概要
風のタクト
初登場の作品。竜の島で暮らしている。
過去作にも登場した水の民ゾーラ族が、幻想の海によるハイラル王国の水没から逃れるため、高山に避難し、空の精霊ヴァルーからの加護を得て現在の姿になったとされる。
外見は人間に近く、鼻に当たる部分が嘴のようになっている。平時は人間(ハイリア人)と同じような腕だが、ヴァルーから「ウロコ」を授かったリト族は腕を翼に変えて飛行できる。
メドリを除く全員が白っぽい髪の毛に浅黒い肌をしている。また作中で登場するリト族はメドリ以外全員男性のように見える(設定上種族として男女比の偏りが存在するのかは不明)。
作中世界では配達業で有名で、ストーリーでは序盤からポストマンのオドリーが登場。また、竜の島にたどり着いた後には族長の子供であるコモリ、そして彼のお守り役でゾーラの血を引くメドリが登場。メドリからはヴァルー様の暴走を止めるため、そしてマスターソードの退魔の力を目覚めさせるため力を借りることとなる。
名前は必ず「ト」もしくは「リ」で終わるようになっている。
ブレスオブザワイルド
久々の登場。リリトト湖の中にあるリトの村で暮らしている。リリトト湖は寒冷の山岳地帯であるヘブラ地方に位置しており、村では防寒着が売られている。
ブレスオブザワイルドのシリーズにおける時間的な位置は公式に明らかにはされておらず、『風タク』にて祖先という設定だったゾーラ族とも並存している等相違点があり、関係性は不明。
作中では「男は弓に、女は歌に秀でたリリトト湖に住む少数民族」と紹介されているほか、優れた飛行能力から「空の支配者」との異名を持つ。
顔や体つきなど、かなり鳥(特に猛禽類)に近い外見となっている。腕は鳥のように翼が生えているが指があり、翼を羽ばたかせて飛ぶことができるほか、器用に弓などの武器を扱うことができる。また、足は鉤爪がついており、空を飛びながら足で弓を持って戦うこともある。
『風タク』のリト族を嘴や翼のような鳥要素を持った人間とすると、今作は体型や手などに人間要素をもった鳥といったイメージか。
ワシ、タカを中心に、フクロウやオウム(インコ)など、さまざまな鳥をモチーフとしている。
吟遊詩人カッシーワが道中でたびたび現れ、古の伝説などを歌に乗せて教えてくれる。
100年前の英傑リーバルはガノンに対抗するため、鳥型の巨大機械兵器「神獣ヴァ・メドー」の繰り手として闘った。
本編ではガノンの怨念に侵食されたヴァ・メドーを元の姿に戻すため、リトの若き戦士テバと協力することになる。
この他、族長のカーン、テバの相棒である戦士ハーツ、テバの息子で戦士に憧れるチューリらが登場する。
リーバルを除くほぼすべてのリト族は、鳥の(食肉としての)部位や特定地域での呼び名などを基とした名前が付いている。(例 ハーツ:ハツ、ナズリー:砂ずりなど)
また現実の猛禽類と同じく魚や鶏肉が主食のようだ。
寒冷地に適応した厚い羽毛を持ち、生え替わりの時期の柔らかい羽を集めたベッドは極上の寝心地であるとのこと。一方暑さには弱い模様。
ティアーズオブザキングダム
ブレスオブザワイルドの続編となるティアーズオブキングダムでも基本的な設定は同じであり、ハイラル建国の時代でも独立した種族として存在していることが示されている。
本編では、村の周辺が異例の大寒波による猛吹雪に見舞われており、移動はもちろん食料の確保にも難儀するような状態となっている。リンクは、たくましい少年へと成長したチューリとともに、吹雪を巻き起こす謎の雲の中を調査することになる。
歌を得意とする種族ということから、前作でも古のできごとが歌や詩という形で伝承されている描写が多かったが、本作では「アマノトリフネ」にまつわるわらべ唄と詩が大きく関係してくることになる。
なお寒波の影響で、村に一番近い馬宿であったリトの馬宿が閉鎖したが、代わりに新しく立ち上げられた「シロツメ新聞社」によって買収され、社屋として使われている。このシロツメ新聞社の記者であるペーンとともに、各地のゼルダ姫目撃情報を集めるのも一つのミッションとなっている。
余談
青沼英二によれば、リト族は姫川明による漫画「ゼルダの伝説 時のオカリナ」下巻収録の短編『ワタララ族のローロ』に登場する鳥の種族「ワタララ族」に触発されて生み出されたとのこと(姫川明版『神々のトライフォース』収録の対談より)。
海を舞台にした風のタクトにおいて、人間よりも早く島々を移動して情報を伝えられる種族が絶対に必要と考え、そこで思い出したのが『ワタララ族のローロ』だったという。
ワタララ族は、リト族と同じく人間と鳥が混ざったような容姿をした種族で、大人になると腕に羽がはえて飛べるようになる。羽が生えないうちは親の背に乗って渡りをするという。
姫川曰く「番外編には新しい種族を出したいと思っていた。時のオカリナの種族で残っているのは、空を飛ぶ種族しかいない」との発想からワタララ族が誕生した。
ブレスオブザワイルドのリト族のほうが、ワタララ族に近い外見となっている。