『デンジャー!』
『クロコダイル!』
「変身…」
『割れる! 食われる! 砕け散る!』
『クロコダイルインローグ!』
『オーラァ!』
『キャー!』
「大義のための犠牲となれ…!」
CV:水上剣星
スーツアクター:渡辺淳
変身者
・氷室幻徳
概要
『仮面ライダービルド』第22話より登場した第4の仮面ライダー。
変身者はかつてファウストのリーダー・ナイトローグとして暗躍し、東都を追放されて西都に渡った氷室幻徳。
スクラッシュドライバーにクロコダイルクラックフルボトルをセットして変身する。
西都に所属する仮面ライダーであり、初登場時には西都と裏で通じていたブラッドスタークの手引きにより北都へと侵入。 西都のガーディアンと共に北都の首相官邸を襲撃して多治見喜子首相を拘束、北都を事実上制圧した。
変身時はスクラッシュドライバーでの変身共通のビーカーとケミカライドビルダーを形成、その中に成分が満たされ、ワニの顎で噛み砕くようにした後、顎を模った装甲「セルフェイスクラッシャー」が頭部を挟むように稼働して変身が完了する。
クラックフルボトルの音声はパニック映画のBGMの様におどろおどろしいことに加え、変身完了時や必殺技発動後には女性の悲鳴のようなSEが挿入されるなどかなりホラーテイストな演出が多い。
なお、スクラッシュドライバーを使用するライダーに見られたゼリーの要素は一見すると無くなったように見えるが、実際は両目の「ハードゼリーアイ」に反映されている。
第33話で判明したことだが、幻徳はネビュラガスを注入し仮面ライダーになれた時点でパンドラボックスの光の影響から脱して以前のような野心にあふれた性格ではなくなっていた。つまり西都の戦士として戦兎たちと戦った頃には昔の性格に戻っていた。それでも戦兎たちと敵対する道を選んだのは父親である氷室泰山にこの国を託す為あえて汚れ役に回っていたのである。
そういった事情を踏まえると、仮面ライダーローグとは文字通り幻徳が自らを悪人と戒めるための「悪党の仮面」という意味で自ら名乗ったと推測できる。
スピンオフドラマ「ROUGE」によれば、鰐淵晴彦(演:見雪太亮)という青年がローグの最有力候補者だったのだが、ハザードレベル4.0に達しながら仮面ライダーに変身するために必要な「強い思い」が足りずに変身出来ず、幻徳に重傷を負わされて候補者から外されたという経緯が明かされている。この他にも幻徳を痛ぶったグループのリーダー格である飯原行信(演:清水一哉)や有資格者になる事で人生の巻き返しを図る柿沢治郎(演:水野智則)といった候補者が西都中央研究所に集められていたが、ハザードレベルが規定に達しなかったなどの理由で粛清されている。幻徳も当初は変身出来なかったものの、収容所で地獄の日々を耐え抜く程の「強い思い」を持っていた事で遂に変身が可能となった。
全仮面ライダー大投票 | 72位(128票) |
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スペック
パンチ力 | 32.7t |
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キック力 | 37.5t |
ジャンプ力 | 57.2m(ひと跳び) |
走力 | 2.3秒/100m (時速156.5km) |
これは初期値であり変身者のハザードレベルに応じて変動する。
クローズチャージやグリスと共通する機能がほとんどだが、ローグのみの機能として全身を覆う装甲「クロコダイラタンアーマー」を搭載している。
この装甲は内部がヴァリアブルゼリーで満たされており普段は柔らかく動きやすいが、攻撃を受けた瞬間に硬化し、徹甲弾を受け止める程の防御力を飛躍的に高めることができる。
ヒビの入った部分が白いのはこの特性で装甲強化フレームへと変化したため。
この性質により格闘攻撃はほとんど通用しない。ただし、ラビットタンクハザードフォーム・オーバーフローモードやラビットラビットフォーム・タンクタンクフォームや仮面ライダーエボルといった相手の装甲に関係なく攻撃を通すことができる手段を持つ相手には流石にダメージを受けている。
……因みにだが徹甲弾は物にもよるが最大で11000tもの衝撃を叩き出すものも存在する。
仮にローグがこれを防げるというのなら能力抜きの物理攻撃で勝つ手段はほぼ無いに等しい。
劇場版では上記の能力を発動し、シザーズロストスマッシュの攻撃を見事に防いでいる。
変身者の闘争心に応じてキック力やパンチ力が上昇する「デスロールグローブ」と「デスロールシューズ」にはクローが備わっており、ワニの「デスロール」よろしく、自身の体を高速回転させて大ダメージを与える能力を持つ。
また、肩部の「ファンガードショルダー」からクロコダイルクラックフルボトルの成分を纏った煙を噴出させて攻撃力を上げる事もできるとされるが、劇中では未使用。
恐らく、氷室幻徳がこれまでに愛用していたトランスチームシステムに由来する能力なのだろう。
なお、ナイトローグの持っていたコウモリの要素はもう一人のローグに受け継がれる事になる…。
(参考:「仮面ライダー図鑑」より)
使用ツール
変身に用いる新型のフルボトル。第23話で初登場。
所々にヒビが入ったようなデザインが特徴。
変身に用いるベルト。クローズチャージ、グリスのものと同型。
クロコダイルクラックフルボトルを装填すると特殊な待機音が鳴る。
後に戦兎の手で、プライムローグに搭載されていた「変身者への声援や託された思いを強化成分に変換する」という機能が追加されており、最終決戦でエボルトを打ち破る大きな一因となった。
本編既出。第23話で初使用。「トランスチームガン」の系列モデル。
本編既出。ネビュラスチームガンと合体可能。
第46話ではジーニアスフォームがフルボトルバスター、クローズマグマがクローズマグマナックル、グリスがツインブレイカー、そしてローグがスチームブレードを構えて衝撃波を放ち、スマッシュ・ガーディアン軍団を纏めて撃破している。
必殺技
手足に備わった「クランチャーエッジ」が生成したエネルギー牙「クランチャーファング」によって様々な必殺技を放つ事ができる。
相手に噛み付くように両脚で挟み蹴りを繰り出し、そのまま回転して敵を吹き飛ばす。
挟んだ敵を回転して捩じ切るように繰り出すその一撃は、ワニが獲物の肉を食い千切る際に行う「デスロール」を彷彿とさせる。
ビルドのラビットタンクスパークリングフォーム、さらには自我を保っていた状態とはいえ、ラビットタンクハザードフォームですらも一撃で変身解除させ、戦兎自身にも大きなダメージを与えた。
初登場時では回転せずにそのまま前方に吹き飛ばしている。
他にもストレートパンチやサマーソルトキック(25話のみ)、カウンターでの片足キックといったバージョンも繰り出している。
劇場版では両足に発生した「クランチャーファング」でシザーズロストスマッシュの守りを噛み砕き、本体をデスロールで撃破するという中々にえげつないバージョンを見せている。
『ROUGE』ではエンジンブロスに対し、ライダーパンチとして発動。
『ガンバライジング』では敵を蹴り上げたのちに両足に発生した「クランチャーファング」で圧壊させる技として表現された。
必ず撃破とまではいかないものの、登場する度に被害もしくは結果を残すため、一部の視聴者には「必ず成果出すキック」と親しまれている。
- クラックスクラッチ
腕に「クランチャーファング」を纏わせて敵に拳を叩き込む技。シティウォーズの通常技に設定されている。
- ファンキーブレイク
ネビュラスチームガンでの必殺技。クロコダイルクラックフルボトルをセットし、強力なエネルギー弾を発射する。(代表戦や直前のエンジンブロス・リモコンブロスとの戦闘で疲弊していたとはいえ)クローズチャージを一撃で変身解除させるほどの威力を誇る。
- ファンキーアタック
ネビュラスチームガンでの必殺技。フルボトルをセットし、様々な能力を発動する。
○フェニックスボトル
第25話で使用。
巨大な火の鳥となり、空中飛行を行う。
- ファンキーショット
ネビュラスチームガン・ライフルモードでの必殺技。
○クラックフルボトル
ワニの顎のような強力なエネルギー弾を発射する。威力は高く、ビルド・クローズチャージ・グリスの3人を吹き飛ばした。
○詳細不明
至近距離からエネルギー弾を発射する。
- ディスチャージクラッシュ
ドライバーに無機物のボトルを装填して発動する。
○ダイヤモンドボトル
大量のダイヤモンドを発射したり、ダイヤモンドの盾を形成する。
- チャージクラッシュ
ドライバーに有機物のボトルを装填して発動する。
○フェニックスボトル
ガンバライジングで使用。体に炎を纏い相手に体当たりをする。なお、ビルドのフェニックス側のボルテックフィニッシュ・PR(ボルテックフィニッシュ)、ボルテックアタックとモーションは同じである。
なお、本編でも同じような技が第33話で使用されている。
○サメボトル
水面を作り出し、そこから巨大なサメ状のエネルギー体を出す。マッドローグのエボルテックアタックと同時に発動、ヘルブロスの攻撃を完封した上で撃破した。
装填時には何故かエボルドライバーの音声が鳴っている。
また、マッドローグはバイク、ローグはサメとそれぞれに関連のあるモチーフのボトルを使用している。(エンジンボトルで変身しているマッドローグは言わずもがな、サメはワニと呼ばれることもある為。)
強化形態
『てれびくん限定超バトルDVD 仮面ライダープライムローグ』にて登場する強化形態。
ライドウォッチ
デンジャラスなクロコダイルライダーは…ローグだ!
クロコダイル!ローグ!キャー!
「GPライドウォッチ03」の一つとして発売。
必殺技は「クラックアップ」。
余談
- TVシリーズに登場するライダーでは初となるワニがモチーフの仮面ライダー。ビルドのウサギの関係性などから因幡の白兎の鰐の影響を連想させる。
- ただし、因幡の白兎に登場するワニはワニザメと言う鮫である。そのためか、変身待機音のデデデンデデデンデデデン♪というBGMは元ネタの神話の前述のワニ=サメ説にも引っ掛けてる…のかもしれない。
- ワニがモチーフのライダー自体は仮面ライダーガオウに続いて2人目となる(複合形態のブラカワニコンボとクロコダイコンフォームを含めると4人目。後者は劇中未登場)。後の作品でもクロコダイルゲノム/クロコダイルゲノミクスや仮面ライダーキマイラなどワニがモチーフの設定のみの形態やフォームチェンジや複合系ライダーは登場しているが、ワニが単独モチーフのライダーは現時点ではガオウとローグのみ。
- 上述のBGMと悲鳴諸共ホラーテイストが強い変身音···のはずなのだがクローズチャージやグリス共々その強烈さ故に笑いを生みやすいせいか、幻徳が戦兎らの仲間になってからはビルドドライバー以上にギャグシーンでネタ的SEとして流されていた(特に幻徳関連。文字Tの時とか)。
- 初登場した第22話ラストで確認できるが、後頭部に宅急便などで用いられる「割れ物注意」のマークが存在している。ソフビなどにも存在するモールドの為ひび割れているデザインとかけたシャレだと思われる。ちなみに後に本当に...
なお『ROGUE』上映イベントでの質疑応答によれば「デザインがカッコよ過ぎたため付け足された」とのこと。
- 2018年03月28日(水)より順次発売される「仮面ライダービルド Blu-ray COLLECTION」に付属するスピンオフドラマ『ROGUE』にて、仮面ライダーローグの誕生秘話が語られる模様。
第2部の予告では内海曰く本来は別の人物が変身するはずだったとのこと。
真相は上記の通りである。
- 上述のアーマーは「ダイラタンシー」という液体と粉粒体の混合物に起きる性質を元にしている。簡単に言うと「混合物は液体に近いが圧力が加わった時だけ固体のように振る舞う」ことで、現実でも防弾チョッキに使用できないかと研究が進んでいるため、一足早く実現した形になる。家庭では水溶き片栗粉などで試すことができる。
- 同年02月04日(日)に放送された『ビルド』第21話放送直前に初披露されたジャンクションにてラビットタンクハザードフォームと戦ったライダーこそが仮面ライダーローグであり、思わぬ形での先行登場となった。
- ※ジャンクションとは「仮面ライダー○○、この後すぐ!」でおなじみの数秒程の予告映像の事。
- 全仮面ライダー大投票では上述の通り72位というなかなかの好結果を収めた。
……収めたのだが、他の仲間達がそれぞれ
- ビルド(9位)
- クローズ(11位)※サブライダー人気No.2
- グリス(10位)※サブライダー人気No.1
といったように、非常に高い順位に並んでランクインしたため、「他の三馬鹿が幻徳をイジってる光景が目に浮かぶ」、「『72位』って文字のダサT着てそう」、「逆に美味しい」といった具合にファン達には新たなネタを提供する事になってしまった。
関連タグ
ナイトローグ:幻徳が仮面ライダーになる以前に変身していた怪人(擬似ライダー)。一部引き継がれている機能はあるが、使用するフルボトルとシステムからしてほぼ別物。
仮面ライダーマッドローグ:こちらは(厳密には使用するフルボトルは異なるが)ナイトローグの発展系である仮面ライダーで名称に反してローグとライダーシステムの関連性は殆どない。
○号ライダー