「さあ、エボルトを狩るかァァ‼」
「この星も!そして宇宙も!全て!破壊してやる!」
「宇宙と心中して無に還るなんて、最っ高じゃねーかァァ!」
演:進藤学
声:勝杏里
変身する仮面ライダー
概要
仮面ライダービルドの正統続編『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』に登場するブラッド族の一員で、彼らが住むブラッド星の王かつ本編の黒幕であるエボルトの兄でもある。
実体は赤黒い色をしたエボルトらとは対照的な青いスライム状をしている。
弟と同様に擬態・寄生能力を持つ。本編では白いパンドラパネルから出現した直後に近くにいた桐生戦兎に寄生して記憶と姿をコピーした後、偶然テレビに映っていた人気ダンサー・柿崎悟志の姿を気に入り、再び姿をコピーした。
自らの一部を切り離してスマッシュなどのエネミーを作り出すことも可能だが、エボルトよりも高性能なようで、生み出されたスマッシュは本体とほぼ同等でグリスとローグが全く手も足も出ないという高い戦闘能力を有している。
また、弟が変身していたブラッドスタークと同じく触手を伸ばして毒を注入する能力も持つ。
龍我の中に宿っていたエボルトの遺伝子を利用して、新しいパンドラボックスを生成した。この際に発生した波動により、戦兎たちの関係者のうち、ネビュラガスの人体実験を受けていた者達が旧世界の記憶を取り戻すという副産物ともいえる現象も起きた。
そのパンドラボックスの力を取り戻すべく、万丈龍我の命を狙い襲撃する。
人物
その身に滾る破壊衝動のまま、自分自身さえも進んで巻き込んで全てを壊し尽くす、短絡的思考と虚無主義が混ざったようなエキセントリックな性格の持ち主。その危険性はあのエボルトをして「破滅型の快楽主義者」と言わしめるほど。
かつて自身の生まれ故郷であるブラッド星を自らの手で滅ぼした過去を持ち、その後もいくつもの惑星を滅ぼした後、今度は白いパンドラパネルを通って、パンドラボックスとエボルトの力を利用してビッグバンを引き起こし、宇宙と心中することを目的に再編後の地球に襲来した。
常に言動のテンションが高く、どこか恍惚としたような粘着質な声音と共に手を波のように動かす癖がある。周到に計画を立てることを得意とするエボルトとは逆に、思い当たりな行動を取る面が強く、脈絡が無いぶん、エボルトよりもタチが悪いと言える。
擬態元の癖であるためか、上半身裸に赤いジャケットを着ているという奇抜なファッションをしている。さらに、自身の変身アイテムにキスをするナルシストな一面も見せる。
戦闘形態
弟のエボルトと同じく、怪人態ではなくライダーシステムで変身する。
最初は戦兎から奪ったビルドドライバーとフルボトルで仮面ライダービルド ラビットタンクフォームとファイヤーヘッジホッグフォームに変身したが、後に龍我が落としたクモ型ペットロボを自らの能力でキルバスパイダーに変え、その後自ら生成したキルバススパイダーフルボトルを使用して仮面ライダーキルバスに変身する。
恐ろしいのは、自身のドライバーを所持していないどころか専用アイテムすらも地球で調達・生成したもので変身しており、いわば即座に用意した型落ちであるにもかからず、龍我とエボルトを圧倒するほどの戦闘力を手にしている。
行動
白いパネルを経由して新世界に現れた。手始めに戦兎に毒を打ち込み、その隙にビルドドライバーと一部ボトルを強奪とたまたまテレビに映っていたダンサー。柿崎悟志へ擬態を果たしてその場を去る。
その足で広場にいた龍我の元に訪れるとビルドへ変身して強襲。彼を追い込みパンドラボックスの再生と覚醒に利用しようとするが龍我の中に潜んでいたブラッドスタークに妨害される。しかし完全体では無い上にそもそも地力では完全にエボルトを上回っているキルバスはファイヤーヘッジホッグフォームに変身して難なく対処するも隙をつかれて逃走を許してしまう。しかしその時龍我の落としたクモ型のペットロボを手に入れ、自身の力を注ぎ込み仮面ライダーキルバス変身用のアイテムに改造。スタークが龍我に対してかつて母星を滅ぼした経緯を説明していた所に現れて自身の目的である『パンドラボックスでビッグバンを起こして宇宙と心中する』という目的を嬉々として語る。そして今度は仮面ライダーキルバスに変身してスタークとクローズチャージを再度圧倒しスタークを必殺技で倒した。続いてクローズチャージも倒そうとするも自身がパンドラボックスを再生させた影響で記憶を取り戻したグリスとローグに妨害されて取り逃がす。
その後は柿崎の姿でテレビを経由して龍我をおびき寄せて再度戦闘開始。3対1に加えて途中エボルトが仮面ライダーエボルとして復活するアクシデントとこそあれど、グリスとローグには自身と同じ力を持つスマッシュを差し向け、クローズマグマとエボル相手にも余裕で優勢に立った。
勝ちを確信したキルバスだったがエボルトの策略で覚醒した龍我がクローズエボルに変身すると本気を出さざるを得ない状況になってしまい、互角に渡り合うも龍我のハザードレベルの上昇にともない次第に劣勢になる。必殺技を立て続けに喰らい、満身創痍になろうと「この俺が…人間ごときに!」と口にするがエボルから「まだ分からないか?人間だからお前に勝てたんだよ」と返されてしまいマッスルギャラクシーフィニッシュで粉砕。こうしてブラッド族すら恐れる狂気の王は倒された。
余談
人間態を演じる進藤学氏はかつて『超星艦隊セイザーX』でアド/イーグルセイザー、『海賊戦隊ゴーカイジャー』でシド・バミック/特務士官バリゾーグを演じていた。
また、声を演じる勝杏里氏は『仮面ライダードライブ』のロイミュード106/シーフ・ロイミュード以来、4年ぶりのライダー作品出演になる。
進藤氏のようにスーパー戦隊シリーズで『天装戦隊ゴセイジャー』にて、スカイフィッシュのザイ粉の声を担当した経歴がある。
あまりにも都合よく新世界に存在していたブラッド族であることから、キルバスとエボルトは地球における万丈龍我のように「旧世界と新世界における同一の存在」であったとする考察もある。
つまり見方を変えればそのままの状態の新世界には「キルバスに滅ぼされる未来」が待ち受けていたことになる。そしてその脅威に対抗しうるイレギュラー、すなわちエボルト(の遺伝子in万丈龍我)を新世界にもたらした戦兎の「勝利の法則」は旧世界を歪めたエボルトに加え、新世界に訪れるはずだった破滅にも「勝利」したと言える。
関連タグ
ビルドNEW WORLD仮面ライダークローズ 仮面ライダーキルバス
伊能賢剛、郷原光臣、才賀涼香:同じく映画で登場したブラッド族。
ゴ・バダー・バ:同じく弟がおり、自身はそれ以上の実力を持つ怪人。