解説
『ゼルダの伝説』シリーズに登場するモンスター。ゾンビのような姿をしており、こちらにゆっくりと歩いてくる。
海外版での名称は「Redead」(再び死ぬ者)。つまりスペル的にはリーデッドと呼ぶのが本来正しい。
制作陣もどちらの表記にするか迷っているのか、実は作品ごとにリーデッ『ト』とリーデッ『ド』で統一されていないという変わった特徴がある。
そのせいかpixiv内では両方のタグが使われているため、画像検索を行う場合はOR検索の機能の使用を推奨。
3Dゼルダでは倒れてから消えるまでやたら時間がかかることが多い。これは後述の「仲間の亡骸に集まる」という習性が関係しているのであろう。
また、「ドロップするルピーがおいしい」という点も共通してある(下記の通り、時オカの個体はやや事情が異なっており基本魔法のツボしか落とさないが)。
初出は3Dゼルダだが、近年では見下ろし型の2Dゼルダでの出演も増えて来ている。
攻撃方法
こちらを見つけると眼力や奇声で金縛り状態にしてくる。近づくとかっちりと組み付いて攻撃を行い、体力を減らし続ける。ボタンを連打して振りほどかないと死ぬまで体力を削り取られてしまう。
なお攻撃は、体力や血を吸っているのか噛み付いているのか締め付けているのか等は作品によってはゲーム画面だけではハッキリと分からず、具体的に何を行っているのか不明な為、そこがまた不気味さを引き立てている(ちなみに、「噛み付いて傷付けてから血を啜っている」説が有力らしい)。
基本的には弓矢やバクダンといった遠隔攻撃が一切通用しないため、倒すには近づかざるを得ず、返り討ちに遭うプレイヤーが後を絶たない。そのあまりの恐ろしさからトラウマにまでなるプレイヤーも多いようだ。
各作品ごとのリーデット
時のオカリナ
リーデットのデビュー作。序盤のカカリコ村の墓地で太陽の歌を覚えるために、間違いなく出くわすだろう恐怖。その後は井戸の底や闇の神殿等のそれらしい場所にも出現する。
7年後の大人時代に突入したストーリー中盤においては、時の神殿から飛び出した直後のハイラル城下町に大量に出現し多くのリンク達を驚愕、戦慄させた。幸い城下町の個体の奇声には金縛りの力はない為、のそのそ移動してる間にさっさと逃げよう。
下記のギブド共々同エリア内にいると、例え画面外でも(上記の奇声とは別の)低い呻き声を上げ続けるので、部屋に入った瞬間嫌でもその存在を察知することになる。奇襲を受けにくくなるのは有難いのだが……。
ザコモンスターのくせに異常に高いライフを持っており(コキリの剣8発分)、遠距離攻撃も爆弾も効かない強敵。戦わずに素通りすれば金縛りで動きを止められ、前述の大ダメージ必至で不気味な抱き着き攻撃をしてくる。これによりやっと操作に慣れたばかりのプレイヤー達の心をへし折って来た。
しかも複数のリーデットが一か所に集まっているところに入り込むとAの金縛り→金縛りが終わった直後に金縛りB→金縛りA・・・・・・と無限ループしてリーデットの抱き着き攻撃がほぼ確定する。
大人時代のマスターソードやデクの棒のロックオン斬りでは一撃で倒せる(無敵時間がなく背が高いせいか2ヒットする)他、ディンの炎もそこそこ効くので冷静に対処しよう。
太陽の歌を覚えた後は、それを奏でることで一定時間動きを止めることが出来る。使えるものは一通り試してみろという開発からのメッセージを持った敵ではあるが、初見のインパクトでトラウマを植え付けられたプレイヤーは多い。
また、実は太陽の歌以外にもフックショットで動きを止める事も出来る。但し、フックショットを撃ち込んだ場合はリンクの方がリーデットに引き寄せられるので心臓に悪い。更に当然ながら命中させた一体しか止められないので、それ以外の個体が近くに居た時には……。
一部ではこのフックショットでリーデットに飛びつく行為で何かに目覚め、リーデット・ダイブに謎の快感を見出す者もいるとかいないとか……。
他の場所では、カカリコ村及び(ダンペイレース含む)墓地の地下室や隠し穴などで見掛ける他、ガノンドロフ戦後のゼルダ姫と脱出するシーンでもなんと時間切れを狙うかのように最後の最後の通路に唐突に配置されており、ゼルダ姫を無視してリンクを襲ってくる。
意外なことにこの作品のリーデットは、リンクの存在を感知する条件が『音』である。リーデットの近くを走る・剣を振る・アイテムを取り出すとリンクの方を向いて金縛りと接近を行ってくる。逆に言えば、歩いて移動すると全く動かず攻撃もしてこない。直接触れる事すら可能なのでツーショットも取れる。うまく移動すれば簡単に背後を取ったり、予め剣を抜いておけばジャンプ切りの間合いに入り込める。最も、初見でこのホラー要素満載モンスターの性質に気づけた人は間違いなく変わり者だが。
仲間の死を悼んでいるのか、近くで仲間が倒れると消えるまで近くに寄り添う習性があり、この特殊行動中は完全な無防備で金縛りすらしない・・・・・・というかリンクを認識しない(ただしギブトはこの性質を持っておらず、仲間が倒れても一切動じない)。
習性・生態
上記の通り7年後のハイラル城下町は壊滅して町中リーデットだらけになっており、「かつての町人の成れの果てでは?」という疑惑がかけられていたのだが、当時発売されていた時のオカリナ百科では「封印されていた闇の魔物が生み出した存在」「もしくは闇の魔物と共に封印された存在」と語られている(デドハンド等も同様の出自らしい)。ちなみに、本当の町人達はカカリコ村に避難している為、多くは無事。
更には、後の時代に出た『大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Nintendo_3DS』のフィギュア説明文にも「正体はたまたま人間の形に似ている土くれの怪物」であることが明かされており、少なくとも本作では元人間ではないことが強調されている。
加えて、本作のリーデットやデドハンド含めた「主に井戸の底や闇の神殿で見掛ける魔物(フロアマスターなど)」は、「基本的に倒しても魔力の塊である魔法のツボしか落とさない」という傾向がある。その上、「元は人間(貴族)である」ことが示唆されている他作品のリーデットはドロップアイテムが前述の通り高額ルピーに変わっている為、尚更これらの説を補強する形になっている。
なお、今までも歴代シリーズに登場していたミイラのような魔物の「ギブド」も、本作及び次回作ではリーデットの亜種扱いとなっており、挙動が概ね一緒になっている。太陽の歌が弱点な点や魔法のツボしか落とさないのも同じ。
本作のしあわせのお面屋には棺桶の板で作られた「こわそなお面」という軽いリーデットごっこができるお面が置かれているが、次回作では対してギブドを模した「ギブドのお面」が登場している。
また、本作以降の「ギブドは登場するがリーデットが登場しない作品」においては、ギブドがリーデットのような金縛りや拘束行動を行ったり、リーデットの要素を含んだデザインになることも増えてきている。
ムジュラの仮面
今作では上記の「ギブド」の包帯の中身がリーデッドという設定になっており、ギブドを燃やすと現れる個体もいる。
基本的な仕様は時のオカリナと同じだが、割と終盤に登場するようになった為、プレイヤーにトラウマを与える役割ではなくなっている。
代わりにユーモアさが増し、イカーナ城とロックビルのリーデッドは特定のお面を装備している間は軽やかに踊るようになる。踊っている間は無害となり、こちらがいくら攻撃してもそのまま狂ったように踊り続ける。時オカで見られた「仲間の死を悼む行動」も踊っている間は行わず、リンクがお面を脱ぐまで踊りを優先して行う。
ちなみに、反応して踊るお面は悪霊または怨霊の類の物のみだけなので、間違ってもカマロのお面を付けて「こちらも踊りで対抗しよう」などと考えないこと。
このように見た目は愉快になったリーデッドだが、その実態はイカーナ城の(仮面)舞踏会に参加していた人々の成れの果てであるらしいことがゲーム内で語られる(イカーナの国王が「お前がもたらした光によって配下は為す術なく倒れた」と語ってくる場面があるのだが、その場面の時点でミラーシールドで倒せるイカーナ古城の魔物はリーデッドとフロアマスターだけである)。
「踊りだす」という行為も、生きていた頃を思い出してのことなのである。前作とは違い、元人間という設定があるだけに倒すのをためらわれる人もいるだろう。
またその設定を補強するかのように、今回はギブド(リーデッド)になりかけている人間も登場する。
ただ、舞踏会という割にはバレエとかコサックダンスとか無関係な踊りしか踊っていない。これがイカーナ貴族や兵士の流儀なのであろうか……。
特定の場所のギブドはあるアイテムで会話できるのだが、燃やしてリーデッドにしてしまうとエリア移動するまで会話できなくなってしまう。おまけに倒しても倒しても復活して襲い掛かってくる上、前述のように躍らせて無力化させることもできないため、尚のことトラウマになった人もいるのではないだろうか。こうなったらもう、エリア移動するしか対処法は無い。
本作では『太陽の歌を奏でると動きが止まる』という特性が姿を変えたのか、彼らを含めたアンデッド系モンスターにミラーシールドや光の矢で強い光を直接浴びせるとダメージを与えることができる(一部のモンスターは獲得出来るルピーの量も大幅に増える)。
ただ、フックショットも効かなくなっており、打ち込むとリーデッドは動けるままこちらだけが引き寄せられるという最悪の状況を引き起こしてしまう為、踊っていない状態での使用は注意。
風のタクト
ムジュラの仮面に引き続き、リーデッド表記。
カートゥーン調の絵柄でデフォルメされた風のタクトでも奇声とホールド攻撃は健在。攻撃方法は明確に噛み付きとなっており、顎がとんでもないぐらい開いてリンクの頭などを噛んでくる。
なお、ミラーシールドで光を当ててもダメージが入らずしばらく痙攣し出すだけになった。昼夜の唄も効かず、かぎづめロープも効かないがこの場合はルピーを落とす。
代わりに、リーデッドとしては珍しくバクダンでダメージを与えられるようになっている。
ストーリー上で基本的に出会うのはアンデッド系の巣窟たる大地の神殿。
その他には、トライフォースのマップが隠されているダレの島の別荘の地下室に2体登場するのだが、なにせこの別荘の場所が問題。
というのもこの別荘は誰も使っていない廃墟などではなく、ミセス・マリー先生という人物から島ごと主人公(リンク)に譲ってもらう土地であり、貰ったあとは島の名前も「(主人公の名前)の島」、名前をリンクにしていれば「リンク島」になる。
つまり、本作のリンクは地下室にリーデッドが2体も潜んでいる別荘を明け渡されたことになる。
なお、念の為マリー先生の名誉の為に言っておくと、彼女は「地下室に危険な魔物が住んでいる」ということを知ったまま他人に明け渡すような性格の人物では無い為、流石にその事実を知らないまま渡した可能性の方が高いであろう……。
時のオカリナ3D / ムジュラの仮面3D
64時代は目と口に穴の開いたハニワのような顔をしていたが、本作ではグラフィックが一新され、「ゾンビ顔のお面をかぶった痩せた人型の魔物」の風貌になっている。仮面の絵は歯茎が剥き出しになるなど、公式イラストに忠実な顔となった。
リメイク前の「洗練されていないポリゴンで描写された生気の無い姿」と、リメイク後の「解像度が上がり歯茎や肋骨などが鮮明に描写されるようになった姿」のどちらの方により恐怖を感じるかは、人によるであろう。
時オカの裏ゼルダにおいては表の時と同じダンジョンにいるのは勿論、なんと森の神殿の小部屋という大人時代のダンジョンの中でも割と早い段階で現れる。裏ゼルダの「被ダメージ2倍」はリーデットの拘束攻撃にも適用される為、十分に気を付けよう。
また、本命の井戸でも入口付近に待ち伏せていきなり襲ってくる他、最下層の地下3階では「まことのメガネ」の宝箱の前で5体が纏まって屯している。太陽の歌を必ず用意しておくこと。
なお余談だが、このフロアにはフォールマスターが落ちてくる為、リーデットに組み付かれた状態でフォールマスターに捕まるとなんとリーデットごと持っていかれる。
当然だが、再開後には組み付いていたリーデットはどこかに消えているので安心して欲しい。リーデットに襲われていた所をフォールマスターに助けられたように見えなくもない。
トライフォース3銃士
2D作品初出演。名前がリーデッ『ト』に戻った。
周囲に奇声を発した後に一番近くにいるプレイヤーに高速で近づき体力を減らしてくる。
また、泥のような姿になって動くこともできる。名称がリーデッ『ト』の作品では土人形の魔物で、リーデッ『ド』の場合では文字通りのゾンビの魔物なのであろうか。
知恵のかりもの
トレーラーPVにおいてその存在が発覚。名称はリーデッド。前作のギブドを踏襲したのかゲルド砂漠を彷徨っている。
本作の主役たるゼルダ姫は、置物をコピーして使用したり、魔物を操ることができる「カリモノ」能力を持っている為、はやくも本作の彼女のイメージが危機に瀕している。また、公式X(旧Twitter)においても「カリモノ」できる魔物の一例として紹介されている。
もっともアイテムの力を借りているとはいえ、同PV内でもゼルダ姫が岩(注:ゲーム表記では石)を投げているシーン等もあった為、こちらのインパクトは薄かったが……。
雄叫びの範囲がほぼ画面全体になっているため、複数現れるとプレイヤーはまったく身動きが取れなくなる。足は遅いが攻撃力が高い。接近戦で叫ばれる前に倒してしまうのも手だが、失敗すると手痛い目に遭う。
なお、馬に乗っている時もゼルダ姫がスタンしてしまうが馬は止まらないためそのまま操作出来る。
なお、時のオカリナとムジュラの仮面のリスペクトか、黒いギブドを燃やすとリーデットになる(白い方は普通に倒せる)。
トワイライトプリンセス(海外版)
海外版におけるギブドの名称が「Redead knight」になっており、ギブドではなくリーデット(リーデッド)扱いとなっている。挙動や見た目もそこはかとなく似ている為、初見は勘違いしていた人もいたのではないだろうか。
外部出演
大乱闘スマッシュブラザーズDX
アイテムコンテナから時たま現れる敵キャラの一体であり、1Pモード「アドベンチャー」のリンク面ではザコキャラとして出演した。
原作のように眼力でファイターを気絶させることはしてこないが、その代わりやたらとダッシュ力が高まっている。
こんなアグレッシブなリーデットさんは却って新鮮である。
攻撃としては不気味な声(原作程は不気味ではない)を上げながらファイターにしがみつき、締め付け攻撃を行う。
場所によってはリーデットが複数登場することもあり、袋叩きにされてしまうことも。
但し原作ほどの強敵ではないのでふっ飛ばしたリーデットがものすごい勢いで吹っ飛んでいく姿は結構シュール。
大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Nintendo_3DS
「フィールドスマッシュ」では敵キャラとして出演。
『DX』のような猛烈ダッシュはしてこないが、その代わり原作同様ファイターを気絶(シールドブレイク後のいわゆるピヨリ状態と同じ状態にさせる)させる能力が追加された。・・・但し眼力ではなく奇声によって、ではあるが(デススカル同様、叫び声を発するエフェクトが発生している)。
ファイターが気絶すると、ファイターに向かって歩み寄り張り手で攻撃してくる。見た目からは想像がつきにくいがなかなかのふっ飛ばし力がある。
但し動きそのものは緩慢な部類なので、そこそこ攻撃力がパワーアップしていればスマッシュ攻撃一発で倒せる上にアイテムも多めにゲットできる美味しい敵キャラと化してしまう。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
スピリッツで登場。ランクがNOVICEの割にレベル99のパワーが6500と高いが「ジャンプ弱化」のデメリット付きの上スロットが1なのでやはり使いづらい。
っつーかなんで憑依ファイターがミュウツーなんだか…。確かに背が高いわりに細身だけど(現実のミュウツーの体重は122キロあるんだけどとか言ってはならない)。
関連イラスト
関連タグ
リーデッド:表記揺れ……ではない