当記事は「ガノンドロフ」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
概要
第2作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から参戦。
ファイター番号は23、通り名はハイラルを狙う魔盗賊(DX)、蘇る魔王(X以降)。
特徴
後述の経緯から、通常必殺ワザ「魔人拳」を筆頭にキャプテン・ファルコンと似たワザを多く使う。特に空中ワザを比較すると前空中攻撃以外そっくりである。
しかしその個性付けは全く異なり、スピードが鈍い反面、パワーに優れ、かなり重くふっとびにくい体質。暗黒の力を使った攻撃を得意とする。
ファルコンがテクニックに優れているのに対し、ガノンドロフはより重厚なパワー特化タイプで相手をねじ伏せる。その圧倒的なパワーと鈍重なフットワークは、一見すれば一対一の勝負より乱闘向きであるようにも見える。
スマッシュ攻撃を筆頭に、どのワザも判定や持続、ふっとばし力に優れている。空中攻撃による復帰阻止や、それらの高威力な攻撃による撃墜を意識させることによるプレッシャーが強力で、強制的に自分が有利な読み合いを仕掛けることが出来る。
体格に反して崖掴まりの姿勢では頭部が下側にあるので、スライディングなどの下方向攻撃がヒットしにくいという利点がある。
反面、鈍足や喰らい判定の大きさから強力な飛び道具を持つファイターや、コンボが得意なファイター、復帰阻止が得意なファイターを苦手としている。
特に、コンボと復帰阻止両方得意なファイターを相手にする時は、持ち前の体重と体の大きさが逆に不利に働き、永遠にコンボから抜けられずに弱い復帰面を突かれてそのまま撃墜されてしまう。
また飛び道具をばら撒かれて全然近づけず、重い一撃を貰って撃墜されてしまうことも多い。暴れに使える技も乏しいのもそれに拍車を掛けている。
また、意外にも上方向に飛ばす技に乏しい(上スマくらいしかない)ため、シャドーモセス島など横方向が塞がれているステージの場合パワータイプでありながら撃墜困難に陥ることも。
総合的に見ると長所よりも短所の方が目立つ傾向にあり、1on1のキャラランクではどの作品でも最弱ランクにいることが殆ど(唯一『DX』のみ中堅)。
しかし、撃墜力の高さやシンプルな使いやすさから、オンライン対戦での使用率が非常に高いファイターである。言い換えれば対策は必須と言える(ちなみにオンラインには天の聖杯や三島流喧嘩空手の使い手なども跋扈している。これらも同じくらい対策は必須)。
弱キャラと舐めて闘っているとかなり強い復帰阻止や広範囲のスマッシュ攻撃を読み合いで通されて、意外と逆転されてしまうことも多い。よく格ゲー界で言われる「死ななきゃ安い」「ワンチャンあれば勝てる」を体現したようなキャラ付けがされており、キングクルールと共に「対戦ゲームはキャラランクでは決まらない」という格言をいい意味で裏付けるファイターといえる。
むしろ持ちキャラの『対ガノン用の戦法』を覚えていないと一方的にやられてしまう。
ちなみに、重い一撃で効率的にダメージを稼げることから、シリーズを通してホームランコンテストのオトモとして大人気。今では他にもライバルとなりうるファイターがいくつか出てきているものの、相変わらず世界中の研究家から愛用されているあたり、彼のポテンシャルの高さが窺える。
必殺ワザ
- 通常必殺ワザ:魔人拳
力をため、超破壊力のパンチを繰り出す。
ただでさえ極端な性能のファルコンパンチをさらに極端にしたワザ。特にふりむいた時や空中で当たったときの破壊力はまさに破滅的。
『DX』ではファルコンパンチと全く同じ動きだったが、『X』から裏拳を繰り出すようになった。
『for』からはスーパーアーマー効果が追加され、攻撃を受けてもひるむことなく強引に拳を繰り出せるようになった。
- 横必殺ワザ(DX):地竜拳
低い姿勢で前方に突進し、紫の炎をまとった拳を振る。
攻撃力は「ファルコンナックル」の2倍以上。しかし、移動距離が若干短い、空中で使ってもメテオにならないなど、それ以外の性能は全体的に劣化傾向にある。
- 横必殺ワザ(X以降):炎獄握
相手につかみかかり、つかんだ相手を爆発で地面に叩きつけダウンさせる。
基本的に相手の回避や受け身が間に合うためコンボはできないが、相手の行動を読んで追撃することは可能(いわゆる「じゃんけん」)。
空中でつかむと急降下して地面に直接叩きつける。こちらは受け身不可能。ガケ外で使用すれば道連れも可能。『SP』ではガノンドロフが先にミスになることに加え、相手側のレバガチャで抜けることができるため、特に残りストック1の時は要注意。
- 上必殺ワザ:雷神掌
跳び上がって相手をつかみ、爆発でふっとばす。
「ファルコンダイブ」とほぼ同様の性質を持つが、こちらは電撃をあびせてからふっとばす。
『X』からモーションが大幅に変わり、上昇後に暗黒をまとったひっかき攻撃をするようになった。その一方でガノンドロフにしては珍しく、ファルコンよりも攻撃力が低くなっている。
- 下必殺ワザ:烈鬼脚(DXのみ「裂鬼脚」)
暗黒の炎をまとったキックで突進。
「ファルコンキック」が出だしを当てるとクリーンヒットになるのに対して、こちらはどのタイミングで当てても同じ攻撃力。
代わりに『X』以降では足の先端と根本とで攻撃力が異なり、『X』と『for』では根本、『SP』では先端の方が強いという特性を持つ。
他にも、空中版の出だし(『DX』では発動中全部)がメテオ判定になっていたり、着地の衝撃波に攻撃判定が付いていたりと細かな違いが多い。空中版のみこの特性によりシールドの8割を削るためシールドブレイクが狙える。
また、『DX』のみ空中ジャンプを消費した状態でこのワザを出すと、空中ジャンプがもう一度使えるようになるという特性があった。
- 最後の切りふだ:魔獣ガノン(X・for) / 魔王ガノン(SP)
ガノンに変身し、初撃で前方にいる相手をしびれさせ、画面外に突進する。
初撃はそれぞれ異なり、「魔獣」は前足で地面を踏み鳴らし、「魔王」は前方に双剣を振り下ろす。
演出が短くシンプルながら、かなり強力な切りふだ。
変遷
モデル替え時代
『DX』ではまさかのキャプテン・ファルコンのモデル替えキャラ。
当初は参戦の予定はなかったが、ファルコンの骨格を流用できると判断したこと、ユーザーから人気があったことにより、ファルコンのモデル替えとして急遽参戦が決まったという裏話がある。
そのため、性能や炎の演出は別物だが、モーションや出の早さ・スキの大きさはファルコンとほぼ同じ。
勝利画面では大剣をブンブン振り回しているが、戦闘では一切使用しない。
ちなみに『DX』のガノンドロフは、「スペースワールド2000」で使用された、『時のオカリナ』の7年前版とは細部のデザインが異なるモデルが流用されている。
上述の大剣もスペースワールドにおいて使用していたものを流用しており、『時のオカリナ』中でも使っていない(姫川版ゼルダ漫画では剣を使っているがデザインはまったく異なる)。
『ゼルダの伝説』シリーズでは後にタートナックが似たようなデザインの大剣を振り回している。
ボイスは『時のオカリナ』や前述の「スペースワールド2000」のムービーからの流用で、その中には未使用だったボイスも含まれる。なお、『時のオカリナ』と比べると、「スペースワールド2000」や『スマブラDX』ではピッチが高くなっている。
ネタキャラ時代
『X』ではモデル替えキャラのほとんどが不参戦となる中、リンクたちと同様に『トワイライトプリンセス』の姿で続投。
モーションもファルコンと差別化され、より重み溢れるものになった。
魔人拳は裏拳に、上スマッシュ攻撃は単発攻撃に変わっている。
横強攻撃はシンプルな蹴りの「甲冑割」から、相手を横方向に強烈にふっとばすケンカキックの「突破蹴」になった。
また、ショートジャンプから最速で下空中攻撃「落雷蹴」を入力・発動すると着地後のスキができないという仕様(バグ?)があった。その姿勢は誰が呼んだかホッピング。
しかし、スマブラでのモーションがトワプリ版ガノンドロフとの相性が悪かったのか、全体的に冴えないモーションになってしまった。
まず、ダッシュモーションがまるでジョギングしているような動作になっている(公式サイト「スマブラ拳!!」でも「ほっ、ほっ、ほっ、と走る。」と表現された)。
前述の「落雷蹴」も、背筋をのばして両足で真っすぐピーンと蹴りを繰り出すモーションで、シュールさ極まりない。
原作で使用した剣はアピールする時に見せびらかしつつながめるだけで、戦闘中は前作と同様使用しなかった。「スマブラ拳!!」でも「使えよ!! ここ、つっこみどころです。」とツッコまれている。一応、ビームソード等の打撃アイテムでの攻撃モーションは原作再現になっているのだが…。
原作のコミカルな味を薄めてシリアス寄りになっているマリオやクッパとは印象が対照的である。
結果、一部のプレイヤーから「ガノンドロフおじさん」「ガノンおじさん」等と呼ばれるようになってしまった。
純粋に愛称として使用している人もいるが、元々は先のモーションが悪役らしくないことを踏まえた蔑称寄りの意味合いが強く、ゼルダファン・スマブラファンの双方からよく思われない場合もあるため、過剰な扱いは慎重に。
『for』ではデザインが若干変わり、マントがボロボロになり、胸にキズが入った姿になった。また、『for Wii U』では最初から使用可能。
しかしおかしな点はまだまだ残っている…どころか増えており、顔のデザインが原作からかけ離れたものになっている。剣はカスタマイズ必殺ワザ「魔人剣」で一応使用するようになったが、その内容は逆手で剣を突き出す魔人拳というかなり不自然なもの(見た目とは裏腹に性能面では非常に優秀だが)。
公式サイトやゲーム中のスクリーンショットでも子供たちや白い人たちと仲良くジョギングしているなど、前述の「おじさん」呼ばわりを取り入れているようにしか思えない。
17年の時を経て…
『SP』では『DX』以来となる『時のオカリナ』ベースのデザインで参戦。髪型や眼差しは7年前、服装は7年後のものとなっている
(なお、原作のガノンドロフは、7年前だとマントを身に着けておらずサークレットのデザインも異なるため混同に注意)。
また、過去作では声を原作から使いまわしていたが、本作では『風のタクト』以来約16年ぶりとなる長嶝高士による新規収録となった。当時と比べると、かなり低く重みのある声になっている。
最大の目玉が、剣攻撃がスマッシュ攻撃として本格解禁されたこと(デザインは『DX』と同じもの)。
横スマッシュ攻撃と上スマッシュ攻撃はアイク、下スマッシュ攻撃はクラウドのそれと似た攻撃を繰り出す。
特に横スマッシュ攻撃「斬岩」は破壊力・範囲・後隙の少なさがいずれも非常に優秀で、本作におけるガノンドロフの代名詞となっている。
前述のダッシュはノシノシと重量を感じさせるものになり、「落雷蹴」は背中を後ろに反らすようになりカッコよくなるなどモーションも改善され、シリアスな悪役の威厳を取り戻した。
つかみのモーションもファルコンとほぼ同様だったものが、左手で振り下ろすようにつかむものに変更されており、ファルコンとの差別化も進んでいる。
未だに「おじさん」呼ばわりこそ残っているものの、公式ネタキャラの立ち位置からはほぼ脱却したと言ってもいいだろう。
その他
ホントの最終決戦
DXのイベント戦Lv51に登場。ミュウツー、ギガクッパとトリオを組んでいる。最終決戦Lv50をクリアすると真の最終決戦の相手として挑戦できる。
ギガクッパは主にヒップドロップで奇襲を仕掛け、ミュウツーが接近戦を挑んで来る。ガノンドロフは後列で魔人拳を連発して来るのでうっかり引っかかるとえらい目に遭うので注意。逃げたり吹っ飛ばされた先で魔人拳を喰らわないようにしよう。
「攻撃力は非常に高いが隙も大きい」という弱点を他の2人と組むことでカバーしているためこのお題で最強の敵と言われることも多い。(ミュウツーは近距離戦はあまり強くなく、ギガクッパは巨体が厄介とはいえアドベンチャーモードに比べて大幅に攻撃力や防御力が下がっているため)
亜空の使者
支配者であるマスターハンドに対して忠誠を誓いつつ猛烈に邪悪なほくそ笑みを浮かべたり、同僚であるエインシャント卿やクッパを蹴倒すなど、(ネタキャラ扱いが嘘なほどの)冷酷な悪役らしさを存分に見せつけた。いずれはマスターハンドへの下克上を目論んでいたようで、終盤ではクッパが用済みになると背後から攻撃して倒しフィギュアにしてしまった。
しかしマスターハンドの裏にタブーがいたことまでは知らず、姿を現したそれを見つけるや否やゲーム中見たことのない猛スピードで攻撃を掛けるが、OFF波動で倒されフィギュア化してしまった。
ちなみにこの後、復活したクッパから猛烈な仕返しを受けている(幸いにもガノンドロフはフィギュア状態だったのでその時の記憶はない)。
その後はゼルダにより復活させられ、有無を言わさずリンクから真の敵がこの先にいる事を教えられる。惨敗を喫した上に宿敵に助けられるという不名誉を味わわされ、無念と共に紫の魔力を握り締めるが、今は手を組むのが得策と判断しリンクとゼルダの後に続くのだった。
フィギュアの世界ではあるが、ガノンドロフがリンク、ゼルダと共闘した唯一の事例である。
勝ちあがり乱闘「終わりの始まり」
ROUND | 敵 | 備考 |
---|---|---|
1 | マリオ、ルイージ | 双子の兄弟 |
2 | フォックス、ファルコ | リーダーと仲間 |
3 | シュルク | 神剣モナドに選ばれた金髪の少年剣士 |
4 | マルス、アイク、ロイ | 三大主人公。特にアイクは少年と大人の姿がある |
5 | パルテナ、ピット | 女神と天使 |
6 | ゼルダ、リンク | 姫と勇者 |
BOSS | マスターハンド(&クレイジーハンド) | 左右の手 |
各作品の主人公(+パートナー)を叩きのめしていく、まさしく悪役の彼に相応しいルート。ほとんどのROUNDが2人以上を相手にするものになっている。
ROUND6はリンク&ゼルダ戦だが、実は時系列が3人ともバラバラなので、ほぼ赤の他人に等しかったりする。
なお、『SP』では魔王ガノンがボスとしても登場する。デザインは時のオカリナのもの。
最後の切りふだで見せるような突進や双剣を振り回して攻撃する他、終焉の者の雷攻撃や厄災ガノンのビームなども使用する。
原作同様、尻尾以外への攻撃は一切通らないが、原作とは異なり頭を攻撃してもひるまず、股の下をくぐり抜けることはできないため注意。
灯火の星にて必ず戦うこととなる他、リンクやゼルダ、こどもリンクやトゥーンリンク、セフィロスの勝ちあがり乱闘にも登場する。
ちなみに灯火の星では、クッパ・ギガクッパとは違い、ガノンドロフとガノンが別々に分かれているため、ガノンドロフVS魔王ガノンということもできる。
余談
異国の砂漠の民というオリエンタルなイメージゆえか、ワザ名が全て漢字表記の和名っぽい感じで統一されており、いまいちファンタジーっぽくなかったりする(これについては忍者的なイメージを押し出されているシークのワザも同様だが)。
一応、『DX』当時から唯一ファルコンとモーションが異なっていた前空中攻撃「頭蓋割」は『時のオカリナ』で使用する床を崩落させる技を彷彿とさせ、『X』から使用する横強攻撃「突破蹴」は『トワイライトプリンセス』の一騎打ちでたまに使用してくる蹴り攻撃であったりするので、原作再現と言える部分はなくはないのだが、それでも他ファイターと比べると原作再現ワザの量はぼちぼちであり、この点もファルコンと共通している。
ちなみに『for』以前の肘打ちの横スマッシュ攻撃「紫炎肘」は『トワイライトプリンセス』に逆輸入されている。こちらはこれでガードを崩した後に追加で剣の薙ぎ払いを行う。この際の剣攻撃は、スマブラではビームソード等の打撃アイテムを手に持っているときの横スマッシュ攻撃として取り入れられている。
関連動画
関連タグ
キャプテン・ファルコン:ベースとなったファイター
カズヤ:重量級・逆転性が高い・一部の技の名前が似通うなど共通点が多い。ただしあちらは飛び道具を持っている。