概要
長い歴史を持つ『ゼルダの伝説』シリーズで悪役を務めるガノン(またはガノンドロフ)だが、作品によって別人、あるいは異なる容姿で登場している。
こちらの記事では「ゼルダ史」に基づいて出演作や作品ごとの設定について詳しく説明する。
(そのため、作品発売順で確認したい場合は「ガノン」または「ガノンドロフ」の記事を参照することを推奨。)
各時代でのガノンまたはガノンドロフ
伝承の時代
スカイウォードソード
ガノンやガノンドロフ本人ではないものの、その原点といえる存在が登場する。
個別記事はこちら⇒リンク先ネタバレ注意
時のオカリナ
「オレの名は ガノンドロフ! 世界の支配者となるものだ!!」
初登場作品。『ガノンドロフ』というキャラクターの設定が明確化された作品でもある。育ての親は、双生魔道士ツインローバ。
女ばかり生まれるゲルド族の中でも100年に一度生まれるという『男』であり、ゲルドの「王」になる資格を持って生まれた人物。
ゲルド族は砂漠に住む義賊であったが、ガノンドロフは力を求めるうちに弱者からの略奪や、時に殺人をも厭わない非道な「魔盗賊」となり、ついには「盗賊王」として君臨するほどとなった。
しかし彼はそれに飽きたらず、王家の秘宝を奪い、聖地のトライフォースを手に入れ世界の王になろうという野望を抱く。
冷酷な野心家で、哄笑や嘲笑を浮かべることが多い。一方でゼルダ姫の逃亡先を言おうとしなかったこどもリンクを「面白い。気に入った」と評するなど気概のある者は子供でも評価する。
この時はリンクを魔法弾で攻撃したが、軽く尻もちをつかせた程度に留め、それ以上手を出すことなく立ち去って行った。
こういった面は後述の風のタクトでも見られている。
当初はハイラル王家の家臣としてゼルダ姫の父ハイラル王に取り入り機会をうかがう一方、聖地に侵入するカギである精霊石を求めてデクの木サマやジャブジャブさまに魔物を取りつかせ、更にはキングドドンゴを復活させてダルニアに取引(脅し)を掛けるなど謀略を巡らせていた。
そしてリンクが精霊石をそろえたのと期を同じくしてクーデターを起こしてハイラル王を謀殺。直後にゼルダも殺そうとしたが、こちらはインパの抵抗により逃げられる。
その後、一度あしらったリンクを見逃すふりをしつつひそかに尾行。彼がマスターソードで聖地への扉を開いたのに乗じて聖地に侵入し、トライフォースを強奪する。
しかし力への貪欲さと支配欲に溺れたガノンドロフが触れたことで、トライフォースは伝説の通り、力・知恵・勇気の3つに分離し、ガノンドロフの元に残ったのはその一つである「力のトライフォース」だけだった。
その圧倒的な力で瞬く間にハイラルを征服すると、黄金の力を完全なものとすべく、残る勇気と知恵のトライフォースを手に入れるため、勇気のトライフォースと共に七年の眠りについたリンクの目覚めを待つ。同時に目覚めた勇者を泳がせ、いつか必ず彼の前に現れると見越して放置していた知恵のトライフォースの持ち主・ゼルダ姫を計画通りに捕らえる。
こうした作中の動きからは彼の長年にわたる忍耐強さや、リンクやゼルダの裏をかく謀略の鋭さが読み取ることができ、「力」だけの単純な敵ではないことがわかる。
7年後には逆立っていた頭髪を伸ばして後ろに流しており、赤いマントを身に着けるようになった。
しかし、リンクが事前にゼルダ姫から闇の力を払う光の矢を授かっていたことが災いし、大魔王は勇者の若者と知恵の姫の前に敗れる。最後の力でガノン城を崩壊させることで道連れを狙うも、これもまた二人に脱出され失敗。
だがガノン城の崩壊に勇者と姫が安心した次の瞬間、大きな音が鳴り響く。ガノンドロフは城の崩壊に巻き込まれながらも、まだ生きていたのだ。
力のトライフォースが制御できなくなった結果、魔獣「ガノン」へと変貌。
ツノが頭から生えており、豚やイノシシというよりはどちらかというと牛に近い。
2足歩行で、2本の大剣による格闘戦で戦う。
弱点は尻尾だが、マスターソードでしかトドメを刺せない。
しかしマスターソードはガノンの攻撃で場外に弾かれてしまうので、最初はメガトンハンマーやダイゴロン刀など、代わりの武器で攻撃する必要がある。
ガノンドロフが時の勇者リンクに敗れた後、崩壊したガノン城を舞台に最後の一線を繰り広げる。
リンクからマスターソードを弾き飛ばして一時優位に立つが、ゼルダ姫の力で動きを封じられ、最後はマスターソードによって額を貫かれ敗北。
それでも藻掻き苦しむだけで倒れなかったが、ゼルダの呼び掛けに応えた六賢者たちによって封印され、この世界から消え去った。
と、ここまでがゲームで描かれた内容である。ハイラルヒストリアによれば、ここから三つの歴史に分岐するとのこと。
即ち、
- ①「時の勇者が帰還した歴史(勇気のトライフォースを持つリンクがクーデターを未然に防いだ時代)」
- ②「時の勇者の伝説が語り継がれた歴史(リンクが元の時代に帰った後、知恵のトライフォースを持つゼルダが地上に残された時代)」
- ③「時の勇者が敗北した歴史(力のトライフォースを持つガノンドロフが勝利した時代)」
という風に分岐する。
①時の勇者が帰還した歴史
トワイライトプリンセス
「時のオカリナ」のリンクがガノンドロフを倒して元の時代に帰り、ゼルダ姫にこれから起こることを告げてクーデターが阻止された歴史(勇気のトライフォースを持つリンクが帰還し、ガノンドロフのクーデターを未然に防いだ時代)。
謀反が発覚したガノンドロフは砂漠の処刑場で賢者たちにより処刑が行われるも、リンクが勇気のトライフォースを宿したまま帰還した事でこの時代の聖地にあるトライフォースに影響が及び、力のトライフォースが自身に宿った事でそのパワーで激しく抵抗。賢者の一人を殺害するが、残る賢者たちの手でかろうじて影の世界へと追放された。
影の世界をさまよっていた自身の怨念は、現地の野心家であり同じく失意のままにさまよっていたザントに宿り、彼を利用して光の世界を攻め、賢者の剣とハイラル城を奪い拠点とする。
戦闘ではまずゼルダの肉体に憑依し、続いて魔獣ガノンに変身。
ライオンとイノシシを組み合わせたような四足歩行の猛獣のごとき姿が特徴で、異空間を出入りしながら突進攻撃を繰り出してくる。弱点は腹。
シリーズとしては異色で、魔獣形態がラストバトルの最終局面に位置せず、この後に本来のガノンドロフに戻っており、プレイヤー(リンク)は平原でのゼルダと共闘しての騎馬戦、最後の一騎討ちと続く。
最後はリンクによってマスターソードに貫かれ、「これが、光と闇の血濡れた歴史の始まりと思え!」という呪詛の言葉を吐きながら果てた。
この時間軸では死亡したものの、後の時代である4つの剣+で新たなガノンドロフとなって転生している。
4つの剣+
魔の邪器トライデントを手にするために風の魔神グフーを復活させた黒幕として登場。
元々はガノンドロフという人間であったが、このガノンドロフは『トワイライトプリンセス』で死んだガノンドロフが生まれ変わったものである。
一人称は「俺」で気性が激しく、哄笑を上げたりリンクやゼルダを下に見た言動を取る。
怪物のガノンとしての姿は、後述の『神々のトライフォース』や『ふしぎの木の実』、『初代』などとほぼ同じデザイン。
攻撃はトライデントからの雷攻撃や魔法弾。神トラで見せた無敵移動も行う。
グフーが倒れ風の塔の崩壊が始まり、リンクとゼルダは階下へと落下。そこで邪気の集合体を見つけたゼルダが封印を試みるが、これこそが真の黒幕であるガノンであった。
ガノンは「つまらん……!」と一蹴し、逆にゼルダを捕らえてしまう。そして巨大な豚の怪物として実体化し、リンクたちにトライデントの猛威を振るう。
しかしダメージを受けたことで力が弱まりゼルダに脱出される。激怒したガノンは、リンクたち諸共ゼルダも始末するべく再び襲い掛かる。
死闘の末、ゼルダが放った光の玉とそれを貫いたリンクの光の弓矢の直撃を受け敗北。動けなくなったところをフォーソードに封印されたのだった。
②時の勇者の伝説が語り継がれた歴史
風のタクト
「時のオカリナ」にて大人リンクに敗れ、七賢者たちに封印された後の歴史の物語(知恵のトライフォースを持つゼルダ姫だけが地上に残された時代)。
長い年月を経て封印を破り復活を果たすが、人々の願いに応えた神々によってハイラルごと海に沈められ封印された。しかしまたしても長い年月を経て自力で封印を破り再度復活。賢者たちを殺害してマスターソードの退魔の力を封印すると、沈んだハイラルの復活のためトライフォースを再生させようと企み、魔獣島を拠点として魔物たちを指揮し、大怪鳥ジークロックを使役してゼルダ姫を探していた。
「時の勇者」の活躍がはるか昔の伝説になった時代が更に進み、もはや神話として語られるようになった現代…という永い時が経過した故に本人も年老いた姿となっている。
最初の復活後は勇者不在で敵無しなハイラルで暴れまわるも、神が入れてきた横槍によって強引に封印させられて挙げ句に欲しかった世界はほぼ水没。再復活後は既にハイラルも自身の悪行も遠い昔のおとぎ話になってしまった海ばかりの世界で「ハイラルを取り戻す」為に暗躍を始めるというかつてハイラルの征服者を目論んでいた時代とは真逆の、そして奇しくもかつてのリンクやゼルダと同じ境遇となってしまうなど何をやっても挫かれ翻弄されるような半生を送っている。
加えて勇者がいれば邪魔されて野望は達成出来ず、勇者がいない場合に野望をなし得ても上位存在に出しゃばられ無理矢理ちゃぶ台返しをされるという「邪魔が入る入らない以前に、最後はひっくり返される運命で、策を弄して必死に努力しても無駄」という事例を(ハイラルを海底に没収される最悪のオマケつきで)突きつけられたのは流石の彼も思う所があったようで、大きな野望を抱く悪人かつ全ての黒幕という点でこそ他作品と違いはないが、言動の節々からは自身の運命に疲弊した様子を感じさせられ、どこか哀愁漂う人間味の強い人物としても描かれている。
そのような意味では何の因果か「トワイライトプリンセス」の古の勇者に近い人物像となったと言える。
また、「過去の人物」という描写もされており、当代の勇者たちとは大きな世代差(文明そのものの差異)から善悪といった価値観以前に常識自体が根本的に異なっていて、時の勇者とは別の形で相容れない間柄となりそれを自覚して言葉を選んでいるような節もある。ちなみに同じく過去の人物であるハイラル王には明確に敵対視される一方で、豊かだった過去のハイラルに未練を持つ者という共通点を持ち、ある意味では最大の理解者とも言える関係だった。
最終局面では、ゼルダ姫の正体に気付き捕らえる事に成功。彼女を助けに来たリンクと対峙した際は、野心を抱くに至った己の生い立ちを振り返り、「故郷の砂漠の風は昼であれ夜であれ死を運ぶ。だが、ハイラルに吹く風は違うものを運ぶ。ワシはこの風がほしかったのかもしれぬ」と述べた(彼の風のたとえをいまいち理解出来ない島育ちの現代っ子であるリンクの訝しげな表情が何とも言えない)。
そしてトライフォース所持者が再び一堂に会した事に不思議かつ複雑な縁を感じている様子を見せた上でリンクを強襲しねじ伏せるが、「案ずるな、殺しはせん」と告げ勇気のトライフォースを奪い取るだけに留める。そしてついにトライフォースを揃え、悲願のハイラル復活とその支配が眼前に見えた…と思いきや、トライフォースの「初めに触れた者の願いを叶える」という特性(揃えるのは資格ある者でなければ出来ないが、願いを叶えるのは資格の有無を問わない)を待ち伏せていたハイラル王が利用、先に触れて「過去の地ハイラルの永遠の封印、そしてリンクとゼルダの光り輝く希望の未来」という願いを叶えた事で、一転して大魔王の野望は完全に潰える事となった。
若かりし頃聖地に侵入しトライフォースを強奪しようとした盗賊王が最後の最後でそのトライフォースの願いを横取りされるという因果応報、己が望みを絶ったのがよりによって自分と同じく過去のハイラルに執着していたハイラル王(過去にすがり己の為に復活させようとする元侵略者、後進の未来の為に滅ぼすべきだと悟った元統治者という対比)であり、その代わりに叶えられたのがかつて自身の封印の為に水没させられ滅茶苦茶になった世界の未来と希望というこれ以上無い残酷で皮肉な末路。
三度の敗北にて遂に全てを失ったガノンドロフは、どう足掻いても叶わない野望とその運命に呆れ果て疲れ果ててしまったのか、怒り猛るのでも嘆き悲しむのでもなく狂ったように哄笑。
ひとしきり笑った後、ハイラル王の決断に対し「(神に滅ぼされたも同然の)こんな世界と勇者たちに未来などあるものか、バカげている」と力なく吐き捨てるも、当の子供たちは「笑うんじゃない」と自身を否定し、消えてゆく過去の地を去って自分たちの世界である海へ帰ろうと未来を見据えていた。
もはやガノンドロフにできるのは、彼らがトライフォースによって得た新しい未来を背負うに相応しいのか試し見届ける為に越えるべき過去の存在として立ち塞がる事だけだった。
力強く疾く、加えて老練されているゲルド流の二刀流の剣技での死闘の末、二人のトリックプレイにより動きを封じられ、その間隙を突いたリンクのマスターソードで遂に額を貫かれる。
沈みゆくハイラルを背に風の勇者たちがもたらした一陣の風に「フ、フフ…風が…吹いて…おる…」と呟き、力尽きる。討ったリンクが悲しげでやるせないような表情を浮かべていたのとは対照的にその最期はどこか穏やかであり満足げでもあった。
そしてガノンドロフは石となって役目を終えたマスターソードの台座と化し、子ども達の希望を確かに感じ取り未来を託したハイラル王と共に再び海の底へと沈んでいった。以降、この時間軸にてガノンドロフの復活は有り得ないとされる(たとえ復活したとしても本人のモチベーションが皆無であろう)。
色々な意味で往年の彼らしくないなんとも切ない最期ではあるが、これにより後述する三者の輪廻を断ち切る事になったのではないかとファンから推測されており、それが正しいなら風のタクトのガノンドロフは現状における唯一のハッピーエンドと呼べる世界線の立役者となるのかもしれない。
ちなみに「ガノン」ではなく「ガノンドロフ」がラスボスとして登場した最初の作品である。
(ガノン自体は登場しないが、ガノンの姿を模した傀儡人形の魔物クグツガノンが登場。ちなみにハイラル城地下のステンドグラスには、『時のオカリナ』の六賢者と共にガノンの姿が描かれている。)
③時の勇者が敗北した歴史
神々のトライフォース
死闘の末にガノンドロフがガノンとなり、時の勇者に勝利した歴史(力のトライフォースを持つガノンドロフが勝利した時代)。
盗賊団を率いる頭領であり、またの名を魔盗賊ガノン。聖地の入り口を見つけ、血で血を洗う闘争の末に勝ち残りトライフォースを手にした。
「世界を我が手に」という願いによって聖地を闇の世界へと変貌させ、更にはそこにいる者たちをトライフォースの呪いによって動植物に変身するようにしてしまった。ガノンドロフもブタのような魔獣「ガノン」になっている。
やがて力を蓄えたガノンは、ハイラルがある光の世界への侵攻を目論む。
ガノンの邪気はハイラルへと押し寄せ、欲深い者たちを闇の世界へと引き寄せる。更にハイラルの空を暗雲が覆うなど各地で異変が起き始め、事態を重く見た王は7人の賢者と騎士団(ナイトの一族)に悪の原因を封じるように命令する。
そこで賢者たちは、伝説の剣マスターソードとその使い手を探すことを考えた。
トライフォースは善悪を判断せず願いを叶えるという性質を持つ。つまり邪悪な存在がトライフォースを手にする可能性もあった。
それを危惧したかつてのハイラル人たちは、神のお告げに従ってマスターソードを鍛えた。その剣はトライフォースをかどわかす魔を撃退でき、真の勇者にしか扱えないとされていた。
しかしマスターソードもその使い手も見つけ出せず、やがてガノンの邪気は王宮まで迫り、騎士団と悪しき者たちとの壮絶な戦いが引き起こされた。
だが七賢者の盾となったナイトの一族の犠牲によって闇の世界の出入り口は封印され、魔盗賊ガノンの陰謀は阻止されたのだった。
これが後世に語り継がれる「封印戦争」の結末である。
ちなみにこの時の戦いで、ナイトの一族は賢者たちを守るべく殆どが命を落とし、現代においてはリンクしか生き残りがいない。
諦めの悪いガノンだが元の世界に戻る方法がわからず、また自身の力では封印を破れずにいた。
そこで一計を案じたガノンは、光の世界にいる司祭アグニムに憑依し分身として暗躍させ始めたのだ。
ハイラル各地の災いを鎮めさせ、救世主として王の信用を得て接近。城に入ったところで本性を現し、ハイラル王を殺害し、兵士たちを操り、ゼルダ姫を始めとする七賢者の末裔たちを拉致させた。
目的は、七賢者の血を引く娘たちを生贄に捧げることで鍵として利用し、賢者の封印を解くこと。これによってハイラル城に闇の世界への道を築くことに成功する(用済みとなった娘たちはクリスタルに閉じ込められ、配下の魔物たちに与えられた=闇の世界のダンジョンに幽閉されている。ガノンを倒せばクリスタルから解放されるとのことなのでガノンが閉じ込めたようだ)。
だが通路としてはまだ狭いためガノンが通り抜けることはできなかった。そこで司祭アグニム(に憑依したガノン)は根城である「ガノンの塔」に結界を張り、道が開くのを待つことにした。
しかしリンクによって娘たちは救出され、塔の結界を破られたことで乗り込まれてしまう。アグニムが倒されると抜け出し、コウモリに変身して逃走。しかし閉ざされた世界では逃げ場などなくピラミッド内部へと着地。リンクとの死闘の末に討たれ、今度こそ彼の野望は阻止されたのだった。
なお、闇の世界にいるはずのガノンがどうやって光の世界にいるアグニムに憑依したのかは不明である(神父が序盤に「司祭は魔物に憑依されている」と口にしている)。
この矛盾を考慮してかメディアミックス版では設定が変わっている。
闇の世界に足を踏み入れた者はガノンによるトライフォースの呪いを受け姿形が変わってしまうが、ムーンパールと呼ばれる宝玉で聖三角の呪縛を防ぐことができる。
最終決戦ではトライデントをブーメランのように投げたり、火の鳥を飛ばすといった攻撃を仕掛ける。銀の矢がなければ攻略は不可能のように思えるが、別になくても倒せる。
と、このように、時のオカリナよりも先に発売されたため、時のオカリナのガノンドロフとは設定が若干異なる。
なお「ガノンドロフ」という名前がゲーム中に登場したのは発売順では本作が初。
封印やら結界やらそれっぽい単語が出るので誤解されがちだが、ガノンは闇の世界から出られなくなっただけで封印(身動きが取れなく)されたわけではない。
漫画版では設定が変わっているため混同に注意。
まとめると封印戦争=時のオカリナでの戦いということなのだが、何分にも神トラの方が先に発売された関係で設定が変更されている。
古代の石盤
神々のトライフォースから6年後を描いた続編。ラスボスとして登場。一人称が「ワシ」になっており、やや老人風の口調である。
設定が変わっており「ガノンはリンクが持つマスターソードの力で封印された」ということになっている。しかし封印されたのは肉体だけであり、邪悪な気までは封じられなかった。やがて“ガノン”の姿を象ったガノンの気は、異世界にいる光の勇者(プレイヤー)をハイラルへと呼び寄せる。
その力を奪うことで今度こそ世界を征服するために。
闇世界の残滓であるガノンの塔に潜んでおり、ゼルダ姫によって謎を解かれ塔までの道を切り開かれる。塔の入り口を守っていた結界もマスターソードによって破られ、主人公に塔の内部へと乗り込まれ最後の戦いを演ずる。
激戦の最中、主人公の力を褒め称え、それを奪えば世界征服を果たせると狂喜するも敗北。自ら引き寄せた存在によってガノンは討たれ、歪んだ野望は挫かれた。
なお「神トラの戦いでガノンは封印された」という設定は、神々のトライフォース2にも反映されている。
夢をみる島
↑上記絵の中央のモヤの魔物
ガノンそのものは登場しないが、ラスボスの変身形態に『神々のトライフォース』のガノンを模した形態がある。これ以外にもアグニムやデグテールなどにも姿を変える。
ふしぎの木の実
神々のトライフォースの戦いで倒されたガノンだが、双子の魔女ツインローバは聖なる生贄であるゼルダ姫を依代にすることで復活させようとする。手始めにゴルゴンには「嘆きの炎」を、ベランには「滅びの炎」を集めさせた。そしてついには「絶望の炎」までともし、総仕上げとしてゼルダ姫を拉致した。
しかしディンとネールに導かれたリンクが祭壇まで乗り込んで来たためツインローバ自らが応戦。敗北した老婆たちは、自らを生贄にすることでガノンを復活させた。だが不完全な状態で召喚されたため、知性をもたない魔物になってしまった(聖なる生贄が欠けていたためか、邪悪な力が暴走した状態になってしまった)。
『神々のトライフォース』と似て非なる見た目で、結構な巨体になっている。トライデントや魔法弾での攻撃がメインとなっているほか、空間を捻じ曲げてコントロールを逆にすることもある。
リンクとの一騎討ちによって倒され跡形もなく消滅。ツインローバの陰謀は阻止された……と思われた。
神々のトライフォース2
↑※上記絵の上段に居る魔物
『神々のトライフォース』から遠い未来を描いた続編。設定が代わっており、ガノンは倒されたのではなく封印されたことになっている。
ガノン自体は『ふしぎの木の実』とほぼ同じ見た目であるが、今作では利用される立場に置かれており意思なき存在として描かれている。
ロウラルの司祭ユガがトライフォースに触れようとして3つに分裂した際、力のトライフォースが封印状態のガノンに宿ってしまう。このためユガによって召喚され、力のトライフォースを求めるユガに取り憑いた(飽くまで人格はユガ)。ヒルダ姫によって封印されるが、このままでは倒せないためリンクは勇気のトライフォースの欠片を集める旅に出る。
合体後の「ユガガノン」の行動はトライデントや魔法弾など元のガノンと共通するものが多い。これが本作のラスボスとなる。
ゼルダの伝説(初代)
CV:不明(BSゼルダの伝説、加藤精三が有力視されているが、声が加工されているため特定不可能)
シリーズ発売順的には初登場。
小国に攻め込んで力と知恵のトライフォースを奪い取ろうとした。しかしゼルダ姫によって知恵のトライフォースを8つに分割されて隠されたため力の分しか奪えなかった。怒ったガノンはゼルダ姫をデスマウンテンの迷宮に幽閉する。
トライデントは持っておらず、姿を消した状態で部屋を動き回って魔法弾を放つという行動パターンとなっている。迷宮内の雑魚戦は複数同時に相手をする分、攻撃が苛烈を極める為、単体で戦うガノンの方が攻撃の手数が少なく、アッサリ倒せるため拍子抜けする。ガノンを倒してトライフォースを取り戻した後は、ゼルダを救わずに迷宮から出る事も可能。
リンクの冒険
『初代』において死亡し灰と化したため直接の登場はない。
ただし「ガノンを倒した者の血」を捧げることで復活するため、各地の魔物はリンクを葬りその血を入手するべく躍起になっている。
ゲームオーバーになるとガノンが復活してしまった旨のメッセージが表示され、ファミコン版では彼のものと思われる笑い声が響く。
海外版のみ、ゲームオーバー画面にシルエットが登場する。
①②③のどれにも該当しない、または時代不明
ブレスオブザワイルド
作中では「厄災ガノン」(たんに「ガノン」とも)と呼ばれる。魔獣ガノンのそれに近い非常に禍々しい異形の姿となり、その怨念は具現化してハイラル城やハイラル各地に泥のように染み付いている。
肉体はおろか自我や知性までも完全に失われており、もはや人であった頃の面影は全くなく、禍々しい怨念の塊として描写される。
後述のティアーズオブザキングダムにガノンドロフ本人が出演しているが、現状厄災ガノンとガノンドロフの関係性については断定することができない。
詳しくはこちらを。
ティアーズオブザキングダム
ブレスオブザワイルドの続編に当たる今作ではハイラル王国の地下遺跡に胸の部分に謎の手が食い込んだミイラらしきものを発見。
このミイラにいくつかの特徴的な点がガノンドロフの特徴と合致していたためこれがガノンドロフのミイラなのではないかと考察されていたが、トレーラー3rdとその後に公開されたツイッターにて、ついにガノンドロフ本人であることが確定し、完全復活を遂げたことが明らかになった。本編作品で『ガノンドロフ』としての姿で登場するのはトワイライトプリンセス以来。トワプリの発売日が2006年であるため、実に17年ぶりである。
詳しくはこちらを。
ゼルダ無双
使用武器:大剣(二刀流)・トライデント(3DS版追加武器)
シアを陰で操っていた真の黒幕としての登場。
何気に「ガノンドロフ」としてはトワプリ以来の登場である(それ以後だとスマブラへの出演のみ)。
大剣による二刀流をメインに、闇の力で戦う。
プレイヤーキャラクターとしても登場し、レジェンドモードでは後半のガノンドロフ編で彼を操作することになる。加えて、DLCでは魔獣ガノンを操作できるモードも追加。
ゲームの仕様上、最初はレベル1の状態で操作することになるのだが、圧倒的なパワーで相手をなぎ倒していく様は圧巻。
誰が呼んだか、ガノンド呂布。
「無双」では原作が直接関わったためか剣技の他に巨大な魔力の弾を放ったり闇の巨大な手を呼び出し敵を薙ぎ払う、必殺技の電撃攻撃などスマブラシリーズでは現在でも再現されていない「魔法も使い戦う戦士」という本来の彼の特色が強調されている。
大昔に魂を四つに分けられ、三つは異世界に、一つはマスターソードに封印されていた。だが思念体となって復活すると、勇者リンクに執着するシアに憑依して『善』の心を追い出し、シアの中に居座る。そして密かにシアを操りながら魂のかけらを回収させた。
3つまで回収したところでガノンドロフとして不完全ながらも実体化。リンクたちに撃退され用済みとなったシアからトライフォースを奪うべく襲い掛かる。
しかし勇気と知恵のトライフォースをどこかへ飛ばされ、更に自身も強制転移によっていずこかへ飛ばされてしまった。
本来なら3つのトライフォースの力で封印結界を解除するつもりだったが、リンクがシアに対抗するためにマスターソードを引き抜いてしまったため、最後のかけらの封印が弱まり魔王として完全復活を遂げる。リンクとシアが戦う中、漁夫の利を得てゼルダ姫を狙う。だがマスターソードの力を引き出したリンクによって撃退された。
その後は再びシアに狙いを付け、軍団を率いて攻め込みヴァルガを罠に掛けて撃退。更にはウィズロがガノンドロフ側に付いたことで優位に立つ。
だがシアの下にラナが駆け付けたことで形勢を覆され、ガノンドロフ軍は撤退を余儀なくされた。
シアがリンクたちに倒された後、ガノンドロフは再び胎動を始める。
手始めに闇の世界を彷徨っていたザントとギラヒムの二人を救い出して従え、ゲルド砂漠の魔物たちを打ち倒して支配下に置く。そこを拠点にトライフォースの強奪と世界征服に向けて動き出す。
ラナを捕らえて力のトライフォースを取り戻し、続けてリンクとゼルダも倒してすべての聖三角形の力を手中に収めた。そしてハイラルの大半を魔物で埋め尽くした後、再び姿をくらませる。
このため歴代のガノンドロフでも「ハイラルの征服」を実質的に成し遂げたことになる。
しかしリンク、ゼルダ、ラナといずれもトドメを刺すには至っておらず、これが最大の敗因となる(見逃したのか逃げられたのか説明がなく、どうやってリンクたちが窮地を脱したのかは不明である)。
ラナの召喚術によって異世界の仲間たちが呼び出され、ゲルド砂漠の拠点を落とされてしまう。ギラヒム、ザントは討たれ、勢いをリンクたちに根城とするガノン城(ハイラル城)まで進軍される。
最終決戦ではガノン城を利用した儀式を行い、大幅なパワーアップを果たしてリンクたちの前に立ちはだかる。一方でトライフォースの力の覚醒が近いことを匂わせている。
口ぶりからして世界を統べるだけでは飽き足らず、並ぶ者のいないほどの、まさに無双の『力』を得ようとしていたようだ。
リンクに敗れるとトライフォースの力を覚醒させ、哄笑と共に魔獣ガノンへと変貌。
「我はガノン…かかって来い…ハイラルの者ども!」
外見は『トワイライトプリンセス』に登場したものをベースに手甲や両肩の角などを加えたような姿になっている。また『時のオカリナ』とは異なり理性を保っており普通にしゃべる。
他ボスの特徴を併せ持ち、マシンガンや魔法弾、突進、大ジャンプ踏みつぶしと多彩な行動パターンを持つ。倒し方は少々面倒臭く、再現したボスの攻撃中に、そのボス弱点となるアイテムで攻撃する必要がある。すべての部位を破壊すると攻撃方法が変化し、突進や雷など苛烈な攻撃を繰り出すようになる。突進や一部の攻撃の後に額が光るので、そこに弓矢で攻撃することでウィークポイントが出現するので全力で攻撃するべし。
移動の際は四足歩行だが体型は他作品同様に上半身が大きいため、前脚は腕としても使用する。
けれど所詮は借り物の『力』。リンクとその仲間たちが持つ『絆』には及ばなかった。
メインストーリーでは絶対的な力を持つ自分がリンクたちの「諦めない心」の前に追い詰められ、動揺を露わにする。
その後、光の矢で勝機を掴んだリンクに敗れ、それでも立ち上がろうとする。直後、リンク、ゼルダ、ラナの手にトライフォースが戻り、聖三角形の力によって裁かれ再び魂の欠片へと戻された。その後、リンクとゼルダがマスターソードを台座に戻したことでガノンドロフもまた完全に封印された。
ケイデンス・オブ・ハイラル
オクターヴォがハイラルを乗っ取ってまで対抗手段を探していた真のラスボス。
未来のハイラルを支配しており、完全に理性を保っている。
ガノンは未来にいるためケイデンス、リンク、ゼルダは時空を越えて未来へと向かうこととなる。
先行して討伐にやって来ていたオクターヴォを打ち倒した後、主人公3人と戦いとなる。
音楽の才に優れ、リンクたちの攻撃が届かない上層でオルガンを演奏し数多の魔物を召喚する。時々リンクたちを踏みつけに下層に降り、破壊すると麻痺するバリアで身を守っている。
ある程度ダメージを与えると床に三角形のマークが3つ現れるので、そこに3人を移動させればトライフォースの輝きでガノンを消滅させて勝利となる。
知恵のかりもの
冒頭にてゼルダ姫をクリスタルに閉じ込めて幽閉していたが、リンクとの一騎討ちに敗れ消滅した。しかし、ガノンが遺したトライデントが謎の裂け目を発生させ……。
実は今作には真の黒幕がおり、ガノンはその黒幕によって生み出された強大な魔物と言う設定となっている。その為、今回のガノンは作られた存在であり、従来の盗賊団の首領=ガノンドロフがトライフォースの力で変貌した魔王ではないと思われる。