ガチ部屋
がちべや
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』で採用された、インターネット対戦用システムの一つ。
前作の『大乱闘スマッシュブラザーズX』に引き続きインターネットを経由してのオンライン対戦が可能な今作だが、『大乱闘スマッシュブラザーズX』での「おきらく乱闘」では対戦時に様々な問題が生じていたことから、今作ではプレイヤーの好みに合わせた「部屋」が対戦においての選り分けとして導入された。
フレンド以外の「だれかと」対戦する場合で、このモードかエンジョイ部屋の2つの「部屋」から選択することができ、自分の好みに合わせたマッチングと対戦をすることが可能となる。
ガチ部屋の選択画面にはリンクとサムスの姿があり、デザインも荒々しいハードな世界観を醸し出している。
その先の形式選択も大乱闘にはリトル・マック、ゼロスーツサムス、シークが、1on1にはシュルクとルキナとリアル調のキャラが集っている。まさにガチ。
部屋 | ガチ部屋 | エンジョイ部屋では |
---|---|---|
ステージ | 終点または終点化ステージのみ | 終点以外でランダム |
アイテム | 出ない | 全て出現 |
戦績 | 勝ち数も負け数も記録 | 勝ち数のみ記録 |
人数 | 1対1が選択可能 | 必ず4人マッチング |
プレイヤー間の実力を最大限に試すような設定で当たるため、生半可な気持ちで挑めばほぼ確実に痛い目を見る筈であり、また実際そうなるほど上位プレイヤーが集う傾向にある。まさにガチ。
浮遊する足場やギミック、装飾などがまったく無い終点では、個々のプレイヤーの実力がそのまま反映されやすいと認識される傾向が高く、アイテム無しのルールと合わせて『大乱闘スマッシュブラザーズX』ではネットワーク対戦でほとんどの場合に選ばれていた。
しかし、ステージに多くのバリエーションが存在するスマブラにおいては選択されるステージが終点のみという状況を好まないという声は多く、そもそも終点自体スマブラ的に平等なステージとも言えないため(終点の記事参照)、不満の声も少なくはなかった。
また、最後の切りふだを含め、アイテムの是非を問う意味においてもユーザー間で摩擦が生じていたため、今回の選り分けは画期的なシステムといえる。
なお便宜的に「ガチ」という名称が使われているものの、スマブラは「多彩な状況に応じて戦い抜く」というコンセプトの元に作られており、終点で強いプレイヤーが真に強いプレイヤーとは限らない(事実、『大乱闘スマッシュブラザーズX』でのガチ勢は「終点」を除いても「戦場」や「すま村」といった、シンプルなすり抜け足場があるステージで遊ぶ傾向もあった)。
ガチ部屋は極めたプレイヤーのための部屋ではなく、あくまで数ある内のたった一つの遊び方でしかないという点に留意しておくべし。
とはいえ、今作ではほぼすべてのステージを「終点」化(前述のように足場やギミック、装飾などが無い状態に)することができ、ガチ部屋もバラエティ豊かな仕様に。
ところが…
通報機能は回数のみで判断される仕様で事実上全く機能せず、強さを表すレーティングも全く存在しないため、前作のおきらく乱闘のような馴れ合い・リンチが多発。
部屋も日本国外で分けられていないままなので、大きなラグも発生しやすい。
さらに『大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Wii_U』では名前欄を利用した煽り行為までもが発生し、状況はむしろ前作以上に悪化した。
この状況に対する対策も全くなされておらず、動画サイトには案の定リンチ潰し動画が投稿されている。
2018年2月のファミ通にて桜井政博は『モンスターハンター:ワールド』のオンラインを絶賛しており、『思い付くけど出せないゲーム』『似たようなことを自分の作品で実現しようと、過去何度も検討したことがあったものの、技術的な難しさから諦めた』とコメントしており、遠回しではあるが今の状況を確認済みでオンラインの問題行為を認識しているような発言をしていた。
次回作『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では世界戦闘力を元にマッチングを行うレート制の導入や、同じ地域に住むプレイヤーが相手になりやすいマッチングシステムなど、様々な形で改善がなされている。