「チャオ!」
「人間ってのはつくづく身勝手な生き物だとは思わないか?」
CV:金尾哲夫
変身する戦士/仮面ライダー
概要
第24話にて意識を失った石動美空の口(その正体は火星の王妃ベルナージュ)から初めてその存在が明かされた存在。
第30話で明かされたその正体は、かつてパンドラボックスに秘められた強大な力で火星文明を滅ぼした張本人だが、それ以外の詳細はこの時点では謎に包まれていた。
正体
演:前川泰之(石動惣一憑依時と擬態時)、赤楚衛二(万丈龍我憑依時)、犬飼貴丈(桐生戦兎憑依時)、冨家規政(御堂正邦擬態時)、越智友己(内海成彰憑依時)、武田航平(猿渡一海憑依時)
パンドラボックスによって多くの星の文明を滅ぼし、数多の命を奪い去ってきた凶悪な地球外生命体で、本作の黒幕にして全ての元凶である。ブラックホールを発生させ、それによって分解された惑星のエネルギーを吸収する、ブラッド星からやってきた“星狩り族”=ブラッド族の一人。(第36話のベルナージュの発言によれば、地球ではいまだ発見されていない未知の惑星からやって来た異星人とされていた)。
パンドラボックスの力を最大限に発揮し、宇宙をも支配するとされる究極のドライバー“エボルドライバー”によって仮面ライダーエボルに変身する。
経歴
ブラックホールによって火星の文明を滅ぼした後、最後の生き残りであるベルナージュとの死闘の果てにドライバーを破壊され肉体を失う。自身のエネルギーをパンドラボックスに閉じ込め消滅を免れたが、力を失いアメーバのような不完全な存在になってしまう。
そして23年前、火星に地球の無人探査機が着陸したことで、次に滅ぼす星を探す目的で自らの遺伝子の一部を探査機に潜り込ませた。その遺伝子は地球でとある女性に憑依したつもりがその女性が宿していた胎児に憑依、その所為でエボルトとしての記憶と能力を失い、1人の人間としてこの世に誕生した。
まさに、その胎児こそ万丈龍我だった。
その後、残された魂は自らの遺伝子を回収するために、有人探査機で火星にやってきた宇宙飛行士・石動惣一に憑依し、そのままパンドラボックスを地球へ持ち帰った。そして、惣一の記憶からパンドラボックスを解放する鍵である地球のエレメントの力を込めた60本のフルボトルを精製し、帰還セレモニーの際にパンドラボックスを開け地球を滅ぼそうとした。しかし、幼い美空に憑依したベルナージュによってボトルの一部の成分を空にされたため、ボックスが不完全な状態で解放されスカイウォールの形成で事態は終息した。その後、病院に強制連行されるも脱走、葛城忍に接触・脅迫しパンドラボックスを操る力を秘めたエボルドライバーの修復を目論んだ。しかし、エボルトの危険性を察知した葛城巧によってドライバーを隠されてしまう。
その後、エボルトは惣一の身体を介して“ブラッドスターク”として暗躍を開始。エボルドライバーを取り戻すこと、龍我を自身と融合できるハザードレベル5.0にして自身の“器”として完成させること、そして封印される直前に自身のエネルギーを封じ込めたパンドラボックスを開けて完全態となることを目的として様々な策謀を巡らせていた。
なお、ボックスの光によって人間を好戦的な性格に変え戦争が引き起こされるように仕組んできたのは、桐生戦兎にライダーシステムを強化するように仕向けることで、強力なビルドのボディを肉体として手に入れ、完全態になるために必要不可欠なエボルトリガーを完成させるためであったことが第36話で判明している。そんな戦兎の科学力を利用していたが、当の本人は「科学の行き着く先は破滅」、「科学の発展は、人の考える力を止め争いを引き起こす」という信条を持っており、その科学の力を利用して生活している地球人全体を終始「愚かな下等生物」と見下している。
しかし、彼自身が科学の力を利用して復活を目論んでいた辺り、これらの発言は本心ではない可能性がある。恐らくは科学の力で平和を目指す戦兎を奮い立たせるための方便、或いはエボルトの言う破滅とは彼自身の事であり、自分の掌の上とも知らず欲望のまま科学を発展させて行く人間を滑稽に思っていたゆえの発言なのかもしれない。
「仮面ライダービルド」という作品の中核をなすパンドラボックス争奪戦においては、当初東都のファウストに所属していたが、12話にて難波重工に鞍替え。
さらに第38話で難波重工を壊滅させ、以降は難波重三郎が成りすましていた御堂正邦に今度は自分が成りすまして西都勢力を従えている。
第42話現在、その御堂率いる西都軍が東都制圧に成功してしまい、なんと統一された日本の首相に就任する。
本編においては、彼自身の姿は火星ではベルナージュと相討ちした直後のアメーバ状の姿しか描写されておらず、完全復活を果たした第38話以降も石動をはじめとした地球人に擬態したままであり、エボルト本来の姿がどのような物かは謎のままであった。第45話で披露した怪人態も進化によって新たに手に入れた姿である可能性があり、本来の姿かどうかははっきりしない状態だったが、Vシネマ「仮面ライダー クローズ」において、キルバスによるブラッド星の滅亡からパンドラボックスを携え逃亡するエボルト怪人態の姿が描写されており、これにより本来の姿は怪人態でほぼ確定する事になった。
性格
ブラッドスターク時代と何ら変わらず。
表面上は享楽的で掴みどころのない陽気な性格だが、本性は極めて残忍。人間を「下等生物」と見下しており、邪魔な存在や用済みになった人物を殺害することになんの躊躇も持たない。当初はそれすらも「人間の感情を模倣して演じているだけ」に過ぎなかったが、やがてジーニアスの力によって遺伝子に変化が生じ、「生の感情」を有したことで「下等生物に過ぎない人間にダメージを負わされた怒りでハザードレベルが上昇する」等、若干の変化が生まれている。
自らが絶対的な強者であると強烈に過信しているために、策謀では隙のない動きを見せながらも仮面ライダーとの直接戦闘では本気を出した事は極めて少なく、その隙を突かれて不覚を取ることが多かった。
意外にも自分から約束を破ったり味方とした存在を切り捨てる事は少なく、大抵一度味方した相手を葬るのは相手が裏切ってからという「義理堅いハードボイルド」とも取れる一面もある。尤も難波会長に対して事実上「儡になれ」と言う等、自分から裏切るよう仕向けている節もあり、実際は相手の方から自分を切り捨てに向かうよう誘導する手管に長けているから自ら裏切る行動を起こす頻度が少ないのだろう。
総じて彼は、愚かさを煽って人間を操り、最後は半ば自滅する形で相手が絶望しながら潰れていくのを観て愉しむ愉快犯の側面が強い。他を突き放す力を持っているのに本気を出さず、「ゲームメーカー」を気取って回りくどく残酷な謀略で他者を翻弄する立ち回りを好んだのはその気質故と言える。
一方、長らく上位の立場で他者を玩んできた状態に感覚が慣れてしまっているのは否めず、大きなアクシデントへの対応・挽回力は凄まじいが、ごく僅かなイレギュラーへの警戒度は甘くなっている。
劇中での活躍
- 第33話
遂にエボルドライバーを取り戻し、仮面ライダーエボル フェーズ1・コブラフォームへの変身を果たした。
強大な力の一端(ローグを「準備運動」だけで圧倒。本人曰く本来の力の2%)を振るい、己の野望達成のために動き出す。
- 第34話
自身の出自を知った龍我を戦いの中でハザードレベル5.0にすることに成功。惣一の肉体を捨て龍我と融合し、フェーズ2・ドラゴンフォームに進化した。
- 第35話
nascitaに最後のフルボトルであるフェニックスボトルを持った幻徳を呼び出し、協力を持ちかけていた戦兎達の前に姿を表し、「お前らをセレモニーに招待する」と言ってライダー三人ごとパンドラタワーへ転移(美空はお断りとしてベルナージュごと気絶させた)し、戦兎との戦いで全てのフルボトルを回収し、遂にパンドラボックスを開放する……
「地球は終わりだ…!」
- 第36話
パンドラボックスの光の粒子からエボルトリガーを精製し完全態になろうとしたが、まだ十分な力が発揮されず、地球の崩壊には至らなかった。
一旦西都に帰還すると、難波会長から勝手にパンドラボックスを解放したことをたしなめられるが、「難波重工の軍事力を宣伝するためのパフォーマンスである」と主張し説得、会長も一応これを信用した。
その後、戦兎との戦いの中で、龍我の肉体を捨てビルドのボディと力を手に入れようとしたが、戦兎がハザードレベルを6.0以上に急激に上昇させたことで、刺違えにより消滅されそうになる。しかしその直前、今度は戦兎の肉体に憑依し、想定外のフォームではあるがフェーズ3・ラビットフォームへと変身した。
- 第37話
あらすじ紹介はいつも通り戦兎が行い…と思いきや、エボルトが戦兎になりすまして行っていた。
前回本編で身体を乗っ取られた筈の戦兎が何故あらすじ紹介しているのか、と疑問に思った龍我にコーヒーを淹れるよう指示され、案の定不味いコーヒーを淹れたためバレてしまい、「バレちまったらしょうがない」と金尾ボイスに戻って開き直った。
フェーズアップを果たし龍我から自身の遺伝子を回収したものの、中途半端に人間に憑依したことでパンドラボックスを操る力を失ってしまう。八つ当たりのようにグリスを一蹴すると一旦西都へ撤収。首相官邸で難波会長から「正体を聞いた」と言われると、「この10年で地球人が好きになった、もっと観察していたい」等とのたまっていた。
「お前の大事なものを全て壊してやるよ。」
しかし戦兎の策略で計画を潰されたことへの怒りは収まることを知らず、彼の身体で彼の仲間を始末しようと画策。戦兎の人格を人質として龍我達にパンドラボックスを持って来させるが、約束を守る気は毛頭なく、グリス・ローグに襲いかかり彼らを圧倒するが、その最中にドラゴンエボルボトルを龍我に盗まれてしまう。
変身出来ないのをいいことに龍我を散々に甚振るが、龍我の執念による変身・グレートクローズからのクローズマグマに圧倒され、クローズマグマ・グリス・ローグのトリプルライダーキックで止めを刺されそうになる。その直前、エボルトリガーで3ライダーキックのパワーを吸収することで、トリガーをパワーアップさせる。戦兎の肉体を捨てトリガーの力を解放、遂に真の姿にし、究極フェーズ・ブラックホールフォームへの変身を遂げた。
この回では巧妙な彼には珍しく計画が完全に頓挫しており、これまた珍しく他人に対して苛立つ様子を見せていた。
しかし最終的には相手の力を利用し本来の力を取り戻すなど、土壇場での機転の利きようも彼の恐ろしさの一つと言える。
- 第38話
再変身により疲弊したライダーをブラックホールフォームで圧倒するが、今一歩のところで撤退される。それ以降は、完全復活を遂げたことにより依り代の人間を必要としなくなった為、長年の憑依していた石動惣一の姿を模すようになる。そして、難波会長に地位だけは今のままでいいと言いつつも、国の実権は自分に引き渡せ、傀儡になれという屈辱的な条件を突きつける(この時難波会長に擬態して見せている)。
当然会長は怒り狂い、難波重工による抹殺の対象となるもあっさりとこれらを撃破。鷲尾兄弟を殺害、さらには難波会長をも抹殺し返し、難波重工を事実上の壊滅に追い込んだ。
この際、財産を差し出すと言って命乞いをする難波会長を「人間はどこまでも醜い」と評しつつ「最高だよ。俺はお前のような人間が大好きだ!」と語ってハグをするなど、一見彼を気に入って助けるような態度を見せたが、実際は毒を打ち込んで消滅させる等、狂気を垣間見せた。
その後、あらかじめ取引を持ちかけていた内海を心変わりさせて自身の配下に置くことに成功。信じる対象を失い、狂気に囚われ自分に忠誠を誓う内海を見て心底楽しそうに笑い転げながら「だから人間は面白い」と語り「この星を滅ぼすのは止めた!!」と言いながら二本目のエボルドライバーを投げ渡し、彼を仮面ライダーマッドローグに変身させる。
上記の言動を踏まえると、前話での地球人に興味を持ったかのような発言は、どうやら全くの嘘でもなかったようである。ただし厳密には恐怖や狂気といったものに基づき行動する人間への興味であり、上記の台詞も、狂気に取りつかれた人間が争いの果てに自滅するのに手を貸すことのほうが自分で滅ぼすより面白いと感じたためとも考えられる。
- 第39話
マッドローグ=内海が因縁の相手・ローグ=幻徳を打ちのめしたのを見届けると、マッドローグを伴って撤収。
今度は自分が御堂に擬態して東都制圧の継続を表明し、内海にハードスマッシュの軍勢を付けて東都首相官邸前まで差し向ける。出撃前、内海が自分が貰った存在する筈のない二つ目のエボルドライバーの出処を尋ねているが、「余計な詮索はするな」とはぐらかしている。
- 第40話
マッドローグに倒されたグリス=一海の前に現れ、北都三羽ガラスが使っていたロストフルボトルを奪取。北都ファウストの施設に移ると、そのロストフルボトルを使ってロストスマッシュ製造に着手。
今や単独で容易く地球を滅ぼせる彼が何故今更そんな事をするのか内海に尋ねられると、「欲望にまみれた人間がロストスマッシュになり、同族を蹂躙して滅ぼす様を楽しむため」と答える。仮面ライダー達も最高のロストスマッシュになると見込んで生かしていたという。この返答に戸惑う内海の前で、早速多治見喜子をロストスマッシュ第一号:オウルロストスマッシュとして完成させる。
その後ジーニアスフォームがオウルロストスマッシュを浄化したところに現れ、ジーニアスフォームの能力に驚きつつオウルロストフルボトルの返却を要求。戦兎にその目的を問われると「新世界を創る」と宣言した。
- 第41話
冒頭でジーニアスの必殺技を受けたことでなんとエボルトに人間と同じ感情が芽生える(この現象はお互いに想定外だったようで、エボルトは反撃をせずに背を向けて退散、戦兎も相手の予想外の行動に追撃をする意思が失せたらしく多治見の保護に回った)。
少しした後、今まで知識としては知っていても実感することの無かった感情のうねりに大感激し、感情の理解によってますます人類の支配に対する自信を深めた。
そして、スタッグロストスマッシュを救出することに成功した戦兎の前に現れ、その変身者であった志水恭一を殺し、ジーニアスフォームとの戦闘になる。だが、完全体であるブラックホールフォームでもジーニアスに苦戦。
更に、完全に防ぎ切ったと思っていたジーニアスの攻撃でダメージを受けたことで激怒(この時の怒りようは、あくまで真似でしかなかった今までのエボルトとは真逆とも言える本気の怒りである)。
戦兎を下等な生命体と罵り、怒りをトリガーとしてハザードレベルが上昇、ジーニアスを圧倒するも怒りが納まる事は無く「お前は最後まで生かしてやる。お前の希望を根こそぎ奪って、究極の絶望を味わわせてやる」と吐き捨て、戦兎が落としたオウルとスタッグの二本のロストフルボトルを回収して撤収した(これに関しては戦兎は戦いでは敗れているも、戦兎の体を乗っ取った時と同様エボルトの計算外の事態を引き起こしたので負けとカウントしていない者もいる)。
そして、彼の拠点には生きていると判明した葛城忍の姿があった……
- 第42話
前話で志水を殺したことを忍に問われると、口封じのために殺したと返すと同時にロストフルボトルが手に入れば志水にもう用は無いと非情に切り捨てる。そして、ロストスマッシュに変身可能な被験者がいなくなった今、残り4本となったロストフルボトルを生成する新たなロストスマッシュの被験者として戦兎達仮面ライダーに狙いを定める。
手始めに国を統一することを画策して東都政府官邸に攻め入り、そこでジーニアスとローグと交戦。自身の父親が生きていたことに動揺し、その事しか頭に無くなっている戦兎を詰りつつ圧倒。そして、ブラックホールフィニッシュを発動、ブラックホールを発生させ東都政府官邸を跡形もなく消し去ってしまった。父が築き上げた東都が消え去る瞬間を目の当たりにし、衝撃を受ける幻徳達を尻目にその場を去った。
そして残っている都市がとうとう西都のみとなり、自身は御堂の姿に擬態し、全国民に国を一つにすると宣言して人々の支持を獲得。これで日本を自身の支配下として手中に収めることに成功し、内海に残る仮面ライダー達を捕獲し、ロストスマッシュの生産を急がせる。しかし、ロストスマッシュが人々を襲えば、いずれ国は滅び、エボルトが成し遂げようと目的とは矛盾していると内海に指摘されるが、前のように「余計な詮索はするな」とはぐらかした。
さらに残る仮面ライダー達をおびき寄せるべくマッドローグやクローンスマッシュを使って破壊活動を行わせ、仮面ライダーを国に楯突く反乱分子に仕立て上げた。
- 第43話
遂に、姿を現した父・葛城忍に動揺する戦兎の前に現れ、今までの計画は全て忍が立てた事だったことを暴露して精神的揺さぶりを掛け、忍自身も新世界創造のためにエボルトと行動を共にしていた事を明言。第40話最後の発言は口から出任せではなく、むしろ「単に人類の同士討ちを楽しむため」という説明の方がフェイクだったと明らかになった。
新世界創造に必要な残り4つのロストフルボトルの生成を忍に任せて「果報は寝て待つとしよう」と言い放ち戦いに敗れた内海を連れて戦場から撤退。
その後、ロストフルボトルの生成に必要なライダーたちの生け捕りに失敗した為、忍の提案でライダーたちの変身者たちを誘き寄せるのと同時に、次のロストフルボトル生成のための被験者を美空と定め、戦兎を心配する彼女の心情を利用して拉致。非情にも彼女にネビュラガスを投与してCDロストスマッシュへと仕立て上げる。
その後、CDロストフルボトルを奪われ敗走して来た忍に対して皮肉交じりに「初めて先生の読みが外れたな。それとも、計算通りか?」と投げ掛けた直後、内海から2人のネズミが迷い込んだとの報告を受けた。
- 第44話
残るロストフルボトルは後3つ。当初はライダー達を使って生成する予定だったのだが、ライダーシステムの変身者の捕獲をことごとく失敗し続ける葛城忍に対して次第に不信感を覚え始めたのか、「先生らしくない」となじる。
それに対して忍は計画を変更した方が良いと話を逸らすと、自身の手で“新世界の扉”を開けるようにと促される。その言葉に敢えて乗ったのか、戦兎に前回の戦いで奪われたCDロストフルボトルを持ってくるようにと連絡を入れ、もし来なければ一瞬で世界を滅ぼすと脅しをかける。
その後、指定したとある廃工場(と思しき場所)へとやって来た戦兎と、いきなりブラックホールフォームで対峙。更に其処へ、1人で何でも抱え込む彼の行動を見越して、戦兎に取り付けた発信機を頼りに駆けつけた万丈、一海、幻徳を交えた4大ライダーと遂に雌雄を決するべく、最後の戦いへと突入。
4人相手に、互角以上所か全く全力を出していないのにも関わらず(曰く地球人ごときに全力を出すまでも無いとの事)、その圧倒的な力の差をもってして4人を追い詰めて行くが、人類のラブ&ピースという強い信念により、奮起したライダー達の連係プレイで動きを止められた所に、回前半の忍からのメッセージと一海の言葉がヒントとなり、エボルトの弱点を把握したビルドの指示を受けてクローズマグマから放たれたブリザードナックルの一撃を、弱点であるエボルトリガーに受け大幅に弱体化。フェーズ1の姿になり、エボルトリガーを攻撃された影響で身動きが取れなくなった所へ、すかさず放たれた『ジーニアスフィニッシュ』を叩き込まれ、遂に爆散。
「だが…これで終わったと思うな!」という意味深な言葉と、完成された3つのロストフルボトルを残して………。
そして…
- 第45話
敗れたかに見えたがエボルドライバーを介して生存していた。反抗のタイミングを窺っていた葛城忍によりドライバーが特殊ケースに封印されてしまうが、それとは別に爆散前に仕掛けた保険を介することで難なく復活。
忍に変身する隙を与えず毒殺、マッドローグに変身して自ら作ったロストフルボトルとエボルドライバーを取り返す(この時、内海のエボルドライバーが人間用に調整された物である事を、その低性能さに愚痴をこぼす形で明かしている)。
内海を分離して再びエボルへと変身するが、何故かフェーズ1のまま。ともあれ前回の戦いで疲弊し勝ち目が無いと見たライダー一行は退散するが、この時パンドラボックスを回収した龍我に攻撃を仕掛け、ロストフルボトルが嵌った“黒いパンドラパネル”を死守する。
実はこの時に重傷を負った猿渡一海の体内に分体を仕込んでおり、東都にフライングクローンスマッシュの大群を放って再びライダーをおびき寄せると、nascitaでCDロストフルボトルを守りつつ一海の看護に当たっていた滝川紗羽と石動美空を攻撃してロストフルボトルを奪取、完成した“黒いパンドラパネル”を取り込み力を開放した「怪人態」に変貌を遂げる。
また、完全体への変身を犠牲にし、自身の遺伝子を自在に切り離すことで複数の対象に憑依して操ることが出来るようになっていたらしく、この事から第44話で倒される寸前、フェーズ1に戻った際に遺伝子を切り離して放っていたと思われる。
今までとは桁外れのパワーアップを果たしたこの姿でライダーを一方的に弄ぶと、父を失った悲しみと憎しみに囚われジーニアスフォームを使えなくなった戦兎を伴い、ワームホールを生成して別の惑星(風景が惑星カズラバに似ていると視聴者間で話題になった)へ瞬間移動。
ブラックホールで丸ごと呑み込んで見せ、呑み込んだ星の力で更なるパワーアップを遂げた。しかしこれが戦兎に、まだ葛城巧だった頃忍と交わした「一緒に地球を守る」という約束を思い出させてしまい、決意で再びジーニアスに変身を遂げたビルドを中心とした4ライダーの同時キックを受ける。
これの威力で黒いパンドラパネルを吐き出してしまった上、ジーニアスフォームとハザードトリガーの力を合わせた浄化能力で2本のロストフルボトルの成分を抜かれ(そのうちキャッスルロストフルボトルは一海の手元に戻った)、ブラックホールフォームに戻ってしまい、撤退を余儀なくされた。
「黙れ。俺の目的はあの3人には話すな。」
力を一時的に失ってしまい、怒りに震えるエボルトは自身の目的を指摘した内海の首を締め上げ、自身の目的を話さないよう釘を刺しつつ新たに決まった三都それぞれの知事にコブラ、ハサミ、シマウマのブラックロストフルボトルを手渡すよう指示した。
- 第46話
御堂首相として演説した後、遂に国民に正体を見せ、地球破壊を宣言。そして「その前にチャンスをやる」と語り、仮面ライダー達に前回取られたキャッスルロストフルボトルを持参の上でパンドラタワーに来るよう求める。また、対決に備えて内海にエボルドライバーを調整させ、クローンスマッシュと戦って試験を行った。
翌日、パンドラタワーに詰めかける報道陣を見せしめに中継ヘリを破壊して追い払った所、逃げる報道陣の中から約束通りやってきたライダー一行が現れる。エボルトが彼らに持ちかけたのは、ライダー達はパンドラタワーの頂上を目指して登り、その間エボルトは10分ごとに日本のエリアを一つブラックホールで飲み込むというデスゲーム。しかもルール説明のためだけに視界内の適当な区画を飲み込んで見せるという非道を行った。
スタート地点に障害物として大量のハードガーディアンを用意していたものの、ゲームスタート直後に一瞬で全て破壊され、塔内のハードガーディアンでは物の役に立たないと考えたのか、パンドラタワー頂上で位置についたエボルトは分体を塔内に派遣、北都三羽ガラスに擬態させてライダー一行を惑わす。
仲間との絆を愚弄されたグリス=一海は直々に決着を付けるべく一人残るが、彼を心配するあまり他三人の歩みが遅くなり(わざわざグリスVS三羽ガラスの映像を見せつけるように塔内で流したのも一因)、そうこうするうちに10分が経過。
切り替わった映像には、新たに飲み込まれていく街の姿があった。
一方三羽ガラスに擬態した分体はロストスマッシュに変身してグリスと交戦。命乞いの演技などで一海の心を揺さぶり、痛めつけていく。
- 第47話
ライダー一行はパンドラタワー内で悪戦苦闘。タワー周囲の都市は半分近くが吸い上げられてしまっていたことから、かなりの時間が経過したことが窺える。そんなライダー達の様子を、エボルトは変身すら解除し、石動惣一の姿で寝転んでくつろぎながらモニター越しに眺めていた。
一方、グリスに仕向けたのとは別の分体をエンジンブロス/リモコンブロスに擬態させて一行にけしかけ、これには嘗て共に戦った幻徳=ローグが当たることに。苦戦するローグの前に現れたのは部下である内海。ところがマッドローグに変身した内海はブロスの方を攻撃。
内海はエボルドライバーという上位の装備を手に入れ、エボルトのデータを収集しながら会長の仇を討つ機会を窺っていたのだ。
ローグとマッドローグは協力してブロスを撃破し、残骸が合体したヘルブロスをサメ・バイクフルボトルの必殺技で撃破した。予めブロスに仕込んでいたロストフルボトルは撃破後ローグにより回収、エボルトはそこへ現れて倒された分体を取り込む。「ブラボー!さあ、そのボトル(ロストボトル)を渡してもらおうか」とフェーズ1へ変身して二人に襲いかかり、ローグとマッドローグを圧倒。しかしマッドローグは集めたデータを元にフェーズ1〜3までを段階的に発動、跳ね上がったスピードとパワーを前に一時的に追い詰められる。
しかしフェーズ4を発動したところで身体の限界を迎えたマッドローグに一撃を入れ辛くも勝利、ここでようやく幻徳に狙撃され川に落ちた時の内海を自らサイボーグに改造した事を思い出す。「俺の領域には所詮辿り着けやしない」と内海をこき下ろした上で、変身解除した幻徳が持つロストフルボトルを奪いにかかるが、内海は最後の力で幻徳(が持つロストフルボトル)を庇い機能停止、その隙に幻徳は逃走する。
なお、エボルトは内海の目論見に勘付いた上で「人間が俺の力を使える訳がない」と高を括り放置していた。自分で内海を力にある程度耐えられる身体に改造してやった事すら忘れていた辺り、彼にとって内海がいかにどうでもいい存在だったか分かる。
同じ頃、グリスも禁断のゼロ度の力で三羽ガラスの擬態を撃破したものの、肉体の限界を迎えて消滅していた。
何とかパンドラタワーの頂上に辿り着くも、二人の死の悲しみに打ちひしがれるライダー一行。そこへ石動の姿で戻って来たエボルトは、何事も無かったかのように楽しげに「よっ!」と声をかける。自分達の悲しみすら愚弄するエボルトに、遂に戦兎は激昂する。
- 第48話
「この星に来て10年、色んなことがあったよなぁ!お前たちに触れて、人間がいかに愛すべき愚かな存在かよーく分かったよ」
と、相変わらず人間を見下した発言をした上で、遊びを終えて地球を破壊する事を改めて宣言。フェーズ4に変身すると舞台を林に変更、再び怪人態になるべくライダーの持つロストフルボトルを奪いにかかり、やはり生き残った3ライダーをまるで寄せ付けない強さを見せる。
オーバーフロー状態のクローズマグマには一旦押されるが跳ね返し、更にグリスと同じく限界が近づいていたローグ、ビルドジーニアスフォームを順にダウンさせ、ロストフルボトルを回収。黒いパンドラパネルに嵌め込むとそれを取り込んで怪人態と化し、更には月と地球の一部を取り込んだことで究極態に進化する。
その力は腕を振った余波だけでビルドとクローズを吹き飛ばし、壁面に叩きつけて変身解除に追い込む程であり、ついに地球より大きなブラックホールを出現させて地球を消し去ろうとする。そこへ先述の攻撃を免れたローグが挑みかかり、第44話と同じようにエボルトリガーを壊して動きを止めようと集中攻撃をかける。
当時とは比べ物にならない程頑丈になったエボルトにローグの攻撃はほとんど効かず、逆に弄ぶように痛めつけ続け、マスク割れまで起こす。しかしタワーの下に集まる国民の声援を受けたローグはハザードレベルを更に増大させ、エボルトリガーが受ける衝撃は徐々に大きくなっていく。最終的にローグ渾身のクラックアップフィニッシュを跳ね返したことで幻徳は限界を迎え消滅。
「無駄死にだったようだな」と嘲笑するエボルトの前で、幻徳同様に声援を力=ハザードレベルに変えた戦兎と龍我が再び立ち上がる。
ここでようやくエボルトリガーが不具合を起こして行動不能に陥り、ジーニアスフィニッシュを受けて黒いパンドラパネルを再び吐き出し、そこに龍我が持つ白いパンドラパネルを重ねられてしまう。ビルドによってパンドラボックスに嵌め込まれた白いパネルは、宇宙に向けてパンドラボックスとジーニアスボトルの力を放出、先程のブラックホールからスカイウォールが無い地球が現れる。後は二つの地球の間に出来た赤い裂け目にエボルトを放り込めば新世界は完成する。
ここで「エボルトの遺伝子を持っている」ということで道連れを名乗り出たクローズ=龍我により、エボルトは宇宙へと連れ去られる。ほとんど身動き出来ない中での必死の抵抗も虚しく、クローズもろとも裂け目に飛び込んでしまうのだった。
- 最終話
裂け目内(第38話で難波重工と戦った場所に似ている)に入ったエボルトは、逆に龍我を取り込む事である程度の力を取り戻す。そこへ戦兎がラビットラビットフォームで龍我を助けに来たため、龍我に擬態して気絶したフリで急襲。戦兎も取り込んでエボルトリガーを復活させるべく猛攻を仕掛け変身解除に追い込む。なおも立ち向かってくる戦兎に対して敢えて石動惣一に擬態して応戦し、
「お前が全ての元凶」 「お前がライダーシステムを創らなければ、悲劇は起こらなかった」 「お前は俺に作られた偽りのヒーローだったんだよ!」
と全て自分で仕組んだのを棚に上げて愚弄する。
そして止めを刺すべく究極態の姿に戻るが、体内にいる龍我の意識が戦兎を助けようと覚醒し、動けなくなる。「仲間のおかげで力を正しい事に使ってこれた」という意思を剥き出しにする戦兎に対し、
「破壊こそ力だ!お前の正義など俺が壊してやる‼︎」
再びラビットラビットに変身した戦兎と交戦。両者とも激戦に身を削り、エボルトは通常の怪人態へ、ビルドはラビットタンクフォームへと弱体化してしまう。
だがヒーローとしての矜持を取り戻した戦兎に応えるかのように、龍我の力がシルバードラゴンフルボトルとしてエボルトの中から放出される。が、ようやく龍我の意識を封じ込めた上、
ビルドの方が弱体化の度合いが大きいため勝利を確信するエボルト。
「ついに初期フォームか…答えは出たようだな!」
戦兎「どうかな?」
すると戦兎のドライバーのラビットフルボトルが金色に輝き、再びゴールドラビットボトルに変化する。
戦兎はフルボトルバスターを取り出し、ゴールドラビットとシルバードラゴンを装填。
『ジャストマッチでーす!』
「そんな攻撃が通用すると思ってるのか!」と嘲笑うも、龍我の思いも乗せたビルド渾身の連続のジャストマッチブレイクで大ダメージを受け、これによって再び覚醒した龍我の意識によりまたもや体の自由を奪われてしまう。
そしてビルドがラビットドラゴンに変身して放った止めのボルテックアタックをフィーバーフローで受けようとするも、もはや勢いの差は歴然。
「この俺が滅びるだと!? そんなことがあってたまるか!人間どもがあァァァーーー!!グアァァーーーーっ!!」
と、最後まで見下し続けた人間への憤りを叫びながら爆散。新世界創造のエネルギーとなって、遂に完全消滅したのだった。
誤算
いくつもの星を滅ぼしてきた経験を持ち、火星でトラブルに遭いながらも10年かけて地球を滅ぼす下準備を進め、想定外の事態すら自身の計略に利用して復活し、地球滅亡にあと一歩のところまで迫ったエボルトであったが、終盤に生じたいくつかの誤算が、彼の計画を大きく狂わせることとなった。
例を挙げると、
- ジーニアスフォームとの戦闘で人間と同じ本物の感情が芽生えてしまい、以降仮面ライダーを最後の最後まで殺さず地球が滅びるところを見せつけて無力感で絶望させようとする等、計画の達成よりも自らの怒りの報復や愉しみを最優先にする行動が目立ったこと
- クローズへの変身能力を失った龍我を見くびり始末するのが遅れた結果、龍我が自分自身の意志で変身能力を再び得てしまったこと(これに関してはその時はエボルトリガーの再生に逆利用してはいるが、エボルトの遺伝子を取り戻した龍我がホワイトパンドラパネルを作り出せたことが自らの最期に繋がった)
- 自らに従う人間が叛意を抱いていることを知ってはいたが、どうせ何もできやしないと高を括り決定的な反逆を起こすまで放置したこと(特に葛城忍に対しては、彼の目的である『新世界の創造』がどんなものか知ろうともしなかったことが致命的だった)
- 人間の感情に興味を持ち絶望する人間見たさに計画を必要以上に引き伸ばした結果、同胞たちに造反され孤軍奮闘の状況に自らを追い込んでしまったこと
- 最終決戦にて満身創痍の幻徳を舐めきってすぐに殺さず甚振った結果、予想外にハザードレベルを上げた幻徳にエボルトリガーを破壊され自身を戦兎たちの計画に利用される隙を作ってしまったこと(第44話でエボルトリガーを攻撃され機能不全にされて敗北したのに、あくまで自らに埋めこんだロストボトルを黒化させるためにわざと負けたという認識だったからかその対策すらしていなかった)
…などが挙げられる。
もし仮に、これらのうち一つでも違った結果になっていたなら、エボルトの計画は完遂され、地球は火星と同じ…どころか完全消滅すらあり得たはずである。戦いの果てに辿り着いた『新世界』は、戦兎たちにとっては、まさに紙一重でつかんだ未来であったといえよう。
その勝利のきっかけはジーニアスフォームであり、ジーニアスフォーム無しでは勝ち取れなかった勝利と言えるだろう。
一方のエボルトからして見れば、僅かなアクシデントを甘く見て積み重ねた結果、自分を不利不自由な状況に追いやる“愚行”を犯した挙句、今まで自分がしてきた数多くの悪行を皮肉の形で一斉に叩き返されながら完全敗北すると言う、愛と平和を胸に戦うヒーローの敵=悪役に相応しい因果応報な結末と相成った。
彼は自分の作り上げたビルドを『偽りのヒーロー』と貶したが、皮肉極まりない事にそのビルドにエボルト自身が倒される事が最後のピースとなってビルドは『本物のヒーロー』へと昇華。邪悪な創造主を打ち倒してその先へと進む正義の戦士“仮面ライダー”になったのだった。
派生作品では
シティウォーズ
詳しくは仮面ライダーエボルの項目にて。
『仮面ライダークローズ』
新世界での『仮面ライダービルド』の後日談であるVシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』で、まさかの復活を遂げた。
龍我の体内にあるエボルトの遺伝子と、地球外エネルギーがあれば復活できることが判明した。
なお、同作にはエボルトの兄・キルバスが登場するが、キルバスのセリフから殺すか殺されるかの殺伐とした仲であることがうかがえる。彼曰くキルバスは「俺と違って破滅型の快楽主義者」。
作中では上述の手段でまたしても復活を遂げる。
最終決戦時に、龍我に潜り込ませた極小の遺伝子を利用して復活したが、さすがの彼も完全復活とはいかなかったようで、キルバスによるパンドラボックス再構築の影響でようやく復活できたうえ、擬態もブラッドスタークの姿で退行している。そのためかキルバスには到底かなわず、万丈に取り憑いたまま行動することも多い。そのさまは皮肉にも、かつて桐生戦兎と二重人格状態だった頃の葛城巧に似ている。
今回は説明役を引き受けることもしばしばであり、ブラッド星の王だったキルバスの素性や初期型ロストフルボトル4本の真実、それに伴う人体実験の影響について万丈にレクチャーしている。
戦闘面では本調子でないこともあり、あまり活躍できずに一度はあっさり倒され、消滅してしまう。キルバスによると、エボルトはキルバスに一度も勝ったことがないらしい。
しかし、たとえ弱体化しようともその本質はまったく変わっておらず、平成屈指の悪党と呼ばれる所以たるその知謀知略を今作でも遺憾なく発揮した。まず万丈を再三にわたって挑発し、感情を激しく揺さぶることでハザードレベルを急速に向上させる。しかもこの流れでさりげなく、万丈の両親を殺害していたというさらなる悪行をしれっと告白し、万丈の怒りに火を点けた。なお、馬渕由衣とその教え子たちに降りかかった凄惨極まる悲劇もすべてエボルトの仕業であることが判明した。
そして、旧世界におけるファウストの研究室で、万丈の遺伝子データを閲覧しドラゴンエボルボトルを生成。これを龍我経由で戦兎に届け、マッスルギャラクシーフルボトルを開発させる。この製造過程で、戦兎が龍我の中の遺伝子を最大限活性化させた結果再び復活する。ここでようやく仮面ライダーエボルの姿を取り戻したが、コブラフォーム(フェーズ1)の状態で復活したため、本調子でないことがわかる。そして、仮面ライダークローズと共同戦線を張り、キルバスとの再戦に臨むことになる。
しかし、キルバスは圧倒的な力を見せつけ、自身の分身とともにクローズ、ローグ、グリス、エボルを圧倒する。由衣が万丈に届けたマッスルギャラクシーも、万丈の力が足りず使用できなかった。まさしく宇宙存亡の危機である絶体絶命の状況下、エボルトはここぞとばかりにまたしても本領発揮。
「フハッハッハッハッハ・・・・・・・・・!やっぱり人間じゃこのあたりが限界か・・・。一瞬でも期待した俺が馬鹿だったよ。キルバス。今更だけど、俺も仲間に入れてくれないか?」
なんと、ここにきて万丈たちを裏切り、「会いたくなかった」とまで言っていたはずのキルバスに仲間入りを懇願。さらには仮面ライダーではなく、戦えない人物である由衣に手をかけるという鬼畜の所業に及ぶ(命までは奪っていない)。
「失望したよ。人間がこれほど弱い生き物だったとはな」
しかし、これもエボルトの策謀であった。すべてはキルバスに唯一対抗できる存在である、龍我の限界を超えさせるための行動だったのだ。怒りと使命に燃える万丈と融合し、エボルト自身もクローズの新たなる最強フォームであるクローズエボルに変身する。
そして、とどめを刺す際、人間に倒されることを認められない自分の兄に対し、かつて同じような経験をした今の自分であるエボルトらしからぬ言葉を投げかけた。
キルバス「なぜだ・・・!?人間・・・如きにィィッ・・・!?」
「まだ分からないか?人間だから、お前を倒せたんだよ。チャオ!」
キルバス「ぐぁああああぁァァ!」
最終決戦後、怪人態の姿を取り戻し名実ともに完全復活。しかし、パンドラボックスが再び失われたため、地球を滅ぼす程の力はなく、力を蓄えるためにしばらく地球を離れることを龍我に告げた後、液状化して去っていった。
「しばしの別れだ」
龍我「二度と戻って来るんじゃねえ・・・」
本作冒頭で「49のエピソード」の詳細が語られており、戦兎と龍我以外はエピソード紹介を行なった人物に声が似ている人たちに協力を依頼していたことが判明。その中でエボルトの声を担当した金尾本人が本名と写真付きで出演していた。
『アウトサイダーズ』
エボルトの地球に残された遺伝子サンプルを元に創り上げたクローンが変身する仮面ライダーエボルXが登場。
余談
- 週刊少年マガジンのインタビューで判明した事だが、カフェを経営していたのはエボルトの趣味。理由は、ブラックホールを連想させるコーヒーを気に入ったからという何とも意外な理由である。なお当人は自分の淹れるコーヒーが不味いと評される理由について、「ブラックホールに近づけようと黒さを追求する結果、ひたすら苦くなってしまうからではないか」と推測している。
- 仮面ライダーシリーズを通して仮面ライダー・疑似ライダー・怪人の全三種類の変身体を有する2人目の人外ライダーである(1人目は『ドライブ』のチェイス。彼もまた装備にスパイダー、コブラ、バットがある)。
- 当初、ブラッドスタークとしての声はトランスチームシステムに組み込まれている擬声機能によるものと思われていたが、実際のところはエボルト自身の声であった様子。
- その場合、動画ファイルで擬声機能について言及していた葛城巧はエボルトの存在を知っていた可能性があるのではないかと言われていたが、第34話でスタークと万丈の正体がエボルトであることを父の忍の研究データを見たことで知り、両者を始末しようと画策していたことが判明した。
- エボルト人間態を演じている前川氏は2018年7月に発売された特撮雑誌「宇宙船」にて、自分とスターク/エボル状態の声を担当している金尾氏、そしてスーツアクターの岡田和也氏と3人でエボルトを作っていると語っている。
- また意外にも(インタビューを受けてる時点では)金尾氏とはまだ会った事がないと語っており、双方が話し合う事なくエボルト像を作り上げている事も判明した。
- そして実際に対面したのは「仮面ライダービルド ファイナルステージ」の最終日でお互いが登壇した時であり、その事を知った観客からは驚きの声が上がっていた。
- 前川氏は他にも数々のインタビューやイベントで、惣一の正体がスタークでありエボルトである事はオファーを頂いた時に話を聞いていたと語っており、この事は主役である戦兎役の犬飼氏はおろかスターク/エボル役の金尾氏も含め、前川氏以外のキャストは全く知らなかった。
- 前川氏が世界ふしぎ発見に出演した際も、「エボルトが旅行している」や「エボルトが学んでいる」などのビルドネタが実況で書かれた。上記の通りエボルトは多くの出演者に憑依や擬態をしているが、視聴者からはエボルト=前川泰之のイメージが強い事が分かるエピソードと言えよう。
- ベルナージュからは“星狩り族”と呼ばれていたが、これはあくまで通称で、本来の種族である「ブラッド族」の名は劇場版「Be_The_One」にて初めて明かされる事になる。
- Vシネクストでのエボルト復活の経緯については、メタ的な面では本作のプロデューサーである大森敬仁氏の「キルバスを出すにあたって、エボルト以上の強大な力と凶暴な性格を持つ彼を撃破するためにはエボルトが必要不可欠になるのではないか?」という意向を受け、脚本を担当した武藤将吾氏がエボルトを復活させたという経緯がある。
関連タグ
悪のカリスマ 悪の美学 ︎︎黒幕 ︎︎ラスボス 極悪人 ︎︎殺人鬼 ︎︎全ての元凶 チート ︎︎最強の敵
ショッカー首領(岩石大首領orJUDO)、ネオショッカー大首領、帝王テラーマクロ、悪魔元帥:仮面ライダーシリーズにおいて正体が宇宙生命体(宇宙人)である黒幕。
銀河王、フォッグ:こちらも多くの星の文明を滅ぼして来た生命体。
ワーム(仮面ライダーカブト)、メガヘクス:仮面ライダーシリーズの敵宇宙人勢力。ただし、こちらは物語の最初から明確に宇宙生命体である事が明らかになっている。
白ウォズ:副作用のある強化アイテムを渡したり、自分の目的の為には自身の半身(こちらは自身が「我が救世主」と呼び、仕える者)でさえも追い詰める非情さを持つという共通点がある。