「何だよ、このコンボ7割しか減らねーのか。安いな。」(キリッ
詳細
「死ななきゃ安い」を言い換えると、「体力がわずかでも残っているなら、まだ平気」という意味になる。格闘ゲームというジャンルは、体力がどれだけ減っていようと、一方的に攻撃に転じれば逆転が可能であるため、敵の大技を食らって自分が生き残った際、対戦相手に対して「死ななきゃ安い攻撃」と挑発の意味を込めて使う。
格闘ゲームにおいて、「安い」とはダメージが少ないことを指し、技を発動させるのに必要な必殺技ゲージ量・操作の難しさに反して、ダメージが低い・割に合わないことから生まれた言葉である。
「この大技を出すのなら、倒しきらないと割りに合わない」という意味でも使われ、相手に止めを刺すつもりでコンボを放ったにもかかわらず、相手が生き残ってしまった時にも使う。
由来
元々は、『ギルティギア』シリーズのとあるチップ=ザナフ使いが呟いたセリフが発祥とされている。当時において"安い"という言葉はダメージが少ないことを指しており、チップというキャラクターは、数ある対戦格闘ゲームにおいても屈指の紙防御キャラクターとして有名で、あまりの防御力の低さゆえにチップ限定10割コンボ(体力満タンから即決着がついてしまう連続技)が多数編み出されるほどであった。
それ故チップ使いの多くは連続技の始動技が刺さると敗北を覚悟するのだが、それが10割コンボでは無いと知ると、安堵からか「安いな」と口走る。たとえそれが9割減っていようとも。
時は流れて…
ところが昨今の『ギルティギア』においては「全てキャラクターに実用的な10割コンボが実装されており」、同時期には「一撃必殺技を連続に組み込める世紀末な格闘ゲーム」が登場したり、「一発食らえばタイムアップまで延々空中に浮かられせ続けられる戦国陸上な格闘ゲーム」までもが登場した。
1発でも喰らうと体力残量に関係なく(体力1耐えるアイテム持ってなければ)問答無用で即死するモードもこう呼ばれる事がある。
上記に挙げたこれらのゲームのように簡単に決着が付いてしまうようなタイトルが氾濫するに伴って自虐・ツッコミ待ちのこのセリフも意味合いが変化し、「KOの文字が出てない以上、勝負はついていないのだから、ここからいくらでも逆転の目はある」という一縷の望み的な合言葉として使われるようになった。さしずめ"肉を切らせて骨を断つ"のゲーム版といったところか。
ネットゲーム・ソーシャルゲームにおいて…
近年ではソーシャルゲームでもこの言葉が使われるようになってきている。特に有名なものは『艦隊これくしょん』であり、このゲームに登場する艦娘は敵の攻撃を受けて大破し、その後も撤退せずに進軍を続け、戦闘中に攻撃を受けて耐久値(HP)が0になると育て上げた艦娘は轟沈(ロスト)し、装備諸共手持ちの艦隊から消滅してしまう。
しかし、大破さえしていなければ決して轟沈することはなく、戦闘終了の度に艦隊の損傷具合を確認し撤退させるタイミングはちゃんと与えられる。一度撤退し、体勢を万全に立て直してからもう一度挑めばよい。
撤退後に艦娘を入渠させ回復させる資源コストこそ高くついたりするものの「艦娘や装備を失うのに比べればよっぽどマシな出費で済む」という意味でこの言葉が使われる。
格ゲーでの用法とは真逆の考え方と言える。
その後も『刀剣乱舞』等類似のシステムを持ったゲームの隆盛と共に範囲は拡大されて行き、公式で負傷時にこの台詞を口走るキャラクターも現れている。
もっとも刀剣乱舞には負傷すると攻撃力が上がるシステムがあり、どうも彼は格ゲーでの用法で言っている節があるが…?
もっとも、ここまで読んでいたらわかるとは思うが、あくまでこれは「例え体力的には瀕死の状態であろうとも万全に動くことができるため逆転の可能性がある。あるいは容易に安全圏まで離脱できるのために十分体勢を整えられて万全な状態で再挑戦できる」という状態であることが前提の言葉である。
現実に戦争等で起こりうるような「敵の武器によってこちらの四肢が吹き飛ばされて、瀕死な状態ではあるがぎりぎり生きてはいる」みたいな、もう取り返しがつかないような危険な状況に陥っているような状態では基本的に使われない言葉であることは留意されたし。
関連タグ
慢心、ダメ、絶対 帰ろう、帰ればまた来られるから (ロストがあるゲームでの用法)
明石家さんま……「生きてるだけで丸儲け」という似た意味の言葉を座右の銘にしている