「お久しぶりねぇ、氷室さん?」
演:松井玲奈
概要
元「極プロジェクト」の宇宙飛行士で、北都の新たな知事に選ばれた黒いタイトスーツに妖艶なショートヘアーの女性。知事に選出される前は東都で働いていたことがあるらしい。
「ビルド殲滅計画」の実行者の一人だが、その正体はエボルトの同族であるブラッド族の一人であり、10年前の時点で既に本物の才賀涼香と入れ替わっていた。
人間態の状態でも、レコード盤に触れるだけで融解して変形させるという能力を見せていたが、戦闘時にこの能力を使って戦う事は特になかった(戦闘で使える程の力はないのかもしれない)。
来歴
本編から10年前の「スカイウォールの惨劇」後は東都にて氷室泰山の側近として活動し、戦争へ向かうように駆り立てるなどして、エボルトの桐生戦兎と万丈龍我を使った地球滅亡計画を影からお膳立てしていた。
同じく父の側近だった氷室幻徳とも元同僚であり、エボルトの毒で泰山が倒れて、幻徳が首相代理になった際には彼を支援し、当時の幻徳と同じ主戦派として彼に北都・西都に宣戦布告をするよう言葉巧みに唆していた。
恐らくはエボルトと共にファウスト創設を仕組んだのも彼女であり、幻徳は知らなかったようだが、ファウストにも影から直接的な影響力を持っていたと思われる。
その為、幻徳とは深い因縁がある関係なのだが、彼自身は既に過去の己の罪や過ちは、全て自分で背負って戦う覚悟を固めていた為か、彼女に対して特に恨みや怒りを表す場面はなかった。
人物像
自分達ブラッド族の力を特に絶対視しているため、非常に傲慢かつ冷徹。エボルトを除くブラッド族3人の中でも取り分けサディスティックかつ人を馬鹿にしたような笑みや言動が目立つ。追われる身になったビルドの事を「ビルドちゃん」と呼んで仮面ライダー達の非力さを嘲笑ったり洗脳した一般人の背中に座る等、人間を完全に見下している。
怪人態
戦闘時には、ハサミロストフルボトルでシザーズロストスマッシュに変身して戦う。ブラッド族なので郷原光臣同様にクローンスマッシュがいなくても変身できる。
劇場版での活躍
序盤は、「ビルド殲滅計画」の裏で戦兎と万丈以外の仮面ライダーを予め無力化するべく(伊能賢剛の洗脳は仮面ライダーの変身者には通じない為)、ロストスマッシュに変身して猿渡一海と幻徳の2人を襲撃し、伊能に操られた民間人を利用して彼等を拘束。何処かの地下牢にスクラッシュドライバーを没収した上で収容した。
その後は、郷原と共に洗脳された石動美空と滝川紗羽を人質にする事で戦兎を追い詰め、ハザードトリガーを伊能に手に入れさせ、彼の変身する仮面ライダーブラッドと一体化して地球滅亡計画を実行に移す。
終盤はビルドの力によってシザーズロストスマッシュの姿でブラッドと分離させられてしまい、ゼブラロストスマッシュと共に計画の邪魔となる戦兎と万丈を始末するべく動き始める。
しかし、内海成彰(恐らくはエボルトに送られた)の手引きによって脱獄し、ドライバーを取り戻した幻徳が変身した仮面ライダーローグと改めて対峙し、因縁の相手との決着を着けることに。
最初はローグを圧倒し、余裕たっぷりに挑発しながらトドメを刺そうとするも、わざと誘っていたローグにカウンターパンチを叩き込まれ、一瞬で形勢逆転されてしまう。
「そんな!力は我々の方が上だった筈……」
すぐに動けないほどの大ダメージを受けたことに愕然とするも、その隙を突かれてローグが発動した本気の「クラックアップフィニッシュ」で、挟まれたまま地面に何度も叩きつけられた挙げ句、壁まで投げ飛ばされると、そこに突き刺さった状態で絶叫しながら爆散・消滅した。
本人も言っていた通り、純粋な戦闘力ではローグを上回っていたようだが、彼女達自身の計画によって仮面ライダーとなり経験を積んだ幻徳の経験値と戦闘センスの前に敗れる形となった。
そもそも人間の力を見下し、戦兎でも万丈でもない彼等を脅威として認識せずに拘束するだけで放置した事が、最終的に自分達の破滅に繋がるという、何重にも皮肉な末路だった。
余談
演じる松井女史は、『劇場版仮面ライダーオーズ WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』にゲスト出演した松平健(徳田新之助役)と同郷である。
また、松井女史は根っからの仮面ライダーヲタクでもあり、尊敬する人物としてスーツアクターの高岩成二氏を挙げている。その為、本作で初共演を果たし対面した際にはかなり興奮していたらしい。(本作を担当した上堀内佳寿也監督曰く「キャピってた」とのこと。)