ワタシは君達が、大地と呼ぶ
この世界の現魔族長・・・ギラヒム
気さくに
ギラヒム様
と呼んでくれて構わないよ
小僧!俺は貴様への怒りを永遠に忘れねえ!
・・・どんな手を使っても必ずお前に地獄を見せてやるからな!
概要
CV:勝杏里
ゼルダを追って地上に降りたリンクが、天望の神殿の奥地で出会った謎の人物。
地上を統べる魔族の長と称している。
彼もまたある目的のためゼルダを追っており、物語に密接に関わる重要人物である。
…のだが、
猛烈に!強烈に!激烈なインパクト!!
彼の姿が始めて確認されたのは発売前のPV。
その時点から、
- 優男風のイケメンだが、浅黒い肌に白い唇、紫のアイラインに顔の半分を隠す長い前髪など、オネェ系っぽい容姿。
- 全身ピッチピチの白タイツ。しかも所々にひし形の穴が開いており、かなりセクシー。
- リンクの背後にワープし、口の中のどこに収まっていたのか分からないほど長い舌をベロベロレロレロ。リンクも視聴者もドン引き。
と、初登場で強烈なインパクトを与えていった。
pixivにもネタ絵が多数投稿されたのはもはや言うまでもない。
因みに例のベロベロレロレロのシーン、製作スタッフがかなり力を入れたとか。
実際に会ってみたらやはりその性格もかなり強烈で、自分に対する美意識の激しい典型的ナルシスト。
普段こそ冷静に澄ました態度を取っているが、それは魔族長としての威厳を保つための所謂演技であり、本性は粗暴で実際の一人称は『俺』。ストーリー後半からは気取った口調が崩れ、リンクに対し「お前」「ガキ」と言い放つなどかなり乱暴な口調に変わる。
語録
「気さくに ギラヒム様 と呼んでくれて構わないよ」
「猛烈に!強烈に!激烈に気分が悪い!!」
「全治百年でゆるしておいてあげる」
「きっとワタシ達は運命の赤い糸で結ばれているんだね」
「容姿端麗!」(ポージング) 「眉目秀麗!」(かつカメラ目線)
…など。
セリフも上記のように独特な言い回しのものが多く、その動きや仕草もスタイリッシュだがどこか奇妙なため、会うたびにプレイヤーをなんとも言えない気持ちにさせる。
戦闘
そんなギラヒムではあるが、実は最初のボス。
しかも最初とは思えないほど強いのである。
『時のオカリナ』で例えるなら、デクの木様の内部の奥にダークリンクが待ち構えていた、と言えば分かりやすいだろうか。
むやみに剣を振り回せば素手で止められ(さらに、振り解くのに時間がかかると剣を奪われてしまう)、距離を取っても遠距離攻撃として短剣を放つ。
短剣を反射するか、ギラヒムが手を向けていない方から剣で斬るとダメージが入る。途中で向こうも剣を装備。見事な踏み込みとカウンターでプレイヤーを追い詰める。
まだ操作に慣れない序盤であり、かつ今作では受ける基本ダメージが2から4に(分かりやすく言うとハート半分→1個)なっているので、最初からハートが6つある今作でもアウト被弾回数は変わっておらず苦戦は必至である。むしろ従来シリーズのように3つだったらどれだけ地獄だったことか・・・
ちなみに辛口モードでは被ダメージ2倍のため(受けるダメージがハート2個に)、その地獄を堪能する事が出来たりする。
かの宮本茂も相当に苦しめられたらしく(それまでのゼルダシリーズの経験から「パチンコかビートルで気絶させてから剣で攻撃しよう」となったと推測できる。実際には剣と盾以外使い物にならないのだが…)、チェックの段階で『どうやったら倒せるのか、直感的に分かるようにしてほしい』との注文が入ったとか。
- 「剣もパチンコもビートルも効かない」と解釈した人も多いのでは?
つまり、そういった調整が入った上でのあの強さであり、初期段階ではそれ以上に強かった(というより「倒しにくかった」)という事である。
しかし、苦戦の1戦目をクリアすると、しばらくギラヒムとの直接対決はない。
2戦目は古の大祭殿。
戦法は1戦目と大体同じだが、技のバリエーションは増えている。プレイヤーもそろそろ操作に慣れてきた頃とはいえ、相変わらずの強敵である。
盾の使い方や回転切りに慣れたプレイヤーならある程度有利に対処できるが、ワープからの急襲や盾アタック後のカウンターなど1戦目よりもスピーディかつトリッキーな攻撃が増えてくる。
終盤において(ネタバレ注意)
物語終盤、現代において魔族の王を復活させる術を失ったギラヒムは、最後の手段としてゼルダを捕まえて過去へ行きそこで王を復活させようとする。
その後、過去のハイリアの地にてゼルダを使って復活の儀式を行うのだが、気絶して倒れているゼルダの周りを鼻歌や瞬間移動を織り交ぜながら踊る非常にシュールな動きを見せる(通称:ギラヒムダンス)。
物語の終盤でこんな奇抜なダンスをされ、抱腹絶倒したプレイヤーも数知れず。
ゼルダの元に向かおうとするリンクを、菱形のバリアで足止めした上で大量のボコブリン、モリブリンを召喚(あるいは生成)し攻撃を仕掛けてくる。
なんとか敵を蹴散らし最下層にたどり着くと、リンクに儀式を妨害されたことに怒り「儀式素人」と罵倒してくるが、この後に続くセリフは「もう少し 良い子にして待ってろ!な!?」というもの。もはや駄々をこねる子供を諭す父親である。
それでも一歩も引かないリンクに対し、ついに痺れを切らして一騎討ちを挑む。
正体
「俺はお前のような小僧如きに馬鹿にされて笑ってられる程人間が ・・・いいや剣が出来てねえんだよ!!」
最後の戦いの直前にてついに正体が判明する。
彼は終焉の者の巨剣に宿る精霊であり、リンクの女神の剣、つまりマスターソードに宿るファイとは対となる存在である。
ギラヒムに攻撃を当てた際に金属を叩いたような音が鳴るのは、彼が剣そのものだったためである。また、正体を明かしてからは歩く音も金属音に変わっている。
正体を晒したギラヒムは今までと打って変わって全身のほとんどが黒色の艶のある体になり、ファイと同じく胸部に菱形のコアを持つ。元の姿でも菱形の意匠やマントなどファイとの関係性は示唆されていたが、真の姿では髪型や顔立ちなどもファイに似た雰囲気になっている。
最終戦
最初から本気というのもあり、新たな技や今まで出してこなかった巨大な剣、そして魔族処刑術「無限奈落」でリンクに挑んでくる。
このときのギラヒムはメタリックな姿ゆえか、普通に攻撃してもダメージが通らない。そのため、まずは剣撃でギラヒムをノックバックさせてフィールドの下層へ落とし、「とどめ」でダメージを与えていくことになる。
攻撃手段も今までから変わっており、パンチや回し蹴りなど素手での攻撃を加えてくる。
3回落とすことに成功するといつもの剣を取り出し、正真正銘の第3ラウンド開始となる。ここで胸のコアが露出するため、初めて斬撃でダメージを与えられるようになる。ただしコアが小さいため闇雲に剣を振り回すだけではなかなかダメージが与えられず、突き攻撃か盾アタックなどの工夫が必要。ときおりスカイウォードに似た剣撃を飛ばしてくることがあり、剣撃と同じ方向に剣を振ると跳ね返せる。ラリーを制してギラヒムに当てれば大きな隙ができる。
追い詰められると巨大な剣に持ち替える。ただし見た目に反して脆く、ガードと垂直に剣を振り続けることで粉砕可能。破壊に手間取ると間合いを離されたうえで修復されるが、構える時間は長めなので焦る必要はない。
最期
最終的にリンクには敗れるものの、終焉の者の復活を成功させ、彼の剣としての姿に戻る。
その姿は、柄のとがり具合や刀身の凹凸具合などが異なるものの、どことなくマスターソードを彷彿とさせる形状であった(ご丁寧に、上下逆のトライフォースらしき刻印も存在する)。
ちなみにこの終焉の者の剣に戻る時、終焉の者から例の菱形のコアから巨大な剣を抜かれ、それに吸収され出番が終了する。
外部出演
ゼルダ無双
『トワイライトプリンセス』などのメンバーも登場する『ゼルダ無双』で、『スカイウォードソード』のキャラクターとしてファイや封印されしものと共に登場。敵キャラクターとして登場するが、プレイアブルでもある。
オリジナル同様、剣や魔術を使って敵を蹴散らしていく。また、前述のギラヒムダンスをこちらでも披露してくれている。
なお、公式サイトの説明に「自分自身に陶酔しているナルシスト」などのギラヒムの性格が説明されている以外に、『スカイウォードソード』のネタバレに示唆させる攻撃方法に纏わる説明があるので、これから『スカイウォードソード』をプレイする方は注意が必要。
素早い剣技やナイフ投げによる攻撃が主体になるが、直線的で範囲の狭い攻撃が多く、攻撃の合間にちょくちょくギラヒム様特有のポージングを挟む為にザコの殲滅はやや不得意。敵が集まっている場所では横槍を入れられてしまうことも多く、他のキャラよりも慎重に操作しなげればならない。
しかし、ギラヒムの真価は特殊攻撃を使った時に発揮される。
特殊攻撃を使うと前方に赤い光を纏ったナイフを投げ、それに当たった相手と運命の赤い糸で結ばれる。
赤い糸で結ばれた相手はギラヒムにマーキングされた状態になり、その状態で強攻撃を使う事で強烈な追加攻撃が発生する。この攻撃は相手との距離にほぼ関係なく発生し、しかも相手のいる場所に直接攻撃するためガードされていない限り確実に命中する。
その効果も単なる追加ダメージに止まらず、自分側への引き寄せや強制ダウンなど非常に強力なものが多い。
要約すると、無双におけるギラヒムは中型~巨大モンスター等ボスクラスの敵に特化した性能を持っていると言える。
アドベンチャーモードのコホリントマップでは、彼一人で戦う高難易度のステージがあるので鍛えておいて損はない。
レジェンドモードでは封印されしものを復活させスカイロフトに攻め込んでいたところ、突如現れた黒の魔女軍に封印されしものを倒されたことで降伏、黒の魔女軍に合流する(この時にシアから何かの力を感じ取っており、彼なりの思惑があって合流した模様)。
そのままスカイウォードソードの世界に残って封印の地の転生の扉を守護し、リンクとファイ率いるハイラル軍に攻め込まれると再度封印されしものを召喚して襲いかかるが、攻め込んできたリンクとファイに撃退された。
その後、時空の狭間をさまよっていたところを復活したガノンドロフに魂を呼び戻され、彼の部下として行動、ハイラル城を奪った後は軍の本拠地ゲルド砂漠にいたが、ハイラル軍に攻められ、ザント共々討ち取られ、「この世界はマスターのもの……」という言葉を遺して果てた。
シア側に付いた理由は「終焉の者が転生しシアを操っていた事を知った」からである。それは上記の最期の台詞からも読み取れる。
もしかしたら、ガノンドロフが無双で振り回している大剣や槍はギラヒムなのかもしれない。
因みに、プロクシィが彼を初めて目にした時の感想が「イヤラシそうな指揮官」であったり、
ムジュラパックではあのカマロのお面を被っていたりと、無双スタッフからも妙な愛され方をしていることが窺える。
また、本作には他で言う実績に相当する要素としてメダルというものがあるのだが、その中に「一発の必殺技(無双乱舞)で100以上の敵を倒す」という条件で手に入る「全治百年」がある。
一度のバトルで1000体撃破は当たり前なほど敵数が膨大な本作においてもこの条件はなかなかに厳しく、必殺技の範囲がそこまで広くないギラヒムで達成するのは困難。多くの人は必殺技の優秀なシークあたりに頼ったのではないだろうか。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』以降「アシストフィギュア」として参戦。
アクロバティックにステージを動き回り、剣やナイフで攻撃するキャラクターとなっている。アシストフィギュアなのでリンクやゼルダに味方することもある。また、前作のどこかの誰かと同じく、敵の飛び道具を打ち返すこともする。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のアドベンチャーモード「灯火の星」では、「ゲルドの谷」にて敵が使うフィギュアとして確定で登場する。
また、ガノンドロフのスマッシュ攻撃も剣になったのである意味プレイアブル化されているとも言える。
余談
ゼルダの伝説25周年の記念として記念トランプが発売されており、この記念トランプのイラストには一定の法則があり、
のイラストが今までのシリーズのタッチで描かれている。
上記のようにKにはシリーズおなじみのボス『ガノンドロフ』が描かれているのだが、クラブのKだけはギラヒムとなっている。
「全治百年」というセリフがあるが、次回作で本当に全治百年の人が現れた。
発売前のトレイラーが公開された時点では、特にニコニコ動画などで視聴者から「声がフリーザに似ている」という意見があり、一時期中尾隆聖が声優を担当しているのではないかという説があった(実際には勝杏里が担当)。トレイラーで映っている部分だけだと少し区別がつきにくいが、実際にプレイして声を聞くと別物である。
ちなみに勝氏は本作以前に『大地の汽笛』のディーゴを演じており、両者は何の因果か魔王復活を目的に暗躍する点も共通する。