曖昧さ回避
- 物事の終りとなる所。到着する所。
- cosMo@暴走Pの初音ミクオリジナル曲。→終点(cosMo)
- まふまふのオリジナル楽曲。 →終点(まふまふ)
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズに登場するステージ。本項で解説。
概要
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズに登場するステージの一つ。
仕掛けが一切存在せず空中足場なども存在しない非常にシンプルなステージであり、現在のところ戦場(『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(初代スマブラ)での名称は「デュエルゾーン」)と並んでシリーズ皆勤賞のステージ(ただし、初代『スマブラ』では対戦ステージとしては選べない)。
マスターハンドの居場所であるとともに、『DX』以降では終点には『スマブラの世界観であるイメージの世界から、現実へと最も接近する場所でもある』という設定がある。
それは背景にも反映されており、同ステージでの特徴でもある。
作品別の解説
ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ
一人用モード(現在でいうところの「シンプル」モード)の最終ステージでマスターハンドが待っている場所である。
この時はステージ名は表示されなかったが攻略本などでは「終点」と表記されていた。
モード専用ステージだけに、マスターハンドの残りHPに応じて背景が変化していくギミックが在るが、この頃から宇宙空間のような背景は存在していた。
大乱闘スマッシュブラザーズDX
同様にシンプルモードでマスターハンドが待ち受ける場所。背景のバリエーションに現実世界をイメージしたような光景が加わったのは今作から。
また、アドベンチャーモードでもクッパ→ギガクッパ(最終ステージ)が待ち受ける場所でもある。
また、本作から対戦ステージとして使用可能となるが、この頃はまだ隠しステージ扱いである。
イベント戦を隠されたLv51まで全てクリアすることで解禁になるため、後の使用頻度に反して出現時期もまさに最後となる。文字通り終点という名に相応しい。
大乱闘スマッシュブラザーズX
やはりシンプルモードでマスターハンドが待ち受ける場所。但し、こちらではその前のステージでも終点が使われている。今作以降は最初から使用可能となった。
ステージ背景はこれまで以上に幻想的である。最初は宇宙のような背景、そこからワープアウトしていくのは夕焼けのような現実味のある背景。OP及び「亜空の使者」のラストシーンにおける夕焼けの光景と同一地点の設定であるようだ。
終点のBGMがシリーズの中で1ループが約三分と長い上にラスボス戦としか思えない曲調である。
なお、本作の終点は後述の通称「ねずみ返し」が大きいため、引っかかって復帰しそこねるファイターが多く見られた。
大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U
今回も初期使用可能で、シンプルモードにてマスターハンドが待ち受けている。
足場は青黒いクリスタルのような部分と、赤黒い溶岩のような部分の半分ずつで構成されており、今まで以上に幻想的であるがこれまでとは違い足場そのものに若干禍々しさも感じさせる。
今作でも宇宙空間のような背景が広がるが、そこでさらに赤と青の星が強調され、いくばくかの終末感を演出している。
しかし、その後時間が経過するとやはり現実世界をイメージしたような海原が広がり、朝→夕へと推移していく。
その足場から後述する背景まで、青と赤の対比を強調させるという特徴は、まるで新たなスマブラが持つ二面性(3DSとWiiU、等)を表しているようにも見える。
なお隠しボス戦に突入すると、背景は専用のものに変化する。
for Nintendo 3DS
背景に、青色から赤色に変色していく恒星が登場。
また、なぜかステージ選択画面でのプレビューが隠しボス戦での背景になっている。
for Wii U
足場そのものは3DS版と全く同じだが、背景は異なる。
こちらは衛星のそばを突っ切り、太陽と地球が互いに接近しているようなダイナミックなシーンが確認できる。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
今作も最初から選べる(と言うよりDLCを除き収録ステージは最初からアンロックされている)。土台の背後には遺跡風の装飾が設置されている。背景は、本作のアドベンチャーモードをテーマに光と闇と異空間が交互に変わっていき、過去作とは異様な雰囲気を辿たせている。後のアップデートで終点を含めたスマブラステージに全BGMが流れるようになった。
終点化
4作目『大乱闘スマッシュブラザーズfor』以降の作品から、ほぼ全てのステージにステージギミックを排除し、地形を完全に平坦にした「終点化」仕様が存在する。
これは、終点ばかり選ぶユーザーや後述のガチ部屋においても、様々な世界観を楽しんでほしいという配慮である。
公式発表では「ほぼ」全てとなっているが、終点化できないステージは存在しない。
地形こそすべてまっ平らだが、背景その他に工夫が凝らされている。通常ステージが好きなプレイヤーも一度は試してみるといいだろう。
また、ステージ下部については宙に浮いているものと、下まで埋まっているものがあるため、完全に同じというわけではない。なお、5作目にあたる『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では、終点化すると必ず宙に浮いた形になる。
特徴
先述の通りステージとしてはそれ程広くもなく起伏もない、足場もない、障害物もない、という何もギミックがないステージである。特徴がないことが特徴だともいえる。
『X』ではネットワーク対戦でよく選ばれていたステージである。その理由は、上記のようにやくものや複雑な地形がないため、個々の実力が最も出やすいステージだと思われていたためである。
しかし特徴がないことが特徴としたが、実はスマブラにおいては次の弊害が少なからず出ているためそうとも言い切れない。具体例を挙げると
- 平坦とはいえ、比較的広めなステージ。単純に機動力のあるキャラが有利。
- しかしながら足場は一つだけなので、飛び道具の制圧力が大きくなり、このワザがあるかないかで有利不利が一変する。
- いわゆる「着地狩り」や「お手玉」をしやすく、それらに対抗しづらいファイターはより不利になる。
- 空中足場を利用したコンボやテクニックがあるファイターはそれを活かせない。
- 『DX』と『X』に存在する、「ねずみ返し」と通称される崖付近の特徴的な地形が、復帰能力の低いキャラや足場の真下に飛ばされたキャラをさらに苦しめる(『for』以降崖下の形状が調整されてこの点は改善された)
…と、やはりキャラクター性能から見ても決して終点が平等であるというわけではないし、逆にこのステージこそが本領を発揮できる、或いは戦場以上に有利であるキャラクターも少なくはない。
また、1on1ならともかく乱闘やチーム戦には向いていないステージでもある。
プレイヤーの操作性という側面ももちろんあるが、それ以前に明確な選り分がされてしまうのも事実であるということは頭に入れておきたい。詳しくは後述。
問題点
上記のように、このステージはオンライン対戦にて一定の人気があるが、そうした一方でファンの間では、Wi-Fi対戦で「終点」ステージでの戦闘に固執するユーザー(いわゆる終点厨)とそうではなくもっと色々なステージでの戦闘を楽しみたいユーザーとの間で激しい摩擦が起こっており、問題になっている。
原因については諸説あるが、要因の1つとして挙げられるのは、『X』における他のステージの「やくもの」が大味すぎること。
ステージがバラエティに富んでいるスマブラだが、プレイヤーをほぼ一撃で即死させてしまうようなトラップ(代表例が『X』における「ニューポークシティ」のきゅうきょくキマイラ等)が設置されていたり、地形が不安定で戦いづらかったりと一癖あるものが多い。当然それらを上手く利用するのも駆け引きのうちではあるのだが、変化が極端すぎたり運要素が強いギミックがあると「ステージに振り回されてて自由に戦えない…」というジレンマにも繋がる。もっとも、これも「最後の切りふだ」と同様、初心者でも上級者に勝てるように…という製作側の意向があってのことなのかもしれないが、自分の実力に関係しないステージギミックで強制的に1ミスさせられてしまうということに不満を抱いているユーザーも多い。こうしたことも何のギミックもない終点が好まれるという傾向を増長させてしまっていると言えるだろう。
本来、スマブラは他の対戦ゲームと比べて「4人+アイテム&やくもの入り乱れての乱闘」を主眼にゲームバランスの調整が行われているゲームである。豊富なアイテムや、ギミックが多数存在するステージが存在しているのもそのためである。しかし、その一方で、ユーザーの中には本作をガチな対戦格闘ゲーム(=アイテムや小細工抜きでの真剣勝負をしたい)と認識しているユーザーが多いのもまた事実。
「終点」における諸問題の数々は、ある意味開発側とユーザー側の認識の隔たりの象徴とも言えるだろう。
また、上記のとおり終点は決して公平などではないのだが、それを分かったうえであえて終点で有利なキャラを選び、終点を選択し続ける悪質な者も一定数存在する。
ユーザーの認識の他に『X』のシステムそのものにも問題があったといえる。
『X』では、Wi-Fi対戦のステージの決め方は投票で決定される(多数決で決められるという説もあるが、詳細は不明)ため、複数のプレイヤーが同じステージを選んだ場合、そのステージが優先されて選ばれるようになっている。つまり、4人中2人が終点を選択してしまった時点で、対戦ステージが終点に決定してしまう可能性が高くなってしまうということである。
公式からのコメント・対策など
公式でも終点がWi-Fi対戦で好まれやすいという傾向は把握しており、ディレクターである桜井政博もこのことをあまり好ましくは思っていないとの発言を残している。
また、桜井氏はファミ通のインタビューにて、「当時よりインターネット経営のノウハウが上がっているので次回作では対策を考えることでしょう。」とコメントしており、次回作では必ず何かしらの措置を取ることを明言している(実際、その後同氏が製作に関わった「新・光神話パルテナの鏡」では、オンラインプレイでのステージの選択について「毎回完全ランダムで、こちらからステージ名を確認することも選択することもできない」という本作に対する反省・改善点が見られた)。
『for』のネット対戦では対戦部屋が「ガチ部屋」と「エンジョイ部屋」に分けられ、前者はアイテムもなく終点のみ、後者はアイテムも選択でき、終点以外のステージが選出されるとしている(もちろん、フレンド間・3DSを持ち寄っての対戦では全てのステージ等を自由に選択しての対戦が可能である)。
また、先述通り既存ステージの構成を「終点」同様のシンプルな物に変更する事も可能になっている。
また、『SP』では全ステージの終点化だけでなく、戦場化も選択できるようになり、さらにアップデートで小戦場も追加されるなど、終点では不利なキャラクターでも対等にバトルを行うことが可能となった。
一方で、ガチ部屋とエンジョイ部屋は廃止され、自分の行いたい対戦形式に合わせて相手を探すマッチング方式が採用されている。
そしてステージギミックをOFFにする機能も追加されたことで、特に大会などでは適度な足場があるステージのギミックOFF状態も新たな対戦の場として使われるようになっている。
このように、現在では(作品ごとに方式は様々ではあるが)コアユーザーとライトユーザーとの間で摩擦が起こらないよう様々な調整が施されるようになっている。