当記事は「三島一八」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
概要
2021年6月15日25時のE3で行われた「Nintendo Direct」にて、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の有料追加コンテンツ第10弾として、『鉄拳』シリーズから三島一八こと「カズヤ」の参戦が発表された。
ファイター番号は81、通り名は闇の鉄拳。
前作『for』では「鉄拳のシステムをスマブラに落としこむことが難しい」として断念され、代わりに『タッグトーナメント2』仕様の平八のMiiコスチュームが配信されていたが、
後述の紹介映像で鉄拳とスマブラのゲームデザインについて紹介され、「鉄拳は『間合いとワザのヒット位置、上・中・下段の属性で構成する"間合い"のゲーム』、対してスマブラは『高度や距離で差し合い、安全と危険が位置取りで変化する"座標"のゲーム』であり、鉄拳のワザを当てはめたファイターをスマブラに入れることはできるが、それでは作品を体現することにはならない」という理由が明らかになった。
その問題を解決するために、『鉄拳』における『デビル因子』に着目し、通常ワザは原作に寄せつつ、空中ジャンプ・スマッシュ攻撃・必殺ワザといったスマブラの要素をデビルの力で表現することで、スマブラに落とし込めると判断し、尚且つデビルの力を自由に出し入れできるカズヤを選んだという経緯も語られている。
(仁はデビル因子を制御できていないことに加え、デビル因子を憎んでおり、この世から消滅させようとしている。『ストリートファイター×鉄拳』では制御している描写が見られるが、これはのちに関係者からツッコミを入れられている。また、平八はデビル因子を持たない)。
参戦ムービーは『鉄拳7』ストーリーモードのエンディングをセルフパロディしたもので、無惨な姿となった歴戦のファイター達を次々と溶岩に投げ捨てる(1名未遂)という衝撃の光景が繰り広げられた。鉄拳シリーズの公式Twitterがツイートした参戦記念のお祝いイラストでも、どこかで見たような場所である格闘家を落とそうとしている。
『for』や『SP』の開発は『鉄拳』シリーズと同じバンダイナムコであるため、身内からの出演とも言える。
カズヤが参戦する以前、意外にもバンダイナムコからの参戦キャラクターは長らくパックマンのみであった。
主人公でもあり悪役でもあるファイター(闇堕ちや暴走、洗脳を除く)としてはワリオに続き2人目。
ただし、ワリオがコミカル寄りのキャラクターで大した悪事を行っていない(むしろ味方側であることが大半)のに対し、こちらは実の息子を利用して葬ろうとするなど、父親に負けず劣らずの悪役っぷりである。
紹介映像
特徴
まず、他のファイターでいう弱攻撃と強攻撃の操作系統が大きく異なる。
飛びぬけて多い数の通常ワザを持っており、ワンパターン相殺の影響を受けにくい。
強攻撃は横・上・下の3方向ではなく、上下左右斜めの8方向に対応しており、中にはコマンド入力もある。
ただし攻撃ボタンは1つだけで、原作のように使い分ける必要はない。原作では複雑な入力が必要な「10連コンボ」をボタン連打や長押しだけで出せるなど、コマンド自体も大幅に簡略化されている。
さらに特別なコマンド投げワザ「地獄門」や、おなじみの「風神ステップ」も使える。
原作の「風神ステップ」は「→N↓↘︎」とニュートラルを経由する必要があるが、スマブラでは「→↓↘︎」に省略可能。
もちろん「最速風神拳」も健在。入力受付時間は原作よりは甘めだが、それでも猶予は2Fしかない。
ゲーム中でコマンド入力ワザに分類されているのは以下の通り。
10連コンボ | 攻撃ボタン10回 または 長押し |
---|---|
閃光烈拳 | 弱攻撃の3段目を遅めに入力 |
左踵落とし | →→+攻撃ボタン |
ダブルアッパー | ↑+攻撃ボタン2回 |
螺旋幻魔脚 | ↗︎+攻撃ボタン4回 |
鬼蹴り | →+攻撃ボタン |
踵切り | ↘︎+攻撃ボタン2回 |
捻り裏拳 | ↓+攻撃ボタン |
腿砕き | ↙︎+攻撃ボタン |
刃旋風 | ←+攻撃ボタン |
ジャンプサイドキック | ↖︎+攻撃ボタン |
螺旋岩砕蹴 | しゃがみ中に ↘︎+攻撃ボタン |
シットジャブ | しゃがみ中に ↓+攻撃ボタン |
シットスピンキック | しゃがみ中に ↙︎+攻撃ボタン |
魔神拳 | しゃがみ ~ 立ち上がる間に 攻撃ボタン |
風神ステップ | →↓↘︎ |
風神拳 | →↓↘︎+攻撃ボタン |
最速風神拳 | 風神拳を出す際 ↘︎と攻撃ボタンを同時押し |
雷神拳 | →↓↘︎+攻撃ボタン長押し |
奈落旋風 | →↓↘︎+必殺ワザボタン |
地獄門 | ↘︎↓↘︎+つかみ |
※ファイター右向き
全体的に攻撃力・逆転力が極めて高いパワーコンボファイター。
ワザの数は多いものの、桜井ディレクターも言うように「原作もそうですが、全てのワザを覚える必要はありません」。まずは自分に合ったワザや得意コンボを見つけ、徐々に慣れていくといいだろう。
ちなみに原作では120以上のワザを持つが、これでも少ない方。
「左踵落とし」はなんと飛び道具を反射できる。もちろん原作ではそんな特性は付いていない。
コマンドの関係で咄嗟に出せるものではないが、反射倍率は驚異の2.4倍。最大ためチャージショットなどを反射して当てれば一撃必殺できる。
スマッシュ攻撃ではデビル化し、一定のダメージまで耐えるアーマーが付く。
特に横スマッシュ攻撃の破壊力が凄まじく、先端を当てると必殺ズーム演出が入り、全ファイター中トップの威力と、ドリャー並のふっとばしをお見舞いする(ちなみに原作ではデビル化中は「魔神閃焦拳」が「破軍」という全く別の技に置き換わるため、『デビルカズヤの「魔神閃焦拳」』は実はスマブラオリジナルだったりする)。
下スマッシュ攻撃「獅子斬り包丁」はメテオワザで、地上の相手に当てるとほとんどふっとばさずに浮かす。
相手のガードを大きく削るワザが多いのも特徴で、上手く使えば0%の相手でも一気に撃墜するなど一方的な無双も夢ではない。
エフェクトなども原作再現されており、ほとんどの技にヒットストップが無く、ヒット時のエフェクトや効果音も『鉄拳7』から借用した独自のものになっている。
クッパの「ひるみにくい体」のような効果的なものではないが、微々たる攻撃ではビクともしない「強靭な肉体」を持つ。体重も全ファイター中8位とかなり重く、なかなかふっとばない。
一方で、通常必殺ワザ「デビルブラスター」以外は近接ワザか接触ワザで、モーションを原作に寄せた結果リーチも短めになっている。
ワザの出だしも全体的に遅く(原作よりは早いが)、デビルブラスターについても発生の遅いエネルギー系飛び道具であるため、反射ワザ・吸収ワザ持ち相手には厳しい。
原作再現で機動力も極めて低く、地上ジャンプが2番目に低い(1番はスティーブ/アレックス)上に、全ファイターで一人だけジャンプ踏み切りが7Fと遅い(他は全員3F)。空中ジャンプはトップクラスに高いが、ミュウツーのようないわゆるふわりジャンプで挙動が特殊。
蓄積ダメージが100%以上(体力制では残り体力1/4以下)になると、赤いオーラをまとい「レイジ」状態になる。
発動中は攻撃力が1.1倍に増える他、以下の方法で「レイジドライブ」を1回だけ使える。
- →↓↘︎+攻撃 / 必殺ワザボタン長押し
- 下必殺ワザ
- つかみ
派生元の一つである下必殺ワザ「ヘブンズドア」と同じ内容だが、その威力は段違い。さらに「→↓↘︎+攻撃/必殺ワザボタン長押し」で出すと、威力・ふっとばし力共にさらに増加する。
ただし、レイジドライブを当てるとその場でレイジ状態が解除される。また、レイジドライブを空振りし続ける、ダメージを受け続ける事でも解除される。しかし一応補正なしで37%までは耐える。
全体的に見ると、リュウ・ケンほどではないが、玄人志向が強いファイター。
他のファイターに例えると、総じて極端に上級者向けになり、融通が利きやすくなったルイージといった趣。難易度は高いが最速風神拳を組み込んだ即死コンボは無慈悲に相手を消し飛ばす。
必殺ワザ
スマッシュ攻撃と同様、いずれも使用時にデビル化する。
“ ” 内の説明文はスマちしきから引用。
- 通常必殺ワザ:デビルブラスター
“ 地上ではまっすぐ、空中では斜め下に、高威力のビームを放つ。(通称”カズレーザー”)
長射程なうえ、ファイターを貫通して3人まで当てられる。当てる度に威力は落ちる。 ”
“ ビームを放つ直前にスティック上下入力で、上下に出し分けられる。
斜め下に出すと背の低い相手にも当てられるが、やや威力が落ちる。 ”
- 横必殺ワザ:デビルフィスト
“ 突進しながらくり出した拳が相手に当たると、そのまま相手の背後まで突き抜ける。
ワザの出始めを当てると相手がダウンし、さらなる追撃を狙える。 ”
“ 空中で出した時は、地上より突進の距離が短くなる。
また、地上で出すとガケで止まるが、空中では止まらない。自滅に要注意。 ”
“ 地上では、ワザの出始めに一瞬だけ無敵になる。
一方ワザ後のスキは大きいので、確実に当てられる時を狙おう。 ”
- 上必殺ワザ:デビルウィング
デビルの翼を生やし、空高く飛び上がる。スマブラオリジナル技。
“ 上昇中にスティック左右入力で、少し左右に移動できる。
また、上昇中は翼の爪で相手を攻撃できる。 ”
“ ワザを出した後でも、少し経てば他のワザを出すことができる。
ただし、横必殺ワザは着地まで出すことができない。 ”
- 下必殺ワザ:ヘブンズドア
“ 目の前の相手をつかんで地面に叩きつけ、大ダメージを与える。
相手のシールドを無視できるが、空振りすると大きなスキが生じる。 ”
“ ワザの出始めにスーパーアーマー効果がある。
相手の攻撃に重ねて強引にくり出すことも可能だが、ワザの出が遅い点は要注意。 ”
“ 空中で相手をつかんでいる間の左右入力は、相手と押し合う状態になる。
蓄積ダメージが少ないほうの入力が、より大きく影響する。 ”
“ 相手を地面に叩きつけた時、周囲に他のファイターがいると、
巻き込んで一緒にふっとばせる。 ”
- 最後の切りふだ:ファイナルブラスター
“ 額から長射程のビームを放ち、
相手に当たると翼と胸から複数のビームを斉射する。 ”
「ここが貴様の墓場だ!!」
額から放たれるビームが相手に当たると発動。
『鉄拳7』仕様のデビルカズヤに変身するムービーが挟まれ、デビルブラスターを斉射する。
先に参戦したホムラ/ヒカリと同様、有料追加コンテンツのファイターにしては珍しい、すべての相手を巻き込める切りふだ。
最初のビームの攻撃範囲が縦に狭く、高度差があると発動しにくい。これを当てないと発動しないので慎重に。
その他
ステージ「三島道場」
四隅が壁や天井でふさがっているステージ。
弱いふっとびだと跳ね返るが、強くふっとばすと壁が壊れる。また、壁に直接攻撃しても壊せる。例によって壊れた壁は時間経過で修復される。
背景には平八がおり、普段は背を向いて座っているが、壁が壊れると立ち上がる。また、誰かが撃墜されると掛け声と共にポーズをとる。
なお、戦場化・終点化ステージや5人以上の乱闘では、平八がいなくなる。
同じ格ゲー出典の「朱雀城」や「KOFスタジアム」と同様、「ステージギミックなし」の影響を一切受けない。
楽曲
テリーに次いで多い39曲を収録。
新規アレンジは参戦ムービーでも流れた「Kazuya Mishima, Devil Kazuya」をはじめとした8曲。
なお、カズヤにはファンファーレが用意されていない。
代わりに個人戦では原作『鉄拳7』のナレーションが流れる。
アピール
横アピールがなんと「魔神烈衝拳」という攻撃ワザになっている。
例によって実用性はないが、他の攻撃できるアピールとは違い、サドンデスで撃墜できるぐらいにはふっとばす。
カラーバリエーション
奇数カラーはお馴染みの火炎刺繍の道着、偶数カラーは『鉄拳7』のデフォルトであるコート。
それぞれの色違いは原作シリーズの再現が中心。
3P | 『鉄拳5 DARK RESURRECTION』の1Pコスチューム |
---|---|
4P | 『鉄拳5 DARK RESURRECTION』の2Pコスチューム風 |
5P | 初代『鉄拳』の2Pコスチューム風 |
6P | 『鉄拳2』のタキシード風……と紹介されているが、正しくは『鉄拳5』準拠 |
7P | 風間仁風 |
8P | 『鉄拳7』の「メタリックコスチューム」 |
『鉄拳』シリーズ出典スピリットの原作アートは『鉄拳7』のものに限定されているため、カズヤの通常カラーのスピリットには原作アートが存在しない。
勝ちあがり乱闘「拳をもって拳を制す」
ROUND | 敵 | 備考 |
---|---|---|
1 | リュウ | |
2 | キャプテン・ファルコン | |
3 | リトル・マック | |
4 | ドンキーコング(70HP、2Pカラー)、キングクルール(70HP、3Pカラー) | |
5 | ルカリオ | |
6 | Mii 格闘タイプ×6 | 軍団戦(3体ずつ) |
BOSS | カズヤ(3Pカラー)→カズヤ(メタル) |
肉弾戦中心のファイターと戦っていく。
『スマブラ』以外でも何かしら『鉄拳』シリーズと関わりのあるファイターも多い。
ROUND4の相手は動物キャラの「クマ」「アレックス」役。
例によって「体力制+アイテムなし」という格ゲーの再現……と思いきや、ROUND6以降はストック制に変わる。
また、このROUNDから原作のシチュエーションを再現した内容になる(『鉄拳4』OPにおける平八の私設部隊「鉄拳衆」との戦いと、『鉄拳7』におけるラストバトル)。
余談
DLC勢はCPUがやたら強く、その中でも高いコマンド精度を要求される代わりに超火力を持つカズヤはかなり強い。元々の選択肢の多さにCPUの正確な判断と確実なコマンド入力が加わった姿は正にデビル。
あまりの強さからか、海外の一部大会でなんとCPULV9カズヤが出場した。しかも複数回勝っている・・・。
時には熟練者すら舌を巻くコンボを的確に決めてくることも。
(※金色カラーがCPU)