ティアーズオブザキングダム
てぃあーずおぶざきんぐだむ
翔ける、創る、紡ぐ。
果てなき冒険は、大空へ広がる。
2023年5月12日にニンテンドースイッチで発売された『ゼルダの伝説』シリーズ本編作品の第19作目。
前作『ブレスオブザワイルド』の直接的な続編。
過去にも同じリンクが主人公となる作品はあったが、同じ舞台で改めて冒険する続編は本作が初となる。
また、ガノンドロフ本人が『トワイライトプリンセス』以来の登場となる為、(スマブラを除けば)『トワイライトプリンセス』以来となるリンク・ゼルダ・ガノンドロフの三人が登場する作品となった。
再会したゼルダとリンクの活躍により厄災ガノンを封印し、復興への道を歩んでいたハイラル王国。
しかし、ハイラル城地下から湧き出すようになった瘴気により体調を崩す者が多発しており、ゼルダとリンクは地下の調査へ向かった。
そこでゼルダ達が目にしたのは、滅んだとされる「ゾナウ族」に関係する遺跡群、ハイラル王国建国前からの歴史が描かれたとみられる壁画群、そして謎の「手」に押さえつけられた異形のミイラだった。
ゼルダ達がミイラに近づくと突然大量の瘴気が噴き出してリンクに襲いかかり、リンクの右腕と、手にしていた退魔の剣マスターソードはボロボロに朽ち果ててしまう。
ゼルダとリンクの名をなぜか知るそのミイラが更に瘴気を強めると、ハイラル城は一帯の地面もろとも宙へと浮上し禍々しい姿に変わり果てた。
リンクは気を失いながらもミイラを押さえていた謎の手に助けられ一命をとりとめるが、ゼルダとミイラは奈落の大穴へと落ち行方不明となってしまった。
そしてこのときハイラルの世界は、空から全土へ謎の遺跡群が降り注ぎ、所々に大穴が空き瘴気が吹き出す"天変地異"に見舞われていた。
リンクが目を覚ますと、ハイラル上空に浮かぶ遺跡の上だった。
そしてハイラル初代国王と同じ名を持つ''ラウル''という青年に出会い、「右腕」を譲り受ける。
再び離れ離れとなったゼルダを見つけるため、リンクは新たな「右腕」の力を駆使して、道なき冒険に再び身を投じる…。
主要登場人物
CV:高梨謙吾
主人公。ハイラル随一の剣士。今作では右腕とマスターソードを失う。
CV:嶋村侑
ハイラルの姫。フィールドワークのために髪をバッサリと切った。
CV:高口公介
封印されていた魔王。瘴気であらゆる武器を朽ちさせた。
CV:各務立基
リンクに右腕を託したゾナウ族の青年。初代ハイラル国王。
CV:甲斐田裕子
ラウルの妻。すなわち、初代ハイラル王妃。
異変解決の仲間
CV:森夏姫
リト族の少年であり、前作で共に戦ったテバの息子。英傑リーバル同様風を起こせるように。
大寒波に襲われた村を救うべく奔走する。
CV:小堀幸
前作で共に戦ったゴロン族の若者。英傑ダルケルの子孫。
新たに採掘されたおいし岩で町おこしを始めるが・・・
CV:大西弘祐
前作で共に戦ったゾーラの里の王子。英傑ミファーの弟。
婚約者を迎えるも、空から振ってきたヘドロに手を焼く。
CV:櫻庭有紗
前作で共に戦ったゲルドの族長。英傑ウルボザ同様雷撃を放てるように。
砂嵐と魔物に襲われた街を救うべく奮闘。
CV:野中民美代
ゾナウ族の女性でラウルの姉。勇者のためにあるものを遺したらしい。
シーカー族
監視砦のまとめ役。
前作では幼児の姿だったが年齢調整に成功し、大人の姿で登場する。
プルアパッドの開発者で今回もリンクをサポートしてくれる。
CV:津田匠子
プルアの妹。ゼルダを探すべく地上絵の探索に乗り出す。
インパから族長の務めを引き継いだ。落ちてきた遺跡を村おこしに活用する。
実は生きていたイーガ団総長。今作もリンクを執拗に狙う。
その他登場人物
カカリコ村に落ちてきた遺跡調査を任された、ウオトリー村の青年。
コログの森に鎮座する大精霊。今作でもマスターソードに関して教えてくれる。
コログ族。前作からパワーアップした踊りでポーチを拡張してくれる。
前作で共に戦ったリト族の戦士。今作では族長を務める。
シドの許嫁。リンクのことはシドから聞いていたらしい。
ゾーラ王。今回は空から振ってきたヘドロに侵され身を隠している。
ルージュの側近。街は男子禁制だがリンクはルージュの戦友ということで許可。
シロツメ新聞社のリト族の記者。リンクを相棒とし各地に蔓延るゼルダのウワサの調査を行う。
イチカラ村にあるエノキダ工務店の社長。今作では妻のパウダとの間に娘を授かっている。
ハイラル各地に看板を立てているエノキダ工務店の従業員。
各地の馬宿を巡るウマナリ楽団の団長。大妖精のために奮闘する。
魔物が好きな商人。今回は魔物を広める活動をしている。
キルトンの弟。サトリという不思議な生き物に魅せられている。
- 大妖精(テーラ、シーザ、クチューラ、ミジャー)
防具の強化をしてくれる4姉妹。天変地異が起きてから引き篭ってしまっている。
馬の神様。今作では馬の蘇生以外に、馬の能力を強化してくれる。
空島近くを周遊する謎の龍。
根幹のゲームシステムは前作と同様。
素材や道具を調達し、バトルや冒険を重ねて次の素材を得る…という、高い自由度で好評を博したサバイバル要素は今作でも健在。
しかし、今作のシステムは前作に比べ「創造」に重きが置かれており、プレイの自由度が飛躍的に増している。
ラウルの右腕
今作の目玉と言える新要素。
瘴気に冒され朽ちてしまったリンクの右腕に代わって移植された「ラウルの右腕」に新たな能力を宿し、これを駆使して冒険を進めていくことになる。
特定の物体を自由に移動・回転させることに加え、複数の物体どうしを自在に接着・分離できる能力。
範囲がやや狭い以外は前作「マグネキャッチ」のほぼ上位互換。
一部の敵相手にはこの機能を直接駆使して闘うことになる。
所持する武器・盾に対して、素材・他の武器・オブジェクト・ゾナウギアなどあらゆるアイテムを1つだけ結合させる能力。
威力増加、耐久増加、属性付与などの様々な効果がもたらされるが、結合したアイテムの復元は基本的にできない(有料の分解屋に頼んだときのみ復元可能)。
真上にある「天井」をすり抜け、その上まで移動する能力。
動くリフト、木箱や鉄ブロック、さらにはイワロックやブロックゴーレムなど固形物を操る敵の頭上もすり抜け可能。
指定した物体の時間を一定時間巻き戻す能力。構え中は時間が停止するので操作も楽。
かなり遠くの物体も指定できるが構えている間カメラワークは動かせない。
ウルトラハンドで組み立てた物の設計を記憶し再現する能力。
十分な素材を用意した上で発動すれば前回作ったままの作品が再構築されるが、パーツの不足分はゾナニウムを消費することで代用可能。
各地に点在する設計図を手に入れる事で新しく再現するものが増えていく他、プレイヤーが独自に作った物も最大8個まで履歴を保存可能。
盟約
メインチャレンジを達成することで獲得でき、前作の英傑の加護にあたる要素。
使用することで対応した賢者を呼び出し、戦闘に参加させることができる他、それぞれの賢者が持つスキルを発動できる。
- 風の賢者チューリとの盟約
リンクの前方に強力な突風を発生させる。パラセールの移動に役立てたり、軽い敵を吹き飛ばすことが可能。
戦闘はオオワシの弓を使った遠距離専門。高速の矢を3連射する。
ヘッドショットを決める割合が極めて高く、遠くからチクチク攻撃できるのがかなりの強み。
- 炎の賢者ユン坊との盟約
リンクの指定した方向に炎をまとって突撃する。鉱床や岩盤の破壊に使える他、炎属性に弱い魔物にもある程度有効。
一部ボス相手にはこの能力がほぼ必須となっている。
戦闘では巨岩砕きを思いっきり振り下ろす。動作がかなり遅いが、威力が高いパワータイプ。
ただし発生が遅いのが災いして、動きが素早い魔物などにはなかなか当たらない。
- 水の賢者シドとの盟約
リンクに一定時間水のバリアを張る。この時に武器で攻撃すると水の刃となって魔物を攻撃できる。
また猛暑や灼熱の環境にもある程度耐えることができ、水に濡れると強くなるゾーラ武器との相性も良い。
戦闘では光鱗の槍を使った突き攻撃を放つ。連射力が高くリーチが長いためかなり役立つ。
- 雷の賢者ルージュとの盟約
発動すると黄色の輪がルージュを中心に広がっていく。輪の範囲内で放った矢が魔物に命中すると、その場所に雷を落とす。
ダメージがかなり高い他、リンクは感電しない特徴を持つため非常に有能。
戦闘では七宝のナイフを二刀流で扱う。斬撃属性で威力が高く、ガード性能もあり強力。
- 魂の賢者ミネルとの盟約
彼女の依代であるゴーレムを召喚。ゴーレムには搭乗可能で、移動にはバッテリーを消費する。
ただし瘴気の足場などの影響を受けなくなる他、落下ダメージも無効。ライトがあるので暗所でも安心できる。
降りるときにはジャンプするため、弓スローも狙いやすい。
ゴーレムの右手・左手・背中には様々なゾナウギアを装着可能で、多種多様な戦い方ができる。
搭乗していない時は自動で装着したゾナウギアを使って戦ってくれる。また自立状態ではバッテリーを消費しない。
またバリアによるガードも可能で、様々な攻撃を無効化できる。ただし大きすぎるダメージだと破られてしまうので注意。
ゾナウギア
ゾナウ族の技術で作られた特殊な道具群で、日常の物から移動用まで存在する。
一部のゾナウギアはバッテリーを消費することで稼働し、バッテリーが尽きると稼働停止する。
単品のまま便利に使えるものは少なく、ウルトラハンドやスクラビルドで他のものと組み合わせることで真価を発揮する。
世界の複数の場所で製造機が稼働しており、素材と引き換えにカプセルの製造が可能(なおカプセルに入ったものは、一度出したら戻すことはできず、使い捨てである)。
フィールド
今作のフィールドは前作でも冒険の舞台であった地上に加え、空と地底にも広がっており、単純計算で前作の約3倍の広さのフィールドを冒険することになる。
前作と同様のオープンワールド(任天堂の公式な呼称は「オープンエアー」)であり、天空から地下深くまで、ダンジョンを含むほとんどの場所をシームレスで移動できる(例外は祠と渦の中に飛び込むときぐらい)。
- 地上
基本的な地形は前作と同じだが、「天変地異」の結果、様々な変化が起きている。
また、井戸の地下空間や洞窟などが増えている。
- 空
天変地異の影響でハイラルの全地域に「空島」と呼ばれる浮島が大量に出現している。
空島の環境は全体的に黄色い植物とゾナウ文明の遺跡で構成され、空にも祠が点在している。
- 地底
天変地異の際に地上に生じた大穴に身を投じることで侵入できる、瘴気の溢れた暗い世界。
地上と同じ広さを誇り、ゴーレムたちがいる採掘場や廃坑などが各所に存在する。
※シリーズ全体の装備・アイテム達については『ゼルダの伝説シリーズの装備・アイテム一覧』を参照。
「マップ」「ウツシエ」「望遠鏡」の機能を持つ、(どこかで見た外見の)携帯端末。
かつてシーカーストーンが持っていたような特殊機能はないが、マップまわりの機能に関しては順当に進化している。
- ワープマーカー
前作ではDLC限定だったが、今作では標準アイテムとして登場。
マーカーを置いた場所にワープすることができる。
- パラセール
前作でもおなじみのアイテムで、がんばりゲージを消費することで滞空や滑空が可能になる。
また今作では生地の模様を変更することができる。
一部のゾナウギアを動かすときに使用するアイテムで、エネルギーを消耗した場合は手持ちの「ゾナウエネルギー」を消費して徐々に補給できる。
バッテリー稼働のゾナウギアは外部からの攻撃や、スクラビルドで組み合わせた武器・盾の使用でオンオフが切り替わる。
ちなみに、バッテリーの拡張には「ゾナウエネルギーの結晶」を用いる。
- 設計図の石板
右腕の能力「ブループリント」で使用でき、設計図に描かれた物を作成することができる設計図。
一部装備は削除・新たに追加になっているが、前作よりもバリエーションが増えている。
- 舞台を前作と同じハイラル王国にしたのは「あえての選択」だとか。
- 情報の不十分なうちは批評家から使いまわしなどと言われたが、蓋を開けてみれば同じ舞台でありながらも違和感なく全くの別物になるよう仕上げており、新要素の自由度とも相まって全世界のほとんどのゲームメディアで高評価をかっさらった。
- 開発者によれば、むしろフィールドの一新に力を注いでいれば新要素の導入は困難であったとのことである。実際に追加された各種能力は事情通がデバッグの労苦を想像して背筋を寒くさせる物ばかりであり、発売後の大好評を見た現在では、フィールド構築でリソースを節約したのは英断であったとの評価が多い。
- 前作で存在した追加DLCについてはファミ通のインタビューで、プロデューサーの青沼氏が「あの世界の遊びはやり尽くしているため、追加コンテンツの発売予定はない」と回答している。
- 前作と同様バグも確認されておりSNSでは様々なバグ技が紹介されている…が、データが破壊されてしまう可能性がある上に世界観や戦闘バランスも崩壊してしまう為、使用はお勧めしない。前作と比較して遊び方の幅が広がった為かバグについてはむしろ厳しく公式から取り締まられており、増殖バグや想定外の挙動をするオブジェクトはその殆どがアップデートで修正されている。
- 毎日新聞によると前作人気による本作への大きな期待やNintendo Switchハード売上台数も相まって、発売開始3日間の売上が全世界1000万本(日本国内224万本)を超え、3日間の記録としてはシリーズ最高売上本数を更新した。また、「最も早く売れた任天堂ゲーム」として、ギネス世界記録を更新。
- 日本ゲーム大賞2024 大賞&ベストセールス賞を受賞。
- ブレスオブザワイルドの100年前を描くゼルダ無双シリーズの第2作目『厄災の黙示録』から、大人版プルアの容姿などを始めに設定がいくつか本作に逆輸入されている。
- また、次回作である『知恵のかりもの』にて、逆にブレワイ・ティアキンで確立したものの一部を2Dゼルダへ反映させているであろうものも見られる。
作品全体
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