「オレの名は ガノンドロフ! 世界の支配者となるものだ!!」
解説
CV:長嶝高士
ゲーム『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に登場するガノンドロフであり、シリーズで初めて登場した「ガノンドロフ」でもある。
女ばかり生まれるゲルド族の中でも100年に一度生まれるという『男』であり、ゲルドの「王」になる資格を持って生まれた人物。育ての親は、双生魔道士ツインローバ。
人物
ゲルド族は砂漠に住む義賊であったが、ガノンドロフは力を求めるうちに弱者からの略奪や、時に殺人をも厭わない非道な「魔盗賊」となり、ついには「盗賊王」として君臨するほどとなった。
しかし彼はそれに飽きたらず、王家の秘宝を奪い、聖地のトライフォースを手に入れ世界の王になろうという野望を抱く。
冷酷な野心家で、哄笑や嘲笑を浮かべることが多い。一方でゼルダ姫の逃亡先を言おうとしなかったこどもリンクを「面白い。気に入った」と評するなど気概のある者は子供でも評価する。
この時はリンクを魔法弾で攻撃したが、軽く尻もちをつかせた程度に留め、それ以上手を出すことなく立ち去って行った。
7年後には逆立っていた頭髪を伸ばして後ろに流しており、赤いマントを身に着けるようになった。
活躍
当初はハイラル王家の家臣としてゼルダ姫の父ハイラル王に取り入り機会をうかがう一方、聖地に侵入するカギである精霊石を求めてデクの木サマやジャブジャブさまに魔物を取りつかせ、更にはキングドドンゴを復活させてダルニアに取引(脅し)を掛けるなど謀略を巡らせていた。
そしてリンクが精霊石をそろえたのと期を同じくしてクーデターを起こしてハイラル王を謀殺。直後にゼルダも殺そうとしたが、こちらはインパの抵抗により逃げられる。
その後、一度あしらったリンクを見逃すふりをしつつひそかに尾行。彼がマスターソードで聖地への扉を開いたのに乗じて聖地に侵入し、トライフォースを強奪する。
しかし力への貪欲さと支配欲に溺れたガノンドロフが触れたことで、トライフォースは伝説の通り、力・知恵・勇気の3つに分離し、ガノンドロフの元に残ったのはその一つである「力のトライフォース」だけだった。
その圧倒的な力で瞬く間にハイラルを征服すると、黄金の力を完全なものとすべく、残る勇気と知恵のトライフォースを手に入れるため、勇気のトライフォースと共に七年の眠りについたリンクの目覚めを待つ。同時に目覚めた勇者を泳がせ、いつか必ず彼の前に現れると見越して放置していた知恵のトライフォースの持ち主・ゼルダ姫を計画通りに捕らえる(こうした作中の動きからは彼の長年にわたる忍耐強さや、リンクやゼルダの裏をかく謀略の鋭さが読み取ることができ、「力」だけの単純な敵ではないことがわかる)。
しかし、リンクが事前にゼルダ姫から闇の力を払う光の矢を授かっていたことが災いし、大魔王は勇者の若者と知恵の姫の前に敗れる。最後の力でガノン城を崩壊させることで道連れを狙うも、これもまた二人に脱出され失敗。
だがガノン城の崩壊に勇者と姫が安心した次の瞬間、大きな音が鳴り響く。ガノンドロフは城の崩壊に巻き込まれながらも、まだ生きていたのだ。
力のトライフォースが制御できなくなった結果、おぞましい魔獣の姿へと変貌。
2足歩行で、2本の大剣による格闘戦で戦い、弱点は尻尾だが、マスターソードでしかトドメを刺せない。
しかしマスターソードはガノンの攻撃で場外に弾かれてしまうので、最初はメガトンハンマーやダイゴロン刀など、代わりの武器で攻撃する必要がある。
ガノンドロフが時の勇者リンクに敗れた後、崩壊したガノン城を舞台に最後の一線を繰り広げる。
リンクからマスターソードを弾き飛ばして一時優位に立つが、ゼルダ姫の力で動きを封じられ、最後はマスターソードによって額を貫かれ敗北。
それでも藻掻き苦しむだけで倒れなかったが、ゼルダの呼び掛けに応えた六賢者たちによって封印され、この世界から消え去った。
それでも野望を諦めることはなく、最後まで恨み言を吐きながら復活の時を待ち望むという執念深さを見せた。
余談
時のオカリナのガノンドロフは7年前の若さを感じる盗賊王ガノンドロフと、7年後のマントを身に着けて髪を伸ばした魔王ガノンドロフとで差別化がされており、ラオウのようなカリスマ的大物っぷりを発揮させたいというコンセプトのもとに描かれている。特に魔王としてのマントの動きなど演出には少々凝ったとのこと。だからスマブラでは剣を振るのではなく、拳で殴りつけてくるんですね。
また、ゼルダの世界線は主に3つに分岐しているが、いずれにしてもこの作品に出てくるガノンドロフを「子供時代に捕える」「封印する」「彼に倒される」の形で分岐しているので、ゼルダ史におけるキーパーソンであったりする。その為、これ以降の世界線に出てくるガノンドロフはほとんど同一人物である(中には偽物や彼の魂を取り込んでいるものもいるので全てが彼ではない)。
なお当初はコンプレックスを抱いている盗賊というイメージがあり、時のオカリナでは却下されたものの、これは後に風のタクトにて故郷の砂漠になかったものを求めた魔王のもう一つの顔として改めて描かれることとなる。
関連イラスト
(左が7年前、右が7年後)