概要
英語表記では、『The Legend of Zelda: The Wind Waker』
ニンテンドーゲームキューブで発売された「ゼルダの伝説シリーズ」のひとつ。
WiiU発売後にHDリマスターされている。
トゥーンレンダリングを採用した独特なグラフィックは、発売前から話題になった。直接の続編に『夢幻の砂時計』、世界を同じくする後の時代が舞台の作品に『大地の汽笛』がある。
ゼルダ世界の時系列としては、『時のオカリナ』で「時の勇者」らがガノンを封印した「7年後の世界」から更に遙かな未来にあたる。
ちなみに、『時のオカリナ』でリンクが子供時代に戻った後の世界につながる作品として、『ムジュラの仮面』、『トワイライトプリンセス』が続く。
特徴
グラフィック
「触れるアニメーション」をテーマに掲げ、トゥーンレンダリングを大胆に取り入れ、まさにアニメのようなグラフィックを実現している。
エフェクトからキャラクターに至るまで、画面に映るすべてがデフォルメされており、「風」は白線が流れるように表現され、「煙」は渦を巻くなど、戯画的とも言うべき独特な表現がなされる。
デザインや雰囲気自体も、以前のシリーズとは違い「アジア的」と言われる。これは猫目のような大きな目、文様、内陸でなく海を中心とする世界観などに起因する。
今作のグラフィックデザインは、このように従来のゼルダの伝説シリーズから非常に大きく方針転換されたため、当初はファンの間で賛否両論あったものの、後には携帯機向けゼルダの伝説シリーズにおけるスタンダードとなっていった。
表情
アニメ調で滑らかな動作、また大きな目の事もあり、登場キャラクターはとても生き生きしている。
喋らないリンクも豊かな表情で感情を表現している。
また何か行動できるオブジェクトを目で追うため、謎解きも分かりやすくなった。
音楽
民族音楽風のBGMが多い。
リンクの状況(敵から遠い・近い、HP満タン・減少等)でBGMの音色が増えたり減ったりする。
またリンクの攻撃が当たる度に効果音も楽器音である。
あらすじ
その昔、神々の力が眠ると言われた緑豊かな王国があった。
ところがそれを悪しき者に目を付けられ神々の力を奪われてしまい、王国は闇に包まれてしまう。
その時緑衣を纏った若者がどこからともなく現れ、退魔の剣を振るって悪しき者を封印し、王国に光を取り戻した。
人々は時を越えて現れた若者を「時の勇者」と呼び称え、彼の活躍は後世に語り継がれていった。
しかし時の勇者の活躍が伝説として語り継がれるようになった頃、王国に再び災いが起きた。
時の勇者に封印されたはずの悪しき者が蘇ってしまったのだ。
人々は時の勇者が再び現れてくれることを信じていたが、勇者が現れることはなかった…。
その後、王国がどうなったかは、誰も知らない。
『ハイラル王国と時の勇者』のおとぎ話が代々伝わっている、大海原に浮かぶプロロ島。
リンクが12歳の誕生日を迎えた日、突如島の外からやってきた大怪鳥が妹のアリルを連れ去ってしまう。
攫われた妹を取り返すためにリンクは海賊の少女テトラや、喋る船である赤獅子の王の助けを借りて大海原を冒険する。
…この冒険によってやがて亡き王国とその因縁を巡り、世界の命運をも左右する戦いに関わっていく事になるとは、まだ彼には思いもよらなかった。
登場キャラクター
主要キャラクター
- リンク:主人公。妹と祖母との三人暮らし。12歳になって緑の服を着させられる。
- テトラ:ヒロイン。海賊団のおかしらであり、勝気で男勝り。
- 赤獅子の王:今作の相棒である喋る船。リンクを導く。
- ガノンドロフ:敵役。封印から蘇った魔王。
- ゼルダ姫:かつて存在したハイラルの王女。実はとある人物と関係がある。
- ハイラル王:かつて存在したハイラルの国王。
- 時の勇者:御伽話で語り継がれる、かつて魔王を封印した伝説の勇者。
その他のキャラクター
etc...
登場装備・アイテム
※シリーズ全体の装備・アイテム達については『ゼルダの伝説シリーズの装備・アイテム一覧』を参照。
キーアイテム
風のタクト | 神の力を借りられる指揮棒。 |
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装備品
勇者の剣 | 赤シャチからもらった剣 |
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マスターソード | 退魔の力を宿した伝説の剣。 |
勇者の盾 | リンクの家に代々伝わる盾 |
ミラーシールド | 光をはじく事のできる盾。 |
勇者の服 | 「時の勇者の緑衣」を模した服。 |
正直者にしか見えない服 | 2周目以降に貰える?おばあちゃんのお茶目。 |
海賊のお守り | テトラや赤獅子の王と通信できる。 |
パワーリスト | 重い物を持ち上げられる。 |
勇者のお守り | 魔物の残り体力が見える。 |
アイテム
- オリジナル版とHD版の共通で登場
望遠鏡 | 遠くの物がよく見える。 |
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船の帆 | 風を受けて船を進ませる。 |
写し絵の箱 | 白黒写真が撮れる。 |
写し絵の箱DX | カラー写真が撮れる。 |
あきビン | 色々な物を入れて持ち運べる。 |
カギつめロープ | 枝などに引っかけられる他、海に沈んだ物を引き上げられる。 |
デクの葉 | 空を飛んだり、風を起こせる。 |
ブーメラン | 投げた後戻ってくる飛び道具。 |
バクダン | 爆発により色々な物を破壊できる道具。 |
勇者の弓 | 矢を発射する道具。 |
ハンマー | 物や仕掛けを叩く道具。 |
ヘビィブーツ | 強い風でも吹き飛ばされなくなる。 |
マジックシールド | 「魔法力」(HD版は「ルピー」)を消費してダメージを無効化する。 |
フックショット | 伸びて縮んで引っかける。 |
エサ袋 | エサが8個まで入る便利な袋。テリーのショップで手に入る。 |
エモノ袋 | 敵から手に入れたアイテムが入る袋。 |
配達袋 | 色々なアイテムが入る便利な袋。 |
- オリジナル版限定で登場
チンクルシーバー | チンクルに相談できる。 |
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- HD版限定で登場
主な舞台となる島
リンクの故郷。
タウラ島
大きな屋敷のある大きな島。
竜の島
リト族の里。
森の島
ダンジョン
竜の山のほこら
禁断の森
神の塔
魔獣島
大地の神殿
風の神殿
ガノン城
HD版について
2013年にWii Uソフトとして発売。
以下の特徴・変更点がある。
- GC版の640pからWii Uの1080pへグラフィックが向上。
- 狙いを定めたり主観視点の操作はジャイロセンサーに対応するようになった。
- GC版の会話・イベント時に表示されていたシネマスコープが省略されている。
- タクトを振るスピードが速くなった。
- 新たなアイテムの追加、変更。例として船をGC版の2倍のスピードで移動する事が出来る「快速の帆」の登場、チンクルから貰える物が「チンクルシーバー」から「チンクルボトル」に差し替えなど。
- 写し絵の箱DXに保存出来る写し絵の上限が12枚に増えた。
- 『スカイウォードソード』から登場した辛口モードが追加された。
あれこれ
オリジナル | HDリマスター版 | |
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機種 | ニンテンドーゲームキューブ | WiiU |
ジャンル | アクションアドベンチャー | 同左 |
発売日 | 2002年12月13日(金) | 2013年9月26日(木) |
希望小売価格 | 6,800円+税 | 5,700円+税 |
販売元 | 任天堂 | 同左 |
CERO | 全年齢対象 | A(全年齢対象) |
余談
RTAの種目としても独特の認知度を誇り、特にバグありの「Any%」部門は元来TASの技術として使われた超連打を人力で行うチャートが主流のため、世界記録やその付近の世界上位記録が優に1時間を切る。世界記録を狙う場合、特別なトレーニングを行わないと土俵に立てないため、もはやスポーツと呼んで差し支えが無いほどの過酷さを誇る。
3DS版・Switch版の『ゼルダ無双』では、下記のバトルステージが追加されている。
- 魔獣島:魔獣島・タウラ島・竜の島の一部などがミックスされている。
- 風と大地の神殿:風の神殿・大地の神殿の一部がミックスされており、フックショットで崖を登るショートカットが存在する。
漫画版『ゼルダの伝説 風のタクト リンクの4コマ航海記』
ゲームのストーリーを4コマ形式で描いている、ギャグ漫画。
双葉社からかつて発刊されていた雑誌ニンテンドーキッズに掲載。2003年に単行本が発売された。著者はÖYSTER(オイスター)。
基本的にリンクは喋らないが、稀に喋ることがある。
『風のタクト』のコミカライズはこの作品が唯一となるが、コミックでのストーリーは途中までのものとなっている。
関連動画
関連タグ
作品全体
前後の時系列(大人リンク勝利ルート)
「ゼルダの伝説シリーズ」タグ
その他
リルトの誓い:同じく「リンクがいなくなった世界のその後」を舞台とした漫画作品。
風タク:表記揺れ