三種の神器の方の八咫鏡はコチラ:八咫鏡
概要
ORB-01 アカツキに採用された特殊な材質の装甲。眩しいくらい光輝く装甲の正体は、ナノスケールのビーム回折格子層(ビームを層内部の格子構造で屈折させ、吸収させる層)と超微細プラズマ臨界制御層(吸収したビームを的確な位置に放出して目標に『反射』させるためにプラズマ制御する層)から構成される特殊なコーティング鏡面装甲であり、アカツキのM.O.Sにはヤタノカガミのビーム回折格子層と超微細プラズマ臨界制御層を調整する専用のプログラムが組み込まれている。
これらが合わさることで、直撃したビームを即座に屈折・反射する特殊な機能を持つ。敵の放ったビームを機体の表面で受け止め、「敵機のビームを相手にそのまま跳ね返す」や「敵機のビームを他の敵機への攻撃に使う」と言った芸当も可能としている。
反射可能ビームについては、通常のビームライフルはもちろん、ガナーザクウォーリアの「M1500 オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲」、バビの「MGX-2237 アルドール複相ビーム砲」、戦艦に搭載された主砲すら反射して反撃しており、果ては陽電子砲までも無効化できるほどであり、ビーム兵器に対しては無敵の強さを持つ(跳ね返し切れない高出力ビームを照射する陽電子破砕砲などは拡散に止まっているが、それでも規格外の防御力)。極めつけはC.E.75でのファウンデーション王国戦(『FREEDOM』)において、戦略兵器レクイエムのビームを反射し、レクイエムに被害を与えている。ただし相当な負荷がかかったようで反射後は装甲の各部が赤熱化してコーティングがほとんど剝がれ落ち、コクピットにもアラートが鳴り響くなど、規格外の出力のビームに対しては限界があるようである。
同作ではヤタノカガミでも防御できないビーム兵器としてマイティーストライクフリーダムの「EQM-Y148 収束重核子ビーム砲 ディスラプター」が登場しているが、これを除けば依然として全てのビーム砲撃は反射ないし拡散が可能という衰えぬ強力さを誇っている。
この装甲はビームに対しては無敵に近い反面、実弾兵器に対する防御能力については通常装甲と同程度である。もっとも、運用時期であるC.E.73年代ではビーム兵器が主流になっている事で、ヤタノカガミの性能が分からないまま敵機がビームで応戦する事が多かったため、劇中で実弾兵器に関してはさほど問題にはならなかった。PS装甲のような電力消費も無いので、余裕が出た電力を存分に兵装に回せるようにもなっている。
ビームサーベルなどの斬撃武器に対しては、C.E.73のオーブ防衛戦においてデスティニーが振るう「MMI-714 アロンダイト ビームソード」の斬撃でヤタノカガミを併せ持つシールドが真っ二つに切断されており、対艦刀などの高出力な物はヤタノカガミに対して有利な武器とされる。一方で、通常出力のビームサーベルまで有効かは不明となっている。デスティニーとの戦闘以降のアカツキは格闘戦による戦闘が無く、斬撃武器での被弾描写も無い。
ちなみに、デスティニーの「RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン」によって腕部を斬り落とされるシーンもあるが、こちらはヤタノカガミの無い関節部で被弾している。
本来はオーブ国防軍の制式MSとしてアカツキを採用する計画で開発されていたが、プロトタイプ1号機を建造した際に、アカツキ1機分の装甲でM1アストレイ20機以上が生産可能な程の高コストに跳ね上がってしまい、コストパフォーマンスに関して劣悪である事が判明している。その結果、プロトタイプ1号機を建造した段階で計画は凍結されて、制式採用は見送られている。
ビームの方向を変えると言う点で言えば、地球連合軍のフォビドゥン系統に搭載されたゲシュマイディッヒ・パンツァーを全身に常時展開しているようなものである。しかし、あちらは跳ね返す方向を敵機に変更して当てるための技術が非常に高いため、味方へ跳ね返すといった事態を起こしている。
黄金のコーティングについて
実機が黄金のコーティングを施したプロトタイプ1号機しか存在しないため、黄金以外のコーティングが存在するかは不明である。オーブ連合首長国および同国の国防軍において、黄金のカラーリングは「スペシャル機」「五大氏族用」の意味合いで強く根付いている。この事から、量産検討で2号機以降の開発が行われる場合、コーティングの色が変更されて黄金から外される可能性は高い。
余談
- ヤタノカガミの設定は、アカツキのオマージュ元である百式の黄金の装甲における「対ビームコーティングが施されている」という設定に起因する。こちらはあくまで気休め程度の効果でしかなかったとされ、ヤタノカガミのような明確に効果のある描写はなされなかった。
- 現実にも誘電体多層膜と呼ばれる、誘電体材料を用いた積層体が存在する。これは多層構造を活かして侵入してきた電磁波や粒子線(中性子線など)の反射率を高める、あるいは特定の波長のみを狙って反射するというもの(要は、層毎に少しずつ屈折・反射することで最終的にはほぼ全て反射しきるというメカニズム)であり、宇宙工学で用いられる高精度な光学センサーなどによく用いられる。一時的に層構造内にビームを保持した上で反射を行う点にてヤタノカガミと非常に似通っている。
- 現実には誘電体多層膜に限らず構造的に電磁波や粒子線を制御する技術は意外と多く、それらと比較すればヤタノカガミもそこまで奇想天外な技術ではない。
- 先述のように非常に高コストな事で知られる本装甲だが、劇場版において戦略兵器クラスのビームすらギリギリとはいえ跳ね返すという凄まじい戦果を見せたことから、視聴者からは「むしろ安すぎる」「せめてこれでシールドを作るべき」という声も上がっている。
- 装甲色が黄金という特徴から、以降黄金の機体に対してヤタノカガミが警戒されており、外伝作品で純金でコーティングしただけのグフイグナイテッドと対峙したモーガン・シュバリエがビーム兵器の使用を縛り勝手に苦戦したという一幕が存在する。
NEWガンダムブレイカー
ユイ「そのセリフ、そっくりそのままヤタノカガミでお返しするわ!」
ゲーム『NEWガンダムブレイカー』の登場人物、ミカグラ・ユイのセリフ。意味は「そのセリフ、そっくりそのままお返しする」であり、そのセリフにわざわざヤタノカガミを加えている。脈絡なくヤタノカガミが出てきたことに一部のプレイヤーからは不評だった。
Pixivでは
金ピカになったキャラクターのタグとして使われる事がある。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
フェムテク装甲:同じく『SEED』シリーズに登場する特殊装甲。こちらはC.E.75年に登場し、電力消費無しにビーム攻撃を無効化尚且つ艦隊の実弾等一定の実弾耐性を持つ。しかし、対ビーム性能については戦略兵器すら弾き返せるヤタノカガミに未だ軍配が上がるため、技術発展のスピードが早いCE世界においてどれほどヤタノカガミが異質であるかがうかがえる。もっとも、コスト面の問題を考慮すればどちらが扱いやすいかは言わずもがなだが。
空間磁力メッキ:SF作品の金字塔『宇宙戦艦ヤマト』の第1作の最終回で使用された、切り札なエネルギー反射兵装・システムで、この手の元祖や大先輩な代物。