概要
タルミナ平原からも目視できる程の巨大な岩の塔。
イカーナ地方で立ち塞がる呪われし難攻不落の大要塞。
イカーナ王国は内部の「小さな争いの積み重ね」で滅んだというが、その元凶こそロックビルである。
作中では「何者かによってロックビルの扉が開け放たれた事が原因」とされ、暗黒の風が吹き出し、渓谷に暗雲をもたらして王国を滅亡へ追いやった。
その険しい構造から「数百の兵をして落とせなかった」と国王から語られている。
ロックビルを攻めた理由として敵対勢力の排除、開け放たれたロックビルの扉の封印などが考えられるが、これも詳しいことは不明という謎多き場所。
最終関門にして最難関ダンジョン
曰く「天才が作ってしまったダンジョン」。
イカーナ王国からロックビルへ入って頂上まで踏破した後、頂上にある神殿を攻略する流れとなっているが、ロックビルに辿り着く為の一連の攻略。および「ロックビルの神殿」はゼルダの伝説シリーズ全体を通しても歴代屈指の難しさとの呼び声が高い。
その難易度は総力戦や総決算。または卒業試験と呼ばれている。
現在までゼルダシリーズのダンジョンと比較しても「ロックビルが攻略できたなら歴代ゼルダのダンジョンは全て攻略できる」と称えられているダンジョン。
あまりの難しさからか、リメイク版では大幅に難易度が下げられているなど、前作『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に登場した「水の神殿」と並び、シリーズを代表する高難度ダンジョンの代名詞となっている。
難易度の理由として、『ムジュラの仮面』は攻略するダンジョンの神殿が4つしかない。
その為、前作『ゼルダの伝説 時のオカリナ』と比較するとイベントを含め全体的に難易度が高い。
さらに64版ゼルダは、ほぼ全てのダンジョンでノーヒント攻略が求められるので、なお難しさに拍車をかけている。
だが、それらを差し引いても異常な難しさと称するファンも多い。
「ロックビルの神殿」に関しては、登場以降さまざまなゼルダの伝説シリーズが発売されているにもかかわらず、歴代最高難度と考えるプレイヤーも多く、その印象は非常に強い。
ゼルダシリーズおなじみの「水のダンジョンは難しい」という認識通り、高難度だった「グレートベイの神殿」を苦労して乗り越えたと思ったらコレである(しかもグレートベイの神殿へ行くためのイベントも難易度が高く、ロックビルも無駄に難易度が高い始末)。
当時の子供がいかに絶望したかは想像に難くない。
ロックビルの評価はそれらの印象も強く影響しているのであろう。
ともかくとしてゼルダシリーズ屈指の最凶にして最高のダンジョンとしてその名を残している。
まさにプレイヤーが培ってきた経験。そして、鍛え上げてきたゼルダ脳の全てが試される。
余談(ネタバレ)
- 空と大地の逆転
ロックビルには天地が逆さまになるという仕掛けが存在するが、空想科学の一種として、時間の流れを操ることで引力を逆転させるというものがある。
基本的に人間は地球に引き寄せられることで大地に立ち、地球が回転しようと宇宙へ投げ出されないワケだが、この力は地上よりもビルの屋上など高度が高い場所のほうが時間の進行が早く、地上より高度が低い海底のほうが時間の進行が遅いという現象と関係して生じているのではないかという説である。
つまり人が大地に立つことで、空に近い頭部と大地に近い脚部では微細ながら時間差があり、上部ほど揺れの激しい積み木のようなアンバランスが起こるという考え方である。このアンバランスによって積み木は崩れ、時間の進行が遅い下へと導かれる、と。
反転したロックビルではよく見ると落ちてきた岩が空にぶつかって砕けるという異様な光景を目にすることになるが、ロックビルのカラクリとは、空に見えない何かを仕掛けることで内部に働く上下の時間の流れを変え、空と大地が逆転したように内部の者へ錯覚させているだけなのかもしれない。
しかし、これほどの強力な仕掛けを擁していれば、数多の兵力を投下しながらロックビルの攻略が成功しなかったというのも、なかなかに納得のエピソードである。