概要
『ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム』のラウルの右腕の能力のひとつ。
アイテム(オブジェクト)同士をくっつけて新しい武器や道具を作ることができ、組み合わせによっては、探索に便利な効果や特性を付与することもできる。
ブレスオブザワイルドから通底しているテーマの一つである自由を象徴する機能である。
前作であった「武器や盾は消耗品扱いで、性能で揃えると同じような装備になりがち」という問題点の克服にもなっている。
これにより、道端にある石ころ1つにも「コログ探索のため持ち上げる」だけではなく、「スクラビルドの材料にする」、「ウルトラハンドで組み合わせる」等様々なカスタマイズができるようになった。
本作では「ガノンドロフから漏れ出た瘴気により、世界中の武器が全部朽ちてしまった」という設定であるため、基本的に手に入る武器はそのままだと心許ない性能となっている。
そのため効率よく進めるならば、強力な武器素材を落とす魔物を率先して狩り、武器と組みわせる必要がある。一応、盾や弓はこの影響を受けていない。
くっつける素材によって、鎌や刀に斧、刀身が炎の剣などビジュアルに長けた武器になることもあればエノキダ盾、キノコ棒などのシュールなふざけた見た目の武器ができることもある。特にハンマーになる素材は基本武器の先端にくっつくことになるので大体不恰好になる(見た目が厳つい王家の両手剣の先っちょに松ぼっくりのような角が付いたハンマー等)
なお現場で瞬時に成形・接着するのがすごいというだけで、武器への補強自体はリンクの専売特許ではなく、人類側も朽ちた武器をなんとか使おうと試行錯誤していたり、魔物たちも先端に何かを取り付けた武器を振るうケースも多い。
ライネルでも瘴気の被害からは逃れられず、雄々しい外見にそぐわぬ粗末な武器を扱わざるを得なくなっている。
しかしながら今作の魔物の攻撃力は魔物の種別に影響を受けるようになっており、低位の武器であっても上位の魔物が握れば大きな火力を発揮する。ライネルの剛腕で振り回されればどんな棒切れだろうが等しく必殺となり、戦闘力は相変わらず。
名前の由来は恐らく「スクラッチビルド」。模型制作においてパテやプラ板などを切り出してイチから造形物を作る改造手法を意味する。特に全ての部位をスクラッチビルドだけ作り上げた造形物は「フルスクラッチ」と呼ばれる。ただ作中におけるスクラビルドは、既存の模型キットの部品を複数用いて一つの造形物を作る改造手法である「ミキシングビルド」に近く、本来のスクラッチビルドに近い行為はゾナニウムという物質を素材として任意の物体を作り上げる「ブループリント」の方だったりする。
詳細
起動するとリンクの付近に落ちている素材を照準し、その状態で攻撃ボタンを押すと現在装備している武器に、防御ボタンを押すと盾に素材が接着される。
弓矢を構えている最中はポーチ内の素材を矢じりに接着することが可能。
武器に接着できる素材は多岐にわたり、拾える素材はもちろんのこと、ゾナウギアや武器、ポーチに入らない敵の破片、更にはリンクより巨大な構造物までもが接着可能。
上述したように今作の武器はほとんどが朽ちてしまって攻撃力、耐久値ともに非常に低い状態となっているため、縛りプレイでもしていないならばスクラビルドは必須である。
威力は武器と素材の合計、斬撃・属性付き・岩特攻といった特性は基本つけた素材の方に置き換え、特殊効果だけベース武器のまま)になる。耐久値の計算については少々複雑なので攻略サイト等を参照のこと。
武器に適した角などの素材は刀身に被さるように接着される(というより元の武器の刀身に置き換わる)ためリーチは大きく変わらないが、武器と武器の接着、ギア、その他構造物は先端にポン付けする形になるのでリーチが優位に変化する。槍に槍でもつけようものならとんでもないリーチが実現する。
攻撃動作は武器に完全に依存しており、どんなに重そうなものを接着しても動作が遅くなることはない。
このため攻撃速度の速い槍の価値が前作と比べて大幅に増加することとなった。
宝石を付けた場合は属性に応じた魔法弾が発射される杖になる。
盾の場合、攻撃的な素材であれば弾く動作に攻撃力が追加されるようになる外、属性素材であれば攻撃を受け止めた際に属性攻撃が発動しカウンターが可能になる。
盾サーフィンの性能も顕著に影響を受け、出っ張った素材ではサーフィンが不可能になる一方、台車やトロッコ、凍結肉など摩擦の少ないものをスクラビルドすると逆に滑りやすくなる。
矢のスクラビルドは敵への命中時(一部は地面への着弾でも)に素材が消滅してしまう。
武器同様に攻撃力が加算されるものの、武器につければ数十回殴れるものを一発で消耗してしまうのはなかなかもったいない気もする。
逆に武器につけたとしても一発で破裂してしまう木の実やチュチュゼリーなどは矢じりとしてコスパに優れていると言える。命中させれば当然素材に応じた属性が発動するためかなり強力。
『キースの目玉』などの目玉系素材を接着すると敵の弱点へ向けて強烈に誘導されるようになり、『キースの羽』などの羽系素材では矢の弾道落下がほぼ無くなりレーザーのように直線的に飛ぶようになる。狙撃に自信がない場合には活用すると良い。
その場で属性矢を作れるようなものなので、前作で登場した各属性矢は今作には登場せず「木の矢」で統一された。しかしながらドロップも統一されて集めやすくなったので、一般的なプレイングであれば意識せずとも不足することは少なくなっている。
ゾナウギアを接着した場合、武器につけると振った瞬間にだけ作動するが、盾につけた場合は構えている間継続して作動する。瞬間効果で構わないのか、持続的な効果がほしいのかで使い分けよう。
火を噴く装置と盾を組み合わせて火炎放射器を作ったり、扇風機と武器で「コログのうちわ」のように攻撃で風を起こす等様々なギミックアイテムを作り出すことができる。
ただしギアつき装備はエネルギーだけでなく装備の耐久も同時にゴリゴリ削るので、使いすぎるとベースの装備ごと壊れてしまうので注意。
この新たなシステムの都合上、前作で多くのプレイヤーが素材狩りや厄災プレイでお世話になっただろう鉄のハンマー、木こりのオノ(達人のオノ)、コログのうちわといった特殊性能を持つ武器は本作では登場せず、スクラビルドで同じ性質の武器を作る形になっている。
一度接着すると接着したものを消滅させることで分解することが出来る。これと岩オクタを併用すると、壊れる寸前で分解→耐久が減った武具を岩オクタに吸わせて耐久力を回復→新たに接着...という具合に武具を使いまわすことが出来る。
更にイチカラ村にいるゴロン族のププンダに20ルピーを支払うと接着したものをそのまま分離してくれる。分離されたものは接着元・接着素材双方とも再度取得することが出来るので、岩オクタと組み合わせることで20ルピーで素材を消費することなく武具を使いまわすことが出来るようになる。英傑武器やハイリアの盾、ダイゴロン刀と言った強力かつ貴重な武具と、ライネル・グリオークなどの強敵の素材を無消費で使いまわせるようになるので一気に戦闘が楽になる。
他にも変わった使い方として、ウルトラハンドで工作を行うための素材を収集するというものがある。遠方にあって持ち運びが難しい構造物や、本来外には持ち出せない祠の中にあるギミック用の装置などを接着して持ち出し、ププンダの所で分解した後はウルトラハンドで自在に組み合わせて...という感じ。
祠の中の装置や構造物は出入りすればすぐ復活するので武具の数さえ揃えればいくらでも持ち出すことができ、プレイヤーの間でゾナウギアを用いた装置開発が一気に加速した。
スクラビルド例
- 武器(槍以外)×石
序盤で行うことになるであろう組み合わせ。尖った石が対象のため、林の近く以外では意外と見かけにくい。
石器時代の道具よろしくオノとしての性質を持ち、木を切りやすくなるほか鈍器を刃物扱いにして草刈りに使うなどもできる。
なお、石以外にもヒノックスの爪やボスボコブリン系統の角など一部の魔物素材も斧の刃になる。
- 武器×岩
シンプルながら恐らく何回か行うであろう組み合わせ。
丸っこい石をくっつけてひび割れ岩や鉱石を壊せる(イワロック系に特攻がある)ハンマーや削岩棒ができる。ただし草木は切れなくなる。
本作では洞窟内にて、至る所に行く手を塞ぐ岩が設置されているため、手軽に壊せるこの組み合わせは非常に便利。
実際長い洞窟だと、配慮のためか錆びた大剣や大石がいたるところに落ちていることも。
岩に限らず硬く刃物ではない素材全般がハンマーの素材扱いになる。
もしかして: 傭兵アーサー
- 武器×宝石
本作の宝石は(ルビー/火、サファイア/氷、トパーズ/雷、オパール/水)と、それぞれ属性の力を有するという設定がギミックとして実装され、武器スクラビルドでくっつけることで魔法の杖として使うことができる。
そこら辺の剣や最悪木の枝ですらも宝石をつければ魔法が出るようになるが、「魔法の杖」系統の武器をベースにすることで前作のメテオロッド等に相当する上位杖ができる。
ウィズローブも必ずしも「魔法の杖」を待つわけではなく、適当な剣に宝石をぶっ刺したロッドをつかっていることがある。
- 武器×コログの葉等
木を切り倒すと出てくるコログの葉それ自体は今作では武器ではなく素材アイテム。
これをスクラビルドすることで前作と同様のうちわを作ることができる。
ボコブリンやゴーレムなど雑魚敵の多くは水に落とせば即死、空島探索中も落とせば事実上撃破なので使いこなすとなかなか有用。
なお、オブジェクトの木の板や帆、ゾナウギアの翼や扇風機でも風をだす武器が作れる。
変わったところでは、水場に冷気を当てることでできる氷床も武器にビルドするとうちわになり、これまた水を凍らせる冷風を放つことができる。
- 武器(両手剣・槍)× 盾
本作ではこの組み合わせのおかげで両手剣と槍でも片手剣と同様に攻防一体の攻撃を行うことができる。
この武器を持った状態で防御すると、盾がついている方を前面に構えて防御体勢をとる。
もちろんタイミングよく跳ね返せばジャストガードをすることも可能。
ちなみに片手剣と盾のスクラビルド武器でも防御できるが、もう片方の手で盾を持っている場合はそちら側が優先されるので、あまりメリットはない。
- 盾×ロケット
ゾナウギアとの組み合わせ。
合体させた状態で盾を構えると、リーバルトルネードのように高く上昇する。
ロケットは発進して数秒ほどで消滅するが、外で作れば多くの祠にも持ち込み可能なのが利点。
盾サーフィンすると横向きにロケットが点火し、一定時間猛スピードで滑ることができる。
- 盾×翼
ゾナウギアとの組み合わせ。
これをつけて盾サーフィンしたところで飛ぶことはできないものの、若干空中にいる時間が長くなる。
具体的には平地からこれで盾サーフィンしても、空中で弓矢を構えられるくらいには伸びる。
操作猶予こそ短いものの、いつでも弓矢をスローモーションで打てるのは中々の利点。
- 盾×属性素材/宝石
盾に属性を持つ素材をつけることで盾にも属性を持たせられる。
防御用の盾に属性は無意味と侮るなかれ、盾パリィで相手に属性攻撃をしたり、宝石の場合は攻撃を防ぐとオートで属性カウンターができたりする。
また、炎と氷は属性武器と同様、気候によるダメージを1段階抑える効果もある。武器や防具に関わらず気候対策ができるので、ポーチに空きがあれば1つずつ作っておくのも悪くない。
- なお意外なことに、盾×盾のビルドは防御力も耐久力も増すなんてことはなくなんの意味もない。
- 矢×魔物の目玉
キースやオクタ等が落とす目玉系の素材に、 矢にくっつけると敵に向かって自動追尾させる というかなり強力な効果が追加されている。
精度も相当のもので、よほど明後日の方向に撃たない限り正確に飛んでいきヘッドショットまでしてくれる。
また魔物の羽は矢の弾速・射程を補強してくれる。龍の素材を得る時など、相手との距離が分からない時・遠くから撃つときになどに便利。
- 矢 × 浮遊石
こちらは即席で足場を作りたいときに有効。
矢を放った段階で起動し、空中に足場を作るため、そこからトーレルーフを使えば登れる。
瘴気魔など、高度を稼げば攻撃できない手合いに重宝する。
またこの浮遊石や放水栓、起き上がりこぼしのような一部ギアをビルドすると打撃属性を帯び、鎧を着た魔物にダメージを通せるようになる。
これらの他にも様々な組み合わせがある