概要
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に登場するアイテムの一種。
高度な文明を築いていたというゾナウ族の技術の中でも、極めて高度な技術が使われている。
それぞれに特定の機能を持たせたユニット式の機械装置というべきもの。
いずれも青緑色の石像のような外見をしており、ゾナウに縁の深い龍の意匠が見て取れる。
空島にはたまに組み上がったものやそのままで落ちていたり、地上でも稀に見かける。また地底には所々にゾナウギアの倉庫のようなものがあり、地底を移動するマシンを作れる。
また、カプセルガチャ型の装置ゾナウギア製造機を使うことでゾナウギアを内包した使い切りのアイテム「ゾナウカプセル」を得ることができ、ギアを持ち運ぶことができる。
武器で叩くなど、衝撃を与えることで起動し現実世界における機械のように動き出す。ただし、動力を持つものを動かすためには後述するリンクの装備品「バッテリー」からのエネルギー供給が必要になる。
また、耐久時間が存在し、一定時間動かし続けると点滅し始め、やがて消滅する。ほとんどのゾナウギアはかなりの長時間(例えば大きなタイヤは約30分)になっているので特に問題にはならないが、「翼」や「熱気球」など飛行能力を持つものは1~2分程度と短めに設定されている。
運用
単体ではあまり活躍が見込めないものの、物を動かしたり、別の物に付け外しすることができる新能力「ウルトラハンド」で、他の物体などと組み合わせて使うことで真価を発揮する。
例えば、フィールドに落ちている木の板と車輪を組み上げた簡単な台車に、後ろに「扇風機」を付けて起動すると、バッテリーが続く限り直進する、簡単な乗り物が作成できる。
滑空が可能な「翼」であれば、「扇風機」や「ロケット」を推進力として取り付ければ飛距離を大きく伸ばすことも出来るだろう。
また、「ウルトラハンド」でゾナウギアを接着した物体に攻撃を加えた場合、それに接着していたゾナウギアは全て一斉で起動する。
これを利用すれば大掛かりなカラクリを作る事もできるし、動力系ゾナウギアを制御できる「操縦桿」のゾナウギアを組み合わせれば、陸海空あらゆる乗り物を作成することすら可能になる。
このように、組み合わせにより無限の可能性を発揮するのがゾナウギアなのである。
また、武器や盾、矢に物や武器を合成し、強化する新能力「スクラビルド」にも対応しており、中には武器と組み合わせる事で非常に有用な効果を発揮するものもある。
バッテリー
本作でのリンクの装備品であり、ゾナウ文明の技術の粋を集めた装置。前作のシーカーストーンと同じ位置に下げて携行している。
3つのパーツから構成されるシリンダー状のバッテリーが、左右に4つずつ、計8つを取り付けられるようになっており、初期のバッテリーは3つ(シリンダー1本分)。
これ以上の強化は各地のゾナウ遺構にいる精錬ゴーレムから購入できる、「ゾナウエネルギーの結晶」を大量に要求される。1つにつき結晶は100個必要。
バッテリーの最大数は45でシリンダー16本分。必要結晶数は4500個だ。
バッテリーを最大まで拡張すると余った結晶を好きなゾナウギアに交換する事が出来るようになる。
一部の動力付きゾナウギアを駆動させる際にエネルギーを供給し、非使用時はエネルギーをゆっくり充填して回復する。ただし、使い切るまでエネルギーを消費してしまうと、完全に回復するまでゾナウギアに動力が送れなくなってしまう。
また、エネルギーを送る事が可能な範囲には制限があり、範囲外に出たゾナウギアはすぐに機能停止するので要注意。離れた距離で動作させたい場合は後述するスペアバッテリーの装着が必要。
アイテム「ゾナウエネルギー」を使えば一目盛り分のエネルギーを即時回復でき、また「大きなゾナウエネルギー」を使えばバッテリー全回復に加えて一定時間、エネルギーの消費が無効化される。
一覧
バッテリーを使用するもの
- 扇風機
- 作中で初めて使うことになるゾナウギア。レンズ型のケースにプロペラが収められている。
- プロペラを回転させることで風を生み出し、水中でもスクリューとして機能する。単純な推進力に利用したり、パラセール用の上昇気流に利用することも可能。下に向けた際の揚力は1個でもリンク一人分程度の重さなら持ち上げることができるくらい強く、複数個組み合わせればヘリコプターのようなものを作れる。
- 上述の推進力に加え、翼などと違って耐久時間が長めに設定されているため飛行装置の作製に重宝される。特に後述の操縦桿1個を土台に、扇風機2個を組み合わせた乗り物、通称「エアロバイク」はコストパフォーマンスと使い勝手に優れた移動手段として有名。
- 起動状態のものや、ブーメランにスクラビルドしたものを投げると奇妙な軌道を描いて飛ぶ。
- 龍の頭
- 火、氷、雷の3つの属性攻撃を行なうゾナウギア。
- 前方に炎、冷気を噴射する「火龍/氷龍の頭」と、真後ろ以外の至近距離に放電し続ける「雷龍の頭」の計3種類がある。それぞれ本作のオルドラ、ネルドラ、フロドラを模した造形が特徴。
- 武器や乗り物に付ける使い方が一般的だが、盾に付けると盾構え時にも起動して反撃できるようになる。雷龍の頭は水につけると電撃を拡散させることができる。矢に付けると各属性を発動しながら飛んで行く。
- ブーメランに付けて投げると炎、氷は広範囲に属性攻撃を振りまきながら飛んでいく。雷は通常は放電範囲が狭いものの、雨天時に投げるとやはり広範囲に放電して飛ぶ。
- 光線の頭
- 前方にレーザーを発射する、一角獣の頭部を模したゾナウギア。
- 瞬間ダメージはあまり高くないが射程が非常に長く、バッテリー効率もそこそこで束ねれば強い。最近は「照射直後のダメージが最も高い」事が発見され、瞬間的にON/OFFを切り替える仕組みを併用した通称「パルスレーザー」も発明されている。
- 武器につけると先端から光線が発射され、射程がすごく伸びる。ブーメランに付けるとレーザーで周囲を薙ぎ払いながら飛んでいく。
- ロケット
- 爆発的な推進力を生み出す砲弾型のゾナウギア。
- 耐久時間は5秒ほどと、ゾナウギアの中でも最短。その代わり推進力や牽引力は凄まじく、足場などにつけて離れた場所に向かう事もできる。
- 盾に付ければ構え時に点火され、垂直に跳び上がる事ができる。垂直な崖や段差、障害物などのショートカットに便利であり、愛好するプレイヤーも多い。
- 武器に付けると純粋に攻撃力が上がるほか、投げると凄まじい速度で直進していく。矢に付けると軌道が直線化し、弾速や射程も大きく強化される。
- 大きなタイヤ
- 力強く回転する動力付きのゾナウギア。
- スピードは速くはないが直径が大きく、軸がバネのように可動するため悪路の走破性に優れる。タイヤの部分に物を張り付けて回転させる機構を作ることもできる。
- 武器につけると打撃効果が付くほか、構えている間タイヤが回転し、接触した敵に小ダメージを与え続ける。
- 小さなタイヤ
- 家具のキャスターのような形状をした、自走可能な動力付きのゾナウギア。
- 平坦な地形でのスピードが速いが、大きなタイヤほど柔軟なサスペンションが備わっていないため、上り坂やデコボコな場所はやや苦手。また、速度が出るため旋回能力もやや悪い。
- 裏返すとベルトコンベアのようになる。
- 放水栓
- 前方に水を噴き出す消火栓状のゾナウギア。
- 水そのものは攻撃力を持たないが、特定の敵が出すヘドロを洗い流したり、溶岩の表面を冷やして石板の足場を作るなど、利用できる場面は案外多い。矢に付けると水を噴き出しながら飛んでいく。
- 雷龍の頭と組み合わせると広範囲攻撃が狙える。
- ライト
- 明かりで暗い場所を照らす電球型のゾナウギア。
- 乗り物用の光源としてはアカリバナをくっつければいいので需要が無いが、アカリバナはブループリントで複製できないのでそこはライトに利がある。
- スクラビルドすることで懐中電灯としては使えるが、武器に付けると振ったときにしか光らないので、盾への装着を推奨。
- 大砲
- 起動すると一定間隔で前方に砲撃を行うゾナウギア。
- 乗り物につけて砲爆撃に使うのが主。着弾地点で派手に爆発するが見た目の割に威力は控えめであるので複数運用が求められる。注意点として、砲弾の爆発はリンク本人も巻き込む。
- 武器に付けた場合は振るうごとに前方に砲弾を飛ばし、「投げる」モーションである程度狙いを付けた砲撃も可能になるため採掘時に重宝する。特に槍に付けたものは連続で敵を吹き飛ばせるが、バッテリー消費も凄まじいので注意。
- 矢に付けると着弾地点で爆発するが、同効果を持つバクダン花に比べ威力で勝り、高熱下でも誘爆しないため便利。
- 起き上がりこぼし
- 起動すると強い力で直立するだるま形のゾナウギア。
- 接着した物体の重心を無視して、地面との並行を保つ機能も持つ姿勢制御装置。不安定な足場を安定させたり、起き上がる力を使って投石器のような機構を作る事ができるほか、1輪車などの不安定な乗り物や自動戦闘ロボの転倒防止にも活用できる。
- 浮遊石
- 駆動すると重力の影響を受けずに空中に留まる、四角い台座型のゾナウギア。
- ロケット等と組み合わせてジャンプで届かない場所に向かうのに便利。矢に付けると一定距離飛行後、起動状態のまま空中に設置される。連射能力がある弓では展開できず消えてしまう事がある。
- 追跡台車
- 感知した魔物を追尾して自動走行する、クローラーつき台車のゾナウギア。
- 攻撃用のゾナウギアを接続することで自走式砲台を作れる。武器やトゲの板など、攻撃判定のある物を全面に取り付けて体当たりさせる戦法も有効。
- 盾に着けた場合、悪路でも一定時間自在に盾サーフィンができるようになる。
- ゴーレムの頭
バッテリーを使用しないもの
- 携帯鍋
- 鍋とコンロが組み合わさったゾナウギア。
- 横倒しになったり上下が逆でなければ、使い切りの料理鍋として機能し、火元を内蔵しているため雨天でも使用可能。ただし、一回料理すると消えてしまう。
- 実は鍋とコンロ部分は分離、浮遊しており、多少の傾斜でも調理ができるようにある程度可動している。この仕組みを利用して、最近では調理よりもジョイントやサスペンション代わりに使われる事が多い。
- 実は料理するとバッテリーが全回復する仕様がある。
- 翼
- 鳥を模した、グライダー状の滑空用ゾナウギア。
- そのまま出しても飛べはしないが、うまく滑らせるなどで勢いを付けると飛ぶことができる。ただし一定時間以上使い続けると消滅してしまうので注意。扇風機やロケットといった推進機器を付ければ飛距離が増える。
- 武器に付けると投擲時の速度、飛距離が大きく上がる他、盾に付けると盾サーフィン移行時のジャンプ高度が高くなり、平地でも弓の空中射撃による集中状態を発動できる。
- 熱気球
- カゴの付いた気球型のゾナウギア。
- 真下に炎がある場合、浮力を発生させて空へ浮き上がる。これも一定時間で消滅する。
- 直火に松明や焚き火を置いたり、火龍の頭を組み合わせて使用することで空を飛べる。物を運ぶのにも便利。また、浮き上がる速度は火の勢いにも影響される。
- タイマー爆弾
- 金色の球体状のゾナウギア。起動時には信管のような円柱パーツが飛び出す。
- 衝撃を与えることで起動し、しばらくした後大爆発を起こす。爆弾だが高熱環境でも自爆は起こさないものの、威力は控えめ。爆風が当たったゾナウギアを起動させる効果もある。
- 盾に付けて盾サーフィンを行うと即起爆し、リンクを上空へと打ち上げてくれる。矢に付けると着弾地点に落ちてから起動する。
- 操縦桿
- セグウェイのハンドルのような形状のゾナウギア。近づいて「そうさ」のコマンドを行うとリンクが乗り込む。
- ゾナウギアで組み立てた機械に設置すると、「そうさ」でバッテリーを使うゾナウギアを一括で起動できるようになる。またタイヤや翼、プロペラなどの進行方向もコントロールできるため、乗り物作りに欠かせない。
- Bボタンで下りることができる他、操縦桿自体が大きく傾くとリンクが滑り落ちてしまい「そうさ」状態が解除されてしまう。
- スペアバッテリー
- 緑色に発光する円筒タンク状のゾナウギアで、一定のバッテリー消費を肩代わりしてくれる。
- 蓄積されている容量は中身の減りで確認でき、使い切るとその時点で消滅する。スペアバッテリーが残っている間はリンクからのエネルギー供給に依存せず動作が継続できるので、自動戦闘ロボやミサイルなどには必須となっている。
- これ自体に重量があるため載せる際はバランスに注意。
- 大容量バッテリー
- より容量の多い大型のスペアバッテリー。
- 唯一製造機で入手できないゾナウギアであり、入手方法は限られるがその分容量は桁違い。カプセルは上等のブロックゴーレムから入手可能。
- 杭
- ウルトラハンドで持ち上げている間、尖った先端を地面や壁にめり込ませる事が可能なゾナウギア。
- 地面や壁に突き刺すことで足場の作成や、物作りの起点にできる。
- 何かと持て余しがちだが、実は武器に付けると採掘効果を付与できる。ハンマーを切らしたときにどうぞ。
- バネ
- 起動すると上部が勢いよくバネで飛び出す、台座型のゾナウギア。バネを複数付けることで飛距離を伸ばせる。
- 物体を打ち出す力はかなり強く、これを組み合わせてリンクを天高くまで射出する装置、通称「ミニ鳥望台」はエアロバイクと並ぶ便利装置として有名。料理鍋のようにサスペンションとしての使用もできるが、サイズが大きいためやや扱いにくい。
- バッテリーは消費しないものの、内部的には他のバッテリー使用ギアと似たような処理がされている模様。
- 上記の「操縦桿」をつけると、「そうさ」する毎にバネの展開・収納が切り替わるため、乗り物に変形機能をつけることもできる。
- 盾に付けると攻撃した相手を弾き飛ばす他、盾サーフィンで空高く跳躍も可能。ただしサーフィン時にバネは消滅してしまう。
- 台車
- 小さな車輪のついた板状のゾナウギア。これ単体には動力が備わっておらず、動力として別のゾナウギアが必要。
- うまく滑らせないと揚力が得られない「翼」のゾナウギアも、これを下部につければどこでも飛ばしやすくできる。
- 盾に付けた場合は盾サーフィンでの移動能力を大きく上昇させる。
- ソリ
- 裏面の摩擦が少ない構造のゾナウギア。
- 砂漠や草原、雪面を滑る事ができる。操縦桿を付ければ方向転換が可能。
- 盾に付けた場合は砂漠などに限り、台車と同様の盾サーフィン強化が発揮される。流砂に巻き込まれたら取り合えず出そう。
- 鏡
- 光を集めて反射するゾナウギア。盾に付けて明るい場所で構えれば目眩しにも使える他、一部のギミックを解くカギにもなる。
番外編
ゾナウギアではないが、ハイラル各地には破魔の祠での謎解きのギミックとして、特殊な性質の物体や装置が置かれている事がある。
これらは「スクラビルド」で武器にくっつけると外に持ち出す事ができ、イチカラ村の分解屋で武器から外してもらえば「ウルトラハンド」で操作や接着もできるようになっている。
また、祠の外にもウルトラハンドが使える特殊な形のオブジェクトが存在しており、これらの性質を活かしてゾナウギアと併用するプレイヤーも多い。
以下に代表的なものを紹介する。
- バッテリー
- 破魔の祠に配置される事がある円筒状の装置。
- ゾナウギアのバッテリーとは異なり、蓄えた電気を金属や装置に通電させる性質を持つ。また、電気を帯びた素材や「雷龍の頭」の放電を当てることで充電も可能。
- 一部が透明になっており、蓄えられた電力量が目で見て分かるようになっている。
- モーター&プロペラ
- 破魔の祠に配置される事がある装置。
- モーターはバッテリーと同じく電力で動く仕組みで、回転力が強い。謎解きでは蓄電したバッテリーを使って起動させるが、「雷龍の頭」で直接電気を流しても作動する。
- プロペラはモーターのシャフトに接着することを想定した部品で、モーターで回転させると扇風機のゾナウギアよりも強力な気流を発生させる。
- 推進力も扇風機より上であり、大型の飛行機を作るときに使われる事も。
- 浮き、浮き板
- 破魔の祠に配置される黄色い大型の球体と板。強い浮力があり、水に浮く。
- 強い浮力を活かし、水上の乗り物を作る際に役立つ。
- 遺跡片
- 各地に落ちてくる空島の破片や、空島の一部に配置されているブロック状の遺跡の一部。
- 中にはウルトラハンドで扱えるものとしては最大のサイズと重量を持つものがあり、グリオークにすら通用する質量兵器として活用できる。
- ボート
- とある小島の浜辺に漂着している木製の小船。
- 充分な浮力があり、転覆もしにくいため船の基礎に最適。
- 浮遊足場
- 空島に設置されているブロック状の足場。浮遊石のように空中で留まり続ける性質がある。浮遊石と違い「バッテリーを消費しない」「プロペラ1個の推進力でも動かせる」という特徴がある。
- 大型の飛行装置に使えるが、初期配置から水平方向へ半径500前後の移動範囲制限があるらしく、その範囲を超えると消滅してしまう。
- 一方で上下方向への移動制限はないようで、さらにバッテリー切れによる落下も無いため、バッテリー未強化でも休憩を挟みながら上昇し続けることが可能で、極論これを使えばどの空島へも地上から直接アクセスできる。
- ただし、空島にしか存在せず(スクラビルドも不可)、大きさ故か利便性故かブループリントで再現しようとするとゾナニウム100個という莫大なコストを支払うことになる。
余談
『ティアーズオブキングダム』における大きな魅力の一つであるゾナウギアだが、その自由度の高さゆえに、前作でありとあらゆる楽しみ方を模索してきたプレイヤーたちの目に止まり、瞬く間に彼らの格好のおもちゃになった。
詳細は「ゾナウ工作」の項目を参照。
関連タグ
メタルギア:語感が似ている「核搭載二足歩行戦車」の総称。案の定これをゾナウギアで再現する試みをしたプレイヤーは当然いた。