードトリガーを介してネビュラガスを注入することでスマッシュをより強力な「○○スマッシュハザード」「○○ハザードスマッシュ」に変貌させる(スマッシュハザードにはこれが関わっているシーンはないが、公式サイトでは関与が仄めかされている)。
強化を受けたスマッシュは汚染されたかのように真っ黒となり、ハザードスマッシュは変身解除させられた時点で消滅するというハザードフォーム同様の重いデメリットを負うこととなる。
活躍
第19話ではブラッドスタークが所持しており、続く第20話で戦兎に渡された。
当初、戦兎はスクラッシュドライバーの副作用で暴走するクローズチャージを止めるために使用に踏み切ったが、結果として「暴走を止めたいのに自分が暴走してしまう」という本末転倒な事態になってしまった。
ハザードトリガーを与えたスタークは「ハザードレベルを上げれば使いこなせるようになるかもしれない」と語ったが、根本的な解決方法ではなかったためハザードレベルを上げるためにも戦兎は使い続けるしかなかった(最終決戦の頃には戦兎が強化剤に慣れてきたことで継続時間が伸びたものの、結局暴走のリスクは完全には消えなかった)。
北都との代表戦を前に、戦兎はより確実に暴走を止めるためにスピンオフで内海と一緒に取った戦闘データから強制停止装置を開発し美空に託したが、その装置も「強制的に出力を最大にし、戦兎を消滅させ戦兎ごとトリガーを破壊する」というほとんど自爆スイッチに等しい代物であった。代表戦でもやはりビルドは暴走したものの、副作用を克服したクローズチャージの活躍によって大惨事は避けられたため、結局停止装置が使用されることはなかった。
本末転倒の末に回り回って龍我が暴走を克服したため、経緯はどうあれ当初の目的は果たされたと言える。
その後、仮面ライダーローグの策略により暴走状態で美空を襲ってしまうが、その際の出来事をきっかけに生成されたローラビットフルボトルにより戦兎はボトルの成分の干渉現象を発見。これを元に強化剤を抑制することで戦闘力と意識を両立できるフルフルラビットタンクボトルを開発した。
第35話では戦兎のハザードレベル上昇に伴ってハザードフォームでの継続戦闘時間も伸びており、ラビットラビットフォームから海賊レッシャーハザードフォーム、キードラゴンハザードフォームへと変身、ハザードフォームで戦術の幅を広げることで仮面ライダーエボルに対抗している。
劇場版では伊能一派が洗脳した民衆の負の感情や万丈のエボルトの遺伝子を利用し、トリガーでパンドラボックスの力を解放しようと目論んだ。
万丈をエボルト、ハザードトリガーをエボルトリガーの代わりに用いようとしたわけである。
第45話で葛城忍が設計・考案したことが判明した(ブラッドスタークの「葛城巧が遺した禁断のアイテム」といった発言とは矛盾するが、忍は設計と考案のみで実際に形にしたのは巧と考えれば辻褄は合う)。
ジーニアスフォームで使用することでブラックロストフルボトルを浄化し元のロストフルボトルに戻す機能を発揮した。
これは後に公開された「仮面ライダー図鑑」によると「ジーニアスフォームの必殺技を強化した」結果であり、(暴走の危険もはらんだ)ビルドの強化装置としてだけでなく、エボルトの野望を妨害するための装置としても設計されていたと考えられる。
戦兎は「暴走装置じゃなかった」と語ったが、その実は「ただの暴走装置じゃなかった」という方が正しかったようだ。
第46話では、エボルトがパンドラボックスとエボルトリガーを使って黒いパンドラパネルを生み出したように、エボルトの遺伝子を持つ龍我がハザードトリガーをパンドラボックスの中に入れることで白いパンドラパネルを生み出した。
これにより戦兎たちの目的にもブラックロストフルボトルが必要になってしまい、(エボルトの野望を成就させないためとはいえ)結果的に物語は回り道することとなってしまった。
第48話ではクローズマグマがクローズマグマナックルと併用しているが、万丈がエボルトの遺伝子を持っている故か伊能同様暴走はしなかった。
使用したフォーム
ハザードフォーム
他のアイテムと使用したフォーム
その他使用したフォーム
※1:フルフルラビットタンクボトルを使用した形態。
※2:コブラロストフルボトルとグレートクローズドラゴンを使用した形態。
立体物
初期版では、ビルドドライバー側の差し込み口の中の連動用ピンが上がったままだとハザードトリガーを差した瞬間に変身音が鳴ってしまう事がある。そのせいか購入した人の一部から本編だけじゃなく玩具も暴走してると言われてしまった。
再出荷版はエボルトリガーと同じ仕様になった為この変身音の暴発はなくなった。
余談
名前を日本語に訳すと「危険の引き金」。
ハザードフォームのオーバーフロー状態はエボルトをなりふり構わず倒す目的で組み込まれた仕様ではないかと言う考察や、エボルの最終形態を再現しようとして制御出来ず頓挫した結果という考察もあった。
関連タグ
仮面ライダービルド ビルド(仮面ライダー) フルフルラビットタンクボトル
ゲネシスコア:ゲネシスドライバーの一部。ベルトの機能拡張スロットに装填するデバイス。
コズミックスイッチ:5年前の仮面ライダーシリーズに登場する、似たようなアイテム。しかしハザードフォームほど危険度はない。
マキシマムマイティXガシャット←ハザードトリガー→ジオウライドウォッチⅡ