刮目せよ…真の王の復活と その世界の始まりを!
CV:高口公介
概要
『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』におけるガノンドロフの姿。
本編作品における最後の出演が『トワイライトプリンセス』(2006年)のため、実に17年振りの登場となる(外部作品には出演している)。
顔は『トワイライトプリンセス』のものに近く、体付きはガノンドロフらしく筋骨隆々。髪型は後頭部で丸髷を作り、後ろ髪を一つ結びにしている。
服は『風のタクト』で纏っていた袈裟のようなものを着ており、下は動きやすそうなズボンを履いている。ゲルド族の模様が入った装飾品を有し、武器はシンプルなデザインの刀。
額の装飾品には紅く輝く勾玉がはめ込まれている。
シリーズにおいて初めてボイス付きで登場する(過去作では掛け声ばかりなので、明確にボイス付きで喋るのは今作が初)。
人物像
平和と光を嫌い、逆に闇と混沌の概念を尊ぶという危険な思想を抱いた野心家。
ゲルド族の王では飽き足らず世界の王になる野望を持っており、極めて傲慢かつ冷酷な暴君である。
自分より力のある存在を決して認めず、作中ではラウルに対して「貴様らが高みから見下し、当たり前のように独占していた神のごとき力(秘石)を手に入れた」と述べており、秘石の力を独占して優位な立場をもっていたゾナウ族に対して激しい怒りを見せている。
手段を選ばぬ策略家であり、例を挙げると
- 魔物の群れを用いた直接的な侵攻を退けられた後は、さらなる機会を狙うためラウルに忠誠を誓う振りをして懐に飛び込む
- 瘴気で作った偽ゼルダでソニアの暗殺を企てるが失敗。しかし、それにもすぐに対応してソニアを死角から殺害して秘石を奪う
- 現代でも偽ゼルダを使ってドレファン王を負傷させたり、ユン坊を洗脳するなどハイラル全土に誤解と混乱をもたらす
- 地上にある全ての武器に瘴気を纏わりつかせてほとんど使い物にならなくさせる
- 現代で秘石が安置された5つの神殿とマスターソードに通じる可能性のあるデクの木のいる迷いの森にそれぞれ強大な魔物を差し向け、その上で各種族をメタった方法で更なる妨害を仕掛ける
- いよいよリンクが目障りになったのか、偽ゼルダを利用して誘き出し抹殺を目論む。一方で自身は別の場所に身をひそめるという狡猾さ。なお、自身が表舞台に出なかったのは奪われた魔力を取り戻すのに時間が掛かるためと思われる
- ミネルが依代にする予定だったゴーレムを瘴気(魔物)で乗っ取りリンクに協力することを防ごうとする
- 後述の戦闘で秘石の力を解放した第二形態に移行した際は、無数の分身を召喚して確実に仕留めようとする
- 地底空間の大地に赤黒い根を張り巡らせてそこから分泌する瘴気で地底全体を汚染する
など、敵ながらその計画性の高さと搦め手の豊富さには目を見張るものがある。
反面、目の前の勝利を目前にした時に慢心する詰めの甘さや、追い詰められると自暴自棄になるという精神的な危うさを持つ。
能力
生物から無機物まであらゆる物質を侵食し脆化させる負のエネルギー「瘴気」を生成する能力が最大の特徴。
武器や矢に瘴気を纏わせる、瘴気自体を弾丸として放つ、ハイラル各地を瘴気で汚染する、魔物を作り出す、ゴーレムの機体を乗っ取るなど、応用の幅が非常に広い。
その瘴気の毒性たるや普通の人間では近寄るだけでも体調を崩し、旧マスターソードや英傑武器、ハイリアの盾を含むあらゆる武装を一撃で破壊するほど。
他の人間よりも身体能力の優れたリンクであっても直にその瘴気のエネルギーを浴びた右腕は朽ち果て、さらに全身に染み込んだ瘴気によって命に関わるほどの致命傷を負ってしまい、ラウルの魂の加護によりどうにか一命こそ取り留めたものの、それでも著しい弱体化を余儀なくされた。
つまり常人では対峙すら許されず、英傑であっても刃を交えれば武器を失い、勇者でさえ瘴気に触れれば膝を突いてしまう。
挙句、これらの対抗手段が復活したマスターソードとラウルの光の力しか存在しない。
魔物を生み出して使役する能力も備えており、当然ガノンドロフの軍勢も例外ではなく、過去には一般魔物の中で最上位種であるライネルを同時に三体生み出している。全盛期である封印戦争時代がいかに絶望的な戦いだったか想像に難くない。
なおムービーではガノンドロフが魔物を一から生みだしているように見えるが、公式設定資料集『マスターワークス』によれば魔物自体は古来から存在しており、ガノンドロフはハイラルに存在する魔物の元となる「邪」に闇の力を与える事で魔物の誕生を促し支配しているらしい。
また武芸にも長けた猛者で、六賢者とラウルを纏めて圧倒する戦闘力を持っており、その強さは、
- 風の賢者の翼を以てしても隙を突けないほどの疾さ、無尽蔵の魔力
- 炎の賢者の渾身の一撃も易々と弾く強靭さ、比類なき剛力
- 水の賢者の流水の護りも貫く苛烈さ、恐るべき俊敏性
- 雷の賢者の雷撃にも動じぬ頑強さ、揺るがぬ覇気
- 魂の賢者の全身を瘴気で侵すほどの猛攻
と評されている。
元々の身体能力も非常に高かったようで、秘石を持たない素の状態であろうと人一人くらいなら武器を使わず拳一つで殴殺できるほどの剛腕を振るっていた。
武術・知略・軍勢・瘴気・秘石・対抗手段の無さ。歴代のガノンドロフと比較しても非常に恐ろしい能力を持った、まさに魔王に相応しい存在と呼べるだろう。
作中の動向
過去
ゲルド族の中でも100年に一度生まれるという男であり、ゲルドの王たる資格を持った人物だった。だが砂漠の王程度では満足できず、ラウルが建国して間もないハイラル王国の侵略を目論む。
手始めにモルドラジークの大群をけしかけるが、ラウルと以下2名が秘石を用いて協力して放った光線によって一瞬で全滅に追いやられ失敗。遠目からその様子を見ていたガノンドロフは秘石の存在を確認すると同時に力尽くでは無理だと悟り、今度はその秘石を手に入れるべくとりあえず臣従の姿勢を見せてラウルの懐に入り込む。
とはいえ、この時にも既に絶滅寸前のゾナウ族そのものを煽るような不遜な態度だったため、時の賢者にはその名前もあって危険視されていた。
ラウルも彼の野心には感づいていたものの、彼を御するためとしてあえてハイラルの傘下に迎え入れられる。
しかし聡明な王でもガノンドロフを従えることはできなかった。
ガノンドロフは、ラウルの妻にしてハイリア人の王妃ソニアに狙いを付けたのだ。
まずは時の賢者の偽者を近づけさせ「大事な話がある」と言って二人きりの状況を作り、隙を突いて暗殺しようとする。
無論、この企みは既に見破られており、時の賢者の能力によって阻止され失敗。偽者の正体もソニアに見破られ消え去った。
だが、それも想定済みだったのか自身はすぐ近くに潜んでおり、二人が安堵した瞬間に死角から現れてソニアを殺害し、彼女の持っていた秘石を奪い取ることに成功した(この際のガノンドロフが見せた最早顔芸レベルの狂気的な笑みは必見。破顔大笑とはこのことである)。
そしてその邪心に呼応するように時の秘石は黒く染まり「闇」と読める模様が刻まれ、彼の肉体を悪鬼そのものの姿に変貌させたのだった。
現場に駆け付けて妻の亡骸を前に激昂したラウルも仕留めようとし、光の防壁で抵抗するラウルを追い詰めるが、時の賢者の持っていたプルアパッドのワープ機能で二人には逃げられてしまう。
封印戦争
「いでよ我が僕どもよ
与えられた力に驕り、この地を支配するハイラル王国と…
それに与する者どもを一匹残らず…
根絶やしにするのだ!!」
絶大な力を手にした後は、無数の魔物たちを生み出してハイラル各地の侵攻を始める。
これに対してラウルは各部族の有力者にも秘石を与えて彼らを賢者に迎え、中央ハイラル地下の神殿(現代の「神代の遺跡」であり、マスターワークスによるとかつては「光の神殿」と呼ばれていた)にてガノンドロフとの最終決戦に臨んだ。
だが既にその力は賢者たちが束になっても太刀打ちできないほど強大化しており、ラウルを含めた全ての賢者を容易く圧倒して彼らを追い詰め、魂の賢者のミネルに至っては瘴気の侵食によって肉体に致命的なダメージを受けてしまった。
しかし、4人の賢者たちが各々の武器を投げつけ、時の賢者がその時を巻き戻すという連携によって一瞬の隙が生じ、ラウルに接近を許してしまう。
迎撃しようとするも間に合わず、ラウルの右腕を胸に打ち込まれ、心の臓を縛り、魔力を抜き取られる形で封印が行われる。
自分はいずれ復活すると嘲笑うガノンドロフだが、ラウルは
「悠久の先… 貴様を討つものが必ず現れる
退魔の剣を持つ剣士… リンク
この名を忘れるな」
と言い残す。
次の瞬間、ガノンドロフは封印され、同時にラウルも絶命したのであった。
そしてガノンドロフの体は地下深くに埋葬され、その封印をより確実にするための要石として、かの地の真上にハイラル城が建設されたのだった。
ちなみにこの形態となったガノンドロフにはあらゆる攻撃が通じず、当時の賢者たちでも傷一つ付けることはできなかったという。ラウルが封印という選択を選んだのもこれが原因である。
物理的な攻撃は一切通じず、長期の封印による老いでもガノンドロフは死ななかった。最早倒す手段はないかと思われたが……。
復活後(物語冒頭)
そして時は流れて現代へ。
100年前に厄災ガノンが復活した際に要石たるハイラル城が損傷。そこから徐々に封印が緩んで行き胎動を始める。そして100年後、最初は瘴気をわずかに発する程度だったが、やがてそれも地上に染み出すほど強く大きくなっていった。
そして、物語冒頭にて調査にやって来たリンクとゼルダを前に封印の楔でもあったラウルの腕が外れたことでミイラの姿のまま復活を果たした。
復活と同時にゼルダに瘴気の魔手を伸ばし、それを庇ったリンクの右腕とマスターソードを侵食させる。これによりリンクは全身を瘴気に蝕まれて大幅に衰弱・弱体化、さらに右腕は朽ちてしまい、マスターソードも刃が砕けることとなってしまった。
この後のイベントではラウルから「リンクの右腕が朽ちて命に関わる事態であったため、急遽自分の腕をリンクに移植する事にした」という説明があるため、ガノンドロフはこのシーンで既にリンクへ致命傷を与える事に成功しており、ラウルの機転が無ければそのまま死亡していた模様。
ラウルから伝え聞いた勇者の他愛なさに「我が瘴気で砕ける退魔の剣では役に立たない」「ラウルの言う勇者も所詮この程度か」と侮蔑すると、瘴気の奔流でハイラル城を押し上げ、その際に生じた崩落に紛れて姿を消した。
時を同じくして各地で天変地異が発生。大地にはいくつものの深い穴が開いて瘴気が染み出し、天空には無数の島々が出現した。
容易くマスターソードを砕いたガノンドロフだが、その刃の破片が彼の頬を僅かに傷つけたのをゼルダは見逃さなかった。
「マスターソードなら魔王に通用する」とゼルダに気づかれてしまい、後にこれが最大の敗因となる。
以後はハイラル城の深穴の底に潜み、静かに力を蓄えて復活の時を待ち続ける。
しかし、それまで大人しく沈黙しているような男ではなかった。
自分に対抗するであろう新たな賢者の誕生を防ぐため、各部族が住んでいる地方にある賢者の神殿にフリザゲイラ、ボルドゴーマ、オクタコス、クィンギブドといった強大な魔物たちを送り込んで秘石を守らせ、魂の神殿にあるミネルが依代にしようとしたゴーレムも瘴気で乗っ取り、さらに各地域に天変地異を起こさせ各部族を全滅させようとしていた。
それ以外にも分身のファントムガノンを偽ゼルダに化けさせて各地に派遣し、彼女を通して世界の情勢を見て探りつつ不利益に繋がるもの(遺跡など)を隠蔽しようとし、更にはリンクが神殿の魔物を全滅させると彼をハイラル城に誘き出して直接その命を狙うなど、圧倒的な計画性や残虐性が見て取れる。
戦闘
各地を巡って5人の賢者と盟約を結び、更には再生したマスターソードを取り戻したリンクは、コーガ様との戦いから魔王の居場所がハイラル城の地底最深部であることを知り、本拠地まで乗り込むこととなる。
ただし各地の異変の調査やマスターソードの入手、コーガ様の撃破など行わずとも、場所さえ知っていればいきなりここまで来ることもできる。
ラストダンジョンは、瘴気の動脈 ⇒ 神代の遺跡 ⇒ 封印の跡地 ⇒ 瘴気満ちる魔窟 ⇒ 瘴気の源流(最深部)という5段構えとなっている。ただしダンジョンとして長いのは瘴気の動脈だけで、後は最深部まで通り抜けるだけとなる。
最深部まで到達すると軍勢として大量の魔物を差し向けられる。だが同時に賢者たちが到着し、共に戦うこととなる。
戦う順番は、ボコブリン軍団&ボスボコブリン ⇒ リザルフォス軍団 ⇒ ギブド軍団 ⇒ モリブリン軍団となる。
囲まれると回避が難しいため、常に距離を保つ意識を持とう。またケムリダケやコンラン花があればかなり楽になる。
そして全ての魔物を撃破すると魔王までの道が開けるのだが、なんと同時に今までに倒してきた神殿ボス5体が一斉に復活。全員の前に立ちはだかる。
だが各地の異変を解決している場合、賢者たちが足止めしてくれるので戦闘にはならず、リンク一人でガノンドロフの元へ向かうことに。
しかしメインチャレンジで各神殿のボスやハイラル城のファントムガノンを倒していない場合、倒していないボスと連戦となる。
魔王ガノンドロフの軍勢 ⇒ フリザゲイラ ⇒ ボルドゴーマ ⇒ オクタコス ⇒ クィンギブド ⇒ 奪われしゴーレム ⇒ ファントムガノン
という、最大7連戦の直後にガノンドロフ本人と戦うこととなるため、ストーリーを無視して来てしまうと大苦戦を強いられる。
魔物の群れが強力な武器や素材を落とすので不安があれば拾っておこう。ただし奪われしゴーレム戦で消滅してしまうため、クィンギブド戦が終わるまでに拾っておくべし。
第一形態
「これより この地をあるべき姿に戻す」
「世界は我が統べる 我が定める」
「…それこそが王である」
まずはミイラから人間の姿へと再生したガノンドロフと対決。
過去作を彷彿とさせる一騎討ちの勝負であり、瘴気の剣、金棒、槍、弓を定期的に使い分けてくる。
攻撃後は即座にバックステップで距離を取り、ヒット&アウェイ戦法を主として攻撃してくる。
特筆すべき特徴として、こちらの弓以外の攻撃を高確率でジャスト回避し、そのまま反撃してくる。プレイヤー側の強行動を敵も持ち出してきた形になり、これまでの敵との格の違いを感じさせる演出である。
セリフも豊富で、回転斬り時などに「終わりだ」、リンクダウン時に「そんなものか」「小手調べにもならんな」等のボイスをちょくちょく差し込んでくる。
- 剣
リンクが近くにいる場合はその場から、遠くにいる場合は高速で接近しながら、袈裟斬りと唐竹割りを使い攻撃してくる。
袈裟の場合は後方、唐竹の場合は左右にジャスト回避を狙おう。
ファントムガノンと比べて攻撃のタイミングが若干違うので注意。
大技として、時々力を溜めて強力な回転斬りを放ってくる。近くにいると危険なので落ち着いて後方に回避しよう。
回転斬りの直後は周囲の地面が瘴気となるので注意。
- 金棒
近くにいる場合は薙ぎ払いで攻撃してくる。剣と同様に回避でジャストを取ろう。
ただし剣よりも攻撃動作が遅いのでタイミングには注意。
遠くにいる時は飛び上がって金棒を叩きつけてくる。攻撃時に周囲に衝撃波が発生する。
こちらはタイミングを見て左右にジャスト回避しよう。
大技として、時々力を溜めて金棒を振り上げ、直後に勢いよく叩きつけてフィールド全体に衝撃波を発生させる。さらに少しの間フィールドが瘴気で完全に覆われる。
振り上げている間に上昇気流が発生するため、パラセールで飛び上がれば回避できる。
- 槍
素早い突き攻撃を繰り出してくる。振り回しての攻撃はしないため、左右への回避を徹底すればよい。
大技として、槍を突き出しながらリンクに突進をしてくる。3回連続で行ってくる他、地面も瘴気に覆われる。
回避は少し難しいため、ひたすら走って逃げるのも手。
- 弓
ガノンとの距離が大きく離れていたり、パラセールなどで滑空している場合、弓を使った攻撃に移行する。
リンクに対し瘴気弾3発を正確に放ってくる。盾への攻撃力も異常なため、走るなどして回避を。
第二形態
「久しい感覚だ」
「血が沸き肉が躍る…そして体の隅々までが更なる力の解放を渇望しておる……」
「幕引きの時間だ」
「今度は腕だけでは済まさぬ」
第一形態戦を終えると、秘石の力を解放し、かつての七賢者たちと戦った魔王の姿になる。
この際、主の力を倍加させる秘石によって体力が2倍に増える他、4体の分身を召喚し数の暴力でリンクを容赦なく倒そうとする。
戦闘開始から徐々に賢者たちが駆け付けるので、分身の様子を見つつ、防御、または逃げに徹するのが得策だろう。
攻撃方法自体は第一形態とまったく変わらないため、落ち着いて使っている武器を確認しつつ回避できるようにしよう。
分身はゆっくりと歩いて近づいて来るが、本体だけはダッシュで突っ込んで来る。囲まれるのが怖いなら弓矢を構えて突っ込んで来た本体の頭を狙おう。
ちなみに戦闘開始直後は分身全てがリンクを狙っているため、全員がじりじりと彼に向かってくる。固まっててくてく歩いてくるガノンドロフの群れはなんとなくシュール。
第三形態
体力を半分にすることに成功すると、ガノンは分身の魔力を取り込み、本気中の本気を見せつけてくる。
まず凄まじい瘴気による衝撃波をお見舞いし、賢者たちを全員吹き飛ばして戦闘不能にさせる。そして再度リンクとの一騎打ちとなる。
攻撃はさらに苛烈になり、リンクを誘導する瘴気弾を3発打つ、リンクを囲むように瘴気弾を放つ、瘴気の衝撃波を放つ攻撃を追加。
ガノンドロフ直々に発せられる瘴気弾は従来の回復不可では飽き足らず、被弾しようものなら、ハートを減衰どころか完全に消滅させる。
さらにこの瘴気攻撃に武器攻撃を当てると、全ての武器は一発で破壊され、盾で防ぐと耐久が1にまで減らされる。これは圧倒的耐久値を誇るハイリアの盾すら例外ではない。長引けばジリ貧に陥るので早期決着をつけたい。
しかしこの瘴気攻撃は、マスターソードでのみガノンドロフに打ち返すことができる。
ラッシュに頼らない貴重なダメージソースなのでできるだけ狙いたい。ゼルダによって強化されたマスターソードに同じ手は通用しない事をガノンドロフに教えてやろう。
そしてこの形態になると、こちらからの通常攻撃はほぼ100%の確率でジャスト回避される。
そのためジャスト回避することでラッシュに持ち込める…と思いきや、なんとこの形態のガノンドロフはこちらのラッシュ攻撃にすらジャスト回避してくる。
直後の反撃を再度ジャスト回避することで、ようやくラッシュを決めることができる。
さらに武装を付けていない盾弾き動作や、弓集中でない状態のヘッドショットを高確率で防いでくる。
ガノンドロフの攻撃をジャスト回避からのジャスト回避返しにジャスト回避返し返し、若しくはこちらから攻撃して相手にジャスト回避させ、それをジャスト回避返しにジャスト回避返し返しからのジャスト回避返し返し返しの流れが基本となる。
盾によるジャストガードでも怯ませることができるが、この形態になると盾への攻撃力が非常に高くなるので、高耐久を誇るハイリアの盾ですら数発の攻撃で粉砕されてしまう。盾を構えるにしても予備を多く持って行った方がいいだろう。
プレイヤースキルにもよるが、ガノンドロフ討伐難易度はここまでどれだけ寄り道・事前準備したかで大きく変わる。
ガノンドロフは攻撃モーション中にジャスト回避をしないので、最大強化した防具(攻撃力アップが望ましい)、サンサン・チカラ料理によるブーストをすれば延々密着してゴリ押しで勝つことも可能。
ハートを消滅させる瘴気攻撃は防具に関わらずハート1個分なので、回復こそ封じられるが火力面では非常に低いと言える。ハートの最大値が多いのならば逆に楽になるかもしれない。
そして見事に体力を全て削り切ると、自分がたかが1人の人間の戦士に追い込まれたという事実を受け止めきれず、そしてある禁じ手を使い…… (リンク先ネタバレ注意!)
余談
- 前作で登場した厄災ガノンとの関係については作中で示唆されていたものの、決め手となる情報がなくファンの間では長らく関係性を議論されていた。これについては後に発売された『マスターワークス』により、「魔王の本体は封印されているものの、ラウルおよびハイラル王国に対する強い怨念は長い長い年月の中で「厄災」と呼ばれるものを生み出したようだ」という発表がされ、議論は収束を迎えた。
- なお、ブレスオブザワイルド版マスターワークスの時点では「ガノンは長き時の中で理性を失い厄災ガノンとなった」と記述されていたが、実情は異なっていた(メタ的に言えば設定に変更があった)ようだ。
- ウツシエは第一形態・第二形態・最終形態と3つとも個別に図鑑登録される。ウツシエで作ってくれるマモノ人形にも対応しているが、やたらとかっこいいポーズが多いのでマニアは狙ってみるのも面白いかもしれない。
- ビジュアルが発表された際、その魔王からかけ離れた装飾や何かを憂いている様な目線から「ゼルダやリンクと共闘するのでは?」と考察されていた(実際、前作にて壁画に描かれていた古の勇者の姿が今作のガノンドロフとも似ていた事も考察を加速させていた)。が、蓋を開けてみれば歴代でも最悪の強さと外道さを兼ね備えた文句無しの悪役として凄まじいインパクトを残した。
- 彼の行動理念については描写が少なく、なぜ彼が「ゲルド族によるハイラルの支配」ではなく「魔族の支配する闇の世界」を望むに至ったかは不明。
- 「力への飽くなき渇望」「世界の支配が叶わぬと悟るや否や、自我すら捨ててハイラルを滅ぼそうとする」等と、まるで憑りつかれたようにひたすら支配と破壊を求めている節があるため、ガノンドロフの前世と思しきとある存在の怨念が人格形成に影響を与えているのではないかという見方もある。
- 前作『ブレスオブザワイルド』では「高すぎる技術力を疎まれハイラル王国から追放された」とされていた古代シーカー族だったが、ハイラル城の本丸地下に巨大な部屋を築いたり、外周の地下にガーディアンを格納する古代柱を埋め込んでいたりと、関心や備えが明らかにハイラル城地下へと向いていた事が窺える描写が存在していた。
- そして本作でガノンドロフがハイラル城地下に封印されていた事が判明したため、「真の追放理由は、シーカー族が発掘調査などによって魔王封印を意図せず破ってしまうリスクを恐れれたからではないか」と推測するプレイヤーが現れ始めている。
- 作中で巫女服の偽ゼルダに化けているのはファントムガノンだが、劇中の描写からして喋っているのはガノンドロフのようである(偽ゼルダの台詞の途中でガノンドロフの声に変化するシーンがある)。つまり「リンク…早く来て…」みたいなセリフも全部声真似ということである。これのせいで一部のユーザーにはネカマとか女装とかバ美肉おじさんとか言われてしまっている。
- 作中に登場する同時代のゲルド族やハイリア人はすべからく長く尖った耳をしているが、ガノンドロフのみ何故か丸い形状の耳をしている。これについて『マスターワークス』では、神と対立することを運命づけられていたからではないかという説が唱えられている。
- 補足すると、ハイリア人の耳が大きいのは神の声を聞くためであるという伝承があり、ゲルド族にもハイリア人と婚姻を結んできた結果近しい容姿になったとされている。
- 本作ではゲルド族の長としてのガノンドロフがハイラル王国に恭順し、後に離反し征服を目論む姿が描かれているが、これは『時のオカリナ』におけるガノンドロフの行動のセルフオマージュであると思われる。
- また、第2形態移行時にはリンクへ向け指を曲げる挑発を行うが、この動作は2000年に任天堂がスペースワールド(同社のゲームイベント)で公開したゼルダの伝説の技術デモムービーのオマージュではないかという意見もある。
- ゼルダ史におけるガノンドロフ及びガノンは基本的に『時のオカリナ』をルーツとした同一人物であるが、本作では同一人物であるかは不明である。
- というのも、『ティアーズオブザキングダム』と『時のオカリナ』のガノンドロフを同一人物とすると、大きな矛盾が生じる事になるのである。
- 『ブレスオブザワイルド』はハイラルの歴史における最後の物語であり、『ティアーズオブザキングダム』はその遥か昔のハイラル建国時代が描かれている。『時のオカリナ』がハイラル建国時代以前であればガノンドロフはリンクやゼルダ、マスターソードの知識を有する筈であり、ハイラル建国時代以降であればラウルの手によって封印されている期間の筈。したがって本作のガノンドロフは、『時のオカリナ』『4つの剣+』以来の新たなガノンドロフである可能性が高いと考えられている。
- その他にも本作はゼルダ史における時のオカリナ以降のどの時系列としても矛盾する描写が多く、『スカイウォードソード』から直接続く新たなルートや、3つの世界線が収束した世界という考察もあるほどであり、公式による続報が待たれるところである。
- というのも、『ティアーズオブザキングダム』と『時のオカリナ』のガノンドロフを同一人物とすると、大きな矛盾が生じる事になるのである。